日々草

日々草

2005.06.02
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カテゴリ: 我が家の子供たち
 今時の若者は現代のテレビ、ゲーム、漫画、インターネット、等々私たちの世代にとっては馴染みにくい、理解不能のところのある文化に浸って育ってきた。その若者たちのの感性がいかなる物に育っているかは興味あることである。

 我が息子はこの意味で全く現代っ子のひとりである。
現代の文明に良くも悪くも洗礼を受けすぎている。健康的な部分も、退廃的な部分もすべて清濁あわせもっている、我々の世代には、わけの分からぬ若者の一人である。
この御仁、米国でのかなりハードな武者修行を余儀なくされ、かなり自立した大人に成長した。

効率の悪い、無駄ばかりに見える青年前期を歩んできた。遊びの天才、スポーツの天才であった子供時代を経て、今はかなり勉学に目覚めてきた。

その子供時代や青年期の無駄に見えた体験が、今、肥やしとなって一つの形をとろうとしている。親世代ではかなり理解不能であるが、なるほど今の文化はこういう感性を育てるのかと妙に納得できる部分もある。

以下は、息子のブログからの現代芸能(?)論もどきのエッセイである。

この5年間ほとんど日本には不在なのに、どうしてこんなに日本の現代に詳しいの(?)。お金がかかっていますねぇと、親としては愚痴りたいところですが。

それが青春というものなのでしょう。膨大な無駄な時間と出費、それが人間を成長させている。


〈息子のブログより〉

感性は大事 その(2)
2005.05.31 Tuesday

以前に書いたが、僕にとって松本人志は人並みはずれた感性を持ち合わせた天才である。実は、もう一人天才だと思っている人物がいる。それは脚本家の宮藤官九朗である。

「池袋ウエストゲートパーク」、「木更津キャッツアイ」「GO」「ピンポン」「マンハッタン・ラブストーリー」などの脚本で有名な彼は、最近『タイガー&ドラゴン』というドラマの中で、IWGPと木更津キャッツの主演男優「長瀬」「岡田」のジャニーズコラボのキャスティングによって『古典落語』という全くジャニキャラには全く相容れないテーマを描き話題を呼んでいる。

彼の作品に共通していることを書く

(1)キャスティングする役者は、みな個性派俳優であるが、これを彼の手腕によってさらにアクを出している。にもかかわらず全体として脚本家の独特な世界観の中で絶妙に調和しており、個性が決してぶつかっていない。『タイガー&ドラゴン』においても、ジャニーズが古典落語を語って全く嫌味ではなく、むしろ新鮮さを持って若い世代が受け止められる辺りが彼の凄みだと思う。

(2)世の常識や大衆の価値観を斜めから切り込み新たな視点を与えていること。「世の中が誰もが価値を置いていない物」「アウトローな人々」の中に現代社会が持てはやしているものと共通する部分を見い出し、本質的なところで人の求めるものは、(大衆が批判しているものと)なんら変わりないことを痛烈な批判を込めて訴えている。『IWGP,キャッツアイ』でも池袋、木更津、商店街、銭湯、果物屋、床屋(≠美容院)などの設定ですら、官九朗ワールドではとてもお洒落で、若者にも受け入れられる活力のある文化に替わってしまうから不思議である。

(3)(1)と(2)は彼の天才的な感性に裏づけされており、おもろいものを嗅ぎ分ける嗅覚は半端ではない。『氣志團』、『酒井若菜』、『古田新太』『森下愛子』『中村獅童』『岡田義徳』などの発掘した感性にはただただ感動。


このおもろい物を嗅ぎ分けるセンス・感性というものは、お笑いで言えば『つっこみ』のに通じる才能なのだ。「つっこみ」とはボケに対してどこが笑いどころか、どうして面白いのかという笑いの視点を観客に伝える役目だからである。「つっこみ」が持っている(1)世界観の広さ(2)ボケに対する切り口の鋭さ(3)独特の視点によって『おもしろさ』の可能性は無限大に広がる。

松本人志がフリやボケの天才なら,官九朗は突っ込みの天才なのかも知れない。二人の持っている世界観があまりにも独特なために噛み合うことがないかもしれないが、個人的に二人が何らかの形で作品に関わるところを見てみたい。

そんなことを考えながら官九朗を見るのが最高の贅沢かもしれない。


ちなみに、
タイガー&ドラゴンの第3話に出てくる。古典落語の『茶の湯』。
風流をテーマにした落語であるが、古典の「風流」と官九朗ワールドの「やべぇもの」(風流)のコレボレーションがたまらない。ここまで完成度高く作り込んだもの最近見てないなぁ。。。

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 これは、母にはちぃと異次元の世界過ぎますな。これで若者たちには通じるものあるのでしょうかね。

 でもまあこういう新しい感性で、これからの新しい日本を形成する若者の一人に成長してくれることは頼もしいことでもある。

 7月からは社会人になる息子。
 新しい世界で、また新しい幾多の出会いが待っている。
 多くのことをその感性でいっぱい吸収して、さらなる大きな人となりに成長してくれる事を期待したい。

 母から更に遠いところに羽ばたけよ。





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最終更新日  2005.06.02 10:43:59
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