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いつも地図を見て歩いていたねこさん。ねこさんは”壁”にぶつかります。いつも人の作った地図を見て歩いていたねこさんは、自分の行きたい場所が分かりません。いつもは避けていた壁によじ登り、高い所から世界を見渡します。そして遠くに魅力的な町を見つけます。でもその町への地図はありません。自分で作るしかないのです。下手だけど一生懸命作った地図を手に、ねこさんは出発します。あの魅力的な町へ。途中でうさぎさんを追い越して、自慢していたねこさん。でも早い遅いは関係ありません。みんな行き先が違うから。転んだライオンさんを助けたねこさん。でも転ばないのは、ねこさんが走らないから。いつも安全な道しか歩かないから。歩きつかれて座り込むねこさん。それは背負ったリュックに、不要なものが入りすぎているから。そして再び壁に出会います。しかし壁はもう、ねこさんには小さすぎて気になりません。手にした地図には、これから歩む道しか書かれていません。未来しか見ないから。迷ったら、迷った場所が出発地点だから。自分のペースで歩みましょう。夢のために、挑戦しましょう。選択して、気負わず行きしましょう。そして、人生の地図は、私たち自身で作るもの。
2007.04.30
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昨日、35000ヒットを迎えました。こうしてゴールデンウィークまで続けられたのも、皆さんのご支援があったから。本当に、ありがとうございます。先回は私の日記のランキングをしましたが、今回はギリシア神話の日記を幾つか拾い集めました。【春】デメテルの微笑み ― ベルセポネが帰る日を待ちわびて ―花の季節の訪れ ― 女神フローラ ―春、旅立ち ― パエトンの悲劇 ―【迷える神々】月の女神セレネの想い ― 永遠の若さと永遠の眠り ―永遠の命 ― アポロンの巫女シュビラ ―知ることがもたらす不幸 ― キューピッドの恋 ―この様な日記にお付き合い頂き、ありがとうございました。これに懲りず、これからもご支援頂けますと幸いです。では、最後に番外です。ギリシア神話の怪物たち ― エキドナの子供 ―これからもよろしくお願いします。
2007.04.29
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夏目漱石を魅了した絵。その絵がロンドンのナショナル・ギャラリーにあります。それがあのポール・ドラローシュ の絵、レディ・ジェーン・グレイの処刑。描かれているのは、悲劇の女性ジェーン・グレイが首切り台を探す様子。ジェーンは、処刑人に聞いています。「どうすれば、いいのですか。台はどこにありますか。」1554年に、わずか16歳で処刑された彼女。エドワード6世の死後、ノーサンバランド公爵の大きな陰謀に嵌められた彼女。無理やり王位を押し付けられ、それに対抗するメアリーに孤立無援のまま降伏。メアリーはジェーンが大人の操り人形に過ぎないことを理解し、一度は彼女を許します。しかしスペインの要請により、7ヵ月後に行われた処刑。その処刑により、プラトンの「ファイドン」を原書で読む、学問好きの若きレディの命が奪われます。エリザベスに匹敵するといわれた学識の持ち主の命が。 夏目漱石は、「 倫敦塔」でジェーンを語ります。*薄命と無残の最後に同情の涙をそそがぬ者はあるまい。・・・踏みにじられたる薔薇のしべより消え難き香の遠く立ちて、今に至るまで史をひもとく者をゆかしがらせる。・・・余はジェーンの名の前に立留ったぎり動かない。動かないと云うよりむしろ動けない。*たった9日間の王位。わずか16歳での処刑。大人の陰謀に抗する力を持たなかった彼女。あまりにジェーンの人生は儚すぎます。しかし彼女は記憶は残ります。人々の心の奥深くに。
2007.04.28
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マリー・アントワネットの生涯はあまりに有名で、書きつくすことができません。ですから多くは書きませんが、マリーには心に残る言葉があります。賭け事で浪費をしたマリーは、市民の反感を買います。それにくわえ、マリーは軽率で、快楽を追う性格でした。その結果、必要以上の非難中傷を受けることになりました。ダイヤの首飾り事件ではマリーは被害者でしたが、非難はマリーの浪費に向けられました。10月行進でのパンを求める市民の抗議。これは何者かがパンを買占め、パン価格が上昇したための仕組まれた暴動。しかも、マリーのものではない言葉が、あたかもマリーからの様に語られました。「パンがなければ、お菓子を食べればいいのに」マリーは、こんな言葉は発していない。この頃、マリーは賭け事をやめ、マリー・テレーズらの子育てに喜びを見出していたのに。王妃ひとりの贅沢で、国家財政が危機に瀕す訳はありません。また、今のマリーがどうであるかは無関係でした。彼女は旧体制の象徴として、批判され、処刑される運命にあったのです。マリーは自らの処刑を前に悟ります。自分が歴史的人物になるさだめであることを。そして深い言葉を残します。そこには若い頃の軽率で、不注意だったマリーの面影はありません。「不幸にあって初めて人間は、自分が何者であるかを知ります」死を前にしたマリーは、まさに王妃でした。
2007.04.27
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私の好きな話。2人の重病の男が、同じ病室に寝ていました。お互いに読書も、テレビも、起き上がることも許されていませんでした。しかしお互いの声だけは、届く距離にありました。ふたりは何時間も話し合います。一方の患者は、その部屋唯一の窓の傍に寝かされていました。窓の見える患者は、窓の見えない患者に、外の様子を語ります。窓の外には大きな公園があり、綺麗な花が咲き乱れているようでした。若い恋人達の楽しげな様子、公園でボール遊びをする子供達。時には公園に犬が落ちて、大騒ぎになることもありました。公園のテニスコートの白熱する試合には、手に汗握りました。そして男の好きなヨットの模型で遊ぶ子供たちまでいました。窓の見えない患者にとって、この話は一日の最大の楽しみ。いえ、この話のために生きていると言っても良いくらいでした。ある日、公園のお祭りの屋台の様子を聞きながら、窓の見えない患者は思います。なぜ自分は窓の傍ではないのだろう。不公平ではないか。その思いは日毎に強まり、ついには窓際の男への恨みに変わります。ある夜、聞こえる窓際の男の苦しそうな声。必死で看護婦を呼ぶボタンを探しているようですが、手が届かない様子でした。しかし窓の見えない男は、何もせず、時が過ぎるのを待ちました。翌朝、窓際の男の亡骸が、運び出されてゆきました。残された男は看護婦に頼みます。窓際に私を移してください。看護婦が去り、窓際に移された男はひとりになりました。苦しい思いをして、男はやっと身を起こし、窓の方を見やりました。そこにあったのは、窓の外に立ちはだかる、裸のコンクリートの壁だけでした。全てを失いたいなら簡単です。必要なもの。それは、人の善意への裏切りだけ。
2007.04.26
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対称性は、究極の美の姿。人の姿は左右非対称。それ故に、人はシンメトリーに憧れる。今日も「造花を買うぞ」と出かけましたが、見つからない。でも「夏まで待つな」と家族に言われています。しかも町で迷子で、「だんな、子供、どこなんだ?」家に帰ると、「ママ側のわがまま」で、夕食は「喰いに行かず、買いに行く」ことに。忙しい。「ヒマに麻痺」してみたい。でも店が、「田舎なかなか無い」田舎は夜も安全。そこは町の人、「夜は皆見張るよ」おや、鐘の音が。あの影は、「鐘つきのキツネか」珍しい。やっと見つけた店の店長さんは、一見、「気のいい猪木」威勢のいい声は、「カミナリなみか」店長さんは、「大工得意だ」と言います。結局、食事は、「酢でしめる飯です」お茶は「紙の湯呑か」、ちょっと残念。好きでないので、「避けたいシイタケさ」息子は、「でかい分、全部イカで」おかずを作り、最後は「イタメシでしめたい」とわがまま。せめて、「描いたイクラ、食いたいか」と聞きました。食べた後は、横になって。しかし「寝やすい長椅子やね」このままでは、「たぶん豚」ついつい、夢の中。夢で、「暗い月行き、墜落」、目が覚めました。今日の括弧内は回文。書き出しと、少し違いましたね。
2007.04.25
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2枚の真っ白な紙がありました。1枚は、自らの白さに誇りを持っていました。もう1枚の紙も、純白で美しい紙でしたが、静かで謙虚でした。ある日、2枚の紙の前に訪れた人。それは画家でした。画家は頼みます。きみたちに、私の夢を描かせてくれないか。誇り高き紙は答えました。嫌です。絵の具で私を汚すなんて、とんでもない。次に、謙虚な紙は答えました。あなたを信じます。あなたに、私のすべてをお任せします。画家は謙虚な紙に、すばらしい夢を描きます。その夢の絵は、長く人々に愛されました。謙虚な紙はもう純白ではありませんでしたが、とても幸せでした。その頃、誇り高い紙は紙くずになっていました。雨風にさらされ、無残に破れて。時は流れゆくもの。それならば、大切な人と夢を築きましょう。夢は、私たちの時を止めてくれるかもしれませんから。ほんの少しの間だけでも。夢の間だけでも。
2007.04.24
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ある町に人嫌いの男がいました。男は人を追い払うために、クマという仔犬を買って来ます。しかしクマは小さく、とても可愛い犬のままです。また、ほえるどころか、誰にでも尻尾を振ります。可愛く甘えん坊のクマは町の人気者。町の人はクマに会いに、どんどん男の家の庭に集まってきます。男はクマを叱り、遠くに置き去りにしてしまいます。町の人は悲しみ、そして庭には誰も来なくなります。ようやく男の望んだ静けさが訪れます。町で男に挨拶する人はいなくなりました。人生はこんなにつまらなく、さびしいものだったか。男は思います。彼の望みはかなったのに。その時、足に何かが触りました。それはやせて汚れたクマでした。クマが戻ってきました。男はうれしくてたまりません。そして庭にも町の人が戻ってきます。もとの活気のある庭が戻ってきました。すべてもとどおりに?いえ、今までと違うことがあります。それは、町の人が男とも会話をするようになったこと。そのことで、男が人生の楽しさを知ったこと。そして、町の人と遊ぶクマを見る男の目が、とても優しくなったこと。
2007.04.23
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この頃になると思い出します。1994年5月1日 日本時間9時17分、サンマリノGP タンブレロ・コーナーで、音速の貴公子と呼ばれたレーサーが亡くなりました。この日、私は、いつもの様に鈴鹿サーキットでレースを観戦していました。確かフェレッシュマン・トロフィーだったと思います。今は西洋陶磁器と骨董を愛する私も、当時は毎週の様にレースを鈴鹿で観戦していました。新人戦フレッシュマン・トロフィーは、F4,FJ1600,RS,N1,N2,シビックレース等の異なるレースの予選と決勝を1日で完了する強行プラン。本業で得た資金を投入して参戦するレーサーに、客席から、パドックから、声援を送っていました。時差の関係から、まだF1サンマリノの決勝は始まっていませんでしたが、鈴鹿には予選でのセナのポールポジションを告げるアナウンスが流れていました。新人レーサーの全てがあこがれるレーサー。それがアイルトン・セナでした。鈴鹿でのレース観戦後に私を待っていたのは、衝撃のサンマリノの事故のニュースでした。トップを走るセナを猛追するのはシューマッハ。セナの操るウィリアムズFW16ルノーが、超高速のタンブレロ・コーナーへ。310kmの高速コーナーで突然、ステアリング・シャフトが破損。セナは電光の反射で、わずか0.2秒後にはブレーキ。しかし210kmまでの減速しかかなわず、1.5秒後に0.5秒の滑空の後、コンクリート・ウォールに衝突。右フロント・サスペンション・アームは折れ、ヘルメット・バイザー上部からセナの頭部を貫通。ほぼ即死に近い状況。原因はレースの直前に行われた、ステアリングの改造と推定されます。本来は直径22mmの高剛性ステアリングシャフトを切断し、厚さわずか1.2mmのパイプで溶接した応急処理。しかも溶接不良さえ見られました。しかし事故後にチームがレースデータを記録したテレメトリーボックスを隠匿、FIAもセナの車載映像を提出しなかったため、正確な原因は特定されませんでした。コーナーをセナ足で駆け抜けるセナ。私もあれだけレースを観戦しながら、セナは死なないと思い込んでいました。しかしこれはマスコミにより作られた虚像でした。セナは日本のマスコミが作った英雄です。日本では音速の貴公子と称されましたが、イギリスでは近代レース史上で最も危険なドライバーと呼ばれました。乱暴な走行でケケ・ロズベルグに接触し、タイヤでヘルメットを轢いたセナ。予選での他チームのドライバーへの悪質な走行妨害。ピットでのドライバーへの暴行。プロストがリタイヤすれば優勝が確定するレースで、“故意に”車をぶつけ両者リタイヤ。速いが、勝つためには、危険な行動も躊躇しないレーサー。それが本当のセナでした。頭部を破壊され、呼吸、心臓がともに停止したセナは、信じ難いことに1時間後に蘇生させられます。作られた英雄は、死ぬことすら許されなかったのです。英雄セナは死なない。その様なたわごとを本気で信じた私たち。マスコミとは、かくも恐ろしいものです。
2007.04.22
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下記がありますので、明日22日の日記更新を22日0時に致します。つきましては、日記、BBSのコメントへの返信が若干遅れますのでご容赦ください。また皆様もご注意ください。【作業内容】4月度定期メンテナンス【対象サービス】楽天ブログ、フォト、リンクス、TagSta.【日時】2007年4月22日(日) 午前2時~午前10時(予定)
2007.04.21
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打ち上げ直後に大爆発を起こしたスペースシャトル チャレンジャー。断熱材の衝突による翼破損で、大気圏再突入時に空中分解を起こしたコロンビア。2回の事故で、宇宙飛行士14人が亡くなりました。1981年に初打ち上げされたスペースシャトルも、2010年で廃止されます。莫大な費用を投じた後の撤退は、開発思想の誤りと多くの批判を集めています。当初見込みを超えるコスト高や、非常に短い機体寿命など、NASAの開発方針は問われています。しかし開発は、後から見れば何とでも言えるもの。今になって正誤を問うのは、NASAにも気の毒に思えます。ただ、スペースシャトルの安全性についてのNASAの宣伝には、問題があったと思います。当初はスペースシャトルの事故の確率は、10万分の1とまで言われていました。10万分の1。それは毎日シャトルが飛行しても、300年間無事故であるということ。なぜ私たちは、このNASAの誇大広告を見抜けなかったのでしょう。その後に米国技術評価局は、事故確率を50分の1と指摘します。NASAは長く明確に回答しませんでしたが、ようやく500分の1に下方修正します。しかし事故は、113回の飛行で2回起きました。アポロで成功したNASAを信じたことが誤りでした。私たちは一度相手を信頼すると、その相手を盲目的に信じがちです。しかし人命を前にする様な時、人を疑うことも、時には必要になるのです。
2007.04.21
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世界最大のカレイドスコープがある。その情報を璃花ちゃんさんに頂いたので調べました。意外と愛知県にありました。ご覧になられた方はいらっしゃいます?ただ“当時”世界最大という表現が気になります。世界最大のカレイドスコープ
2007.04.20
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万華鏡、つまりカレイドスコープは、私の日記のカテゴリです。陶磁器に限らない千変万化な世界。その意味で名づけました。万華鏡は1816年に、イギリスの物理学者デーヴィッド・ブリュースターによって考案されます。灯台のレンズの研究過程で生まれました。その人気はすごく、3年後には日本に渡り、江戸では更紗眼鏡と呼ばれました。カレイドスコープはギリシア語で、「美しい」+「形」+「見る」の意味です。様々なタイプのカレイドスコープがありますが、私はオイルタイプが好きです。ゆっくりとした模様の変化が魅力です。鏡とオブジェクトが描き出す千変万化な世界。私はブログを通じて、その様な世界を楽しみたいと思うのです。
2007.04.20
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今から130年前。スコットランドの首都エディンバラで、本当にあった話。スカイ・テリアのボビーは、グレー巡査の飼い犬でした。ふたりは良いコンビでしたが、ボビーが2歳のとき、グレー巡査は亡くなります。その後、毎日、ボビーはご主人の墓の傍で眠りました。氷雨に濡れながら、暗い夜もひとりで墓を守るボビー。いつしかボビーの墓守は、街の人の知るところとなります。しかし狂犬病が流行り、飼育許可証のない犬は捕獲されることになります。ボビーにも、その危機が迫ります。しかし市の墓を守るボビーは、市の墓守として許可証が送られました。そして14年の歳月が経ち、16歳になったボビーは、墓守の役目を終えます。もう二度と立ち上がることのないボビー。ついにボビーは、グレー巡査に会えたのです。今もボビーは銅像となって、街に残ります。飼い犬にとって、ご主人様は貴方唯一人です。今日もご主人の帰宅を喜ぶいぬさん。いぬさんは、懸命に呼びかけます。わたしにとって、あなたがすべてです。
2007.04.19
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北原照久さんの著書をご紹介します。価値があるというより、自分で楽しむために集めるもの。それを我楽多と呼びます。我楽多、それは時代の記憶。我楽多、それは個人の思い出。我楽多、それは職人のこだわり。我楽多、それはコレクションの楽しみ。子供時代のあの頃を思い出す、楽しい思い出がそこには詰まっています。雑誌の付録、貯金箱、人形、時計、ブロマイド、・・・・。思い出は、様々な我楽多に姿を変えています。日本が未来に夢見ていた時代。そんな時代を懐かしく思います。その時代の夢は我楽多に姿を変えて、今の私に活力を与えてくれるのです。
2007.04.18
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ヘンリー8世の第1王妃キャサリン・オブ・アラゴンは、離婚後に毒殺とも言われる死を遂げます。代わって王妃になったのは、キャサリンの侍女だったアン・ブーリン。つまりエリザベスの母です。アンは前妻キャサリンの娘に冷たい仕打ちを加えます。その娘こそ、メアリーでした。メアリーは心身症に苦しみ、王位継承権も一時失います。結果的に王権を得たメアリーは、自らに冷たい仕打ちを与えたアンを許せませんでした。そしてその娘エリザベスに王位を与えることだけは避けたいと考えます。自分の妹であるのに。王権を自分の子供に与えることに執着するあまり、メアリーはスペインと婚姻関係を結び、国民の反感を招きます。そしてその反乱を鎮圧するために、多くの反乱軍を処刑します。しかし王権の継承に必要な男子は、37歳からの結婚では当時はかないませんでした。そればかりか2年後に、スペインと共にフランスと交戦することになり、大敗。イギリスは領土を奪われ、経済は破綻します。そして結婚からわずか4年で、卵巣癌と脳膜炎から死の床につきます。死の床で、メアリーはついにエリザベスを次期王位継承者に指名します。最も恐れた結果を、自ら選択することになったのです。メアリーはイギリスに何ももたらしませんでした。そればかりか残虐な処刑は、国民の反感を招きます。ブラッディ・メアリー。国民はメアリーをこう呼びます。まさに血まみれの生涯でした。継母への復讐に駆られた時、すでに彼女は未来への可能性を失っていたのでしょう。恨みは、人に、何ももたらさないのです。
2007.04.17
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イギリス経済を建て直し、海軍を一新。スペイン無敵艦隊を破り、イギリスを世界一の国家にした女王エリザベス1世。しかし彼女の幼少期は、とてもつらく悲しい。父ヘンリー8世は、妻に対して冷酷。第1王妃は離婚後に死亡。死因は毒殺といわれます。第2王妃アン・ブーンはエリザベスの母親。しかし期待された男の子を流産したために、不義の偽りの罪で処刑されます。母親を父親に処刑されたエリザベスは王位継承権を失います。「どうしてプリンセスではなく、レディになるの?」幼い彼女は、レディが王位継承権のないことを知らず、こう質問したといわれます。その後も第3王妃は後継ぎエドワードを生むが、産褥死。アン・ブーンを処刑台に送った報いを受けます。因果応報。第4王妃は容姿が悪いという理由で6ヶ月で離婚。第5王妃は本当の不義で処刑されます。しかし第6王妃キャサリン・パーは、前妻の子エリザベスに教育を受けさせ、さらに王位継承権を復活させます。この教育のお陰で、エリザベスはイギリス最高の学者と言われるほどの教養を持ちます。ヘンリー8世の死後は、エドワード6世が王位に付きます。そしてキャサリン・パーは、エドワードの弟のトマス・シーモアと再婚します。しかしキャサリン・パーはその後の35歳での初産で、女の子を出産後に亡くなります。エリザベスを救った、慈悲深い義母は他界してしまいます。その後、トマスは何と王位を狙って、エリザベスに接近します。しかし弟の陰謀に気が付いたエドワード6世は、弟トマスを処刑します。エリザベスは泣いて処刑の中止を懇願しますが、拒否されてしまいます。トマスの処刑の日、エリザベスは日記にこう書きます。「今日、知恵に富むが、判断力に欠ける男が亡くなった」エリザベスは既に、政治の世界の恐さを知り尽くしていました。エリザベス自身も危うい中、彼女の目標は定まります。それは、生き抜くこと。そしてそのための努力が、イギリスを世界一にする政治手腕につながるのでした。人は逆境の時に何をするかで、その後の運命が決まります。辛い時こそ、努力すること。その大切さを、エリザベスの生き方は教えてくれます。
2007.04.16
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今日のこちらの地震は震度3でしたが、無事です。というよりも、運転中で気がつきませんでした。さすがに2回目の余震は気がつきましたが。まずはご報告まで。
2007.04.16
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1912年4月14日深夜、豪華客船タイタニック号は氷山に激突して沈没します。小学生の頃、この事故を書いた子供向けの本を読んで以来、この事故の理由が知りたくて様々な本を読んできました。映画タイタニック以来、市場の本は急増し、今では多くのことが分かります。氷山の発見が遅れたのは、波がない海で目視での監視だったから。氷山を回避できなかったのは、舵が小さくスピード重視だったから。回避行動がさらに遅れたのは、機関停止し更に舵が効かなくなったから。他船の氷山の警告無線を無視したのは、乗客の私用の電報を打つのに忙しかったから。氷山を無視したスピードは、商業広告用のスピード記録を狙ったから。不沈船が沈んだのは、回避行動で側面に5区間に浸水する長い傷を作ったから。大きな傷ができたのは、溶接技術のないリベット構造の船は脆かったから。意外に脆い船体の材料は、低純度で低強度の金属が船内火災で劣化していたから。乗員乗客1,513人が犠牲になったのは、救命艇が足らなかったから。救命艇が足らないのは、甲板の美観のために撤去されたから。1178人分の救命艇で705名しか救えなかったのは、定員分載せると沈むと思われたから。死者に3等船客や給仕等の船員が多いのは、身分差別がある時代だったから。最初の定員65名の救命艇に12名しか載らなかったのは、名士が優遇されたから。救難信号が近くの船に届かなかったのは、船の無線士が寝ていたから。救助に向かう船が遅れたのは、周囲の氷山での二次災害を恐れたから。救命艇に余裕があるのに救助活動しなかったのは、人の重みで沈むのを恐れたから。最後の救命艇に乗った人の半数が助からなかったのは、4時間の漂流で凍死したから。そして全ての原因は、不沈船という驕りがあったから。しかしこの事故で、人は多くのことを学びます。救命艇や無線の整備、氷山の監視、人命救助の徹底等が進みます。しかし本当の悲劇はこれからでした。姉妹船オリンピック号は長く就航しますが、もう1隻の姉妹船ブリタニック号は客船として使われることはありませんでした。病院船として第1次世界大戦に徴収され、魚雷に触れて沈没したのです。乗員乗客1,513人の死者を出したタイタニック号の沈没。それは数年後に始まる2つの世界大戦での死者3,000万人以上に比べれば、とても小さな出来事でした。
2007.04.15
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「少女残照」。長く絵画ケースに入り梱包されたままのを今回取り出しました。記憶と違いあまり良くありませんので、数日間プロフィールに掲載するのみです。人の記憶はあてになりません。
2007.04.15
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くるくるクルミちゃんをご存知でしょうか。昭和初期に中原淳一さんと人気を二分した松本かつぢさんのキャラクターです。コミカルで可愛いくるみちゃんは、日本初のキャラクターグッズにもなりました。その四コマ漫画には、とても深いやさしさがあります。三女のみちえさんが運営するサイトに、クルミちゃんの動画があります。ギャラリー松本かつぢ美少女画から、クルミちゃんの漫画へ変化した画風。晩年、かつぢさんが描いたのは「ハームとモニーの12ヶ月」。それはピュアな幼児の姿でした。やさしくキャラクターを育てたかつぢさん。晩年、キャラクターを幼児に戻すことで、彼女たちに限りない未来を与えたのでしょう。
2007.04.14
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魔鏡。光を当てると見えない像が浮かび上がる鏡。隠れキリシタンは、そこに浮かび上がったキリスト、マリア、十字架を崇拝しました。隠れることを余儀なくさせられた時代の産物。薄い鏡を磨く時、裏面の模様がわずかな凹凸となって、隠れた図柄を作り出す。キリシタン魔鏡では、裏面の図柄を埋め隠すことで、魔鏡としての不思議さが増しています。見えないものが見えるとき、人はそれをより神聖なものと感じます。抑圧は皮肉にも人の信仰を強めたのです。キリシタン魔鏡には、通常はあるべき作家の銘がありません。しかし銘がないことにより、さらに強い作家の意志を感じます。時代を陰で支えることは、強い意志が必要です。見えないものが見えるとき。そこには陰を生きた人の想いが浮かび上がります。魔鏡※ 鏡をクリックすると魔鏡の像が浮かび上がります。
2007.04.13
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今日は陶磁器のお話です。今までカップ/ソーサーを下記の様に読んでいました。「カップ1客+ソーサー1枚+ケーキ皿1枚=トリオ」しかし下記の場合もあるようです。「カップ1客+ソーサー1枚+ケーキ皿1枚=ダブルソーサー」「ティーカップ1客+コーヒーカップ1客+ソーサー1枚=トリオ」つまり、私がトリオと呼んできたものは、ダブルソーサーだったということです。むしろこれが本当の様に書いてある本があり、ちょっとショックでした。これが一般的でしょうか?―――――――ところでheren’sさんが先日の私の日記から、より詳細なプシュケとキューピッドの話を書いて下さいました。綺麗な絵も交えてのお話ですので、是非、ご一読を。またheren’sさんは、西洋の陶磁器への想いも深く、いつも感心します。―――――――マイセンの孔雀の音色を、Erik Satieさんからお借りしました。皆さんもお聴きください。演奏時報いかがでしたか?
2007.04.12
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かつて口裂け女が子供達の前に現れます。岐阜で現れた口裂け女は、過剰な塾通いに翻弄される子供達が生み出した幻影。塾に通う路を遮るように口裂け女は現れ、運動不足の子供達を100mを2秒で走る脚で追いかけました。「わたし、きれい?」と聞かれ、「きれい」と答えると、「嘘つき」と言われ、「いいえ」と答えると、カッターで切られた子供達。そんな八方ふさがりの状況は、まさに子供達の心の悲鳴。親達が、塾へ路を口裂け女が邪魔する理由を知ったとき、彼女は街から姿を消します。口裂け女を消したのは、苦手なポマードではなく、親達の理解。その後、学校には、トイレの花子さんが現れます。しかし親達は、口裂け女の時のように、子供達を守りはしません。花子さんは、“かわいい”から。なぜ花子さんは、トイレに閉じこもるのでしょう。なぜそこしか居場所がないのでしょう。花子さんは、様々な形にマスコミに登場します。不可視な存在でありながら、トイレにカメラが向けられます。親達にカメラを向けられ、常にかわいい子であることを望まれる子供達。家庭でまで演じなくてはならない子供達は、安息の場所を探します。トイレにこもる花子さんは、まさに子供達そのものの姿。かつて口裂け女に追われた子供達は、今はトイレに追いつめられました。私達は見逃していないでしょうか。子供達の、とても孤独で危険なサインを。
2007.04.11
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奈良は古代史の宝庫です。古代史で有名な物に、勾玉があります。古代の装飾具 勾玉は、何の象徴かは謎のままです。その由来には、動物の牙、月、魚、腎臓などの諸説があります。勾玉の由来は、私は胎児模倣説を支持します。勾玉には臍の緒のあるものがあるから。命を宝として伝えたい。その想いが勾玉に姿を変え、大切に後世に伝えられたのでしょう。勾玉の「マガ」は「真実の」、「タマ」は「魂」を意味します。つまり勾玉は、真実の魂。昔、勾玉のふれあう音を「タマユラ(玉響)」と呼びました。タマユラは魂のふれあい。勾玉のふれあう音は、あまりにか細い。そのか細い音を聴くには、私はあまりに傲慢です。そして、きっと失ってゆくのでしょう。大切な魂のふれあいを。
2007.04.10
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猫の目は闇夜に光ります。緑色の光となって。これは夜行性の動物の目。そのことを、レオ0503さんとの会話で思い出しました。猫の目は網膜の裏に、反射板タペータムを持っています。猫はこの反射光をもう一度網膜で感じ、光に対する感度を倍化させます。そのため暗闇でも物が見えるのです。闇夜に光る目は、このタペータムからの反射光が漏れたもの。暗闇に強く、動くものも良く見える目ですが、視力は良くありません。また猫の目は、色をほとんど感じられません。ほとんどモノクロの世界です。猫は闇に生きる代わりに、色彩を失いました。人は闇で視力を失う代わりに、多彩な色彩を得ることができました。闇でよく見えないから、人は闇夜を恐れます。多彩な色を感じられるから、人は美術の世界を深化させました。人の闇への恐怖は、美術の世界への憧憬の裏返しでもあるのです。・・・・・・・・昨日、捨て猫の話がありましたが、SIR JAPANさんのブログに、可愛そうなねこさんの救済バーナーがあります。ご覧ください。
2007.04.09
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面白い占いがありました。hotaruika75さんの日記で拝見したハンドルネーム占いです。ハンドルネーム占い私は小吉でした。「ムッシュkopanda06」は大凶。ベストは「kopanda06麻呂」の吉。ですので、明日からkopanda06麻呂に・・・・・・・しません。
2007.04.09
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今日はねこさんのおとぎ話集をご紹介します。27編のおとぎ話が掲載されています。人を助けたり、人を幸福に導くねこさんが、たくさん出てきます。多くのお話のねこさんは、ねずみ捕りの才能を発揮します。古代エジプトでは、猫はとても貴重でした。ペストの予防にねずみ退治が必要でしたが、ヨーロッパではスカンクとイタチしかいませんでした。ヨーロッパは猫を欲しがりますが、エジプトは猫の輸出を禁止しています。結局、ギリシア人は猫を盗み出し、欧州に猫は広まります。南米に猫が持ち込まれたときも、とんでもない高額が付けられたと言います。今日ではねこさんは、捨てられる子もいます。いつも人を助けてくれたねこさんたち。私たちは、彼らに恩返しをしなくてはならないのではないでしょうか。ところで昨日、★野いちご★さんが、私の日記を受けてチョコボールの詳細を調べてくださいました。ご興味のある方は、どうぞご覧ください。
2007.04.08
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昨夜、3万ヒットを達成しました。これも皆さんの応援のお陰です。ありがとうございました。3万ヒット目は、tougei1013さんでした。いつもありがとうございます。ここでとても手前味噌な企画として、今までの日記から、好きな内容の日記ベスト10を選んでみました。内容は見直したい日記もありますが、あえてそのまま掲載しています。【10位】 空を愛した世界初の飛行機乗り サントス. ライト兄弟に栄光を奪われたサントスの悲劇。【9位】 地球の温暖化が招くもの 1 , 地球の温暖化が招くもの 2 真面目に温暖化を考えました。【8位】 奇跡をさがして とても良い絵本でした。【7位】 エヴァリスト・ガロア 20歳で決闘に散った天才数学者ガロア。私の好きな偉人。【6位】 アメデオ・モディリアーニ ジャンヌとの悲劇的な恋。【5位】 美しく、そして自由に ― 皇妃エリザベート ― 美しく、そして悲劇的な皇妃。【4位】 マリー・アントワネットの娘 マリー・テレーズ 人生のわずかな時間を、復讐に費やした女王。【3位】 ピューリッツァー賞受賞者 沢田 教一 写真物語 とてもよい番組でした。再放送を期待します。【2位】 北海道への遠い旅 ― とおさんペンギン ― 実話ですので感動的。【1位】 きみの声は忘れない やはりこれが1位です。私の不思議な思い出。こうして見ますと、私の得意な科学のお話などは出てきません。人生について考える内容が好みですね。また陶磁器の話がないのはあまりにひどいので、番外として下記を追加します。【番外】マイセンの歴史これからも独り言は続くでしょう。今まで応援ありがとうございました。また、これからも、よろしくお願いします。
2007.04.07
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今では幼児の姿のキューピッドも、昔は青年の姿でした。今日はそんなキューピッドが、自ら恋した物語。キューピッドの母ヴィーナスは、王の美しい娘プシュケを妬みます。そしてプシュケにつまらぬ男を愛させるため、キューピッドを差し向けます。しかしキューピッド自身が、プシュケに恋してしまいます。キューピッドは正体を明かさず、プシュケと付き合い始めます。ただしキューピッドの姿を見ないという条件で。好奇心を抑えられないプシュケは、寝ている彼の姿を見てしまう。驚き、逃げてしまうキューピッド。プシュケの長いキューピッド探しの旅が始まります。知ることがもたらす不幸。それは人の定めです。文明を知ったための不幸は、枚挙に遑がありません。恋人同士も同じです。時には知らない方が幸せです。でもご安心ください。プシュケは長いたびの末、ついにはキューピッドと結ばれます。知ることを幸福に転ずること。それは私たち次第なのです。
2007.04.06
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今年のひどい黄砂の原因、砂漠化。地球上の陸地で人の住める乾燥地は40%しかありません。しかもその7割が砂漠化の影響を受けています。そして毎年消えてゆく熱帯雨林は、日本の面積の40%の広さです。私たちの住める土地は、年々少なくなっています。地球がもし1mの球だったら、淡水は17ccしかありません。そのうち12ccは氷河です。飲める水はわずかに5cc。地球がもし1mの球だったら、大気層はわずかに厚さ1mmです。しかし南極には、直径40cmのオゾンホールが開いています。地球には、144万種もの生物がいます。そのうち60%は昆虫です。脊椎動物はわずかに3%。そしてたった1種の生物が、人類が、地球環境を狂わせています。熱帯雨林は、急速に消えています。わずか1mmの大気層に、酸素を供給するはずなのに。温暖化による海面上昇で住める土地は更に狭く、そして氷河を融かし、淡水は更に減ってゆきます。スプーン一杯もない5ccの飲料水は砂漠化で消え、オゾンホールは生物の遺伝子に、深い傷を残します。すべてがたった一種の生物のために。144万分の1の生物のために。黄砂
2007.04.05
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アポロンに仕える巫女シュビラは、恋するアポロンに願いを告げます。永遠の命、それが彼女の願いでした。願いどおり彼女は生き続けます。愛も希望も夢もなく、そして老婆となり。そして、あらためて願いを聞かれた彼女は答えます。死にたい、と。彼女は「永遠の若さ」と言うの忘れたのです。先日のエンデュミオンは、永遠の若さを得て、永遠の眠りに入りました。永遠の若さを手に入れ忘れ、永遠の命を得たシュビラ。神は残酷なまでに、二物を与えません。皆さんは、エンデュミオンとシュビラのどちらの願いを選ばれますか。永遠であろうとすること。人が時の流れに逆らう時、その行いは妨げられます。時の流れに従い、春夏秋冬の四季と共に移ろうことが、私たちの定めだから。過ぎ行く冬を惜しみ、来る春を謳歌する。有限の命の中で、その様な季節の流れを、私は楽しみたいと思います。
2007.04.04
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森永製菓のチョコボールは1965年発売。ただ、今のくちばしの形は昔と違います。昔は鳥の頭の部分をつまんで上に上げると、くちばしが横に開きました。正式名、「二重サック横くちばし型」です。今の上に開くくちばしではありません。わたしは次の鳥の目をつまむ「一重サック斜めくちばし型」に親しみました。覚えている方はいらっしゃいます?ちなみに今の3世代目の「一重サック上方くちばし型」になったのは1974年です。チョコボールの人気の秘訣はおもちゃのカンヅメ。中身が何か分からないのが魅力でした。1969年におもちゃのカンヅメは登場します。その前は景品がミドリガメだったことも。発売当初30円のチョコボールは、今でも60円。300円のチョコボールには、中身のキャラメルがハート型もあると言います。しかし実際は製造不良らしいですね。私はいまだに金のエンジェルを見たことがありません。本当に金のエンジェルはあるのでしょうか?
2007.04.03
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明日4/3は満月。夜桜も綺麗でしょう。しかし、月の光は、なぜ悲哀に満ちているのでしょう。若くとても美しい羊飼いの青年エンデュミオン。月の女神セレネは彼を愛し、そして彼が年老いていくのを恐れます。ついに彼の時間を止めるセレネ。そのことは、彼に永遠の若さと共に、永遠の眠りを与えます。眠れるエンデュミオン。毎夜、彼のもとに、月の女神セレネは訪れます。そして愛する彼を優しく抱きしめます。柔らかい月の光で照らしながら。永遠に届かぬ恋。月の夜は、静かに桜を愛でましょう。愛するふたりの邪魔にならないように。そして静かに過ぎる時間を感じましょう。いつかは滅びる私たちですが、眠り続けなくても良いのですから。月の絵本
2007.04.02
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河合美佐さんと島田一恵さんの絵本「続・うまれてきてよかった」をご紹介します。多発性硬化症の美佐さんと、心臓弁膜症の一恵さん。おふたりが闘病の中で描かれた絵本は、おふたりのH.P.でも、絵とあわせて見ることが出来ます。この絵本の言葉で好きな言葉があります。「ふたりでいれば喜びが倍になり、悲しみが半分になるよ。」楽しいときに共に喜び、悲しいときに慰めあう。それができることは幸せです。ブログは多くの人に囲まれています。喜びは何倍にも、悲しみは限りなく小さくなるかもしれません。ブログは大きな可能性を秘めています。感情を持たない無機質なコンピューターが、広く人の気持ちを伝える不思議。そんな不思議で、自己矛盾した、その世界が魅力的です。
2007.04.01
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