Resurrection

Resurrection

July 6, 2014
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カテゴリ: 読書
柚月裕子さんの『最後の証人』を読了した。
著者のサイン入りで2年前に購入したものだ。

最初、ジグゾーパズルのピースがはめられていくような巧みな構成に感心した。
ストーリーを簡単に書くと、夫婦の一人息子(小学5年生)がある雨の夜、
塾の帰りに交差点で自動車に轢かれて亡くなる。
運転していたのは、建設会社社長でしかも県公安委員長。
警察は、酒飲み運転をしていて危険運転致死傷罪で立件できたにもかかわらず、
組織防衛のため小学生側の信号無視ということにして、
公安委員長は不起訴になる。
子供の両親はこれに当然不服で、父親は警察に怒鳴り込むが、相手にされない。
やがて、子供の7回忌が過ぎ、復讐劇が始まる。



交通事故の話が出てきたら、自分の体験も思い出し、
気持ちが悪くなって、途中読むのをやめようかと思った。
それから、いくら県公安委員長だからって事実を捻じ曲げて、
起訴を免れることが出来るんだろうか、と思った。

交通事故があると刑事のほかに民事の損害賠償の問題が出てくる。
通常であれば示談書を取り交わして被害者側に賠償金(保険金)が支払われる訳だが、
両親が不服であれば、いつまでも示談書に判子を押さないで、
民事裁判で争うこともできた筈だ。

Amazonのレビューもちらっと見たが、
現実離れしているという批評がいくつか見られた。
民事裁判や賠償金の件がさっぱり触れられてないのが、
この小説の一番の弱点だ。やはり現実離れしている。

いくら巧みなトリックを見せられても、
腑に落ちないのはいつまでも残るから、
自分にエンターテインメント小説は合わないのかな、と思ってしまう。
事実、あまりエンタメ小説は読まない。
しかし、割り切り方で、世の中にはそういうものだと思って、
楽しむ読み方もありなのかなとも思う。





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Last updated  July 6, 2014 10:16:58 AM
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