inti-solのブログ

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2019.04.10
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テーマ: ニュース(96528)
カテゴリ: 医療・衛生
以前に、長谷川豊という元アナウンサーがブログで「自業自得の人工透析患者なんて、全員実費負担にさせよ、無理だと泣くならそのまま殺せ!」と暴言を吐く騒動があり、当ブログでも記事を書いたことがあります。

自業自得の透析患者、ですか

その言い分は、まったくロクでもないものでした。が、彼自身が実際に医師として透析患者に対して直接的な不利益を与えたわけではありません。また、その発言によって彼は出演していたすべてのテレビ番組を降板するという制裁を受けました(ただし、更にその後、長谷川は維新の会の選立候補予定者となり、もしも当選した場合は、国政の場において透析患者に直接的利益を与えかねない立場になるかもしれません)。

さて、しかしその後、透析医療の現場で、透析治療を中止して死者も出る事態が起こっているとの報道がありました。長谷川の発言は(選挙に当選しないうちは)いちニュースキャスターの暴言に過ぎませんが、実際に病院でそのような事態が起こっているとなると、その深刻さは長谷川の暴言をはるかに上回ります。

透析中止で患者死亡 説明記録確認できず 都が病院に改善指導
東京の公立福生病院で、44歳の女性患者の人工透析が中止され、その後、死亡した問題で、東京都はこの女性への説明が十分に行われたかどうかを確認できる記録が残されていないなどとして、9日、病院に対し、文書で改善を指導しました。
この問題は去年8月、東京 福生市の公立福生病院で、腎臓病を患っていた44歳の女性の人工透析の治療が中止され、女性がおよそ1週間後に死亡したものです。
東京都は先月6日に病院に立ち入り検査を行い、人工透析の中止について、患者への説明が適切に行われていたかなどについて調べていました。
都の調べで人工透析の中止を決めたあとでも、本人の希望で、いつでも撤回できることについて、この女性に説明を行った記録などが確認できなかったということです。
また、この病院では人工透析を行わなかったり、中止したりして、その後、死亡した患者が、平成25年4月から立ち入り検査に入った日までに、44歳の女性を含めて24人いたことがわかりました。(以下略)

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この事態が表面化したのは先月のことでしたが、どうもわたしに余裕がなくて(今も余裕はないけど)、その上楽しい沖縄旅行の記事と重なってしまい、後回しにしたままになっていました。

わたしの個人的見解としては、本人の積極的な意思の元での延命治療中止は、ありえると思っています。ただ、引用記事に触れられている女性の場合は、そもそも末期状態ではなく、透析を続ければあと数年は生きられる状態だったとされています。また、いったん透析の中止を希望したあとで、「こんなに苦しいんだったら透析をやめなければ良かった」という趣旨の訴えがあった、とも報じられています。これらの点を総合して考えると、治療中止が本人の自発的な意思とは考えにくいし、いずれにしても治療再開の希望を示唆していたのにそのまま治療せずに死亡に至ったという点で、問題は大きいように思います。
もちろん、それ以外の24人の中には、様々な例があったかも知れません。本人の自発的意向どおりの例も、少なからずあったかも知れません。

ただ、透析治療は、基本的には通院で行われます。週に3日通い続けるのは結構大変で、時々通院をバッくれる患者がいて、放置すれば確実に死んでしまうので、病院から本人や関係者に必死で連絡を取る、ということは時々あると聞きます。1日遅れくらいなら、通常はさほど深刻な問題はありませんが(元々、透析が週3回ということは、毎週一回は中二日の時がある)2日遅れになると、命に関わってくるので、病院も慌てるようです。逆に、今回の報道で、透析を中止してからなくなるまで1週間という話には、案外長くて驚きました。もちろん、これはその人の病状や体力によりけりでしょう。別の疾患を持っている人が、何かの事情で気分を害して1日透析を拒絶し、翌日には気が変わって透析を受けたものの、数日後に様態急変して亡くなってしまった、という例を聞いたことがあります。
本題に戻りますが、多くの透析患者は、通院で透析にかよっています。ということは、本気で自発的に延命治療中止を望むなら、本人が通院を放棄してしまえば済んでしまうのです。世の多くの良心的な医療機関は、必死で本人に連絡を取って翻意させようとするでしょうが、首に縄をつけて病院に引きずってくることはできませんから、本人の意志が変わらなければ、あるいは連絡が付かなければ、それまでのことです。具体的にそのような例は知りませんけど、おそらく実例は多数あるでしょう。

したがって、透析治療の通院をちゃんと続けている時点で、本人には生き続けたいという意志はあるはずです。そのような状況下での治療中断は、多かれ少なかれ、本人の自発的意志というよりも医師あるいは医療機関の側が誘導したのではないかという疑いを抱かざるを得ません。
その経緯や状況は人それぞれかもしれません。しかし、もう後は苦しむだけ、という末期的状況ではなく、適切な治療を行えば、あと何年か、寝たきりではなく生きられる人、本人の治療中断の意志も揺れ動いて明確ではない人の治療を中断して死に至ることは、私は医療の本道からは外れた選択であるように思えてなりません。





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最終更新日  2019.04.10 22:19:23
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