日々草

日々草

2013.07.16
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安倍、橋下らの主張する
教育政策は、
20年後、子どもたちが社会に出るときには、
無用で役立たずの「人材」を育てるだけの教育である。

真にグローバルな人間を育てる教育とは何か。 

参議院選も終盤へと突入しようとしている。
自民党と公明党は、
この参議院選を衆院とのねじれをなくすため、
と位置付けて、国民を煽動している。

「ねじれ」がなくなるとどんな日本が待っているか?
その先にあるものは何か?
よくよく考えてみる必要がある。

国民の未来を根底から変えてしまう、
重大な争点を隠して、ただひたすらに
「ねじれ」の解消を叫んでいる。

国会の「ねじれ」が解消したら、
その先待っているもののひとつに
「教育再生」がある。

自民党は教育政策の公約に
「世界で勝てる人材の育成」を掲げ、
そのための「世界トップレベルの学力と規範意識」を
子供たちに持たせる教育を宣言している。
具体的には
「英会話やIT能力に優れ、海外でも技術革新を生み出せる」
人材育成を目標にあげている。

この自民党の政策は、
教育の目標を
その時の政権が必要とする「人材」の育成 に貶めている。
そのこと事体が問題である。

教育を受けるのは、
これから先20年後30年後の社会で活躍する子供たちである。
アベノミクスに役立つような「人材」は、
おそらく子供たちが社会に出るころには、
無用なモノ、古びた使い捨てられたモノになって、
使いものにはならない「人材」となっているだろう。

それは、今、
社会に出ている若者たちの姿を見れば実証済みのこと、
彼らは子供の頃、高度経済成長を担う優秀な子供として、
物言わぬ勤勉な子ども、
与えられたものを黙って、お利口にこなす子ども、
このような子供像が優秀と評価され育ってきた。
マル、バツ式の与えられた選択肢の中から、
答えを出す訓練に明け暮れ、
偏差値の名のもとに、激しく競争をさせられてきた。
絶えず受け身で、お利口さんな子供たち。
この子供たちが、社会に出た時(現在の社会)、
そのような人材はもう必要なくなっていた。

偏差値の高い大学を出た若者たちの多くが、
今どのようになっているかは、
自分の周囲を見渡せば一目瞭然である。
(社会の変わるスピードに、
模範生たちは柔軟に対応するエネルギーがない。)

教育の目標は、
「その時の政権が求める人材養成」では断じてない。
教育の目標は、
日本国国民として、将来にわたって
どのような人格を備え持った市民を育てるかにある。
その時々の社会の困難を打破し、
社会を前に進める人間としての力量をどう高めるかにある。
一人一人が社会の構成員として、
毅然と生きる人格は、
日本国憲法の精神を体現することでもある。

美しい日本や社会の規範を守り育てられないのは、
日本国憲法を嫌い、改悪したい側にあるのに、
憲法が日本人をダメにしている、
彼らは言っている。


「日本国憲法」は
この点でも世界的に優れている。
その中に盛り込まれている、平和主義、人権主義は、
人類の長い歴史のなかで、人類が勝ち取ってきたものだ。
先人たちの、血や涙、苦しみのなかで、
紡いできた「人が人として」生きて行くための
叫びであり、人類の叡智でもあるのだ。

未来のあるべき人類の姿を示している。

少なくとも、今の子供たちが社会に出るころになったら、
増々輝きを増すそれは理念だ。
人々が人として豊かに生きてゆく土台になっていくはずだ。

この理念を教育の場で、
子供たちに、自らの血肉として身につけさせること。
社会の成員として、
自分の持ち場で、自分たちの力で
社会を創り上げていく能力は、
子供たちに身につけさせなくてはならないものであり、
これこそが教育の恒久的な「目標」だ。

その中身は「日本国憲法」のなかに深く沈静している。
「日本国憲法」は、
日本固有の伝統や歴史を決して否定などしていない。
憲法の理念が社会で実現したなら、
日本固有の歴史や伝統は益々充実し尊重される。

自民党や橋下の維新が言っている教育は、、
自分たちの権力に媚びる従順な「人材」育成をめざしている。
「真に民主的な感性の自立した市民」は邪魔になるのだ。
このような偏狭なセクト的な教育観は
グローバルに活躍できる「人材」とは相いれない。
維新の代表・橋下の人格をみれば明らかな事。

「英会話」や「トーフル」を学校教育に持ち込めば、
グローバルな「人材」が育つと、彼らは主張しているが、
余りにも「皮相」な教育である。

日本国憲法よりも、
アメリカとの安全保障条約を優先し、
日本の最高法規を守らない自民党。
(安全保障条約こそ、アメリカの言いなりの条約)

アメリカ軍に自国の主権が侵されようとも、
国民には事実を隠ぺいし、
アメリカに言いなりの自民党政権。

教育の内容も、
先の大戦を「大東亜共栄圏建設のための正義の戦い」であると、
子供たちに教えよと強要している以外は、
すべて、アメリカの二番煎じ、
模倣にすぎない。
(未来を築く創造的なものは何もない)

今回の参院選で、自民・公明が過半数を獲得し、
衆参の「ねじれ」が解消したら、安倍・自民党や橋下が主張している
「独善的で独裁的な」政策が次々に実行されるであろう。

とりわけ、彼らの主張する「教育再生」は
彼らの最もやりたいことであり、
実行を急ぐであろう。

増々「世界の孤児」「世界の笑いもの」を
大量生産するだけの教育から
決別するためにも、
参院選では
「教育」の政策で
この安倍・自民党や維新・橋下の「教育政策」と
対峙している政党が躍進し、
参院が大きく「ねじれ」て、
参議院としての良識、叡智が
発揮できる国会となるようにしよう。






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最終更新日  2013.07.17 10:25:38
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