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忘れてはならないもの。それは人の恩。春、若者は恩師のもとから旅立ちます。彼ら、彼女らの旅立ちを、誰が助けてくれたのでしょう。母の面影を求め、美人画を描き続けた蕗谷虹児さん。蕗谷さんのデビューは、竹久夢二さんのお陰でした。夢二さんは蕗谷さんを、編集社の水谷まさるさんに紹介します。それは蕗谷さんの「少女画報」へのデビューのきっかけとなります。同じ美人画を描き、将来は夢二さんの仕事をも奪う可能性の高い蕗谷さんを、夢二さんは惜しげもなく編集社に紹介したのです。蕗谷さんは生涯この恩を忘れず、夢二さんを「夢二先生」と呼び続けたそうです。私も大変お世話になった恩師がありますが、今年度で退官されます。いつかは恩返しをと思いつつ、かなわぬままなのが心残りです。ただ感謝の思いを忘れないこと。それしか私には出来ませんでした。私は多くの人の恩を受けて生きています。ブログも皆さんからの恩で、今日も続けることが出来ます。これからも皆さんへの感謝を忘れません。ありがとうございます。そしてもうひとりのブログの恩人へ。ねこさん、きみに感謝。【 理知と官能の女性美 蕗谷虹児展 】
2007.03.31
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春を告げる黄砂。しかし黄砂を浴びてはなりません。今日の本は、その黄砂の大学での研究結果です。遠くタクラマカン砂漠から、黄砂は運ばれてきます。そして日本に来た黄砂は、二酸化硫黄にまみれています。黄砂は中国のスモッグから、亜硫酸ガスを吸着しているのです。汚染された黄砂は、遠く太平洋の半ばまで到達し、海洋を汚染します。経済発展に沸く中国。その街はスモッグで酷く霞み、マスクをする人も多くなりました。いつかは迎える破滅の前兆。春の訪れを告げる黄砂。晴れた春の日、子供たちは校庭や公園を駆け巡ります。その子供たちに黄砂は降り注ぎます。とても静かに。黄砂を浴びてはなりません。黄砂を吸ってはなりません。黄砂は運んでいるのです。春ではなく、闇への招待状を。
2007.03.30
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引越ししたこちらの地域には回覧板があります。今日も回覧板が回ってきました。ひねくれ者の私は、回覧板を受け取ると少し複雑な心境になります。回覧板。それは大政翼賛会が結成した隣組により、戦時下に生まれました。回覧板の目的は、単なる情報伝達ではありません。近所に共産主義者が潜んでいないかを、監視し合うためのシステムでした。それを思うと、少し複雑な心境になります。隣組の歌詞には助け合いの精神があります。ただ非国民という言葉に代表される、集団意識を生み出した面もあります。近所付き合いの薄い現代は、ある意味危険でもあります。是非、良いところを引き継ぎたいですね。私は翼賛会から配られた骨董の湯呑を持っています。この湯呑には、隣組の歌詞がプリントされています。とんとんとんからりと隣組 / 格子を開ければ顔なじみ 廻して頂戴 回覧板 / 知らせられたり知らせたり とんとんとんからりと隣組 / あれこれ面倒味噌醤油 ご飯の炊き方垣根越し / 教えられたり教えたり とんとんとんからりと隣組 / 地震や雷 火事どろぼう 互いに役立つ用心棒 / 助けられたり助けたり とんとんとんからりと隣組 / 何軒あろうと一所帯こころは一つの屋根の月 / 纏(まと)められたり纏めたり
2007.03.29
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ねこさん、なまずに勝利!
2007.03.28
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人は自然から多くの恵みを受けています。それは人が完全でないから。人は遺伝的な欠陥を持っているから。私たちは果物から、ビタミンCを取り入れます。しかし大半の哺乳類は、ビタミンCを体内で作り出すことができます。作れないのは霊長類とモルモット。霊長類にはビタミンCの合成が途中で止まる遺伝的欠陥があるから。自然から果物を多く取れた霊長類は、この遺伝的欠陥に気がつきませんでした。あまりに豊かな自然に恵まれたから。豊かな自然の恵みがなければ、淘汰されたはずの人類。今、人は積極的にビタミンCを補給することを意識しなくてはなりません。人が自然の恵みを失いつつあるから。そして人はこの欠陥に気がつきました。いえ、気付かずにはいられなかったのです。自然と共に、人類が傷つき始めたから。
2007.03.28
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太陽神ヘリオスの息子パエトンは、父の日輪の馬車に乗り天空を駆け巡ります。有頂天になり、歓声をあげるパエトンでしたが、荒馬は彼の手にはおえませんでした。暴走する馬車は地球にぶつかりそうになり、大地に近づきすぎ、地上を焼きます。そうして出来たのが、今のサハラ砂漠です。大神ゼウスは、この無法な青年パエトンに雷電を投じます。雷電を受けた彼は流星のように燃えながら、エリダヌス川に落ちたのです。その日、太陽神ヘリオスは悲しみ、輝きを止めます。パエトンの姉妹は悲しみのあまりポプラの木となり、涙は琥珀となります。パエトンの行動は、実力を超えた無謀な試みではありました。しかし春の旅立ちの時、無謀な挑戦もあっても良いと思います。パエトンは荒馬の手綱をさばけませんでしたが、いつかは父を越える力を持ちえたはず。ゼウスの裁きではなく、太陽神ヘリオスの見守る心が必要でしょう。また、パエトンの母は、海の女神の娘クリメネでした。海といえばポセイドンを思い出します。ポセイドンは、地震の神でもあります。海で起きた今回の地震。ポセイドンは何をお怒りなのでしょうか。
2007.03.27
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間違った研究成果にノーベル賞が贈られたことがあります。それは発癌についての研究。ノーベル賞候補は、デンマークのヨハネス・A・G・フィビガー博士と、東京帝国大学の山極勝三郎博士と市川厚一博士。フィビガー博士は癌の原因を寄生虫と提唱し、山極博士は市川博士とともに刺激説を唱えます。山極,市川両博士は実験での立証のため、毎日、ウサギの耳にコールタールを塗り続けます。しかし、1926年ノーベル医学生理学賞は、フィビガー博士に与えられます。ネズミにゴキブリを与えることで発癌するとした、フィビガー博士の説が認められたためです。山極博士も市川博士とともに、ウサギでの刺激説の実証をしたにも関わらず。その後、フィビガー博士の寄生虫説は、完全に誤りであることが分かります。彼が作ったと発表した腫瘍は、癌ではなかったのです。本当の人工癌は、山極,市川両氏により作られ、また刺激説も正しかったのです。フィビガー博士がノーベル賞を受賞した理由。それはフィビガー博士が高名であったことによる、権威尊重主義があります。そしてもっと大きな理由は、東洋人に対する人種差別でした。過去の過ちは仕方がないと思います。しかし、私は大きな疑問を感じます。なぜ、フィビガー博士のノーベル賞は、今日でも取り消されないのかと。科学は正誤を見極める学問であったはず。80年以上経った今日でも、医学書には、山極,市川両博士の実験が紹介されています。しかし、フィビガー博士の寄生虫説を教える医学書は、全く存在しないのでした。
2007.03.26
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横浜にオープンした「ららぽーと横浜」に、マイセンのパイプオルガンが登場しました。恥ずかしながら、私はこのことを知らず、Erik Satieさんの日記で知りました。プロフィールのマイセンの孔雀の写真も頂きました。ありがとうございます。このオルガンは、カリヨン広場にあります。これはまさしく、ケンドラーも夢見たあのパイプオルガン。高さ5m、40鐘の白磁カリヨンと49本の白磁パイプオルガンからなります。規模こそはアウグスト王の夢より小規模ですが、これが日本にあることは特筆すべきでしょう。是非、本物を拝見したいと思います。演奏は1時間毎です。どなたかご覧になられたら、また感想を教えてください。感動で何か、日記のまとまらない私でした。
2007.03.25
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恐竜の時代、ほ乳類はねずみの様な姿で、物陰に隠れながら生きていました。しかし隕石の落下により恐竜が滅んだ時、ほ乳類は生き残ります。ほ乳類にも同様に絶滅の危機はあったはず。なぜ、生き残れたのでしょうか。その理由は小さい体と、短い命。小さい体は食料を多く必要としません。短い命は、次々と世代交代を促します。短い命は、次の世代への希望でもありました。滅びかけたほ乳類は短い命のお陰で、瞬く間に数を増やしていきます。それに比べて恐竜は、数を増やせませんでした。あまりに巨大で、あまりに命が長すぎて。今日、人類はほ乳類としては大型で、それ以上に熱、電気などのエネルギーを浪費します。命も長く、そして少子化により、世代交代も減速しています。現代に生きる恐竜、それは人類。次の滅亡の危機が起きた時、私たちは生き残れるでしょうか。
2007.03.24
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過去の不思議な商品の数々をご紹介するこの本。珍しい商品が出てきますが、どれも説明書だけで商品が見つかりません。じつはこの商品は、すべて空想の産物です。しかし著者のこだわりで、説明書は文字までレトロ風に切り貼りされ、実在したかの様な説明書になっています。私のお気に入りは「万物結晶器」。全ての物を結晶化させます。しかし既に結晶化しているものを入れると、壊れるそうですからご注意を。「アストロ燈」は、光ではなく闇を出すライト。不思議なのは「時間幻燈機」。失われた物をなんでも投影する機械ですが、失われた幻燈機は投影出来ない様です。それと私は「全記憶再生装置」が欲しいのですが。レトロ調に復刻されたカタログと解説が楽しいこの本。楽しい空想の世界が広がります。是非、ご覧ください。
2007.03.23
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コレクターの世界は面白いものです。今日はなじみのない世界ですが、怪獣ソフビの本をご紹介します。空想雑貨店主 神谷僚一さん著の「怪獣玩具の冒険」。かつてのソフビメーカ マルサン。1966年に怪獣ソフビを発売し、1968年12月20日には倒産してしまいます。1967年7月には、会社名を株式会社マルザンに変更していますので、マルサンのソフビは特に貴重。現代のソフビと異なり、マルサンのソフビは不恰好。大きすぎる頭に、短足でバランスの悪い体形。元のキャラクターに似ていない独自のデザインの怪獣。分厚くて重いソフビに、違う地肌に塗装して色調整。こだわりのある好き嫌いの分かれるぼかし着色。必ずしも綺麗とはいえないこれらの特徴が、マニアの心をくすぐります。マルサンのソフビの時代、日本は急激に成長していました。日本が限界に挑戦していた時代でしょう。それに比べ、今の日本は何に挑戦しているのでしょう。奈良から愛知へ、そして東京への出張の新幹線で、そんなことを思っていました。東京に到着し宿泊。静かな東京で、休日だったことを思い出します。ソフビを眺める様な休養が少し必要かな。日記を書きながら、ふと、そんなことを考えたのでした。
2007.03.22
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映画「ウォーター・ワールド」で、ケビンコスナーにはエラがありました。つまり一種の半魚人です。そこで考えます。人は半魚人になれるでしょうか。魚はなぜ水中で息が出来るのでしょう。エラがあるから?そう、でもそれのみではありません。実は魚が冷血動物であることが重要です。冷血動物は、私たち温血動物、つまり哺乳類よりエネルギーを消費しません。そのため魚の酸素消費量は少ないのです。一方で、哺乳類は同じ体重で、魚の15倍の酸素を消費します。しかも人は大型魚の何倍もの体重があります。その結果、半魚人ケビンコスナーは、全身を羽の様に覆うとても大きなエラを何枚も持たなくてはなりません。しかもそのエラに酸素を送るため、高速で泳ぎ続けなければならないのです。体中を大きなエラに覆われて、水中を高速で泳ぎ続けるだけの半漁人。私たち人間は、母なる海に戻れないのでしょうか。いいえ、そうではありません。イルカやクジラは哺乳類。エラではなく、肺を持ったまま、海に生きています。エラを持たず、とても強靭な肺活量とクジラの様な空気穴をもった姿。それが半魚人としての人間の姿なのです。これなら海に戻りたい。皆さんは、そう思われますか?
2007.03.21
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ギリシア神話の世界で、迷い子になってしまいました。ゴルゴン、エキドナ、メデューサの3姉妹のお話です。メデューサ以外のふたりは不死身です。特にエキドナは、上半身が美女、下半身は蛇の魔人。多くの子供がいて、複雑です。エキドナはテューポーンと結婚します。テューポーンは百の蛇の頭、火を放つ目、毒蛇の下半身の最強の巨人。エキドナとテューポーンの間には、多くの子供が生まれます。キマイラは、ライオンの頭と山羊の胴体、蛇の尻尾を持つ子供。実は女性です。ケルベロスは3つ首で、蛇の尾とたてがみを持つ巨大な犬の様な男の子。オルトロスは黒い双頭の犬。鬣一本一本と尻尾が蛇。ラドン100の頭を持つ茶色いドラゴン。ヒュドラは9つの首を持ち、一本の首を切り落としても、すぐに二本の首が再生する怪物。これらの子の多くは、ヘラクレスに倒されます。もっとも、ヒュドラの毒は最後にヘラクレスを殺しますが。さらにエキドナは、オルトロスとの間にも子を授かります。スフィンクスも子供で、実は女性。矢も通さぬ体のネメアや、パイアも子供です。しかし、そもそも夫のオルトロスは自分の子供でしょ。さらに、エキドナはヘラクレスとの間にも子供がいます。ヘラクレスは自分の子供たちを殺害した宿敵では?アガテュルソス、邪神竜ゲロノス、スキュテスなどが子供です。しかもスキュテスはスキタイ人の祖先らしい。そしてエキドナは、なぜか百眼の魔神アルゴスに殺されたという話もあります。不死身なのに。とても複雑なエキドナの生き方(?)。これに比べるとメデューサはシンプルです。ペルセウスに首を切られ、そこからペガサスが生まれるくらいは自然に思えてきます。整理しようとして、結局良く分からなくなりました。分かったのは、エキドナがすごいお母さんだったということぐらいでした。皆さんは、この中に好きな怪物はいますか?何でもご存知なことがありましたら、教えてください。< ↓ ランキングクリックはこちらから > にほんブログ村
2007.03.20
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月について書かれた絵本「君といたとき、いないとき」をご紹介します。ただし私の脚色が多く入っています。ある日、月が地上に落ち、あるはずのものがなくなったときのお話です。なくなった月の代わりに、人は人工の月を作ります。一度は代わりになった人工の月ですが、なにかがたりません。人の心はすさび、街は荒れていきます。人の作った偽物では、自然の代わりはできませんでした。いつも月は、空から私たちを見守ります。月は満ち、そして欠けていきます。人生に喜びと悲しみがあるように。出会いと別れがあるように。月は日々満ちていき、満月を迎えます。しかし満月の翌日には、欠け始めます。人は喜びに満ちたと感じるとき、もうそこに悲しみが湧いてきます。まさに、月が満ち、欠けるように。人の悲しみを消すために、月は闇を照らします。その月が欠けたなら、私たちの喜びで月を満たしましょう。喜びは分け与えるものと知っているから。そして、私たちの悲しみがなくならないと知っているから。月は満ち、そして欠けていきます。この世に、喜びと悲しみがあるように。この世に、出会いと別れがあるように。
2007.03.19
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19世紀ヨーロッパを代表する美女にして、悲劇のオーストリア皇后エリザベート。天賦の美貌に加え、172cmの長身、50kgf以下の体重、そして50cmのウエスト。人々は白百合の様に清楚で、白鳥の様に典雅と彼女を讃えます。しかし彼女の生涯は、悲劇に満ちています。幼少の頃、彼女はアルプスのバイエルン山中で、自然と共に自由に暮らします。風を友とし、花を話相手に育ちます。その彼女は15歳で結婚相手を決められ、そして彼女の意思に関わらず皇后となります。太公妃は自然児の彼女に、宮廷生活の教育を押し付けます。この時から、嫁と姑の対立は始まり、彼女は精神的に崩れていきます。ハプスブルグ家の伝統の重圧に耐えかねた彼女は、ウィーンを離れ、地中海の孤島マディラ島に静養に出ます。小鳥に囲まれ、蝶を集め、鸚鵡と歌う日々。彼女は本来の明るさを取り戻します。その後もウィーンに帰ると体調を崩す彼女は、旅に生活の中心を置きます。生涯で数千キロを走破。彼女は子供の頃から、乗馬の名人でした。彼女が編み出した横座りの乗馬の姿勢は、通称アマゾネス。「天使の容貌だが、悪魔の様に馬を駆る」と言われた、競馬並みに疾走するライディング。馬を4頭代え、8時間疾走し続けたこともありました。自然の多いハンガリーを愛し、ハンガリー王妃にもなった彼女。50歳を過ぎてもその美しいスタイルは変わりませんでしたが、彼女は人目を避け、若い頃の自分の姿のみを国民の記憶に留めようとします。あまりに強い美への執着。52歳の時、一人息子の皇太子ルドルフが公女と心中をします。あまりに大きな悲嘆は彼女の精神を蝕んでいきます。ルートビッヒ2世の溺死、そして彼との婚約破棄があったエリザベートの妹ゾフィーの焼死。彼女の厭世的な姿勢は強まり、喪服姿で旅先を異常な速さで移動する姿が、各地で見られる様になります。そして最期の時は訪れます。スイスのレマン湖で遊覧船に乗ろうとした彼女は、暗殺者に刺され亡くなります。悲劇的ですが、既に生きることに疲れていた彼女には、ようやく訪れた安息でした。幼少の頃の彼女の呼び名は「シシィ」。シシィと呼ばれ、アルプスの自然に囲まれていた頃の彼女は幸せでした。繊細で、情熱的で、飾り気がない。それが彼女の本質でした。美しさが彼女を皇后にし、そして彼女を不幸にしたのです。美しいということは、拘束という代償を強いるものなのでしょうか。
2007.03.18
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ノイシュヴァンシュタイン城を作ったバイエルン王、ルートヴィヒ2世。騎士道、音楽、演劇等の芸術を愛した王。作曲家ワーグナーのパトロンとしても知られます。戦争を嫌い芸術に逃避する王は、普墺戦争で最強のプロイセンのビスマルクに敗退します。一方でビスマルクは、ルートヴィヒ2世の高尚さに尊敬の念を抱きます。背が高く美貌の王は、生涯独身でした。ただ同じ様に王室を嫌うオーストリア皇后エリーザベトとは、精神面で共感しました。しかし彼女は人妻でした。王はベルサイユ宮殿に感化され、城作りに専念します。ルネサンス様式のリンダーホーフ城。ヘレン島に立てられたヘレンキームゼー城。そして、美しいノイシュヴァンシュタイン城。城は王のためだけの城とされ、公開は拒否されます。これらの城は王室の私費で建造されますが、戦争の賠償金と合わせて国家予算を危うくします。ノイシュヴァンシュタイン城に住み始め、王は昼夜逆転の生活を送り始めます。また王は太り、かつての美貌を失っていきます。厭世的な王を総理大臣らは精神病と称し、ベルク城への幽閉を決めます。更に城の建造を中止させられ、生きていく意味を失った王。幽閉された翌日の散歩中に、王は同伴の医師とともに湖で水死体とし発見されます。41歳でした。自殺か、陰謀か、事故か。真実は不明です。人はルートヴィヒ2世を夢想王と呼びます。まさに高尚な夢の世界に生きた王でした。王が公開を拒否したノイシュヴァンシュタイン城は、今では有名な観光地です。皮肉にも公開によって、城は存続したのです。
2007.03.17
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昨日、3/15に2万5千アクセスを達成しました。皆様のおかげです。ありがとうございます。12/11 1万、1/28 1万5千、2/20 2万アクセスでした。このブログも不人気な男性サイトらしく、開設当初は1日当たりゼロアクセスを記録していました。ゼロアクセスは、できそうでできない数字です。それが今まで続いたのは、皆様のおかげです。よく来られるお客様で、最も近かったのは、ビートル0423さんの25,001番目でした。おめでとうございます。レオ0503さんが25,004番目、ponko96さんが25,010番目、璃花ちゃんさんは24,990番目でした。ありがとうございます。昨夜も、東京の出張から名古屋まで戻り宿泊でした。この日記もホテルからです。必ずしも順風ではないこのブログ。明日も、明後日も、可能な限り続けたいと思います。このわずかな間でも、ブログのお客様は変わっていきます。出会いと別れが当然なのがブログ。そんな世界ですから、その日その日を大切に続けたいと思います。これからもよろしくお願いします。 >
2007.03.16
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岡山県備前市伊部の備前焼の作家のお宅には、以前によく御訪問しました。木村玉舟さんもそのひとりです。大変に造形に勢いがあり、置物などは見事な作品を作られます。昔、ご訪問した時も、窯出しの忙しい時でしたが、対応頂きまして、感謝しております。その時は、帰りに魚(カレイ)の壁掛けを購入させて頂きました。今日は置物が見つからず残念ですが、花瓶をご紹介します。伊勢崎純さんも人間国宝になり、相変わらず勢いのある備前焼。今後の進展を期待します。
2007.03.15
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ラファエル前派の画家、ロセッティ。彼を語るには無視できない、ふたりの女性がいます。それは、彼の妻エリザベス・エリナ・シダルと、美女ジェーン・バーデン。ロセッティとジルダは、10年の交際の後に結婚します。しかし、それは幸せな結婚ではなかったのです。ロセッティは、ジェーンに惹かれていました。しかしジェーンが結婚したため、ロセッティはジルダと結婚したのです。結核を病み病弱で繊細なジルダ。ロセッティはジルダを残し、ジェーンをモデルに絵を描き、愛の言葉をささやきます。冷え切った夫婦関係に心を病むジルダ。さらに死産をきっかけに、阿片チンキを多量に服用し、彼女は他界します。結婚からわずか2年後の自殺同様の死でした。ロセッティはジルダの死を悼み、降霊会を開くなどします。さらに彼女と共に、自らの詩集を埋葬します。しかしその後も、人妻ジェーンとの関係は続きます。そしてジルダの死から7年後に、詩集が惜しくなり、墓を暴きます。爆発的に詩集は売れ、ロセッティは潤います。しかしこんなことが許されるでしょうか。ジェーンとの関係への世間の批判、そして妻の墓を暴いた罪悪感は、ロセッティを追い詰めます。幻聴に悩まされ、酒と薬におぼれるロセッティ。その彼も54歳で、妻の後を追います。妻と同じ阿片チンキ中毒でした。ジェーンはロセッティから解放されますが、彼女には「男を破滅に導く妖女」の汚名が残されます。ロセッティが彼女をモデルに、妖女を描いたためでもありますが。誰も幸せになれなかった関係。ロセッティの絵からは、彼のジェーンへの想いは伝わります。しかし彼の絵は妖しくはあれ、少しも魅力的な女性像には、私には思えないのです。ロセティの絵画: http://www.korega-art.com/rossetti/
2007.03.14
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21世紀には、月面基地に人が住んでいるだろう。子供の頃に、そんなことを思っていました。しかし、2007年の今も、月面基地はできる兆しすらありません。なぜでしょう。絶対に必要な酸素。月の土壌は酸素を含むので、電気分解で月でも取れます。だから酸素には困りません。水。これは地球から運搬しなくてはなりません。しかし水素を運び、月で採取した酸素と反応させて、水を作るともっと良いでしょう。電力。これは太陽発電か、原子力発電でしょう。食料。人は1年で、200kgfの乾燥食料を摂取します。農耕をするには、もっと多くの元素を、月に持ち込まなければなりません。住居。これは地球から運びます。そうしますと、人間一人当たり、月では次の物が必要です。食料 230kgf以上。農耕した場合。住居 430kgf。生産設備 450kgf。人 90kgf。計 1.3トン。例えば100人で住むとしても、計130トン必要です。しかしシャトルでの月への運搬費は、1kgf当たり1200万円以上。つまり月面基地完成までに往復すると、数十兆円の費用が必要です。この費用の大きさが、月面基地が出来ない理由です。なんだ。これならすぐに、月面基地は出来るではないですか。ちょっと、戦争を我慢すれば。
2007.03.13
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中島誠之助さんの本に、骨董で贋作を騙されて買う人のタイプが載っていました。「騙されやすい人」1. 欲が深い人2. 出発点のレベルが低い人3. 適度に小金があり、教養もある人「欲が深い人」は、純粋に品物が気に入ったのではなく、この品物で儲けようという気がある人。「出発点のレベルが低い人」は、有名な骨董店ではなく、小さなお店ばかりを探して買う人。露天の骨董市やフリマ好きの方も注意です。「適度に小金があり、教養もある人」は、お役人や学者タイプの方で、退職金で適度なお金ができた人。このタイプの人は、特に大きな落とし穴にはまる可能性があります。露天の骨董市やフリマ好きの私は注意ですね。皆さんはいかがでした。中島さんの本は非常に多く、また重複した内容が多くの本に見られるのが難点です。この本も、今までの本を3~4冊分まとめて収録した様な内容です。ですから、中島さんに関しては、なるべく新しい本をご覧になるべきでしょう。ちなみに先日の永仁の壺事件についても、少し記載があります。皆さん、骨董,アンティークは贋作を購入しない様、ご注意ください。もっとも、そういう私が危ないのですが。
2007.03.12
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昨日、ある会で過去の私に触れる機会がありました。以前、私は夢に向かって、本当に努力していました。約10年間の努力の後、私の夢はかないます。その時、努力はかならず報われることを知りました。ふと思います。今の私はどうでしょうか。努力は今も続けています。報われない努力はないと知っているから。しかし大きく違うこと。それは今の夢の大きさ。できるだろうことを、夢にしていること。難しいのは努力を続けることではなく、夢を大きく持ち続けること。過ぎ去る時間は、人から夢を奪っていきます。できそうにないことに挑むこと。それが本当の夢への挑戦。努力はいつか報われるから。夢はいつかかなうから。奇跡も努力すれば、奇跡ではなくなるかもしれないから。夢を大きく持ち続けること。それは難しく、それでいて、人生を左右することなのです。だから、せめてあの頃の夢を、もう一度持つことができたら。そうすれば、今とは違う私に、私は出会うことができるでしょう。
2007.03.11
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有名な永仁の壺事件を、今あらためて整理したいと思います。愛知県の道路工事現場から、鎌倉時代の永仁の銘のある古瀬戸の瓶子が発掘されます。それと同じくして、加藤唐九郎さんが古窯松留窯からの出土品として、古瀬戸の破片を根津美術館に寄贈します。文部技官の小山富士夫さんは、その破片と永仁の壺の一致から、この壺を鎌倉時代の古瀬戸と認めます。この騒ぎの中、2個の壺のうちの1個が海外に流出します。海外への壺の流出を恐れた小山氏は、文化財保護委員会に推薦して、壺を重要文化財に指定させます。1960年のこと。しかしその翌年、加藤唐九郎さんが、それは本人が過去に作った贋作であると告白します。また、あの松留窯も架空の窯跡でした。その結果、小山氏の権威は失墜し、自ら引責辞任します。しかし、石油会社の出光興産は、小山氏の才能を評価し、出光美術館の顧問に迎えます。今日の出光美術館の充実には、小山氏の影響も大きかったことでしょう。世間的には悲劇の主人公 小山氏に対して、加藤唐九郎さんは悪玉です。しかし唐九郎さんも、一度受けた人間国宝の称号を取り消されています。あまりに謎の多いこの事件。私が気になるのは、この騒ぎの渦中で消えたもうひとつの永仁の壺。おそらくかなりの高額で、海外に売られたのでしょう。この事件が、壺の高額販売の宣伝になったことは間違いありません。また唐九郎さんは、なぜ戦前に作った自らの作品を、嘘の窯跡まで利用してPRしたのでしょう。永仁の壺自体は、戦前の苦しい時代に、やむなく作った贋作です。さらにこの壺の偽造は、当初は唐九郎さんの息子の仕業とされていたのです。これは本当に唐九郎さんの作品でしょうか。人の真贋判定力が問われたこの事件。今では真贋の判定に、蛍光X線分析器が導入されています。後に再開した小山氏と唐九郎氏は、お互いに笑顔で握手したそうです。この事件の真相は何でしょうか。お二人が亡くなった今では、これ以上のことは分からないでしょう。あまりに有名なこの事件の後も、骨董界に変化はありませんでした。真作と贋作の違いは何か、その答えは今も捨て置かれたままです。
2007.03.10
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昨日のお話が少し重かったので、今日は洋食器のお話で一息入れましょう。今週、リモージュから、アビランドはご紹介しました。しかしリモージュには、多くの窯が存在します。そのひとつはベルナルド。1863年創立の王室御用達です。パリ万博で金賞を受賞した名窯です。もうひとつはレイノー。1849年創立の長い歴史があります。大量生産ではなく、注文生産を取る希少性が特徴です。今回もご紹介する商品がありませんでした。日本ではまとめてリモージュと呼ばれますが、それぞれに特徴や味わいがあります。一度、手にとって、洋食器との時間をお楽しみください。
2007.03.09
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これはペンギンの姿を借りた、ある一家の実際のお話。とおさんペンギンはある日、癌に罹りました。とおさんペンギンは、自分の体より、かあさんペンギン、こどもペンギンのことが心配です。とおさんペンギンは、入院を拒みます。もう治らないと思うから。 いいえ、違います。残された家族が心配だから。癌治療は、あまりにお金がかかるから。やせて、弱っていく、とおさんペンギン。家族の頼みで、ついにとおさんペンギンは入院します。でも週末には帰ってきて、仕事を始めるのでした。とおさんペンギンは、癌でもう食べることもままなりません。でも生きるために、食べる努力を続けます。そして、倒れそうになりながら、仕事へと出かけていくのです。かあさんペンギンは、とおさんペンギンを見送ります。倒れないで。無事に戻ってきて。自分の死を前に、とおさんペンギンは決心します。北海道にいる、遠くの家族に会いに行こうと。遠い、遠い旅を、家族とともに、とおさんペンギンは歩みます。やっとたどり着いた北海道で、とおさんペンギンは、遠くの家族の幸せを確認します。大きく、広い、北海道の自然は、とおさんペンギンを包みます。北海道の家族の幸せを確認し、とおさんペンギンの旅は終わります。とおさんペンギンは言います。北海道に行って、よかった。北海道から戻った、とおさんペンギンは眠り続けます。そして3日後に、再入院。苦しい、苦しい痛みが、とおさんペンギンを襲います。とおさんペンギンは、家族に聞きます。いなくなっても、大丈夫か?入院して5日後、家族想いのとおさんペンギンは、静かに息をしなくなります。とても安らかに、ほほえみながら。とおさんペンギンは、自分の最期の時間を、家族のために使いました。終わりに、とおさんペンギンから、家族へのメッセージを記します。今を大切に生きなさい。
2007.03.08
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春。女神フローラが、花に生命を吹き込む季節がきました。花と豊穣の女神フローラ。しかし花の女神フローラには、悲しく恐い面もあります。花の女神となる前は、彼女はクロリスというニンフでした。ニンフには、人に魔法をかけ、狂わせる力があります。また多くの恋人を持った彼女には、娼婦の女神として蔑視された時代もあります。彼女の評価は、その時代の人の考え方や背景で変わります。彼女には、その時代の闇の面が反映されます。おそらく現代では、彼女が蔑視されることはなく、花の女神として愛されるでしょう。しかしそれは現代が、寛容だからではありません。今という時代が、あまりに渇いているからです。花に代表される自然の大切さ、豊穣の重要さが強く認識される時代だからです。ですから私はフローラを、素直に女神として受け入れたいと思います。私が求めているのは、次につながる豊穣の時代だから。
2007.03.07
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Haviland、読みづらいこのリモージュの窯はアビランド。フランスを代表する名窯です。ニューヨークの貿易商デヴィッド・アビランドは、フランスの高品質の磁器に目を付け、アビランド窯をリモージュに開きます。1842年のことです。リモージュはルイ15世の時代には、あまりに多いセーブルの磁器の受注を補うために、セーブルの下請工場として稼動します。しかしその後にまた独立し、独自の磁器窯として活動します。そのリモージュに乗り込んだデヴィッドは、パリで行われていた絵付けもリモージュに統合します。その後、鋳造成型の採用、フランス初の石炭焼成窯の採用など、革新的な活動を行います。代表的なパターン、アンペラトリス・ユージェニーは、ナポレオン3世の后ユージェニーへのプレゼント。フランスの国賓接待ではセーブルが使われますが、唯一、このユージェニーは例外的に使用されます。アビランドは、まさにフランスを代表する名窯です。久しぶりに洋食器の話題でした。
2007.03.06
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過去に戻りたい。あの日から、もう一度やり直したい。そんな願いはかなうでしょうか。タイムマシン。残念ながら、その可能性は理論的に否定されています。ただし未来へのタイムトラベルは可能です。光速に近い速度で宇宙に飛び立ち、宇宙を旅してから地球に戻れば良いのです。するとロケットの宇宙飛行士は、地球の人より歳が若くなっています。いわゆるウラシマ効果です。その結果、宇宙飛行士は未来にタイムトラベルしたことになります。もちろん片道切符の旅で、もとの時間には戻れません。過去へのタイムトラベルは、因果律を破綻させるので実現不可能です。両親がいない時代に子供がいるという、パラドックスが発生するからです。カリフォルニア工科大学のキップ・ソーン博士は、ワームホールを利用した過去へのタイムトラベルを提案しています。しかしワームホールを自在に光速で動かすこの手法には、実現可能性はありません。過去には絶対に戻れない。これが科学の導き出した結論です。あの日に戻れたら。その願いは、永遠にかなえられることはありません。どんなに過去を悔いても、もう取り戻せないのです。でも、これは幸せなことでしょう。私たちは、過去をやり直す義務から、解放されているのです。過去には戻れないから、未来に向かって進みましょう。失ったものは取り戻せないから、新しい希望をみつけましょう。旅立った人とはもう会えないから、これからは自ら新しい人生を旅しましょう。タイムマシンは、私たちには永遠に与えられません。どんなに科学が進歩しても、過去には戻れません。その代わり、私たちには未来への自由な時間旅行が許されています。決して過去には戻れないから。だからこそ、私たちは、常に明日へ旅するのです。
2007.03.05
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幽霊の画集を拝見していて、月岡芳年の「宿場女郎図」に目が留まりました。この絵は、結核でやせ衰えた遊女が階段を上る途中で振り向いた様を描いています。遊女は骨が浮かぶほどやせ衰え、もはや老女の様です。階段に片手を掛け、かろうじて自らの体を支えて振り向く様に、芳年は幽霊を見たのです。隔離された2階の黴臭い部屋で、過酷な生涯を回想しつつ、彼女はその時を待ちます。陽気な妖怪画に対して、幽霊画はひたすらに暗いのです。それは幽霊画が、抑圧された者の声だからです。時代の弱者は、幽霊画を通じて助けを求めています。芳年の幽霊画の悲劇は、日本では過去のものとなりました。もし現代に幽霊画が描かれるとしたら、それはどんな姿でしょうか。現在、孤独な高齢化社会が進みつつあります。芳年の幽霊画に、私たちの将来の姿が重ならないと言い切れるでしょうか。幽霊画の本当の怖さは、そのメッセージにあるのです。
2007.03.04
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最近では、オールドノリタケが購入しにくくなりました。価格が高くなったからではありません。中国からの贋作が多量に輸入されているからです。中国からの贋作はノリタケのみでなく、他の品物にも多くあります。そうなると、実際に手にとって見ないと、なかなか購入できません。ある程度信頼できるところから買う。これぐらいでしょうか。本来、中国製品の技巧は優れています。しかしながら、贋作はひどく乱雑な造りが多くあります。そのために、良い中国の陶磁器まで、安価に売られています。今日では、景徳鎮は雑陶器に近くなりました。せっかく中国は、国際的な地位が高まっています。贋作を止め、特許の盗用も止め、本来の中国の高度な工芸品を生み出して欲しい。切実に、そう思います。
2007.03.03
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大西洋が塩辛いから。それが、私たちが温暖な気候で生活できる理由です。大西洋で蒸発した水分は、偏西風により持ち去られます。そのために、大西洋は塩分濃度が高まり、太平洋より塩辛いのです。地球には海流があります。海流は赤道の温かい水を欧州付近に運び、欧州を暖めます。そしてそこで冷やされて沈み、海の底の深層流となって、赤道に戻るのです。この海流のループが、赤道の熱を高緯度地方に運ぶコンベアーとなっています。もし大西洋がもう少し塩辛くなくなったら。海流は沈み込む前に凍結して氷河となり、海流のループが停止します。それが今までの氷河期の始まりでした。温暖化でグリーンランドの氷河が融けると、大西洋の塩分濃度が下がります。そして海流のループが停止し、氷河期となるのです。しかし完全に海流が止まるのは、急激な温暖化が進んだ場合です。また氷河期が来ても、人類は滅亡しないと専門家は考えています。一方で、科学者や国家の上層部は、温暖化による別の人類滅亡を予想しています。それは何でしょうか。疫病でしょうか。実は氷河期を乗り越えるには、人類は多すぎるのです。氷河期で農作物は減り、資源の採取量も減少します。その時に人類は、食物,資源,住める場所を求めての争い、つまり戦争を始めるでしょう。この戦争こそが、人類滅亡の本当の始まりなのです。多くの国の知識人は、このことに気がついています。国家間の資源の奪い合いは、既に始まっています。また私たちも、自然の摂理が教える人類の過剰さを感じています。日本の小子化は崩壊を最小限にとどめるための、自然な適応かもしれません。温暖化が招くもの。それは人類そのものが招く、愚かな自殺行為なのです。
2007.03.02
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温暖化について不安を煽る様な内容ばかり書きましたので、反省して真面目に考察しました。なるべく新しい情報を加えています。温暖化が招くこと。それは極地の氷河が融けること。しかし氷河が融けて陸地の一部が水没するという、“小さな”ことが問題ではありません。恐ろしいのはハインリッヒ事象。地球の歴史では氷河期の前後に、急激な気温の上下変動が起きています。わずか5年ほどで気温が10℃近く急低下し、あるいは急上昇します。その変動を何年か繰り返して、氷河期になります。気温の急低下は、氷河が融けて海に落ち込むことで起こります。海が氷で冷やされるのです。この急激な変動は氷河期の前触れ。恐ろしいのは、この急変が5年ほどの短期間に起こることです。そして起きたが最後、それは確実な破滅への序曲となります。幸いなことでしょうか。その変更の期間は何度も繰り返されますので、完全な氷河期には1000年以上の時間がかかります。ですから、私たちは猛暑の夏と極寒の冬を体感する程度で済むでしょう。しかし後世の人たちには深刻です。知る必要があるのは、温暖化でもこのハインリッヒ事象が起こると予想されていること。温暖化は氷河期を招くかもしれないのです。そして重要なのは、その始まりは氷河が海に大規模に落ちるという、唐突な事件がきっかけで起こることです。それは、いつ起きてもおかしくはありません。しかし温暖化は、それほどに危険なのでしょうか。そのことは、明日、もう少し付け加えさせて頂きます。
2007.03.01
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