inti-solのブログ

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2024.07.01
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テーマ: ニュース(99449)
カテゴリ: 戦争と平和
「軍事オタク」が専門家から全く相手にされない3つの理由 元海上自衛官が冷静に分析する
防衛省自衛隊のマニアは多い。民間の立場から軍事分野に趣味的な興味を向ける愛好家である。インターネットの普及により近年ではマニアによる軍事問題の主張も目立つようになっている。
しかし、専門家はマニアには冷淡である。
・自衛隊の当事者
・関連領域の研究者
・新聞ほかの専門記者
のいずれも「話は聞くだけ無駄」と相手にしていない。
なぜ、専門家は軍事マニアを忌避するのか。
現実と乖離しているからである。公式発表をうのみにし、細部にばかりこだわり、社会的制約を無視した空中楼閣の話しかできないからだ。
軍事マニアは公式発表を正解と信じてうのみにする。そのため、政府自衛隊の「誘導のとおり」に正確に間違える。
しかし、公式は正解とは限らない。軍事なら秘密保持のためにうそをつく。軍艦大和の大砲は公式では40cmであった。~またうそではないが本当でもない話もする。酸素魚雷の酸化剤は「第2空気」であり、対空砲弾の近接感知機構は「魔法信管」としていた。
組織にとって都合が悪い話も隠す。防衛省自衛隊の場合はそれが多い。うそはあまりいわない。本当でない話もそれほどにはしない。ただ、反発や摩擦が予想できる話では緘黙する~
第二は、「抽象化できない」ことである。
軍事マニアは細部ばかりにこだわる。捨象の上でマクロの視点からの観察はできない。そのため、細部だけは正確だが「全体としてとんちんかん」となる間違いをする。
入り口の多くは模型趣味・写真趣味である。~
第三は、「社会の仕組みがわかっていない」ことである。
防衛行政もまた社会的諸条件の制約を受ける。安全保障政策として見ても政治の一要素でしかない。当然ながら社会保障政策や教育政策ほかの行政分野と資源配分で競合する。平時なら予算等で後回しになるのも仕方はない。これは専門家でなくてもそのように考える。
しかし、軍事マニアにはその観点はない。制約は“推し”である自衛隊を強化する上での障害と見て憎悪する。~

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筆者の文谷数重氏は海上自衛隊元三佐だったか、幹部だった方で、「墨田金属工業日誌」というブログを開設しています。元自衛官(それも幹部)として月刊「軍事研究」誌に頻繁に寄稿する一方で、岩波「世界」(熊谷編集長の時代)にも寄稿、またしんぶん赤旗(日曜版)にもインタビュー記事が掲載されるなど、元幹部自衛官の立場での「ポジショントーク」ではない評論活動を行っています。

元々右派的な考え方に親和性がなく、また軍事マニアに対しても反感があるのでしょう。(軍事マニア一般もそうですが、より具体的に、Jで始まるアルファベット3文字氏と、その取巻きに対する反感が、特に強そうです)遠慮会釈なく攻めたてる姿は、ちょっと・・・・・
小気味よさを感じます(笑)

「マニア」と「本職」の間には大きな境界があるし、「本職」はマニアを好意的には見ていないのは、軍事に限った話でもないでしょう。鉄道会社が従業員採用に際して、もっとも避けたいと考えるのは鉄道マニア、という話もあります※。

※実際には、鉄道にまったく興味がない人が鉄道会社の就職を希望する割合は低いと思うので、この話の真偽の程は定かではありません。実は私は高校生の頃「鉄研」に入っていたのですが、やはり鉄道会社に就職した部員はいました。なので、これはあくまでも「度を越した」マニアのことではなかろうかと想像しています。

採用云々はともかく、一部の熱狂的過ぎるマニアが鉄道会社から嫌われていることは歴然としています。
おそらく他の多くの分野で同様の傾向はあるでしょうし、自衛隊と軍事マニアも同様でしょう。
かつて、 チリ海軍の帆船エスメラルダ号が来日したとき、それを見に行ったことがあります。 その隣に海上自衛隊の護衛艦が停泊していて、そちらも一般公開をしていたのですが、その際マニアの男性が、案内係と思しき自衛官に「護衛艦の艦番号は何番から何番までが云々」と滔々と語っていたのを思い出してしまいました。
その自衛官がどんな表情、態度だったかは記憶にありませんが、腹の中では「面倒臭い奴だなあ」と思ったんじゃないでしょうかね。

ただ、軍事マニアは他の分野のマニアとは、若干違う面もあります。それは偏愛を容易に主義主張に転化してしまいがち、ということです。
アイドルマニアやアニメマニアが高じても、なかなかそれが政治的主張になることはありません。そこから転じて「表現の自由が」となる場合はあるにしても、直接的に「アニメの敵は反日勢力だ」ということにはなりません。
興味の対象が基本的に公的組織とその所有物であることが原因でしょうし、自衛隊の是非自体が政治的な対立点であったことも一因かもしれませんが、軍事マニアだけが「俺たちの自衛隊を貶す奴は反日だ、国家の敵だ」となるわけです。

中には、引用記事が指摘するように、自分たちの「推し」の武器が削減されるというだけで、吹き上がっちゃったりするマニアもいます。予算は無限ではない、あれおこれも買うことはできない、という当たり前のところを理解しようとしないわけです。
私は防衛費増額自体に反対ですが、仮に増額を是とするとしても、青天井にいくらでも増やせるわけではない、他の予算を簡単に減らせるわけではない(防衛費とその他の予算でも、防衛費の中である装備の調達予算とその他の装備の調達予算でも同じ)、程度のことは常識として判断できるはずです。例えば超高価なオスプレイを大量買いすれば、それ以外の在来型ヘリコプターを購入する予算は(パイロット要員の人数も)なくなる、当たり前のことです。
しかし、それを理解しようとしないのがマニアのマニアたる所以でしょう。
「技術的に可能」と「政策的に実現可能」はイコールではない、というところを理解しないという話も、まったくそのとおりと言うしかありません。

他のどんな分野でもそうですが、他人に迷惑を及ぼさない範囲でささやかに趣味を楽しむマニアは、取り立てて否定するものではありません。前述のとおり、私自身、高校生のことは鉄道研究会に入っており、「鉄道マニア」の尻尾くらいのものではありました。フォルクローレやラテンアメリカの偏愛、あるいは山登とか鳥撮影も、「マニア」と言えば言えないものではないと思っています。
ただ、やはり異論に対する全否定、批判者に対する攻撃性、それを仲間内でやるならまだしも、マニアの輪の外にいる人間に対しても刃を向けたり被害を与えるとなると、やはり「害悪」と言われても仕方かないものであろうと思います。

というわけで、文谷さん、胸がスカッとするから、もっとやれ!!!!と、思ってしまう私なのでした。





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最終更新日  2024.07.01 19:17:08
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