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カテゴリ: 今日の音盤
 猛暑が続きますね。夜も熱帯夜で寝苦しくて堪りません。しょんぼり

 先日都内の某音盤屋に入りました。昼間の移動時間に合間でした。日差しが強烈で汗が止まりません。冷房の効いた店内で生き返った気がしました。
 店内にはシベリウス交響曲第2番がかかっていました。暑いから北欧の音楽で涼んでもらおうというお店の配慮でしょうか?

 交響曲第2番はシベリウスの作品のなかでも超有名曲で、フィンランド人のロシア圧制への抵抗と勝利、解放というイメージで語られています。

 と同時に忘れてならないのはシベリウスは20世紀の作曲家なんですね。この曲も1901年に完成されました。マーラーが交響曲第5番に着手、ラヴェルが「水の戯れ」を書いてフランス印象派の幕を開け、シェーンベルクは浄夜を書き上げたばかり、後期ロマン派から新しい音楽への胎動が聞こえ始めた時期でした。

 交響曲第2番はシベリウスのイタリア旅行の印象が強いそうです。第2楽章のファゴットの重苦しい歌はドンファン伝説による「死の客の訪れへの幻想」、また金管がわーっと鳴り渡ったりするところなんかはブルックナーみたい。第3楽章は激烈なスケルツォですが、トリオ部分はのんびりとした田舎のイメージ。

 シベリウスもまた民族主義から自己の表現への進化(深化?)に苦しんでいたのかもしれません。様々なイメージや要素を取り込みながら、ひとつに纏め上げる作業は産みの苦しみに似ていたかもしれません。

 この曲が日本で人気があるのはこの、苦しみもがきつつ何かを掴むという、RPGやスポ根アニメにも似たストーリ性にあるのかもしれませんね。

 推薦したいのはやはり若き日のラトル盤です。イギリス指揮者はシベリウスを得意としていますがラトルもしかり。指揮活動のごく初期にシベリウスの全集を作るほど、相性がいい。と同時に彼特有の現代的センスでシベリウスを再構築していて、近代作曲家としての新しさをも感じさせてくれます。このときラトルはまだ29歳です。天才は時に年齢を超えてしまうのです。実に堂々たるシベリウス、素晴らしい!



 ところで店内ではシベリウスの曲が遅いテンポで高らかにクライマックスを築いていました。その暑苦しい表現にお客さんもひとりまたひとりと帰っていきます。
 どうせなら第3番とか第6番とかにしとけばよかったのに。大笑い





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最終更新日  2010年08月01日 09時43分34秒
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