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自民党総裁選挙立会演説会のテレビ中継を見ていましたが、国民不在の派閥権力闘争でしかありません。型通りの抽象的な演説のみで、権力欲求のみで意味をなさないマニフェストにもがっかりです。結局はポストの密約・選挙応援便宜など、政権担当森派・山崎派の脅しとすかしに、橋本派及び他の派閥が雪崩を打って降伏していると言う従来型の自民党となりました。小泉首相は派閥に囚われないと言っていますが、支援部隊が派閥活動しか生き甲斐の無い森喜朗なのですから、何をか言わんやです!「うたてしやな」と思い、曲解も兼ねた「徒然草」解釈を今風にして見ましたので、ご覧ください。徒然なるまゝに、日暮らし、硯に向かいて、心に移りゆく由なし事を、そこはかと無く書きつくれば、怪しうこそものぐるほしけれ。古の聖の御代の政をも忘れ、民の愁い、国の損なわるを知らず、万にきよらを尽くしていみじと思い、所せきさましたる人こそ、うたて、思う所無く見ゆれ。世の人の心惑わすこと、色欲には如かず。人の心は愚かなるものかな。逐次解釈:することも無い、もの侘びしさの任せて、一日中硯のある机に向かって、心の中に移りゆく、とりとめの無いことを、あてども無く書いていると、妙に馬鹿馬鹿しく感じられます。昔におられた聖天子の時代の政治を忘れてしまい、国民の愁いを省みず、国が損なわれ様とすることは知らずに、全て華美の限りを尽くして、それを立派なことだと思い、辺り狭しと偉そうに振る舞っている人は、何とも酷く、無遠慮に思えます。人は皆、色欲ばかりに心を惑わされている様で、愚かなことではあります。今風解釈:至急の仕事も無いので、パソコンを使ってインターネットで、自分の思っていることを適当に日記にしているのですが、あまり意味が無いことかと感じると馬鹿馬鹿しく思えて来ます。テレビを点けますと、自民党総裁選の立会演説会を中継していましたので、見ていましたが小泉氏の傲慢さが目に付きました。底辺にいる人達の生活の大変さを思いやることも無く、経済が疲弊して国の状況が悪くなってしまった事への反省もなく、全て小泉改革が万能薬だと断言するだけなのです。「君子は日に三省す」と、自分の行動を良く振り返って見ることが必要ですが、その気配もありません。総裁は俺で決まりだと、辺りを傍若無人に睥睨する態度は、何ともはや、無遠慮にしか感じられません。国会議員とは、選挙当選を第一義として、異質な考え方のリーダにも群がるものだ。地域住民を忘れ、国民を忘れ、自分の哲学心情を曲げて、奔走する姿は愚かとしか思えません。
2003.09.10
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小泉首相が田中真紀子と共に「自民党をぶっ壊す」と国民の視点による政治を目指して登場したのは僅か2年半前のことでした。国民は政官癒着・利権構造の自民党政治が変わると熱狂したのですが、実情としては政治改革は進まず、国民政治を共に目指した民主党にも協力も得られなくなり、従前の自民党体質に戻りつつあります。清流政治は国の為、国民の為に推進していく政治を言い、濁流政治は権力維持の為に権謀術策を弄する政治を言います。中国4千年の歴史でも、濁流政治の時代は長く、主役は男性機能を失った宦官でした。宦官は権力維持しか生き甲斐が無いのですから、国民の視点は一切ありません。中国の戦国時代は始皇帝の秦によって統一されたのですが、後継争いに宦官である趙高が、清流派と目される宰相の李斯を権謀術策を抱き込み、後継皇太子を自殺させ、傀儡王朝を作り上げたことは「平家物語」にも引用されている有名な一例です。今回、小泉首相の推薦人となる「青木幹雄」が将に宦官・茶坊主で権謀術策に明け暮れる人物に見えます。比重の小さかった参議院橋本派を率いて、政治哲学も発揮することも無く、派閥の番頭茶坊主に徹しました。その尽力のお陰で小渕内閣では官房長官に抜擢されました。小渕首相の突然の逝去の際は、小渕内閣の官房長官として、国民の視点の全く無い密室の中で「森嘉朗」を指命させることに尽力しました。国民の批判には「知らぬ顔のどん兵衛」を決め込みました。彼には自民党参議院幹事長として権力維持のみが、政治目標と化して、今回は形振り構わず、政治姿勢では全く異質と思われる小泉首相にすり寄りました。参議院自民党橋本派のドンとして、次期政権での権力が保てると判断したようです。彼に従う橋本派議員の多くは道路族、郵政族の所謂「族議員」が多く、小泉改革に反対の議員ばかりなのですが、政策の違いは権力保全の意図に凌駕されてしまいました。小泉首相は、青木氏の支援を「有り難い」と感謝しつつ受け入れましたが、支援の見返りに「族議員への配慮」「民間大臣から議員大臣」「構造改革の手心」が要求され、濁流政治が清流政治を駆逐する懸念が出て来ました。それらの見返り要求を突っぱねることが出来る否か、小泉政治の今後を占うポイントになりそうですが、何とは無しに悲観的です。「清濁合わせて飲む」等と言いながら、妥協を重ねるのが眼に見える様です。壊し屋として名を馳せる、自由党の小沢党首は昨日の街頭演説で“参議院の自民党実力者が、派を二分して小泉さんを支持すると明言した。ただ、小泉さんの政策を支持するのかと言うと、違う。総裁選では支持するけれど、小泉さんの言う郵政民営化も道路公団民営化も俺は反対だ言っている。将に国民の為では無くて、お互いの利権を、お互いの権力の座を守る為にはどうしたら良いのかと言う観点でのみ争われている”と糾弾しました。原理主義の小沢党首は真相の要を見通しているようです。私は自民党員ではありませんので、総裁選の投票権もありませんが、日本の将来を担うこの自民党総裁選挙の動向を静かに見守って行きたいと思います。小泉首相の支持率は一見高いのですが、その大半が「他に人がいないから!」と言う吹けば飛ぶ様な理由なのですから、何時反転するか分かりません。小派閥から冷や飯覚悟で出馬した「高村候補」の政策論議には期待を懸けて見ようかと思っています。但し、二年前とは異なり、今回は濁流政治への転換が懸念される時には、政権受け皿として清流政治の民主党があると言う選択肢もあり、多少の安心感があるのが救いです。
2003.09.06
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9月1日開かれた政府の特殊法人等改革推進本部参与会議で、10月に独立法人化する32の特殊法人に関する経費節減目標の内、事業費以外の「一般管理費」が議論になったと言うことです。しかし、12法人が一般管理費から人件費を除いた上での削減目標を設定した為、「ふざけている。民間企業では考えられない」と座長のセコム最高顧問を含む会議メンバーが呆れてしまったそうなのです。何れの特殊法人でも、参与会議や石原行革担当相が求める「管理費の1~2割削減」の水準をクリアしていたが、中身を見ると、人件費や退職手当、事務所賃貸料など控除項目がばらばら。例えば、理化学研究所の削減目標は26%と32法人中最も高いが、人件費等を削減対象から除いて「分母」を小さくしていた。この操作が無ければ、一般管理費削減は僅か2%にしかならない。参与会議では、理化学研究所、外務省所管の国際協力機構などの4法人を呼んで集中的なヒアリングを実施、目標の見直しを求める予定だ。未だ法人化されていない組織なので、外部監査も入らず、所属官庁とのすり合わせも無く、従前組織の中で検討された数値目標がそのまま提出されたものと推測しますが、特殊法人の問題を浮き彫りにしていると思われました。既にある数多くの特殊法人では、外部監査も入り、所属官庁への財務諸表提出が義務づけられていますので、このような問題は指摘されません。財務諸表と言っても実質は予算書・決算書が主で予実の遂行状況がチェックされるだけですが・・予算削減要求は、例年年度末に向けて所属官庁から要請されますので、その為のバッファーを用意してあるのです。私の知る特殊法人では、管理費を総支出の約11%に押さえた諸表を作成していますが、問題となりそうな人件費を含む管理費の70%は一般管理費としてでは無く、事業費の業務推進費として計上しているのです。つまり、10%削減要求には多少の管理費削減で対応出来ますので、業務推進費は実質手つかずのままで済みます。つまり、長年天下り官僚を抱えている法人は、指摘される様な問題を起こしませんし、外部監査でも精々数日ですので、主として書式が調査するだけで、そのようなバッファーを詳細監査出来ないのです。天下り官僚は、実質的な経営者として専務理事、常務理事ポストを確保しつつ、官民一体の公益組織を保つべく、民間採用の職員にも理事ポストを提供しますが、経営権に参加させることはありません。天下り官僚は「何もしない、働かない」ことで知られていますが、専務理事として所轄官庁との年1回のすり合わせに出向き役割完了とし、後輩官僚の為にそのポストを70才迄、死守するのです。あくまで省益第一で、国民の為の公益性は念頭の外にあります。道路公団総裁の藤井氏がその専横さを露呈していますが、専横さ・ポストへのしがみつき具合は他の特殊法人も殆ど同じです。税金と年金財政投融資から構成された予算枠は、削減目標をクリアすれば、余す所無く自分・仲間の為に使い切ります。足りなくなったら国会を使って増税、それでも足りなければ新税創設で確保させます。将に官僚栄えて、国民枯れるの状態に危機感もありませんし、そうした事態を招いたことへの恥辱は全く無いのです。こうした輩を更迭出来ない、小泉政権の改革とは何なのでしょう?特殊法人改革は、公益性を真に発揮させるには組織改変が必要で、経営権を民間から選抜された人材に開放しなければなりません。天下り官僚は、経営権の無い事務局として理事待遇で迎えれば、所轄官庁折衝に困ることはありませんから、真の公益性のある民活組織と成り得ます。此処までは参与会議も行革相も分かっていないと思うのが残念です。
2003.09.02
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小泉首相が、「憲法の見直すべき点についてはかなりあると思う」と述べ、特に戦争放棄を謳った第9条については「本当に自衛隊は軍隊では無いのか。自衛隊には戦力が無いのか。常識的に考えてもおかしい点もある」と指摘しました。言われるまでも無く、憲法の精神から言えば戦力も持つ自衛隊は違憲で昔左翼政党が主張した非武装中立が本来の姿でしょうが、国土防衛の戦力は戦争の為の戦力では無いとの理解で国民は納得して来ました。小泉首相は“日米同盟”と“日米安保条約”により、国土防衛したいと言う考えを持っているようです。但し、熟慮した結果と言うより、どうも思ったことをそのまま言動にする様で、軽々しく感じられます。私は“日米安保条約”は、日本が従属的関係にあり米国が防衛役割を果たす代わりに、基地提供、駐留費負担、日米地位協定遵守等の義務がありますので、功罪合い半ばすると思っています。“同盟”は対等な関係を基にした軍事同盟であり、“日米関係”はあっても対等な“日米同盟”は無いと判断しています。小泉首相が米国のイラク侵攻支持の際、唐突に“日米同盟”堅持と表明しましたが、非常に違和感を覚えました。歴代の首相も“日米関係”の重要性は述べていますが、明確に“日米同盟”とは言わなかったからです。多分従属的関係にあるものを“同盟”とは言えなかったのだろうと思います。小泉首相は、米国のブッシュ大統領との緊密さを誇り、米国から要求に応じて“良い子”であり続けたいと思い、それが国益と考えているのではと危惧してしまいます。アフガン侵攻では、アーミテージ国務副長官の「観客席からグランドへ」の要求で“テロ特措法”を成立させ、戦乱中のイラク復興に対しては“イラク支援法”を成立させようしています。今回の憲法論議は、ブッシュ政権の軍事政策に影響力の強いパール元国防次官補の「日本は憲法改正し、保安官助手になるべきだ」との発言に対応するポチ行動だと思うのは考えすぎでしょうか?日本の生きる道が米国の信託統治であってはいけませんし、首相が現地採用統治官があっては困るのです。日本は太平洋戦争で惨敗を喫し、1945年米国占領統治となりました。戦死者が300万人を超えたこともあって厭戦気運が大きく、現状のイラクのようなゲリラ戦にはなりませんでした。米国占領政策は、「日本を再び米国に対抗出来ない国」にする為、再軍備禁止、軍事研究禁止、更には航空学研究禁止として弱体化することにありました。戦争放棄を謳った憲法制定もその一環でした。しかし、朝鮮戦争勃発で情勢は直ぐに変化しました。日本からの軍事調達支援を円滑化するため“警察予備隊”と称して国土防衛軍の創設を促したのです。結果としてですが、朝鮮特需が経済復興に大きく役立ちました。その後、米ソ冷戦対応の為、機能強化を促し“保安庁”から“防衛庁”と拡大させて行きました。結局は米国の対外政策の変遷に応じて、好きなように変化させられたに過ぎません。サンフランシスコでの米国との単独平和条約を、ロシアも含めた全面講和条約にしたいとした東大の南原総長も「占領憲法は同じ内容であっても、日本国民自身の手で書き直したい」と述懐していました。占領統治から離れたら、自国民の手で自国の将来方向を決定すべきだとの思いだったのでしょう。沖縄を中心とした米兵の暴行事件が多発しても、国内法で裁けない日米地位協定は独立国としての体裁を保てない国辱物の協定です。小泉首相であれ誰であれ、国を代表する人は、独立国の気概を要求して、出来るだけ対等な関係を目指して欲しいと思いますし、軽々しく米国の要求に応じて、信託統治の拡大に寄与して欲しくないと思っています。
2003.08.27
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北朝鮮問題を協議する6カ国会議が中国をホスト国として、8月27日から北京で開催されます。中国は北朝鮮への最大支援国ですが、核兵器問題を重要視し何とか生産中止させて金正日体制を保証することで事態収拾を図ろうとしています。ロシアも支援国で、今回多国間で北朝鮮の現体制を保証し、核の軍事転用の停止を求める案を米国・北朝鮮に提示したが、両国とも回答無しの状態に「合意達成困難」の見通しだと言う。結局、国際的な国家犯罪と思われる「日本人拉致事件」「韓国人拉致事件」「帰国在日朝鮮人の抑圧問題」は議題にするのを嫌がっています。中国の戴外務次官は野中氏に「6カ国会議で拉致問題を取り上げることが賢い選択とは思わない。核問題以外を議題に加えると交渉をやりにくくなると懸念している」と述べ、会議の成果のみを懸念するだけなのです。国家的な犯罪である麻薬輸出、ミサイル輸出、偽ドル流布を行っている現金正日体制を保証することが、真に国際平和に寄与することになるか大いに疑問です。又、どうして北朝鮮の国内問題と思われる体制保証を諸外国が行う必要があるのでしょうか?いわゆる“脱北者”の急増する国家は異常な状態で、現状の抑圧体制保証するのは正常化への逆効果を生むだけだと思われます。思い起こせば、1938年ヒトラー率いるナチス・ドイツはドイツ系住民の多いチェコのズデーテン地方割譲を要求しました。英国チェンバレン首相を中心とするヨーロッパ列強は、戦争を回避する為チェコを説き伏せてズデーテン割譲をさせたのです。チェンバレン首相は「これで戦争が回避された」と胸を張ったのですが、僅か2年でナチスのポーランド侵攻となり第2次世界大戦勃発となったのです。ナチス・ドイツのような国際的な犯罪国家の要求に屈することの危険性は歴史が証明しています。安易な妥協は禁物です。極東の小国家であった日本が打ち立てた満州国は独立性に乏しいと国際的に認められ無い所となりましたが、当時の日本には厳しくても国際的には正しい判断でした。今回の6カ国協議では、国際交渉と謳ってはいませんので、国際的な全ての懸念事項が取り上げられ協議されることが必要だと思っています。日本独自の主張をして問題点を明らかにし、交渉継続の必要性が確認されれば十分で、安易な妥協をしてならないことが肝要です。韓国のユニバシヤード大会での妥協的対応が6カ国協議への暗い影とならないことを期待しますが、北朝鮮からの同胞意識強制・美女軍団攻勢に完全に乗せられてしまっている懸念があります。
2003.08.26
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CLMVとはASEAN10ヶ国の内、カンボジア、ラオス、ミャンマー、ベトナム4ヶ国は頭文字をとって呼ばれる様です。先行6ヶ国(インドネシア、マレーシア、フィリピン、シンガポール、タイ、ブルネイ)との経済格差が大きく、ASEANの考えている自由貿易協定(FTA)構想では、自由化により格差が一層広がり市場規模が膨らまないと言う悩みがあるらしいのです。覇権主義・共産主義国家の中国は、日本に先駆けてFTA締結を呼びかけて経済制覇を目論んでいます。しかしASEAN側は、中国が安い労働力を武器に工業製品の大量生産する経済スタイルはASEANと競合関係にあるとの認識で、警戒心を隠さない。一方日本は、生産設備・部品を輸出して、製品化されたASEAN製品を逆輸入又は第3国に輸出したりする補完関係にありますので、ASEAN側の熱意は日本に向いているようです。中国に遅れること1年、2002年1月小泉首相が「包括的経済連携構想」を提唱し、FTAに文化交流の要素も加えた関係強化を目論みました。それ程遠くない昔、圧倒的な日本製品の流通に苦言を呈して来たASEAN諸国ですが、世界の製造工場を目指す中国の脅威を目の前にして、態度が変化して来ているようです。もの作り中心で来た日本の経済が路線変更が上手く行かず、不況の波が消えませんが、あまりに自国中心であった体制を、ASEAN諸国と手を携えてInfrastrucure構築を再考して見る時期が到来したのではと考えます。山澤アジア経済研究所長は朝日新聞8月6日版で次の様に提言しています。日本がアジアでの役割や長期的経済利益を考えるならば、農産物・労働者受け入れ問題の国内調整を進めてASEANとのFTA締結を急ぐべきだ。又、CLMVの経済発展に貢献する為途上国援助(ODA)を効果的に使うことを考えたい。日本が資金と技術を、ASEAN先行6ヶ国の施設・人材を組み合わせる共同支援プログラムを考えたらどうか?日本から専門家を派遣すると高くなるが、シンガポール等の施設や人材を利用すれば、適正な費用で沢山の人材育成が可能となる。加えて、ASEAN域内での相互協力は、共同体意識の醸成にも役立つ筈だ。日本への対抗意識が強くなり、政治経済的に高圧的な態度を隠さなくなって来た中国に対しては、未だに続くODA援助を終了する必要があります。それが対等に競合国として評価する方法だと思うのです。昨年の葱輸出規制要求に対して、懲罰関税100%を工業製品に課して対抗して来たのは傲慢な覇権主義の一環でしょう!又、SARSで発生した中国での人的交流の禁止措置では、中国1国へ集中投資は危険すぎて、リスク分散の必要性を思い知らされました。再度、昔行ったことのあるASEANへの投資もバランス良く行い、日本も国として何時もAlternateを模索する必要がありそうです。
2003.08.07
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原爆記念日を2日後に控えて、今日から広島市で原水爆禁止の国際大会が始まりましたが、相も変わらず党略に基づいた分裂した大会運営が行われている様です。歴史は長いのですが共産党が事務局を牛耳る原水協大会、朝日新聞・広島市主催の核廃絶国際シンポ、2大会が同じ広島市で違った会場で行われます。党利党略を乗り越えて合体して貰いたいと思うのですが長年こんな状態から抜け出せないのはどうしたことでしょう!事務局を1年交代で担当する等、拡大的に合体させる方向で模索して欲しいと思っていますし、人類の悲劇を党利で論じて貰いたくはありません。昭和59年NHKの大河ドラマ「山河燃ゆ」の原作である、山崎豊子女史の「二つの祖国」にこんな記述がありました。賢治は東京を出発する前GHQでメモしてはならないと言う制約の下で読むことが許されたエノラ・ゲイ号の記録が、広島行くことで生々しく蘇ったからだった。1945年8月6日午前2時45分、原爆投下の作戦暗号名シルバー・プレート作戦開始、砲弾型ウラン爆弾を搭載したエノラ・ゲイ号はB29爆撃機はチベッツ大佐を機長としてテニアン島を発進。機首にペンキで記されたENOLA GAYは、大佐の母の名前であった。細長く見栄えのしない爆弾は約4トンでリトル・ボーイと呼ばれ、青銅で出来た胴体には“天皇を葬れ”と落書きされていた。テニアンを出発したエノラ・ゲイ号は、硫黄島で僚機2機と合流した。その2機には科学的な記録を収めるための科学者達が搭乗していた。午前6時、太陽は昇り始め、良好な気象状況の中、エノラ・ゲイ号は日本本土まで一直線の“ヒロヒト・ハイウェイ”を飛び、広島上空で3万2千フィート迄上昇した。投下1分前から単調な無線音が発信され、その音が停止した時が、原爆投下の時刻であった。投下の瞬間、エノラ・ゲイ号の機体はふわりと浮き上がり、フル・スピードで右へ急旋回して、爆風から逃げ出した。チベッツ大佐はゴーグルをしてコックピットの計器類を見て驚いた。真っ暗で何も見えない。尾翼が揺れ、体に急激な重力が掛かる。やっと切り抜け、水平飛行に移った途端、コックピットに突然、見たことが無い強烈な閃光が走った。エノラ・ゲイ号からテニアン基地へ、そしてトルーマン大統領に「爆発良好」の報せが送られた時、大統領はポツダム会談を終え、大西洋上をワシントンに向かう飛行機の中で昼食を取っている所であった。トルーマン大統領からブッシュ大統領に至るまで「戦争を早く終わらせ、米兵の損害を少なくするため」と原爆投下の正当性を繰り返しています。もし、再びその様な事態になれば核兵器使用も辞さないと言うのです。核拡散防止条約を批准しない世界最大の帝国アメリカ、核兵器製造の疑いでイラク、イランを追求し、製造した北朝鮮には廃棄を強要しています。自国のことは別にして他国を非難して、一体世界秩序をどうしようと言うのでしょうか?核兵器開発を進言・参画した科学者の一部は、その悲惨さに苦しみ核廃絶運動にも加わることになりました。20世紀最高の科学者アインシュタインもその一人ですが、大国の軍事優先政策の前には貧者の一灯ともならなかったのは残念なことです。
2003.08.04
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イラク戦争の大義とされた大量破壊兵器が発見されず、戦争開始の根拠とされた「ニジェールからのウラン購入」に疑惑が広がり米英政権は説明不足を指摘され、特にイギリスのブレア政権は危機を迎えている様です。英国のブレア政権は「戦争に向け世論を誘導した」との野党批判に端を発し、議会の調査委員会でも外相から意見聴取を行われ、灰色の結果報告が出されました。国民世論は納得せず、ブレア政権は危機に晒されていますがブレア首相は情報の正確性と自己の正当性を懸命に主張しています。彼の国民への説明責任を果たす努力は評価出来ます。昨日の米英会談でも「歴史が戦争の正当性を証明する」と胸を張りました。ブッシュ政権は「フセイン大統領の脅威に対処する責任があった」として、「ウラン購入」情報については中央情報局(CIA)の責任として長官更迭で幕引きを図ろうとしていますが、CIA長官が議会の調査委員会で「演説盛り込みは政権側が固執した」と証言して藪の中になりつつあります。昨日の米英会談でも「生物化学兵器を保有し、核兵器開発を再構築しようとしていた。フセイン政権は増大する脅威だった」とイラク戦争の正当性を主張しました。日本の小泉政権は、米英のイラク攻撃は国連安保理決議1441から正当性があると支持を鮮明にし、米英による更なる国連決議可決に向け、非常任理事国に働き掛けを行いました。結果的には決議案撤回となりましたが、イラク戦争開始に際し、世界に先駆けて米英の攻撃支持の態度を鮮明にしました。正当性は歴史が証明すると言うのも論拠の一つでした。その後の国会の戦争の大義である大量破壊兵器質疑では、軽い言葉で「フセインが見つからないと言って、フセインがいなかったことにはならない」との珍回答をすることになりました。民主主義という観点から見ると、英国が一番健全の様に思われます。英国ブレア首相来日ニュースのマスメディアの扱いは、何か驚く程冷淡です。日米関係の重要さ扱いに較べてこの差は何でしょうか?日本は民主主義に則った独立国としての見識も疑問視する様な状態が続いていますが、マスメディアにも大きな責任がありそうな気がします。朝日新聞7月17日夕刊文化欄に加藤周一の評論「歴史と審判」が掲載されましたので一部を転載させて頂きました。主として日本の政治家に向けての発言のようですが・・、ブレア首相にも当てはまる様な気がします。政治家は折に触れて、この政策の評価は歴史の審判に委ねると言う。その言葉はあたかも政治家に長い歴史を見透かす見識があるかの様に響く。「審判」は次の選挙より先の話で、当人の政治活動には如何なる実害を及ばさないことを見越した、責任の先送りでもある。私達は3月20日前に日本の首相が米国の戦争を支持すると言うのを聞いた。又3月20日前にフランスのシラク大統領が「戦争は問題解決の最後の最悪の方法だ」というのを聞き、ドゥ・ヴィルパン外相が査察継続を主張し、査察中止し軍事攻撃を米英提案の決議を必要あれば拒否権を使っても阻止すると言って喝采を浴びるのを見た。しかし、「イラクの大量破壊兵器」に関し、どちらの主張が正しいかを判断する資料は当時手元に無かった。今ではもう少し踏み込んで判断することが出来る。日本は単に戦争を支持したので無く、根拠に誤りのある戦争を支持したのである。安保理は単に分裂したのでは無く、イラクの大量破壊兵器に関する限り正確な主張とおそらく間違った意見に分かれたのである。其処までは「歴史の審判」を待たずに言うことが出来る。それともそれは、言うに値しない些末なことであろうか。
2003.07.19
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数日前からテレビ報道された道路公団の債務超過財務諸表問題が遂に国会論議となりました。内部告発は内部処分を怖れて姓名・所属を明かさずに行われ、告発者の追求調査を行わない様に保護されるのが通常ですが、今回の内部告発は全てを明らかにして裏帳簿又は調製途中途中の財務諸表が月刊誌に発表されたのです。余程、公団内部での改革派掃討・左遷が酷く、憤懣やる方の無い改革派の1人が代表して、守旧派の道路公団総裁に闘いを挑んだものと考えられます。所謂道路族と呼ばれる国会議員が後押しをした採算性を考えない政治的な高速道路が多く、「車より熊の方が多く通る道路」もある道路公団が、健全な財務諸表を作成出来る筈がありません。情報提供を道路公団民営化推進委員会にさえ渋った道路公団は一体となって情報公開を拒否し、利権構造を維持し天下り体制を維持して来たのですが、それに対するクーデターが起きたのです。扇千景国土相は論戦には加わっていませんが、道路公団総裁の監督の下で、「無いと言っているから、そんな債務超過を示す財務諸表は無いのでしょう!」と記者会見で、映画俳優宜しく、監督の意に添う様に回答したのですから、省内究明は望めません。藤井総裁は、内部告発の意義を無視して、国会で次の様に述べました。「何時でも会えるのに言わないで、外で不満を言うのか、寂しい気持ちだ。」と告発を非難し、財務諸表隠蔽については「今年6月に発表したのが正式だ。簡単には出来ない。」と否定。告発者処分については「総務担当理事から、どうしてあんな記事を出したのか、事情を聴いている。」とし、処分を含め対応を検討中であることを明らかにした。その上「私は誰より改革派だと威張っている。公団は一体としてやっている。」と胸を張ったのです。それに対して、小泉首相は次の様な灰色の(丸投げの)論評をしてしまいました。「藤井総裁も民営化に一生懸命汗をかくと答弁している。民営化推進委員会の意見を尊重し、民営化を推進する方針に変わりは無い。」厳しく国土省、道路公団のアカウンタビリティに言及して欲しかったのですが、これでは、クーデターは不発に終わり、告発者の処分・同調者の左遷の内部嵐が吹き荒れて一件落着すると思われ、国民の期待に添う道路公団自身の情報公開、内部告発による悪行の洗い出しは期待出来そうにありません。小泉首相には、やはり郵政公社の民営化しか頭に無いのでしょうか、残念至極です。
2003.07.15
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近頃、自由民主党議員の思い上がった言動が目に付いて、気になります。大々的に報道されない発言も多々ある様ですが、あまりに酷い言動は次の3つだと思います。太田誠一氏「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。まだ正常に近いのでは無いか。」積極性を無くした男性若者が、女性に対してプロポーズ出来なくなっている現状を嘆いての発言らしいのですが、人間の尊厳を無視したものとなりました。後日、セミナー席上で説明する機会が無かったと弁明しましたが理性を無くしていたことは確かです。森喜朗氏「子供を沢山生んだ女性は将来、国がご苦労様子供と言って、沢山年金を貰うのが本来の福祉のあり方だ。子供を作らない女性は好きなことをして人生を謳歌しているのだから、年を取って税金で面倒見なさいと言うのはおかしい」この男、首相時代に言動・行動に問題が多く「えひめ丸」衝突事件でも平然とゴルフを続けたことでも知られています。識見も定見も無くその場限りの発言だけで信頼するに足りません。少子高齢化で厚生年金の破綻が問題視される席上での発言ですが、変わりつつある社会に対する考慮がまるで欠落して、旧来の体制を何とか維持したいとの感情に駆られたその場限りの言動となりました。鴻池祥肇氏「犯罪を犯した子供の親は、市中引き回しのうえ、打ち首にすればいい」長崎の中学生の幼児殺害事件に対して、記者会見の席上で感情の赴くままに発言しました。この男の個人的なHPを覗いて見ても何か時代錯誤的な意見の展開が多いのです。青少年育成推進本部の小泉首相本部長に次ぐ副本部長の見解なのですから、難題取り組みは覚束ないと思われます。野田聖子自民党議員が朝日新聞の「ウィークエンド視点」に寄稿して、「古い自民党の危うい意識」と題して次の様に述べています。自民党は責任政党として常に時代に適応した行動をとらなければならない。徒に古いものに固執することで無く、社会の変化に敏感に反応し、制度をメンテナンスして行くことだ。自民党はこの様な事態を反芻しなければならない。野田議員の意見は多分主流になると思えず、このままうやむやになると見ています。やはり受け皿となる政権を担う政党が無いと、タガの外れた自民党はこのまま続きそうです。この現状は打破する為には、細川政権誕生と同様の野党共闘による連合政権を模索する必要があるなと思いつつあります。菅・小沢・鳩山を中心とした鳩首会談による政権委譲の準備を国民に明らかにして欲しいと思っています。
2003.07.14
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7月4日衆議院本会議でイラク支援復興支援特別措置法案の起立採決が行われ起立多数で可決し参議院に送られました。野中氏は「この様な重要法案は後世の批判に耐える様に、誰が賛成し、反対したかと言うことが記録に残る様にすべきだ」と語って記名投票を主張し、採決には欠席しました。野中氏は出自の経緯もあって、近頃多い二世議員(小泉首相も含めて)とは違って社会の底辺を良く知る政治家だと思います。建前は非戦闘地域での後方支援活動の為自衛隊を派遣するのですが、イラクでは米英兵士がテロの標的とされ多数の死傷者がでていますので未だに戦闘地域と見るのが妥当と思われます。アーミテージ国務副長官の「観客席からグラウンドへ」の要請をそのまま受け入れて法案を通すことになりました。従来は憲法第9条の制約によって戦闘地域には派遣出来ないと、湾岸戦争以来日本は主張して米国も了承して来たのです。この法案提出・通過をもって、米国政府は憲法第9条の拡大解釈が成立し、今後とも戦闘地域への自衛隊派遣が可能となったと判断しているのは明らかです。国土防衛から逸脱した海外での集団自衛権行使ともなりますので、考え方によっては憲法違反となる可能性も大きく、政治家としての見識を問われているので野中氏の指摘に理はあります。小泉政権発足以来、米国の要請には唯々諾々と応じ、米国信託統治化した感のある外交が展開されている気がしてならないのですが、それを払拭する為にも賛成反対の時間を掛けた協議・論戦が必要ですし、自己責任を明らかにすることが後世の批判に耐え得るものとなると思ったのです。派遣される自衛隊の中からも「国際貢献の実績を積みたい政治家、自衛隊の精強さをPRしたい制服幹部はいい。中堅幹部以下は、本当の怖さを知っている」と懸念の声が聞こえて来ます。1992年のカンボジアへのPKO派遣以来、陸上自衛隊は隊員が安心して任務に就ける条件として?法律の根拠?世論の支持?相応の装備-の三つが必要と考えてきた。今回の法案通過は?の条件が満たされただけで、他の条件が整わない「逆風下の派遣」だと不安を感じている様です。国会論戦が沸騰すれば自衛隊への世論の支持も強固なものになると考えていましたので、議論を伴わない採決は残念な限りです。
2003.07.05
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近頃、朝日新聞の論評が小泉内閣に厳しくなって来ました。ワンフレーズ・ポリティクスのみで一向に進まない構造改革、対米随従外交を展開し国是の国連外交を蔑ろにする姿勢、国民よりも企業寄りの税制改革推進、等小泉政権は結局従来の自民党政権を踏襲しているのです。先送り体質が露呈し且つ実質説明の無い状態を指摘して、辛い論評が目立つ様になりました。7月1日夕刊の「素粒子」では、次の様に厳しい評価でした。“扇国交相が求めた道路公団系企業の天下り社長総退陣。辞めたのは97人中23人。如何にも掛け声ばかり人も事も動かぬ内閣らしい。”“「消費税引き上げは7~8年掛けて判断」と政府税調会長。小泉首相が涼しい顔をしている訳だ。その間には退陣してるもんね。”朝日新聞が国民の声を代弁しているとは思いませんが、「改革に協力しなければ、自民党をぶっ壊す」との公約と言うよりマニフェストを掲げて登場した小泉政権が、「何故、構造改革が進まないのか?」と言う説明責任もしくはアカウンタビリティが不足していることは確かです。今までの首相以上に、毎日の番記者ぶるさがり会見を実施していますが、今まで以上に頻繁にマスコミ批判をいるのが気に掛かります。内閣末期にはマスコミ批判、今までもそうした傾向がありました。小泉首相は、米国のイラク侵攻に対して、世界に先駆けて大義の無い戦争を支持しましたが、「北朝鮮問題を絡めての国益」と称して殆ど国民に対する説明はありませんでした。今回の「イラク支援措置法」も日米首脳会談で約束した経緯の説明はありません。構造改革の目玉である道路公団民営化も国土交通省の抵抗を受けて頓挫の状態となりつつあります。総裁対抗馬が見当たりませんので、内閣支持率は高いのですが、決して従来の結果を国民は認めている訳ではありません。番記者の会見、及び虚々実々の国会論戦で駆け引きに満ちた答弁をするだけで無く、折り目を見て、圧倒的に国民が見るテレビを通じて国民に直接語りかけて欲しい。それがマニフェストの確認、アカウンタビリティの実行であり、国民の理解を得られる一番の方法だと思っています。
2003.07.02
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今回の制度改革は旧KSD(現あんしん財団)の汚職事件をきっかけに打ち出され、今年5月中に改革大綱が閣議決定される。その政府案では、公益法人は設立が簡単にする代わりに法人税を原則非課税から原則課税に変更する。企業の助成財団や芸術団体など民間主導の公益法人である財団・社団法人が「多くの公益法人が果たして来た社会貢献活動を無視し、一部の不良法人に眼を奪われた最悪の案が検討されている。」として、公益法人協会を通じ参加団体に反対運動を展開する様に要請した。高給の天下り理事、巨大な内部留保、独占的な受注-問題とされる公益法人は官庁が法人設立の許可権限を梃子に作った「行政代行型」が少なくない。このため、政府は登記だけで簡単に設立出来る様にし、又税逃れへの悪用を防ぐ為、原則課税に転換すると言うのだ。公益法人協会の判断は「課税可否は、当局の裁量が入らないことが重要。不良法人は情報開示を通じて排除すべきだ。」とし、更に「今の日本で明るい材料は民間組織が頑張っていることで、その活動を縛るのは、時代の流れに逆行している。」と反発する。この様な「既得権を問題にする」改革法案には、既成組織からの反対が何時も展開されますが大局的見地から見てそれ程賛同出来ません。「働かない高給の天下りOB」を強制される公益法人では、OBは成果を問われることも無く殆ど70才までの現役を保証され、そこで高額の退職金を手にするのです。この様な事態が民間を圧迫し、日本の空白の10年をより一層悪くする元凶で無くて何でしょうか?これらを無くして公平な世の中の仕組み作りに、既成組織も強く賛同して貰いたいと思っています。他の例では、石原都政のディーゼル車規制でも、トラック運送業界から運送費が高くなると反対声明が出されましたが、生命を守る環境作りにはコストアップは住民も納得して支払うと思うのです。初めから反対の姿勢で無く、原則賛成として建設的に議論し必要と思われる所を修正して欲しいと思っています。法人課税の問題で今回対象外となった学校法人、社会福祉法人、宗教法人は、有名タレントを広告塔にした巨額の寄付等が原則無税であり、今回の公益法人以上に既得権を主張する団体が多いと思われますが、今度の改革を梃子に更に政府として公平な社会構築を目指して貰いたいと思います。
2003.05.06
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朝日新聞2003年4月28日に“会計士、責任増し激変”の記事が掲載されました。時価会計導入による会計改革の浸透に加え、不正経理で破綻した米国エンロンショックは、日本でも会計の重要性を改めて認識させた。自治体や独立法人、政治資金等、監査対象も急激に拡大し、「生き死に」に直結する監査も今年3月期決算から強化されており、責任は増す一方だ。そこで金融庁は公認会計士試験改革に乗り出し、現在の三倍の5万人に増やす構想が動かし始めた。新制度では、働きながら研修が出来るなどして、社会人が会社を辞めずに資格を取りやすくなると言う。しかし、改革による質の低下を懸念する声も根強い。日本での国家資格で最難関は弁護士の為の司法試験ですが、会計監査の為の公認会計士、特許管理の為の弁理士、技術管理の為の技術士等の資格取得試験も一様に難しい。従って、取得後所定の団体に登録されている弁護士は約2万人、公認会計士約1.5万人、弁理士約0.5万人、技術士約1万人に過ぎないのが現状です。登録していない有資格者を含めての総数はおよそ2倍程度と推測しますが、それでも諸外国特に米国と較べると数十分の一と圧倒的に少ないのです。これらの資格を取得することによって排他的な業務独占が法律上保証されます為、従来は規制緩和の声も聞こえない領域でありました。技術士は技術分野が多岐に亘るので業務独占は無いのですが、公共事業の土木、水道関連の分野では推進役として技術士の関与が不可欠と規定されています。米国では数十倍の人員が登録され、アジア諸国でも格段に多くの人員が登録されていますので、国際協調・対話を続ける際に非常な障害となります。特に技術面での国際協調は復興支援を含めて今後とも増加の一途を辿ると思われるのですが、その推進に支障を来します。特許係争も国際間競争が熾烈となりますので、少ない人員では日本の立場主張が出来なくなる可能性があります。又法務での国際協調は難しいかも知れませんが、弁護士・検事の数の少なさが裁判遅延の最大要因と考えられますので、歩調を合わせるには増員が必要です。質維持の為の資格試験の難しさを考え直し、実力・実務能力のある者が資格を取りやすく、又取得後の実務能力を高める工夫等の規制緩和をしなければならない時期に来ている様に思えます。そうは言っても質の低下を伴う増員は問題があり、将来の日本の発展維持に禍根を残しますが、国民が納得出来る形での資格保有者を増やすことが日本の国力維持に欠かすことは出来ません。しかし、全ての改革が官庁主導で「多かろう、悪かろう」の姿勢で進められている様な気がしてなりません。これらの改革案が国家公務員1種合格者のキャリア組から発案されるので、既得権を打ち消すことが彼等の選抜エリート特権をうち消すことにもなり、推進が難しいのかと憶測せざるを得ないのです。
2003.04.30
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新エネルギー利用特別法が4月1日前面施行され、電力会社に一定量を持続可能な新エネルギー、風力、太陽光等で発電することが義務づけられました。新エネルギー利用特別法:対象となる新エネルギーは、風力、太陽光、地熱、ダムを使わない水力、潮の干満利用の潮力発電、ゴミ等を燃やすバイオマス発電。2003年度は電力10社合計で32億8千万kWhの新エネ利用が義務づけられ、達成出来ない場合は最高100万円の罰金が科せられる。二酸化炭素の増加させない意図からは、歓迎すべきことなのですが発電コストが従来型火力、原子力発電に較べ数倍高いことから、電気料金が高くなることが懸念されています。経産省は発電電力量に占める割合を現在の0.3%から2010年度には1.35%(122億kWh)に増やす目標を設定しての施行です。しかし、太陽光では発電コストが50円/kWh、風力15円/kWh、バイオマス15円/kWhと試算され、従来火力7円/kWh、原子力5円/kWhと較べると非常に高価な発電となります。それに加えて、発電所の立地条件が都市から遠い場所が多く送電線増強が必要で、その設備投資額は2000~5000億円と見積もられ、その費用を誰が負担するかが大問題なのです。経産省は2003年度施行し2006年度に制度再検討する予定ですが、果たしてうまく行くのでしょうか?こうした僅か1%の発電量の規模で二酸化炭素排出のCOP3削減目標は達成されないのです。将来の格段の発展を考慮しても全体需要量の5%を賄うことはありません。大勢を占める火力発電は化石燃料を用いているのですが、エネルギー利用効率が40%以下の発電所が多いのですから、技術革新を適用して50%以上の発電所に改善すること(これはリパワリング“Repowering”と言って欧米では盛んに行われています)は容易に可能だと思われます。又火力発電所の立地は都市に隣接した港湾地区にありますので、発電の際生じた熱エネルギーを地域冷暖房等との連携をさせることで(熱を電気と同時に利用することをコジェネレーション“Cogeneration”と言って民間工場では広く使われています) 、安価で無駄を無くする発電計画が可能だと思っています。
2003.04.02
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朝日新聞3月26日第三面に“やくみつる”氏の秀逸な諷刺画が掲載されていました。米国アカデミー賞を獲得した「千と千尋の神隠し」から、一般社会では存在感が薄く、限定した世界では凶暴化する「カオナシ」を川口外相そのものだともじった諷刺画でした。或る解説によると「カオナシ」は日本人を表現しているとのことでありますが、真偽の程は良く分かりません。しかしながら、国会審議の重要問題で「質疑応答お断り」をしてはぐらかし、国連事務総長の米国イラク攻撃遺憾発言を非難することで外務官僚の意のままに行動する外務大臣は将に「カオナシ」そのものでは無いかと感心してしまいました。田中真紀子女史が伏魔殿と呼んだ外務省も、川口女史の下では改革も取りやめとなり元の伏魔殿に復帰させました。北朝鮮の拉致問題では、拉致家族を前にして解決に努力することを明言しないのです。今回の米国イラク攻撃では、何が何でも支持し国連協調は無視しているのです。このような時代に逆行する態度には、小泉首相も国連のアナン事務総長の発言は或る程度理解出来ると修正発言をしなければなりませんでした。東大を卒業してキャリア組として通産省(現在の経産省)に入省し、エリートとして純粋培養されてその素地は出来上がりました。天下りとして“ソニー”の重役に就任し、環境大臣として官庁に凱旋復帰したのです。従って、国民への奉仕概念は完全に欠如しています。彼女を純粋培養してくれた経産省の権益を如何に政府内で確保するかが彼女の最大の目標です。外務省にも経産省OBを迎え入れて、彼女の目的を達成しようと深く静かに模索しているのです。広く世界を見て、日本国民に奉仕するのはとんでもない邪道だと思い、表情からその真意を読みとられることが無い様に爬虫類・能面の様に振る舞うことにしたのです。川口順子を外務大臣にしたのは小泉純一郎の最悪の選択だと思うのは間違いでしょうか?
2003.03.27
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両方の言葉は地球環境保護の為の活動で良く使われた言葉だと思うのですが、近頃は政治・経済活動に迄広く使われる様になりました。マニフェスト(Manifest)は管理目標明示と言うのが当初の意味だと思うのですが、近頃は「実行宣言」とされ数値目標や達成時期、財源を明示することで政治の世界でも一般的になりました。最も重要である「公約」が「空約束」と取られがちな風潮の中で有権者と政治家を繋ぐ新しい手法として浮かび上がって来ているのです。小泉「構造改革」も単なるワンフレーズ・ポリティクスで色あせ、挙げ句の果ては“大したことでは無い”では国民は対処のしようがありませんのでマニフェストが生かされることが政治再生の道だと思っています。アカウンタビリティ(Accountability)は本来は企業の会計財務諸表明示がその意味だと思うのですが、その責任対象が自然環境・社会生活に迄拡充されて来たので、端的に「説明責任」として使われることが多くなりました。「情報開示」はその一端で、菅直人氏の厚生省エイズ血液製剤問題、田中真紀子女史の外務省機密問題で大きくクローズアップされました。まあ近頃は沙汰止み状態となってはおりますが・・政治経済活動が「実行宣言(Manifest)」で明らかにされ「説明責任(Accountability)」でチェックされて、常に公明正大であることが必要です。そうすれば、イラク問題・北朝鮮問題も曖昧模糊のまま国会論戦が展開されることが無いのは確かなことだと思っています。国益問題も同様に、妄りに使われることの無いように「実行宣言」と「説明責任」が提示されなければなりません。
2003.03.05
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職場の上司による虐め(パワハラ)が深刻化して、電話相談・インターネット相談が急増していると言う記事が朝日新聞2月19日に掲載されていた。通常、組織体では働く人間が30%を越えれば、その組織は機能良く動くと言われて来ました。やる気のある人、落ち込む人、他に生き甲斐を見つける人等が混在しつつ、業務推進のベクトルが前に向いて来たのです。時期によってはやる気と落ち込みが交代することもあった様です。パワハラは昔からありましたし、今後も無くなることはありません。落ち込んだ人は「捨てる神あれば拾う神あり」と社内での転籍で、活力を回復出来るチャンスもありました。その際に、転籍を目指す職場の上司にも、パワハラを受けた先輩も職場の近くに窓際族として、色々相談に乗って呉れたのです。30%以外の人材として、生涯雇用体制の中生き残っていて、職場の潤滑油の役割がありました。従って、サバイバー・シンドローム(生き残り族の被害症候群)による虐めは、存在しなかった様に思います。経済不況によるリストラと生涯雇用崩壊で事情は一変してきました。教育界での学校崩壊が、働き社会を支えるビジネス世界での職場崩壊が始まって来たのです。記事の中で梅津早大教授は次のようにコメントしています。“職場の虐めは昔からあったと言うが、多くの企業が導入したリストラの影響で深刻になり件数も増え続けている。効率化を怠り人減らしだけが行われた職場では、過剰な仕事に追われて同僚や部下を気遣う余裕が無くなった。嘗て日本の企業には直属の先輩を含め指導役が必ずいた。愚痴の聞き役として窓際族もいなくなり、孤立感の中で、上司も部下も「次は自分がリストラか」と言う不安に常にさいなまれている。サイバー・シンドロームという状態で、立場の弱い部下らへの八つ当たりも起こり易くなる。負のエネルギーで消耗して仕事の効率は下がる一方の悪循環となっている。これを解決するには、経営者側が明確な将来像を示さなければならない。例えば、リストラ打ち止め宣言を出し、具体的な業務改善計画を社員に説明すべきだろう。やはり、小泉構造改革で唱えられている情報開示と説明責任が必要なのです。官庁改革のみならず、民間企業改革も問われているのですが、経団連には未だその意識が浸透していない様です。
2003.02.19
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田中真紀子元外務大臣が罷免されて一年が経過したが、無機質で感情を現さない川口現大臣の下で外務省改革は頓挫してしまいました。川口女史は通産官僚としてソニー役員に天下り、環境大臣として内閣に入り、緒方貞子女史が就任を断ったことで次善の人物として外務大臣に就任した経緯があります。民間からの大臣登用とのことになっているようだが、官僚登用と言う最悪の選択となったように思えます。官庁保護と事務処理が第一義的な目標で、政治哲学も無く国民奉仕の視点はまるで持っていない人物のようで、国民の政治離れに著しく貢献しているのです。小泉・真紀子の「政治を変える」姿勢は灰燼に帰してしまった小泉政権は、今回のイラク問題で世界の戦争反対運動の高まりに、棹さして逆行する決定を2月14日行いました。即ち、国連安保理事会での米国支援をするべく、ODA供与先を中心に「武力行使容認」決議案賛成するように働き掛けをすることにしたのです。外務省首脳は、“この際に「我が国の主体的判断」として、非常任理事国への働きかけををする方針を伝え、米側から謝意を表明された”と発表しました。川口順子女史は“言えないと言っているのは武力行使に賛成か反対かと言うことだけで、それ以外のことはもう殆ど言っている”の訳の分からない説明をして、外務省の「米国支持」を事務的に追認しただけですから、開いた口が塞がりません!個人独裁の危険な国イラクと北朝鮮は、何らかの国際協調の下での対話外交で押さえ込む必要があるのですが、日本に取って危険性は北朝鮮にあるのですから、こちらが対話外交で行くのでしたらイラク問題は当然対話による解決が第一義的処理策となる筈です。北朝鮮の核兵器とミサイル攻撃に対する防衛方法は日本には現在ありませんので、米国からイラク攻撃に賛成し参戦して呉れないと北朝鮮問題は放置するとブラフを掛けられて屈服したとしか思えない日本外交の弱さを露呈したと判断しています。昨日、世界を駆けめぐった反戦運動の高まりの結果から政府方針に変化は出るでしょうか?私は方針転換を否定的に見ていますが、パックス・アメリカーナに組み込まれてしまった日本の現状は悲しいものがあります。政官癒着体質が経済不況、政治不信を助長して老若男女を含めた国民の夢を奪っているとしか思えないのです。
2003.02.17
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朝日新聞で連載されていた「大学の力(転機の教育)」が2003年1月9日の8回目の「進む国際化」で完結した。シリーズ全ての項目にて問題提起に終わっていたが、考えさせられたことが多かった。大学教育でも、年々日本脱出組が増えている現状を鑑みると、教育機関の品質保証が問われ、再検討されるべきだと言うのです。経済協力開発機構(OECD)加盟国では、少なくとも4兆円と試算される高等教育サービスは、今や貿易交渉のテーマである。世界貿易機関(WTO)の交渉の場で加盟国が自由化要求を出し合った所、米、豪、中国等8カ国が日本に「制限無しの自由化」を求めて来たと言う。日本には米国大学の分校はあるが、文科省は「大学」と認定していない。それが外国には「閉鎖的」と写る。大学の質を保証する為、国連ユネスコはフォーラムを設け、国際的な品質保証の枠組みと、高等教育の供給者の倫理規定を作ろうとしている。根幹は「サービスを受け入れる国は、消費者である学生を保護する義務がある。」と言うことにあると言う。従来、日本の大学は受動的で何もしていなくても学生が殺到し、教育機関としての経営が可能でありました。その卒業生を受け入れる企業群も、新卒者を優先的に採用する暗黙の体制にあり、卒業後勉学意欲に燃え、海外の大学で研究に従事すると、企業の正式採用枠から外れて不当な扱いを受けるか、仕方なく海外で活躍する場を見つけなければならかったのです。しかし情勢は一変し、少子化の影響を受けて学生が集まらず、大学経営は危機に瀕して来ました。差別化を図らないと生き残りが困難となったのです。一方、企業も国際化への変貌無くして生き残りが出来ず、積極的か消極的かを問わずグロバリゼーションの大波に洗われることとなり、海外教育を受けた学生を採用せざるを得なくなったのです。これだけカタカナ英語の氾濫している日本では、ある面ではチャンスを増やす近道かも知れません。しかし私自身は今でも、創造性を発揮するには母国語で物を考えるのが必須条件だと思っていますが、日本での教育機関がそれに応えられない場合は海外で外国語教育を受けて後、時間を掛けて咀嚼して自分のものとしてから母国語で展開することも出来ると信じています。私が住んでいる近くでも米国テンプル大学がありましたが、既に閉鎖されてありません。在校生なり卒業生はどうなったのか、教育経営が破綻した影響を受けて無駄な体験をしたのか心配です。いずれにせよ、教育機関の品質保証を問うて見るのは良いことです。そうすれば安易な開校・閉校も無くなり安心した教育を受けることが出来、日本の再生に寄与する所大だと思っています。
2003.01.09
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日本での1960年代からの経済発展により人々が享受する恩恵は、日々の生活に浸透しています。 経済活況による国家財政も豊かになり、高速道路の整備、火力・原子力発電所の拡充によって、自動車社会の進展もあり、大量生産による安価な家電製品の普及は通常の感覚になっているのです。何十年前から当然備わっているものと考えているのが普通の感覚です。各省庁の行政予算も格段に増強されて、縦割り行政によって個々に推進されて来ました。しかしその活動は、国民に正の影響(厚生を含めた生活基盤の拡充等)をもたらすと共に負の影響(河川・山岳の自然環境破壊等)をもたらすことにもなりました。此処十数年の経済不況によって情勢変化もあるのですが、行政施策の変更は殆ど無かったのです。官政業の癒着体質が蔓延して、情勢変化に対する不確定要素の危機管理が欠落していたからです。これまでの行政活動の限界は次の様に整理出来ると思います。1.問題点の把握が経験的で、新たな問題点が明らかになっても対応出来ない。従って既定路線を崩さない。2.対応が縦割りの省庁単位で、国家的な優先順位を検討するシステムを持っていない。3.内部における検討結果を十分公正に情報公開するシステムが確立されていない。その様な要因として以下の様に集約されましょう。ア.経済成長神話が持続する環境下の意識が不確定へのリスク認知を低調にして来た。イ.官民一体となった産業政策、終身雇用などがリスクを覆い隠す構造として機能して来た。ウ.リスクを特定し対策を実施するには、既存組織の秩序を乱す可能性があるので、不確定リスク管理は後回しにした。一度策定した行政施策は、進捗に応じて最善では無くなるのが普通のことなので、その都度変更管理が行える様になっていなければ、国民の真の要望に沿うことは出来ません。その意味では、今月初旬の「道路公団民営化推進委員会」がその突破口となり得るのだと思います。見直し派三名、推進派二名、中立派二名で構成された委員会は論議を重ねましたが、見直し派による中立派二名の取り込みによって多数意見となりました。事務局・国土交通省の推進案は、経済性・社会環境的観点から、中立派に妥当性を認識させることは出来ませんでした。それに対して自民党。地方行政知事(雄とも思われる大分県、高知県知事も入っているのは驚きですが・・)からは答申報告書の無視、従来行政の推進が叫ばれている様です。次世代への負担は、経済成長神話によって払拭出来ると思っているのみで、不確定要素(リスク)を管理し、必要に応じた変更管理も認めない旧態依然たる体質が抜けきっていないのです。積年の病弊は、公明正大な国民投票によって正さなければなりません。その際に将来予想される不確定性リスクはおおよそ明らかにされましょう。一般に禊ぎと呼ばれる選挙では、その他のしがらみが強く、真の解決ではあり得ないと思うのです。
2002.12.29
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バレンボイムは現在では指揮者として活躍していますが、素晴らしいピアニストです。ベートーベン、モーツアルトのピアノソナタ全曲演奏のCDは今でも名盤として広く販売されています。指揮法は12才からマレケビッチに学び、フルトベングラーにも推奨される活動をしていました。ピアノによる音楽の限界を認識したのでしょうか、嘗てカラヤンも、バーンシュタインもピアノを目指して練習を重ねたのですが、知人からの「君の欲する音はピアノでは不可能で、管弦楽によるしかない」との助言で指揮者になったのですが、バレンボイムもそうだったのかも知れません。そう言えば名指揮者ジョージセルも素晴らしいピアノ演奏者で、彼の場合はデュオソナタで音楽CDは遺されています。バレンボイムの妻は名チェリスト、デュ・プレです。彼女は不世出の女流チェリストとして活躍している最中に、多発性硬化症という不治の病に取り憑かれ、その後16年間難病と闘って死に至るのです。その間、彼女を支え続けたバレンボイムの誠実さ特筆すべきものです。1991年録音のモーツアルトの“デュポールの主題による変奏曲”を聴いて下さい!バレンボイムの経歴について彼のHPからの抜粋です。Daniel Barenboim was born in Buenos Aires in 1942 as a Jewish Russian descent. His family moved to Israel in 1952. He made his debut as a pianist in Vienna and Rome in 1952. From then, he made annual concert tours of the United States and Europe. He made his recordings the most important works in the piano repertory, including complete cycles of the piano sonatas of Mozart and Beethoven and concertos by Mozart, Beethoven, Brahms and Bartok. During the same period, he devoted more time to conducting. He made tours with the English Chamber Orchestra all over the world, from 1965, lasted over a decade.He was assigned as a conductor with the New Philharmonia Orchestra in London in 1967. He made his opera conducting debut in 1973 in Edinburgh, UK. He made his Bayreuth debut in 1981.In 1991 he succeeded Sir Georg Solti as Music Director of the Chicago Symphony Orchestra. In 1992 he became General Music Director of the Deutsche Staatsoper Berlin. He has also had a long and distinguished association with the Berlin Philharmonic and maintains a close relationship as well with the Vienna Philharmonic. His incisive intelligence, exceptional technique and musicianship have been at the core of definitive performances.
2002.12.25
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12月24日朝日新聞の朝刊文化欄に次の様な記事が掲載されている。CM好感度-「笑える」希林が1位CM総合研究所の2002年度CM好感度調査で、樹木希林が女性タレント1位になった。過去10年の1位は、広末涼子、藤原紀香(2回)、鈴木京香(2回)、飯島直子、中山美穂・・。この唐突感は何なんだ。でも、10年以上前からベスト3の常連。要すれば、質が他と違うのだ。この人への好感は、出れば笑えると言う点に尽きる。しかし、本人に会ってのインタビューで認識を改めることになった。「私は周りとは関係なく、自分でCMと言う場が面白いと思ったから40年以上出続けて来たの」。その自負を裏打ちする覚悟もあった。今年、CM出演していた日本信販の利益供与事件が発覚。会社から謝罪があったと言う。「私は契約中は企業と一緒に恥をかく。それが自分ではCMに出る基本だと思う。この器量で人前に出るんだから腹をくくってけよ、と言い聞かせてるの」道化の裏の「すごみ」と「責任感」。大企業の不祥事が目立った今年、この人が1位になった意味はそれなりにあると思う。自分では「食べない」「飲まない」と思われる飲食製品へのスポーツ選手・タレントの無定見なCM出演、それを無批判に垂れ流し不祥事が発覚すると単に放映しなくテレビ各局。それに対する謝罪放映も無く、メディアの責任が全く欠如している掃き溜めの現状に対して、1羽の鶴が正鵠な警告をしているなと思いました。
2002.12.24
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