日々草

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2005.03.17

発達を丁寧に待つ

カテゴリ：小さい命（ことね）

　私にはあと１ヶ月経つと満１歳のお誕生日を迎える孫の詩音（ことね）がいる。
　ことねのママ（私の娘）は、若い働くママである。現在は産休中であるが、あと１ヶ月もすると、ことねは保育園、ママはお仕事と戦場のような日々が始まるはずである。

　ことねよ、

　ことねのママはとても育児上手なママである。
　この婆が若いママであった頃、
　ことねのママのように、
　ゆったりと、赤ちゃんをみていたかしら。

　ことねは、元気で騒々しいママに似ず、
　発達の仕方がとても丁寧で、急がず、機の熟すまで同じプロセスを飽かずに何万回ともくもくと繰り返す。静かに穏やかにもくもくと繰り返す。
　ゆっくり、ゆっくり、ひとつひとつ螺旋階段を上るようにして、能力を獲得する。

　赤ちゃんは、人として這い回り、立ち上がり、一歩を前に踏み出すまでに、誰かに教えられた訳でもないのに、手を足を、身体全身を、毎日毎日こんなにも練習して、一つ一つの力を獲得しているのだ。

　赤ちゃんは、「あー、うー」と言う音を出すのに、毎日毎日、何千回と喉を舌を唇を、緊張させては、弛緩させては発声のトレーニングをもくもくと飽きずにする。

　この赤ちゃんの発達を静かに見守って待つ、じぃーと待つ、
　その赤ちゃんの発達のスビードにあわせて、黙って静かに見守る、
　この事って、結構大変な忍耐力ではないかしら。
　でも、子育てには最も大切なこと。

　ことねのママはとても気が長く、ことねを穏やかに見守れる。

　だから、

　穏やかに、満ち足りたことねが、

　いつも、そこにいる。

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