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『逆説の日本史19 幕末年代史編Ⅱ 井伊直弼と尊王攘夷の謎』(井沢元彦著 小学館発行)を読み終えた。『逆説の日本史』は私の愛読書で、いつも朝、トイレの中で読んでいる。特に、この第19巻は、幕末の1858~61年、安政の大獄と坂下門外の変を扱っていて、興味深かった。NHKの大河ドラマ「西郷どん」(2018年放送)も見たが、この本を読んで、そのとき分からなかった歴史的背景が分かった。薩摩藩の殿様、島津久光と西郷隆盛や大久保利通との関係がよく理解できた。「西郷どん」では、前藩主、斉彬と西郷が相撲を取るシーンが印象的だった。愛読書と言っても、今まで読んだシリーズの中にはよく理解できないところもあって、そういうところは流し読みしている。やはり関心があるのは、ドラマや映画にもよく取り上げられる戦国時代と幕末だ。井伊直弼は開国止むなしという立場で、そのため攘夷派から討たれる。安政の大獄という大弾圧もあったし…。幕府を改革するか、潰してしまうか、そういった意見の対立もあって、この時代は一筋縄ではいかない。
February 24, 2024
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『ルポ 国際ロマンス詐欺』(水谷竹秀著 小学館新書)を読み終えた。自分自身、去年、国際ロマンス詐欺(プーアル茶投資詐欺)に引っかかったから、非常に興味深かった。前半は詐欺被害に遭った人の話で、読んでいて、手口が似ているな、と思ったり、何千万円も騙し取られた人に同情したりした。お金を振り込むために消費者金融から借りて、返せなくなって自己破産したといった話もあった。後半は、詐欺犯を追いかけて、アフリカのナイジェリアまで行き、著者が詐欺犯に直接インタビューした話が載っている。ナイジェリアでは、大学を出ても就職先がなくて、若者の4割以上が失業しているのだとか。それがアルバイト感覚で詐欺に手を染める理由だとも言える。ただ、ナイジェリアの場合、詐欺の被害者は多くが欧米人のようだ。貧富の差がある限り、詐欺師は世界中どこにでもいるんだろうな、と思う。著者はフィリピンで長年暮らしていた方で、フィリピンは人口の1割が海外へ働きに行く「出稼ぎ大国」だということも初めて知った。
February 15, 2024
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海外から日本に移住したり、逆に日本から海外に移住したりする話に興味がある。『脱出老人ーフィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち』(小学館発行、2015)は後者についての話だ。脱出老人 フィリピン移住に最後の人生を賭ける日本人たち [ 水谷 竹秀 ]著者の水谷竹秀氏は『日本を捨てた男たち フィリピンに生きる「困窮邦人」』で開高健ノンフィクション賞を受賞した方だ。最近の活動を知りたいと思って、ネットで調べたら、『ルポ 国際ロマンス詐欺』(小学館新書、2023)という本も出していた。通底しているのは日本の閉塞感や独居老人に見られるような孤独感かな、と思う。そう言ったものがなければ、わざわざ海外に移住しようとは思わないだろうし、国際ロマンス詐欺にも引っかからないだろう。今年初めて完読した本だ。自分も若いフィリピーナと付き合いたいな、と思ったり、移住しても貧困や孤立のためにうまくいかない話に同情したり、心揺さぶられる本だった。
January 27, 2024
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数年前から数独(別名「ナンプレ」「数解」)をやっているが、たまたま書店で手に取った本がこれ↙マンガで数独がわかる本 入門から上級まで、全レベル向け [ ニコリ ]今まで、この本で言うところの「ブロッケン」でしか解いてこなかったが、全く別の考え方があることがわかった。まだ「レッツミー」のところまでしか読んでないが、今までできなかった問題もこの考え方で解けた。これで万年初級から脱け出せそうだ。
September 3, 2023
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『カラ売り屋vs仮想通貨』(黒木亮著)に収録されている「仮想通貨の闇」を読了した。ビットコインに代表される仮想通貨は、あまり興味もなかったが、ずっとチャットしていた「彼女」がはまっていたので、読む気になったのだ。彼女から自分もビットコインをやるように誘われたが、断ったら、それまでのいい関係が破綻した。この本で知ったこと:ビットコインは1年ぐらいで価格が10倍、20倍と跳ね上がったりして、価格の変動が激しい。それで安いときに買っておいて、価格が上がっているときに売れば巨額の利益が得られる。そうして何億と稼いだ人を「億り人(おくりびと)」と言うんだそうだ。ビットコインも下がることがあるから、いつも儲かるとは限らない。仮想通貨をやっているのは20代、30代といった若い人たちだ。自分のような高齢者は手を出さない。この前、NHKのクローズアップ現代で北朝鮮が何百億円もの仮想通貨を盗み出したということを放送していたが、すでにこの本(初出は2020年)に似たようなことが書かれていた。技術の発達が速くて、法規制がなかなかついていけてないという印象だ。だから、その分リスクもある。カラ売り屋というのは、カラ売りして安くなったところを買い戻して利益を売るヘッジファンドの一種だ。専門用語がたくさん出てきて理解できないところもあったが、カラ売り屋vs仮想通貨のバトルとして読むと興味がわいてきて面白く読めた。
July 10, 2023
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町を歩いていても外国人を目にすることが多くなった。外国人が日本にいるには在留資格が必要だが、そのうち期限のない永住者が、2018年6月末で約76万人になっていて、この20年間で約10倍にもなった。永住者になるには原則日本に10年間居住していることが必要だ。(ただ、日本人や永住者の配偶者の場合はどうとか、その他細かい規定がある。)日本政府は、単純労働者の受け入れはしない、移民政策は取らないと表向きは言ってるが、実際は技能実習生制度や留学生のアルバイトなどの形で、日本の少子化による労働力不足を補っている。2019年には特定技能という新たな在留資格も創設された。建前と現実が乖離しているんじゃないか、というのが『ふたつの日本「移民国家」の建前と現実』(望月優大著)を読んだ感想だ。建前:移民政策は取らない。現実:永住者がこれだけ増えていて、今後も労働力不足を補う形で海外人材の流入が見込まれる。(政府では「単純労働者」という言葉が嫌いで「海外人材」という言葉を好む。)今、これと関連した本で『知っておきたい入管法 増える外国人と共生できるか』(浅川晃広著)を読んでいる。
June 13, 2023
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『のぼうの城』(和田竜著)を読了した。この本は2012年に公開された映画の原作だ。私も10年前に映画を見たから、大体のストーリーは覚えていた。この本を読もうと思ったのは、先月読んだ『村上海賊の娘』の印象が強くて、同じ著者の作品をもっと読んでみたいと思ったからだ。『村上海賊の娘』の方は信長が石山本願寺を攻めた石山合戦がベースにあるが、『のぼうの城』は秀吉の小田原征伐のときの話だ。舞台となった忍(おし)城は北条方の支城だが、秀吉軍から攻められても唯一落ちなかった城だ。映画を見たときは分からなかったことが、この本を読んでわかったりして、それなりに楽しめた。最近は、旅行に行って、あちこちのお城を見てるし、愛読書も井沢元彦氏の『逆説の日本史』シリーズだ。歴史通とまで行かなくても、少しは歴史は分かってきたかなという感じだ。また、歴史小説を読みたい。
March 19, 2023
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『村上海賊の娘』(和田竜著、上下巻)は、久しぶりに面白くて夢中になって読んだ。織田方から包囲されている石山本願寺に毛利方が兵糧入れをするというのがストーリーの大筋だ。入口の木津川河口は泉州海賊を中心とする織田方から海上封鎖されており、それを毛利方、村上海賊が打ち破ろうとする。クライマックスは海賊対海賊の戦いだ。海戦の他に、石山本願寺に味方するのは他に鉄砲傭兵集団、雑賀党もいて、戦記物として楽しめる。昨日のNHK大河ドラマ『どうする家康』で、一向宗側が門徒達に「進まば極楽浄土、退かば無間地獄」と言っていた。三河一向一揆の始まりのシーンだ。この言葉「進まば極楽浄土、退かば無間地獄」は『村上海賊の娘』にも出てきた。主人公の景(きょう)は、往生成仏は阿弥陀仏を信じることによって、確定している筈だったのでないかと反発する。海賊らしいバイオレンスと主人公のアクションシーンの連続で、昔見た、女主人公が出てくるアクション映画のようだと思った。そこはかとない哀愁を感じるのは、その後何年かすると海賊禁止令が出て、海賊そのものがなくなってしまったからかもしれない。日本の原風景を見たような気がした。
February 20, 2023
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10月生が入ってきて、受け入れ準備とか入学式とかがあって、この頃忙しい。うちに帰ってきてからは疲れて、ごろんとしていることが多いのだが、民放のテレビを見ている時には、CMが入るから、最近その時間に図書館から借りてきた本を読むことにした。すき間時間に読書という訳だ。週2回他の学校にも教えに行くのだが、もし座れたら電車の中でも読んでいる。
October 17, 2022
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久しぶりに図書館から本を借りて読んでいる。この年末年始はゴルフ断ちするので、時間がたっぷりある。5冊借りたが、そのうち、一番面白いと思ったのは、『日本史のツボ』(文春新書 本郷和人著)だ。日本の近現代史は結構読んだが、古代、中世はあまりいい本が見つからないでいた。それで仕方なく(と言っては申し訳ないがm(__)m)『逆説の日本史』(井沢元彦著 小学館文庫)を読んでいた。(『逆説の日本史』も面白いが、著者は右翼的なところがあって、好きになれない。)本郷氏は最近、よくテレビにも出ているのでちょっとは知っていた。この本によれば、七つのツボを押さえれば、歴史の流れが一気につかめるとのこと。そのツボとは、天皇、宗教、土地、軍事、地域、女性、経済の七つだ。今回、初めて著作を読んでみたが、わかりやすかった。それにこれまで常識のように覚えていたことが、実際は違っていたということを教えられた。学校で習った古代の律令制や公地公民は言わば建前か理想のようなもので、広く行われていたのではなかったのではとのこと。それを徹底させるための人もいなかったし、行政システムもなかった。何しろ読み書きできる人は中央の貴族とか一部に限られていたからだ。最古の貨幣は和同開珎と習ったが、流通量が少なくて、古代においては畿内などごく一部を除いては、ほとんど使われていなかった。祭祀などのおまじない用に使われていたのではということだ。当時、物々交換や米などの物品貨幣が主流だった。日本最古の通貨は何かというと、著者によると平清盛が日宋貿易で輸入した大量の銅銭とのこと。読んでみて、そう言われてみればそうだなと思うことが多々あった。日本史のツボ【電子書籍】[ 本郷和人 ]
December 30, 2019
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NHK の大河ドラマ「イダテン」を毎週見ている。オリンピック東京誘致のとき、1940年は日本では紀元2600年という記念すべき年に当たるのでぜひアジア初のオリンピックを東京で開催したいと役所広司扮する嘉納治五郎が熱弁をふるい、1940年(昭和15年)東京開催が決まった。たまたま備忘録(読書ノート)を見ていたら、かの有名な零戦もこの年、正式に戦闘機として採用されたということを見つけた。零戦のゼロは紀元2600年の最後のゼロから付けられたとのこと。正式名称は零式艦上戦闘機。因みに紀元2600年というのは神武天皇即位から数えて、昭和15年がちょうど2600年に当たるから。昭和初期というとつい暗い面ばかりに目が行ってしまうが、当時の人のオリンピックや飛行機づくりにかける情熱に思いを致した。前に読んでいた本:『昭和史 1926ー1945』(半藤一利著 平凡社ライブラリー)
September 16, 2019
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今年もよろしくお願いします。さて、昨年は7月中旬にベトナムから帰国し、約1ヶ月間の就職活動を行って、8月末に東京の日本語学校に再就職が決まった。還暦すぎての再々就職、結構大変でした。今年は新たな気持ちで頑張っていきたい。仕事だけでなく、趣味の面でも以前と同じようなペースで漫画を描いたりできたらいいなあ、と考えています。これまでは、アパートでも授業の準備とか仕事関係のことをやっていた。ところで、近況;最近読んだ本は次の2冊だ。『ルポ 貧困大国アメリカ2』(堤 未果著 岩波新書)『水を抱く』(石田衣良著 新潮文庫)2冊並行しながら、読んだのだが、どちらも面白かった。『水を抱く』は昨日、大晦日に一気に読了した。詳しい感想を、もしかしたらアップするかもしれない。(しないかもしれない。)
January 1, 2017
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平日は仕事をして緊張もしているから、そんなことはないのだが、休みの日は、単身赴任の身だからか突然、寂寥感に襲われることもあって、やりきれない( ;∀;)特に今日は渡辺淳一氏が直木賞を取った『光と影』を読み終えたものだから、人生の儚さというか、人間の弱さというか、そんなものを感じてしまって、またいつもの休日の雰囲気になった。ネットカフェでこれを書いているが、来週からは自分の部屋で書き込みができる。「新居」のアパートに引っ越すからだ。今まで住んでいたところが、あまりきれいでなかったから、今度は掃除もしっかりして、理想の単身赴任生活(?)を送りたい。『光と影』の主人公と違って、自分的には物事のいい面を見つけるようにしたいと思う。例えば、今住んでる東京は暖かくていいなあ、と思う。故郷の山形は朝晩、暖房をつけないといけないくらいなのに、こちらは暖房どころか下着姿でも大丈夫だ。そんな訳で毎晩、ゴルフの夜練に行ってる。自転車で10分ちょっと走って、駐車場へ行き、そこから練習場へと車を走らせる。手間がかかって、面倒と言えば面倒なのだが、夜もそんなに冷えないから、却って夜のサイクリングが気持ちがいい。3年連用日記を開くと、ベトナムでは去年の今頃、風邪をひいていた。今は、ちょっと飲み過ぎの嫌いはあるが、体調もいい。
October 23, 2016
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渡辺淳一著『天上紅蓮』を今日読み終えた。平安時代って、こういう感じだったのかとか、いろいろなことがわかった。もうすぐ人生の幕引きも近いので、やり残したのは何かと考えると、こういう世界に行き着く。平安時代は男女の恋愛におおらかだったとかで、武家社会になってから、道徳とか倫理とかがうるさく言われるようになったのだそうだ。その流れが今も続いていて、最近のタレントの不倫報道の過熱ぶりにつながっている。
October 8, 2016
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『二〇世紀の歴史』(木畑洋一著 岩波新書)を読了した。世界史というと重要な出来事とその意義みたいなことが書かれてものだが、この本では二十世紀がどういう時代であったかを俯瞰する感じで書かれている。つまり覇権を握っている国ばかりに力点を置くのでなく、被支配者側のことにも目配りしながら、二十世紀はどんな時代だったかを示してくれている。「それは差別と被差別、支配と被支配の構造が世界を覆い、暴力と戦争にみちた帝国主義の時代であった。」アフリカの分割に見られるような植民地の拡大する時期(1870年以降)から1991年のソ連解体までを「長い二十世紀」と捉えている。その間、二度の世界大戦、植民地の独立、冷戦などがあった。とんでもない時代だったんだな、と思う。
August 18, 2016
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何ともショッキングなタイトルだ。そして中身もショッキングだった。留学生のアルバイトは週28時間以内というきまりは、守られていなかった。留学生は国で借金して来るのだが、自分の家を担保にしてお金を借りるらしい。ブローカーに「日本へ行けばバイトをして月20~30万円は稼げる」と口車に乗せられてしまうらしい。法律違反をして週28時間を超えて、深夜労働など苛酷な仕事をするらしい。過労死する留学生もいるらしい。これでは日本語学校でバイト疲れから寝てしまうのもわかる。技能実習生の場合は、雇い主である企業と実習生の間に送り出し機関とか監理団体とか様々な中間団体が介在し、給料がピンハネされ、実習生の手取りは10万円ぐらいしかならないらしい。新聞配達員とか外国人介護士の話も出てくる。日本人がやりたがらない仕事をしてくれているのがわかる。だんだん経済格差が縮まっていくと、そういう仕事をやる外国人もいなくなってくるそうだ。留学生や実習生がいなくなるとビジネスが成り立たなくなるという話もよく聞く。それだけ人手不足が深刻なのだ。この本は暗い面ばかり描いているが、国にいても先が見えている、だから日本へいってお金をかせぎたいという送り出し国側の事情まで見ていないように思う。奴隷労働とか絶望工場とか言葉も過激すぎる。一面的な感じがするが、「内情はこうなんだ」と突き付けられた思いがして、一気に読んでしまった。
August 14, 2016
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『下流の宴』(林真理子著 文春文庫)を読了した。「先月から『下流の宴』(林真理子著 文春文庫)を読んでいたが、面白くて、物語の世界に引き込まれながら読んでいる。やはり著者は大したストリーテーラーだ。確かテレビドラマになったと思うが、そのときはドラマも見なかったし、あまり関心もなかった。東京の中流家庭、中流の上あたりの家ってこういうのかと思った。全然上昇志向のない中卒(高校中退)の翔は、このまま変わらないのだろうか、その辺が一番興味のあるところだ。翔の相手の珠緒の出身地、「南琉球島」は架空の地名だった。南大東島がモデルらしい。あるブログに書いていた。」(ここまでHPに書いたこと)珠緒は恋人翔と一緒になるために医者になる、と彼の母親、由美子の前で啖呵を切る。由美子が珠緒の家とは家の格が違う、それは由美子の家が医者の家だからというのだ。このあたりが中盤の盛り上がりで、この後、カリスマ進学塾講師の指導の下、珠緒の猛勉強が始まる。目標は2年で宮崎大学医学部合格で、「宮崎大学医学部」の方は実在だった。『下流の宴』は2009年に毎日新聞に連載された小説だけあって、現在の社会問題を多く取り扱っている。若い人が特に車とか欲しいと思わなくなってきている。「これじゃ、モノが売れないわけだ。」という翔の祖母、満津恵の言葉。「特に贅沢しなければ、バイトで暮らしていけるジャン」という翔の生き方。実際、年収300~400万ぐらいで子供の学費も払えないような「下流の人」が増えているという記事を最近読んだ。
July 12, 2016
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『テロリストのパラソル』(藤原伊織著 角川文庫)を読了した。95年江戸川乱歩乱賞、96年直木賞受賞作品。何となく再渡越前に買ってしまったが、最後まで登場人物に感情移入できなかった。イスラム国の台頭とか現実の動きの方が激しすぎる。話は飛ぶが、今一番関心があるのは、イギリスのEU離脱だ。かの2度にわたる世界大戦で激しく憎しみ合っていたヨーロッパが統合されたという象徴的な意味もあったと思うのだが・・・。戦争関係の本はノンフィクションを中心に最近まで、よく読んだ。ノモンハン事件とか・・・。でもテロは救いようがない。どんな理屈をつけられても肯定できるところがない。
June 27, 2016
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名作と言われるものを一度は読んでおきたいと思うときがある。それで、再渡越前に本屋で衝動買いしたのが、この本。怒りの葡萄 上 新潮文庫 / ジョン・スタインベック 【文庫】価格:810円(税込、送料別)まだ60ページほどしか読んでないが、「雨裂」とか「鼓張」とか普段使わないような難しい漢字がたくさん出てくる。訳者も苦労したんだろうな、と思う。※「雨裂」は雨水で削られた地形、「鼓張」はお腹が膨れる動物の病気のことを言うらしい。
February 13, 2016
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『不機嫌な果実』(林真理子著 文春文庫)を読了した。テレビドラマや映画になったりしたから、このタイトルは頭に残っていた。因みにドラマや映画は見ていない。本の帯に「『不倫』という愛の虚実を描いて社会現象に」とある。「私だけがすごく損をしているらしい」というのが、主人公の決めゼリフだ。主人公は不倫の愛を貫いて、夫と別れ、不倫相手と再婚する。婚姻率、離婚率の統計を見ると3組に1組が離婚する計算だ。この小説のようなことがあちこちで起きてるんだろうな。それが現実だァ、でも、こんな現実には向き合いたくないな~。
February 7, 2016
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去年の11月1日から読み始めた、小池真理子著『恋』を読了した。毎日少しずつ読んでいたが、片瀬夫妻の秘密が明かされるあたりから一気に読み終えた。確か、河合隼雄氏の本で島とか変なモノに恋する人もいるという話を読んだことがあるから、こういう恋もありなんだろうな、と思いつつ読んだ。冒頭のつかみのところで、「これは絶対人に言えない話なんです」なんて出てきて、「何、それ?」という感じで、これは最後まで読んでしまうなと思った。小池真理子さんって、最初はミステリーを書いてたんですね。それが途中から恋愛小説も書くようになった、みたいなことが解説にあった。そのためか、あちこちに張りめぐらされている伏線が見事だ。最後にマルメロの木の話まで出てきた。1995年直木賞受賞作品。同じ真理子でも林真理子さんの方は行き当たりばったりで書いてるような気がする。朝日新聞連載の『マイストーリー 私の物語』を前に読んだが、ふとそんなことを思った。しかし、あれはあれで面白かった。
January 12, 2016
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『ノモンハンの夏』(半藤一利著 文春文庫)を読了した。村上春樹著『ねじまき鳥クロニクル』にも、ノモンハン事件のことが出ていて、気になっていた。(生きたまま皮を剥がれるシーンが何ともショッキングで、いつまでも頭に残っている)ふ~ん、ノモンハン事件って、こういうことだったのか、とやっと腑に落ちた感じ。司馬遼太郎氏は、きれいごとしか書かないから、というのがあって、これは半藤氏の言葉だったか、他の人の言葉の引用だったか…。しかし、まったくその通りで、ヒーローになれる人が誰もいないんだよな、あの昭和初期というのは。『坂の上の雲』では秋山兄弟とか爽やかな(爽やかだったような?)ヒーローがいた。ところが昭和に入ると、そういうヒーローになりうる人物がいない。あの時代活躍していたのは、近隣国から避難を受けているように侵略者達だ。よく言われるのは軍部の独走。天皇は戦争の拡大に一貫して反対していた。この『ノモンハンの夏』でも、その辺のことがよく描かれていた。当時の戦争をリードした参謀辻政信を「絶対悪」と著者は断罪していた。自分の保身と栄達しか考えないで、自分の作戦の失敗についてひとかけらの反省もない、こういう人がいるんだ。たぶん、今も。(と考えた方がいいかもしれない。二度と騙されないために)今年、『日本のいちばん長い日』(原作:半藤一利)という映画が公開されたが、あの時代、唯一ヒーローになれるのは、昭和天皇だけかな、と思ったりした。
October 26, 2015
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今、半藤一利著『ノモンハンの夏』を読んでいる。出稼ぎ生活にも慣れてきて、本を読む余裕も出てきたという感じだ。ところで、朝日新聞のデジタル版に「第二次世界大戦 愚かさの序章 ノモンハン事件」と出ていたのを、チラッと見たのだが、検索しても見ることができなくなった。タイトルがショッキングすぎるから削除されたのか。まさしく、「愚かさの序章」という感じなんだけど…。辻参謀というのが、すごくやり手で、好戦家。その人が、リードして、ろくろく相手(ソ連)の実力も考えないで、「ノモンハン事件」で、たくさんの将兵が戦死した。辻参謀がこれらの将兵を殺したと言っても過言でない。というのは、この辻参謀の「徹底的にソ連を叩こう」という意見がなかったら、ノモンハン事件は起こらなかった。要するに近代化したソ連軍を過小評価して、モンゴルと「満州国」の国境紛争だったのが日本陸軍の一個師団が全滅に近い損害を受ける大事件になった。その誤った判断を下した参謀達が処分もされないで第二次世界大戦をリードしていった。著者は辻参謀の手記を引用しながら、「いい気なものだ」と嘆息している。ノモンハン事件の遺族がこれを読んだらどんな気持ちだろうと思った。そのとき考えて、良かれと思ったことが全否定されている。こういったろくでもない人が戦犯にもならないで、戦後もそれなりの地位についていたというのも驚きだ。
September 29, 2015
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山本一力著『ジョン・マン』(講談社文庫)の2巻目(大洋編)を読了した。乗っていた漁船が難破して、アメリカの捕鯨船に救助され、アメリカに渡ったジョン万次郎を主人公にした小説だ。自分自身、先月中旬に単身でベトナムに渡ることになって、きっと、この本は共感するところが多いんじゃないか、と思って日本で購入した。はっきり言って面白かった。当時の生活、喜び、悲しみがよく伝わってきた。アメリカの捕鯨船を出す側の状況と、日本でのジョン万次郎を取り巻く周囲の状況が同時並行的に描かれていた。これは1巻目の「波濤編」の話かな。2巻目では鳥島に漂着した万次郎ら一行が、アメリカの捕鯨船に救助され、水夫たちとも心を通わせながら、船上で生活していく話が中心になっている。1巻目もベトナムで10日前に読了した。読む日本語の本(小説)がなくなってしまった。飛行機の手荷物の重量制限のため本もかなりしぼったためだ。3巻目「望郷編」も文庫本になってるようだ。ぜひ、また買って読みたい。
June 28, 2015
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去年から『昭和史』、『昭和史 戦後篇』、『幕末史』と、半藤一利さんの本を何冊か読んでいる。そして今、読んでいるのが『漱石先生ぞな、もし』(1992年 文藝春秋刊)だ。朝日新聞で100年ぶりの再連載ということで『こころ』、それに続いて『三四郎』が載っていて毎日読んでいたので、興味があった。今日から『それから』の連載が始まった。この本は文庫本でも手に入るようだ。漱石の文章は難しい言葉が多くて、とっつきにくいところがあるが、何で今も読み継がれているのか、あるいはどういう風にして小説が生まれたのかとか、いろいろ興味がある。昨日付け朝日新聞に「漱石の孫 半藤末利子さんに聞く」という記事が載っていた。半藤一利さんの奥さんが漱石の孫だ、ということも初めて知った。
April 1, 2015
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『求愛』(藤田宜永著 1998年 文藝春秋刊)を読了した。島清恋愛文学賞受賞作。著者は先月の「小説家になろう講座」の講師で、話も面白かった。著者の本は、今まで1冊も読んだことがなかったが、この『求愛』を読んでさすがだな、と思った。昨晩、時間を忘れて完読した。肘を怪我した野球の投手(抑えのエース)と同じく指に怪我をしたピアニストの組み合わせという設定が絶妙だ。よく有名なピッチャーが肩や肘を痛めたというニュースを聞くがリハビリや復帰することの大変さがよく分かった。しかし、悲しい結末だった。
March 12, 2015
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『離婚』(色川武大著 文春文庫)を読了した。家にあった32年前の文庫本で、家人が買ったものだ。もうすっかり黄ばんじゃっていたが、最後まで読み終えた。表題作は直木賞作品の短編で、他に「四人」「妻の嫁入り」「少女たち」の3つの短編が収められている。「少女たち」が、前の3編の前編にあたるとかで、ちょっと特殊な感じがしたが、全部面白かった。独特の語り口に魅了されて、読み終えてからWikipediaで著者のことを調べたりした。この文庫本の後ろの解説を尾崎秀樹氏が書いていて、読んで考えさせられた。著者は阿佐田哲也の筆名で『麻雀放浪記』を書いたことでも知られるように波瀾に富んだ経歴の持ち主だ。”化けもの”の道と”まとも”の道の分岐点で生きてきたと言える。”化けもの”の道には激しい生の燃焼があるが破滅へゆきつく。”まとも”の道は我慢し、妥協して生きることになり、生への不充足感がつきまとう。この言葉が今の自分の気持ちにピッタリ来た。不充足感の中でいかにバランスを取って生きていくか、それが問題だ。
February 21, 2015
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『幕末史』(半藤一利著 新潮社刊)を読了した。半藤さんの本は、『昭和史 1926-1945』、『昭和史 戦後篇 1945-1989』に続いて3冊目だ。どれも読み応えがあった。この本についている巻末の年表を見ると、ペリー来航の1853年から始まっている。自分の生まれた年のちょうど100年前だ。この100年間は本当に目まぐるしく世の中が変わったんだな、と思う。そして『幕末史』は、西郷隆盛の死で終わっている。『昭和史』に、昭和天皇があくまでも軍部を抑えて、戦争回避を追及したら、幕末の孝明天皇のようになったかもしれない、ということが書かれていたが、その孝明天皇のこともある程度わかった。単なる異人嫌いで、それで攘夷派に肩入れした。ところが、いよいよ幕府から新政府に変わる段になると、いつまでも攘夷、攘夷と言ってられなくなる。それで、邪魔になった。36歳の若さで亡くなったのだが、暗殺されたのかもしれないとのこと。本当のことは分からない。新しい国づくりと言えば、かっこいいが、明治維新はドロドロした権力闘争だったとのこと。自分も司馬遼太郎の本はよく読んだが、半藤氏によると、司馬遼太郎の本には、きれいなことしか書いてないとのこと。その辺も面白い、と思った。
February 15, 2015
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時々、カフカとカミュがごっちゃになって、今までまともに読んだことがなかったからだが・・・。それで、図書館からカフカとカミュの本を借りてきた。カフカの方は読み終わった。『絶望名人カフカの人生論』という本だ。7年前にプラハのフランツ・カフカ博物館に行って、カフカのことをある程度知ったつもりでいたが、この本を読んで、全然イメージが変わった。自分にもこういう時があったような気がして、共感もできた。カフカという人は、何でもかんでも絶望して、とってもネガティブなんだが、読んで、かえって元気をもらったような感じだ。カミュの方は、今、『異邦人』を読んでいる。
December 19, 2014
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『逃亡』(帚木蓬生著)を読了した。文庫本では上下巻に分かれているが、図書館から借りた単行本は上下組みで620ページを超える厚さだった。内容は以下のような感じ。【内容情報】(「BOOK」データベースより) 1945年8月15日、日本敗戦。国内外の日本人全ての運命が大きく変わろうとしていたー。香港で諜報活動に従事していた憲兵隊の守田軍曹は、戦後次第に反日感情を増す香港に身の危険を感じ、離隊を決意する。本名も身分も隠し、憲兵狩りに怯えつつ、命からがらの帰国。しかし彼を待っていたのは「戦犯」の烙印だった…。「国家と個人」を問う日本人必読の2000枚。柴田錬三郎賞受賞個人的感想だが、文庫本の表紙より、単行本の表紙の絵の方がカッコよい。読んでみようと思ったきっかけは、著者が、確か自分の父親が戦犯容疑で追われて、逃げ回っていたおかげで、容疑が取り消しになったということを新聞に書いていたのを読んだからだ。普通の裁判と違って、勝者が敗者を裁く戦犯裁判がいかにいい加減だったかということが分かった。それと同時に旧日本軍の作戦もいい加減というか、いかに行き当たりばったりだったことか。天皇の戦争責任についても考えさせられた。いつも問題になる政治家の靖国神社参拝。あれもどうなのかな、と根本から考えせられるような力作だった。
November 11, 2014
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『昭和史 1926-1945』(半藤一利著 平凡社ライブラリー)を読了した。文庫本に近いサイズなんだけど、540ページもあって読み応えがあった。しかも、授業で先生が肩のこらない話をしているのを聞く感じで、大変読みやすかった。他の本と違うのは、昭和天皇がそのときどきで、どういう対応をしたのかが描かれていること。最近「昭和天皇実録」が公開されたというニュースがあったが、『昭和天皇独白録』という本が既に出ていて、これに基づいた話が結構出てくる。ノモンハン事件のことは『ねじまき鳥クロニクル』(村上春樹著)で名前だけは知っていたが、その戦争の意味するところを初めて知った。(事件というけど本当はモンゴル・ソ連との戦争なのだった。)こういう本を読むと、『永遠のゼロ』なんていうのはやはり一面的なのかな、と思ってしまう。映画見たけど・・・
October 14, 2014
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柚月裕子さんの『最後の証人』を読了した。著者のサイン入りで2年前に購入したものだ。最初、ジグゾーパズルのピースがはめられていくような巧みな構成に感心した。ストーリーを簡単に書くと、夫婦の一人息子(小学5年生)がある雨の夜、塾の帰りに交差点で自動車に轢かれて亡くなる。運転していたのは、建設会社社長でしかも県公安委員長。警察は、酒飲み運転をしていて危険運転致死傷罪で立件できたにもかかわらず、組織防衛のため小学生側の信号無視ということにして、公安委員長は不起訴になる。子供の両親はこれに当然不服で、父親は警察に怒鳴り込むが、相手にされない。やがて、子供の7回忌が過ぎ、復讐劇が始まる。交通事故の話が出てきたら、自分の体験も思い出し、気持ちが悪くなって、途中読むのをやめようかと思った。それから、いくら県公安委員長だからって事実を捻じ曲げて、起訴を免れることが出来るんだろうか、と思った。交通事故があると刑事のほかに民事の損害賠償の問題が出てくる。通常であれば示談書を取り交わして被害者側に賠償金(保険金)が支払われる訳だが、両親が不服であれば、いつまでも示談書に判子を押さないで、民事裁判で争うこともできた筈だ。Amazonのレビューもちらっと見たが、現実離れしているという批評がいくつか見られた。民事裁判や賠償金の件がさっぱり触れられてないのが、この小説の一番の弱点だ。やはり現実離れしている。いくら巧みなトリックを見せられても、腑に落ちないのはいつまでも残るから、自分にエンターテインメント小説は合わないのかな、と思ってしまう。事実、あまりエンタメ小説は読まない。しかし、割り切り方で、世の中にはそういうものだと思って、楽しむ読み方もありなのかなとも思う。
July 6, 2014
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桜木紫乃さんの短編小説集『誰もいない夜に咲く』を読み終えた。7編の短編小説から成っている。「波に咲く」「海へ」「プリズム」「フィナーレ」「風の女」「絹日和」「根無草」最初の「波に咲く」は、牧場に嫁いできた中国人妻を扱ったもので、これが自分には一番感情移入できた。貧困や女性の自堕落な生活が描かれていて、これがある面、社会の真実なのか(;>_
April 28, 2014
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一昨日から『統計学入門 ビジネスと経済学のために(上)』(E.マンスフィールド著)という本を読んでいる。上巻だけで400ページを超える本だが、説明が丁寧で読みやすい。統計は昔習ったが、理解できないところが多くて、落ちこぼれてしまった。日本語教育能力検定試験にも成績評価の関連で統計に関する問題が出る。それで良い機会だと思って取り組んでいる。
February 9, 2014
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『99.9%は仮説』(竹内 薫著 光文社新書)を読了した。一番驚いたのは、あのロボトミー手術を“発明”した医者がノーベル生理学・医学賞をもらっていたという話しだ。この手術が世に広まった頃、よく効く精神病治療薬がどんどん出てきて手術は行われなくなったのだという。そういった薬が出てくる前は大変だったんだろうな、とも思う。「カッコーの巣の上で」という映画は、ロボトミー手術の悲惨さを描いたものだが、自分もロボトミー手術とこの映画のタイトルはセットで覚えている。今、通説、あたりまえと思われていることが、新発見によってひっくり返されるということがよくある。それが、この本のテーマだ。99.9%は仮説、これと似たようなことを時々考える。気分が落ち込んだときとかは、99.9%は自分の気持ちの問題だと思って、早目に頭を切り替えるようにしている。宇宙やアインシュタインの相対性理論も話も出てきて、そういった方面の本ももう一度チャレンジしたくなった。
May 4, 2013
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『「通貨」を知れば世界が読める』(浜 矩子著 PHPビジネス新書)を読了した。通貨の歴史をワーグナーの歌劇『ニーベルングの指輪』の物語になぞらえたりして、読みやすいことは確かだ。最後の方では地域通貨のことにも触れられていた。著者の立場は一貫していて、“1ドル50円時代”が到来するというものだ。それだけ日本の経済が強いということなのだ。相対的にアメリカが弱い。日本がどれだけ輸出で稼いで、海外投資もして所得収支でも黒字を上げているかは、『デフレの正体』(藻谷 浩介著)の最初の方に出てくる。80年代後半のバブルを反省材料として、“1ドル50円時代”を賢く乗り越えましょう、という主張のようだ。しかし、最近現実に起きていることは、金融緩和に伴う円安だ。それに株価の上昇。想像するに日銀では国債をガバガバ引き受けて、市中銀行は国債を売ったお金がだぶついている。他の先進国からも日本の「デフレ脱却」は容認されたようだし、間違いなくバブルが来て、そのうちはじけるような気がする。その後は、株価は下落するだろうけど、円も逆の動きをするんだろうか。円高?→“1ドル50円時代”その辺がよくわからない。
March 6, 2013
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大好きな週末の第1日目も終わろうとしている。昨日からの雪が15cmくらい積もったが、昼前から日が射してだいぶ融けた。午前中はドトールコーヒーへ行って、「小説家になろう講座」の最後のテキストを読んだ。講座にはしばらく行かないつもりだが、せっかくプリントアウトしたんだから「もったいない」というケチな根性もあって、最後の一編も読み通した。上手だったが、最後に近づくにつれてオチが想像できた。お涙ちょうだい、という感じの作品。書いた方は、この前の懇親会で言葉を交わした方ではないかと思った。それが今日のビックリだった。今回の講師、辻原登氏の『父、断章』も併せて読んだ。同じタイトルの冒頭の私小説(というのかな?)だけだが、父親が県会議員とは、恵まれた家に生まれた方だ、と思った。初めて読んだ作家なので、そのくらいの感想しか浮かばなかった。ただ、こういった文章は嫌いではない。午後はゴルフ練習場に行って、ドローボールとフェードボールを打ちわける練習をした。ただし、ドライバーはまっすぐ飛ばすのが精一杯。寒いからなのか、ドライバーの距離が出ない。家に帰ってきてから4コマ漫画の案を考えた。
February 23, 2013
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『「脳の栄養不足」が老化を早める!』を読了した。キーワードは「フリーラジカル」かな。ふつう、原子核の回りを1つの軌道に2個ずつペアになった電子が回っているのだが、なかには1個しかなくペアを組めない電子も生じる。この原子あるいは分子がフリーラジカルだ。フリーラジカルは、不安定なため、体内の細胞をかけめぐり、他の分子から電子を奪って安定化しようとする。電子を奪われた分子は破壊され、酸化される。こうしたメカニズムによって老化が起きると考えられる。
January 11, 2013
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市立図書館から4冊借りてきて、そのうちの1冊を、ちょっとの時間だが、読みふけった。『「脳の栄養不足」が老化を早める!』(溝口徹著 青春新書)という本。先月の下旬から「プチ断食」をしているので、栄養の取り方にちょっと不安があった。読んで、すっきりしたというか、納得できることが一杯あった。
January 6, 2013
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NHK大河ドラマ「平清盛」も終わった。平均視聴率が大河ドラマとしては史上最低だったとのこと。確かに見ていて感情移入できなくて面白くなかったが、根っから真面目な私は、自分は日本史を知らないな、と思った。それで、今読んでいるのがこの本↓
December 26, 2012
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『日本経済の真実 ある日、この国は破産します』(辛坊治郎・辛坊正記著 幻冬舎刊)を読了した。戦後の復興、高度経済成長、オイルショック(高度成長の終焉)、プラザ合意後の円高、そしてバブルの発生と崩壊、現在のデフレとコンパクトによくまとまっていた。図表が多くて、GDPとは何か、みたいな話が最初にあって、経済の入門書としても読める。意外だったのは、この本では小泉改革を高く評価していたこと。確かにあの頃は非正規雇用が増えたり、失職してホームレスになったりした人がニュースになったりして、暗い話題が多かったような気がするが、経済成長率や失業率などのデータを見ると改善に向かっていたのだそうだ。セーフティーネットを張っておかなかったという負の側面はあるが。民主党への政権交代については否定的な意見だった。まあ、それで16日の総選挙で大敗した訳だが。著者達の一番言いたいことは、この本の副題に込められている。
December 17, 2012
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『「科学的思考」のレッスン 学校で教えてくれないサイエンス』(戸田山和久著 NHK出版新書)を読了した。日本のエリート達がつくりあげた原発が、昨年の3・11によって必ずしも安全でないことがわかった。それ以来、専門家達の言うことがにわかには信じられない、という事態に至っている。これまでは原子力の専門家に丸投げして、市民はしっかりした判断をしてこなかった。それではいけない、というのが著者の主張だ。「科学は軍隊と並ぶくらいパワフルで、だからこそ暴走すると危険だ。そこで、科学を市民社会のコントロール下に置く必要がある。・・・市民は科学をシビリアン・コントロールできるだけの科学リテラシーをもっていないといけない」よく「安全・安心」ということをいろいろな場面で聞くが、今は、原発は安全かもしれないけれど、将来にわたってどうかというと安心できない。なるほど、こういう使い方をするのかと思った。核廃棄物を気の遠くなるほど長期間保管しなければならない訳だが、これは科学なしには解決できないが、科学だけでは解決できない問題の典型例なんだよナ~
October 19, 2012
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政府は新しいエネルギー政策で2030年代に「原発ゼロ」を明記するとのこと。ただ、核燃料サイクル政策の見直しは先送りされるらしい。核燃料サイクル政策が見直されると、それを前提に使用済み核燃料を受け入れてきた青森県が全国の原発から出てきた使用済み核燃料の最終処分地になるのでないかと猛反発しているとの記事もあった。一つの夢なのだが、使用済み核燃料からさらに再利用できる部分を取り出して核燃料とする。それを繰り返していけば、最終処分場はそもそも必要でない。原発ゼロにすれば、今、六ヶ所村に建設中の再処理工場も不要になる筈だ。大きな矛盾を抱えたままの「原発ゼロ」だが、今後どうなっていくのだろう。このような結論になったのは、国内の世論もさることながら民主党内の反原発派(菅前総理)の力が大きかったのだと思う。この方が来る総選挙には有利に働くという皮算用もあったのかナ~。原発関係はプルサーマル、MOX燃料、高速増殖炉など難しい用語がたくさん出てくる。以前、「福島原発の真実」を読んでいたから今日の記事もすんなり頭に入った。
September 13, 2012
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佐伯一麦さんの『まぼろしの夏 その他』(2000年 講談社刊)を読了した。図書館から借りた本だ。現代でも私小説を書いている作家がいるということを最近知った。ほとんどが本当のことなんだろうけど、細かいところはフィクションが入っているような感じだ。短編集で、1編1編が生活の些事を書いているようなところもあって、増刷はされてないようだ。でも、最後まで読んでしまった。人によって好き嫌いはあると思うが、人間だから失敗はするし、共感する部分がある。自分の住んでいるところが本の中に登場する、というところも面白かった。
August 20, 2012
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山形県三川町生まれの作家、奥泉光さんの『石の来歴』を読み終えた。奥泉氏は1994年にこの小説で芥川賞を受賞した。今まで全然知らなくて、今度の「小説家になろう講座」の講師が奥泉氏だということで読んだ。物語は、長男が通り魔殺人にまきこまれ、妻はアル中になり、次男は過激派の学生運動家になり殺人を犯す。まさに不幸という不幸をかき集めたという感じで、読んでいて、途中気持ちが悪くなった。ただ、言おうとしていることは何となく分かって、主人公はフィリピンの日本軍敗残兵で、生死の境をさまよう経験をする。そこから物語はスタートする。死の間際にあった上等兵の言葉から主人公は石に興味を持つようになる。石についての知識を身につけていく前半部分は、爽やかで良かったんだが・・・。ゆっくり好きなことができる平和な時代になった、みたいな。気持ち悪くなったのは、つい最近、回りで不幸が続いたからかもしれない。
June 19, 2012
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阿部和重さんの『ミステリアスセッティング』を一昨日、読了した。あまり期待してなかったのだが、ぐいぐい引き込まれて、最後まで読み切ってしまった。ありえない話なんだが、妙に説得力があって、やはりすごい才能だと思う。芥川賞受賞作『グランド・フィナーレ』もそうだったが、なよなよしていて、それでいて危ない雰囲気が漂っていて、次に何が起こるか知りたくなる。一言で言うと、現代版「マッチ売りの少女」と言うのだそうだが、言い得て妙だ。
June 11, 2012
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最近、ちょっと驚いたのは、世論調査によると脱原発を望んでいる国民が80%を超えるということだ。この前テレビのワイドーショーでも言っていたが、脱原発を望む声は女性に顕著に多いらしい。『福島原発の真実』に続いて、『原発のウソ』(小出浩章著 扶桑社新書)を読了した。高速増殖炉「もんじゅ」の失敗により核燃料サイクル構想は、すでに破綻している。さらに六ヶ所再処理工場は計画的に放射性物質を海に放出しているとのこと。そこでプルトニウムを抽出しても使いみちがないので新たにプルトニウムをたくさん消費する原発を同じ青森県の大間につくろうと計画している。一番この本を読んでショッキングだったのは、低レベルの被爆は人体に害がないということはウソだということ。たとえ低レベルの被爆でも人体には有害だという「直線、しきい値なし」モデルが存在する。しかし、原子力を推進する立場の人たちはこの考え方を絶対認めようとしないのだという。放射能が、活発に細胞分裂を繰り返す子どもに最も有害で、大人になると子どもほどには影響が少ない。より子どもの成長に係わる機会の多い女性がより脱原発を求めるのも理解できる。本当にこの本を最後まで読むと反原発の気持ちが強くなる。野田首相にも一読を勧めたい。
March 20, 2012
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「原子力ムラ」という言葉をよく聞く。その意味するところは仲間うちでナアナアでやって、外部を厳しくシャットアウトする原子力関係者の体質を表している。したがって、国の原子力政策に疑問を持つ学者や有識者は“異端”になる。そんな国の原子力政策に異議を唱えたのが、この本の著者、前福島県知事 佐藤栄佐久氏。硬骨漢だ。プルサーマル導入に反対して、お上にたてついた、と見なされたのか、県発注のダム工事をめぐる汚職事件で知事を辞職した。それもこの本を読むと、検事のでっち上げ臭いと感じる。よく原発は、CO2を出さないから、温室効果ガス削減に有効だと言われるが、先進国でそんなことを言っているのは日本だけだ、という指摘(福島県エネルギー政策検討会での佐和隆光氏の発言)には目から鱗だった。他の先進国では原発の間接コストが巨額に及ぶので、温室効果ガス削減対策としては上げてないのだそうだ。
March 10, 2012
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『日本国債』を読み終えて、同じ幸田真音氏のデビュー作、『回避(ザ・ヘッジ)』(1995)を読んでいる。廃刊ではないのかもしれないが、楽天ブックスでは品切れだった。こういうこともあるから図書館を利用するメリットがある。あるヘッジ・ファンドが舞台で、ディーラーが市場に立ち向かう緊張感が伝わってくる。
December 7, 2011
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今日は代休で、『日本国債』(幸田真音著)を読了した。2000年に発行された本で、ずっと前から気になっていた本だ。上巻を一昨日読み終えて、自分にしては珍しく下巻を速攻で読み終えた。ミステリー仕立てになっていて、上巻の後半から引き込まれていった。日本国債のトレーダーが主人公で、債券取引の専門用語など理解できないところもあったが、雰囲気だけは分かった。ネットで調べたら、国債引受シンジケート団は、2006年に廃止されたとのこと。昔、聞きかじっていたが、廃止になったことは全然知らなかった。国債引受シンジケート団の問題点はこの小説の中でも出てきた。いろいろ経済のことを、また知りたくなった。
December 5, 2011
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