ウエストンバート国立森林公園は
(Westonbirt Arboretum)
温帯気候の樹木園として
世界最大級の森林公園の一つで
3000種以上の木々や灌木が植えられている。
ヴィクトリア朝の最盛期、19世紀半ばに
富裕な地主:ロバート・スティナー・ホルフォードにより創立され、
1956年には森林委員会に引き継がれ現在に至っている。
600エーカーの敷地に
3000種1万8000本余りの樹木灌木が植えられている。
そのうち何種類かは原産地では絶滅が危惧されている貴重な植物があるという。
200年近い歳月をかけて、
創り上げられてきた樹木園。
その歳月の重さを感じる公園内の樹木たち。
イロハモミジ燃える公園
(モミジの葉っぱの図案がある標識。)
その中の樹木の一つに、
とりわけ秋にはひときわ美しい日本原産のカエデのコレクションがある。
(Japanese Maple Oultivar Collection)
日本のイロハモミジ燃える園内
鮮やかな赤イギリスの秋は黄色や茶褐色の黄葉が多いなか、
とりわけこの澄んだ赤は美しく魅力的。
日本のモミジの紅より更に深く
更にあでやか。
世界的にも紅葉で有名なこの樹木園。
創設者親子の初めての植樹の時から
それを受け継いで現在に至るまで
イギリスの気候に合わせた種の改良や質の向上を重ねるなど、
長い年月をかけて、創り上げられてきた樹木の歴史があると言う。
心のこもった手入れがなされた長い歳月があるからこそ
異国のこの地でカエデはこんなにも見事に紅葉している。
10月末日の園内は
すでに落葉の季節
赤と黄の織りなす大地
このピンクの花は何かしら?
このような枝ぶりで
晩秋にピンクの花咲かせているのか
と思いきや、
よくよく見ると
これはマユミの実
果実は4つに割れて、赤い種子をだしている。
マユミ(檀)は
ニシキギの仲間の落葉小高木
日本の雑木林や山地に普通に見かける。
(私の散歩道にもあります)
裸木になった雑木林に
紅い実がブラブラぶら下がりとても目立つ。
マユミの名は昔この木で弓を作ったことに由来する。
この黄葉している樹木は?
しなやかな枝、繊細な葉っぱ
日本ならカツラの黄葉と言いたいところだが。。。さて、
ウエストンバード森林公園の
くろぐろとした森に
冷気一層冷たく
夜のとばり降りようとしている。
冷たい暗い夕暮れ。
200年近い歳月を
この地でいのち繋いできた樹木たち。
その木々の姿のなかに
自然を愛し、共生して生き続けようとする
イギリス人の心意気がある。
今年の日本の紅葉
イギリスのこの森林公園と比べのは憚れるが、
私の朝の散歩コースの一つに愛知森林公園がある。
この公園にも植物園があり、
尾張東部丘陵地帯に生えている樹木を観察できる森がある。
(宅地開発で、今では身近に見られなくなっている木々)
今、その森は秋たけなわ
今年の紅葉は
酷暑の夏、いつまでも続いた高温(10月初めまで30℃前後)
10月末より、急激な低温、初冬となり、
木々もその急激な変化に対応できないのか、
同じ樹木でも個体差大きく、
紅葉時期がまちまちで、一気に燃える華やかさがない。
これは、モミジの紅葉。
緑の葉あり、紅い葉あり、落葉した葉あり、
手前のサクラの葉っぱは、すでに枯れて落下。
朝もやの森林公園
シイの大樹の向こうに色づき始めた木々
例年なら、これからが紅葉の見ごろとなるのだが、
冷たい木枯らしに見舞われること
度々の樹木たち
紅葉せぬまま散り急いでいる。
朝陽に燃える銀杏。
黄色の葉っぱは例年のごとく鮮やかなもの多いが、
サクラなど黄色から赤へと変身していく葉っぱたちは、
ほとんどが赤くなる前に枯れて赤茶けて落下している。
最も日本の秋らしさの特徴である
黄から赤へのグラデーションが今年はほぼない。
燃える赤が少ない。
(巨木モミジバフウの見事な紅葉)
今年の日本は
日本の秋が、ほぼないまま冬に突入しようとしている。
樹木たちも面喰い大急ぎで冬支度に取り掛かっている。
愛知森林公園全体の
敷地面積468ha(4.6平方キロメートル)、1906年宮内省所管の
御料地を買受け、砂礫土壌の荒廃した土地を森に造り上げてきた。
その後、その一部を紆余曲折の歴史を重ねて、
現在の森林公園となり、市民の憩う総合公園となった。
イギリスのウエストンバード国立樹木園は
世界中から観光客が訪れるが、
我の散歩コースの森林公園は、人口に膾炙しておらず、
比べるのもおこがましいが、
都市化して、崩れ行く森の砦になっている点では似ているのでは。
人間が愛情込めて手入れして守っている森であるという共通点がる。
(森林公園の紅葉の写真は11月12日に撮影。By fujiko)
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