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あれあれ、何もしないうちに、今年もクリスマスがささっと来て、ささっと去りそうです。ドイツでは、というかヨーロッパでは、クリスマスの方が正月よりもずっと大切で、正月三が日のように26日まで休日で祝い、クリスマスツリーは24日に飾って、正月すぎてもまだ飾られてます。その代わり、お正月の飾りはないからね。24日のイヴは、多くの家庭では、ポテトサラダとソーセージのような、簡単な「冷たい料理」を食べ、クリスマスツリーの下に山積みされたプレゼントを開け合うのが定番。本格的なクリスマス料理は25日のお昼にいただく場合が多いようです。ベルリンの娘の家では、今年はフライブルクからでかけていった、娘夫の両親といっしょに祝っています。娘によると、イヴの夕食は、豚をローズ色にローストしたものの冷製とチーズいっぱい。25日の昼食は、ノロジカ(ふつうの鹿よりもずっと小さな種類。日本には生息せず)の背中の肉のロースト。両方とも、料理するのは娘の夫。予約しておいたノロジカの肉が売り切れてしまい、肉屋さんがもう一度森に出かけてハントしてきたものだとか。、、、。これじゃあ、オオカミもなかなか戻ってこられないでしょうね。私はこういう「家庭的なこと」には弱いし、ツリーの下でプレゼント交換というのも苦手なので、今年もBFとレストランのクリスマスメニューをいただきに行きました。これまで使っていた小型デジカメを落として壊してしまい、新しく買ったのはでかい一眼レフなため、客がいっぱいのレストランでガシャガシャ撮るのは気がひけるので、写真なし。クリスマスディナーといっても、あっとするようなものではなかったです。アミュースは顕微鏡で見なければならないほどちっぽけな鮭、ほうれん草や卵ミックスのパイ包み(ミニミニ)。前菜は鴨のムースのゼリー包み。ゼリーが多すぎて、BFはこれを全部どけていました(お行儀悪く見える)。スープは栗のポタージュ、生クリームいっぱいで、甘みがあって、どこかモンブランを薄めたような味でした。主菜は鹿肉のロースト、紫キャベツの煮たもの(鴨や鹿のローストの付け合わせとしては定番)、マッシュポテトの焼いたもの。デザートはシュトレン型アイスクリームとフルーツこのレストランはドイツで一番古いと自称する老舗で有名なのですが、来年はほかのところに行くことにします。驚くのは、「クリスマスは家庭で、家族と」というのが普通だとしても、24日も開店している数少ないレストラン(ホテルのレストランが中心)はどこも満席だということ。やっぱり家庭での集いから逃れる人も多いようです。23、24日はどこの空港も、クリスマスを南の国で過ごそうという人でいっぱいだそうですから、日本でお正月を家で過ごさずに、日常から逃れてしまおうという人が多いのと似ているのでしょうね。ディナーのあとは、これも恒例で、ミュンスター広場にある大聖堂のクリスマスミサにいちおう参加。今年は例年よりたくさんの人が詰めかけて、立つ人が多く(私もです)、ミサ開始の一時間以上前から来て席にすわっていた人が、「せっかく早くきてすわっているのに、あなたたちが前に立つから、何も見えない」と喰ってかかかり、立っている人の側は「立つ人が多いのは例年のこと」と反論し、、、で、ミサが始まる前からあわゆく騒動がおこりそうでした。隣人愛はどこへ行った、、、。大聖堂少年合唱団(おじさんやおじいさんも混じる、とっても美しいハーモニー、日本でもたびたび公演してます)のコーラスとミニオーケストラとパイプオルガンによる、バッハのクリスマスオラトリオの曲その他をはさみながら、ミサは進みます。お香がたくさん焚かれるので、聖堂内は煙モクモク、お香プンプン。今年の司祭の話には、正直言って落胆しましたね。「イエスキリストは無力な赤ん坊として、あなたのために生まれた。あなた一人一人は個人として価値がある。あなた一人ひとりのために、イエスキリストは下僕としてお生まれになった」云々。心の琴線に触れるような言葉は一つも聞かれませんでした。この一年、日本での震災や原発事故による犠牲者や、今も避難生活を余儀なくされている多数の被災者、数々の台風による死者や難民、ユーロ危機、北アフリカの騒動、世界中で見られる貧富の差のますますの拡大、果てはドイツその他で続々と明るみに出た、カソリック神父たちによる青少年性的虐待スキャンダル、世界中に見られる不公平や汚職などなど、人々が不安をもつ出来事はたくさんあり、語るべきテーマは多いと思うのに、こうした社会問題にまったく触れず、ただ「キリストはあなたのために生まれた、この出来事は9、11以上に長く世の人々の記憶に残り、長く伝えられていく」などと言われても、聞く人のなぐさめにも、元気づけにも、考えを深めるきっかけにもならないだろうと思いました。私自身がなぐさめなどを期待していたわけではないけれど、現実から隔離した、あいまいな話以上のものを期待する人は多いのではないかと。これなら、政治家や哲学者や経済学者やエネルギー学者の話の方が、たとえ「何言ってるの」と反撃したくなることはあるにしても、どこか「なるほど、そういう辞意jつ、考え方もあるのか」と励起されるきっかけになります。母が「いちおう」キリスト教徒であったことと、学校がキリスト教系であったのとで、ティーンエージャー時代は教会に行き、聖書を読み、クリスマスもお祈りをして過ごすなどしていました。その後、おとなとして生きて行くなかで、神頼みはやめて、自分で考え、いちおうやって見て、失敗も不幸も受け入れることにしました。人間は生まれて、生きて、死ぬだけ、それで良いではないかと。生きている間は、他人や自然をなるべく傷つけず、なるべく助け(なかなかできないけど)、せいいっぱい生き、いろいろやってみる、それで十分だと。それでも、このミサのように、教会で賛美歌を歌ったり、少年合唱団のコーラスを聞いたりするのは好きですけどね。だからこそ、毎年出かけていきます。先日、あるドイツ人から「日本にはキリスト教がそれほど普及していないんだろう。だから、隣人愛を学ぶことがないのでは。だから南京事件も起こったのだろう」と言われ、一瞬、唖然としました。この人は保守的でもなく、リベラルな方のようなだけに驚きました。反論1。隣人愛は宗教がなくても、自然に人間に身に付いているはず。隣人愛は進化の過程で、育ってきたと考えられる。実際、一部のほ乳類でも確認されている(最近ではネズミで)。隣人愛は生存にとって重要だから、人間に備わっていて当然。インディアンだって隣人愛をもっていたはず。インディアンを虐殺した、キリスト教徒のアメリカ人よりも隣人愛は強かったのでは。2。キリスト教で隣人愛を身につけていたはずのドイツ人が、ナチ時代に何をした?この方には、一言だけ「私は無宗教だけど、隣人愛はあなたと同じぐらいはあると思うよ」と言っときました。なにはともあれ、これを書いている25日、つまりクリスマス本番の日、世の中がごちそうを食らっている間に、私はパンを焼きます。
2011/12/25
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シンプルなテーブルセッティング posted by (C)solar08シュテッヘルさん夫婦のダイニングルームハンスアルベルト・シュテッヘルさんは、フライブルクやバーデン地方では「有名人」です。本業は弁護士なのですが、バーデン新聞に男性でも作れる料理や菓子のレシピを紹介したり、イベントで料理を実演したり、料理の本を出版したりして、ファンがたくさんいます。妻のレナーテさんも有名。本業は大学の学生部ですが、共著者といっしょに「フライブルク推理小説」のシリーズを書いて、成功しています。シュテッヘル夫妻が住むアパルトマンのある家には、私の旧友の一人も住んでいる関係で、かなり昔にシュテッヘル夫妻と知り合いました。10年ぐらい前に、ひょんなことから、シュテッヘル夫妻やこの旧友たちを我が家に招待して、日本のごくふつうの家庭料理を紹介して、みんなでいっしょに作り、食べたことがあります。作ったのは、ごま和え、鶏の唐揚げ、煮込みとか八宝菜などの簡単なものばかりです。その時、彼らが言った感想は「こんなに砂糖を入れるとは」でした。この時の「お礼」として、今度はシュテッヘルさんが私を彼のキッチンに招待してくれ、ドイツ料理をいっしょに作ることになっていたのですが、10年たってやっとその約束が実現しました。丸鶏をさばくシュテッヘルさん posted by (C)solar08献立は、スープ、サラダ、コック・オ・ヴァン(鶏の赤ワイン煮)ならぬコック・オ・リースリング(白ワインのリースリングで煮た鶏)、付け合わせはシュヴァーベン地方(南ドイツ、シュトゥットガルトを囲む地域)の名物、シュペッツレです。6時半にうかがって、みんなでがやがや喋りながら、エシャロットを刻んだり、シュペッツレ用の生地をこねたり。シュペッツレというのはいわばすいとんのような手作りヌードル、粉、卵、水のかなり流動的な生地をこねにこねて、空気を入れこみます。シュペッツェルの生地をこねる posted by (C)solar08シュテッヘルさんは、さばいた丸鶏2羽の表面をバターで焼きます。レ・クルゼの鍋でエシャロットをオリーヴ油、バターで炒めてから、リースリングワイン750ml、鶏ガラスープなどを入れて煮立て、鶏肉を加えてゆっくり煮込みます。鶏を煮ている間に、食事の開始。スープ(コンソメのクリアスープに、細切りにしたクレープを入れたもの)、季節のマーシュのサラダをいただきました。いいことを教わりました。コンソメスープにナッツメッグを少々削り入れると、すばらしい味になるのです。これらの前菜が終わってから、みんなでシュペッツレ作りに挑戦。これがむずかしいの。ドロドロの生地を少しずつ、専用の板(先が薄くなっている)に薄くのばしつけ、煮立った湯に板の先をつけて、専用の金属へら(スケッパーに似ている)で、生地を手早く、ひっかくようにして、ほそーくそぎ入れていくのです。沸騰した湯にシュペッツェル生地をそぎ入れるレナーテの手 posted by (C)solar08レナーテさんの手さばきは慣れたもの。見えないほどのスピード(1秒に2往復ぐらい)で、見えないほど細い生地が湯の中に入っていきます。私がすると、恐る恐る生地をそぐ私の手 posted by (C)solar08おっかなびっくり、ゆっくりひっかうと、一度にたくさんの生地が流れて、すいとんのような太いヌードルになってしまいます。お客さんも挑戦 posted by (C)solar08料理は苦手そうなお客の一人(建築家)も挑戦。太さが様々なシュペッツレができあがりました。生地は一度に全部茹でるのではなくて、各自が入れた分だけ、毎回2、3分茹で、網ですくいあげます。ゆであがったシュペッツェル posted by (C)solar08すべてゆで上がったら、フライパンでバターをからめるようにして、ざっと炒めます。みんながシュペッツレで騒いでいる間に、シュテッヘルさんは鶏肉をとりだしてオーヴンで保温し、ソースに生クリームを加えて少々煮詰めます。前菜を食べてから1時間たって、やっと主菜の出来上がり。コック・オ・リースリングとシュペッツェル posted by (C)solar08上等のリースリングが利いたソースをシュペッツレにからめると、それだけでおいしい。柔らかく煮えた鶏のモモも最高。ここまでで、時計はすでに10を過ぎていました。「デザートに焼きリンゴはどう?」というシュテッヘルさんの提案に、私はもちろん手を挙げました。お客さんたちが芯をとったリンゴに、シュテッヘルさんは、ジャム、マジパン、チョコレートを詰めたリンゴ posted by (C)solar08市販のマジパンの小片、チョコレート、ベリーのジャム、マルメロのジュレを詰めました。バターもシナモンも入れない焼きリンゴは私には初めて。リンゴが焼けるまでまたおしゃべり。11時すぎて、やっとできあがり。焼きリンゴにアイスクリームをのせて posted by (C)solar08チョコレートの甘みとリンゴの酸っぱさの組み合わせ。私にはなじめない味でしたが、こういう方法もあるというのは興味深いです。そのあと、エスプレッソもいただいて、「ごちそうさま、お休みなさい」とシュテッヘル夫妻においとまを告げたのは、夜中の12時すぎでした。こうやって、料理を次々と続けていただくのではなくて、間をおいていただくのも悪くないな、みんなで参加型のごちそうも悪くないなっと思いました。なによりの収穫は、やっぱりシュペッツレの実習でした。今までは乾麺シュペッツレを買ってましたから。左から二番目レナーテ、右から二番目シュテッヘルさん posted by (C)solar08
2011/12/17
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昔から不思議でした。自家製のパンは、日がたつと、ふわふわ度が一気に消えてしまうのに、買ったパンはどうしていつまでもふわふわだったり、ポリ袋入りなのにクラストがかりっとし続けているのか。やっぱり技術の問題なのか、そもそもオーヴンが違うからなのか、両方なのか、、、、。以前、隣家に住んでいた友人が、たまたまパン焼きマイスターのご子息なので、聞いてみたことがあります。そしたら彼は、「あったり前じゃないか、市販のパンはね、化学物質たっぷりなんだから」と肩をすくめました。そう言われても、なにがどうなっているのかは、不明確。昨晩たまたま、南西ドイツ放送テレビの「安いプチパン」というタイトルの番組を見ました。手作りでパン屋を営んでいた夫婦が、安い大量生産のパンに対抗できずについにギブアップして、店を閉じるまでの過程をおいつつ、大量生産のパンの実態を明かしたドキュメンタリーです。工場生産されるパンや、大きなパン屋は、今ではほとんどパンミックス粉を使っているそうです。つまり、バゲット用粉ミックス、ライ麦パン用粉ミックス、カンパーニュ用ミックスなどなどを購入し、パン職人はただ水とイーストを加えるだけ、あとは機械がこね、発酵させて、最後の成形だけを人間の手でするのです。この粉ミックスには、アミラーゼなど、さまざまなエンザイム、つまり酵素が添加されているそうです。この添加酵素はパンの質感、ふくらみ、日持ち、味、しっとり感、その他もろもろの性質を改善するので、パン用の酵素メーカーは日夜、研究に研究を重ねているのだとか。パン用酵素のメーカーの大手はデンマークのある会社。ここでは、ポルチーニなどのキノコ、カビ、細菌を培養して、これらの生物がつくりだす触媒をとりだして、製パン用に生産しているそう。テレビではある実験を見せてくれました。ある酵素を添加した生地で山型食パンを焼いて、添加しなかった生地の食パンと比較した実験です。添加しなかったふつうの生地の食パンは、ポリ袋に入れて8週間おいた後にはぱさぱさになって、二つ折にすると、ぽきっと割れてしまいました。これがふつうですよね。ところが、酵素を混ぜた生地で焼いた山食は、8週間たってもふわふわでしっとり。二つ折りにしても、ゴムのようにぐんにゃり曲がって、割れない、折れないのです。メーカーの研究者は、自慢そうに説明していました。酵素によって粉のでんぷんがゆっくりと分解されたからだとのこと。でんぷんが分解されたら、糖になるはずですけどね。どうして、それがこんな弾力をもたらすのか、素人の私にはわかりませんが。ドイツでは、パン用の粉に添加される酵素は20種類以上あるそうです。しかも、酵素は「添加物」とはみなされていないので、表示の義務や制限値とかはないのです。で、食物を監督する機関は、パンに含まれている添加物は検査しないし、できないのだそうで、もっぱらパンの味と見た目を調べるだけなのだとか。パンにはほかにも様々な化学物質が含まれていて、その種類は200以上と、食物の中で、もっとも添加物の種類が多いのだとか。これも知りませんでした。これまではソーセージが一番添加物が多いと思っていました。酵素その他の添加物が健康にどのような影響を及ぼすのかは知られていないそうです。ただ、いろいろな添加物を同時に食べたために、相乗効果が起こる心配はあるし、年々増える子供の食物アレルギーの原因の一つも、こうした添加物にあるのではないかとする専門家もいるようです。たとえ、健康に影響なくても、いやですね、こんなにいろんな物が入った食物は。ドイツでは、市販のミックス粉を使わずに、粉の調合から手作りする小さな個人経営のパン屋はどんどん姿を消しています。昔、フライブルクに来たばかりの頃は、近くに何軒も小さな手作りパン屋があったのに、今では一つしかありません。あとは、大きなチェーン店の支店ばかりです。私がパンを焼くようになったきっかけの一つも、買ったパンはおいしくないからです。個人経営のパン屋は、大量生産で売るチェーン店のパン、それよりもさらに安いスーパーのパック入りパンには対抗できないのです。チェーン店のパン屋には、成形されたパン生地が輸送されてきて、店ではただオーヴンで焼くだけ。これが「焼きたてパン」として売られるのです。そして、これらのパン生地にも、酵素その他がしっかり添加されているらしいのです。気になるのは、消費者が買う粉にも酵素が入っている可能性があるということ。スーパーのパン/ケーキ材料売り場には、自家製用のいろいろなパン粉ミックスが売られています。あれにも酵素が入っているのかは、誰にもわかりません(メーカーは情報を出さないし、消費者センターでは調べられないから)。私は地元の製粉所で、地元の麦から製粉したての粉を買っているので、まあ安心ですが。でもね、市販のパンの質感がいつまでも保たれるのが、酵素のおかげらしいということがわかっただけでも、ほっとしました。じゃあ、私のバゲットの気泡のなさの原因はなんなんだろう、、。やっぱり技術のなさなんでしょうね。これも酵素のなさのせいにしたいところなんだけれど、、、。日本はお米の国なのにもかかわらず、各地で自家製の天然酵母まで使って、パンを手作りしている小さなお店があちこちにあるようで、すばらしいです。そういうお店がやっていける、という事実自体がすばらしい。ドイツでは無理だろうなあ。
2011/12/15
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焼いた、焼いたバゲット、レーズン胡桃カンパーニュ、全粒粉パン posted by (C)solar08エネルギーカスケード利用という言葉があるのを知ったのは、日本のガス業界の広報誌と仕事をしたときのことです。カスケード、つまり滝のようにエネルギー源を次々と利用するという意味。ガスでガスタービンを回して発電し(1000℃)、その時に出る排熱で蒸気をつくって蒸気タービンでまた発電し(500℃)、蒸気の一部を工場のプロセス熱(100℃)や地域暖房、工場のプロセス冷却や地域冷凍に利用することです。ふつうはコジェネレーションと呼ばれています。通常の火力発電だと、投入されたエネルギーの30%ぐらいしか電力に変わず、残りは熱となって逃げてしまいますが、この方法だと、エネルゴーがさらに熱や冷房に利用されるので、総合効率が90%にも達します。日本でも新宿などのビル、ホテル、工場などで実施されています。原発脱却と気候変動防止を両立させるための方法として、これからどんどん利用されることが望まれています。さてさて、前にも書いた、内側全面石張りの石釜オーヴン。上側の石を280℃に熱するのに3000ワットの電力が1時間半以上かかり、一方ではいったん熱くなったオーヴンは5時間たってもまだ200℃以上あります。だから、このオーヴンもカスケード利用しない手はないのですが、そのためには準備が必要。何の次には何を焼き、そのあと、何を煮て、、、と段取りよくしないと、カスケードが続きません。バゲット、レーズン酵母のカンパーニュ posted by (C)solar08まずはバゲット。いつもけちって、上側の石の温度を250℃にしか予熱しないのですが、今日は280℃に(最高320℃にできるのですが、いったん上がるとなかなか冷えてくれないので)予熱しました。下側、つまりオーヴンの「底」の石は170℃に設定します(それでもこげる)。このオーヴンには段はなくて、生地はじかに底に置いて焼くのです。バゲット生地を入れたら、上下ともスイッチを切ります。280℃のおかげでしょうか、軽く焼き上がり、クラムがあまりつまりませんでした。でも大きな気泡がボコボコまでは至らず。バゲットを入れて5分後に、胡桃とレーズン入りのカンパーニュ(レーズン酵母の元気がなくなった液種をレモンで活性化し、それでも元気がなくなった、内容があやしい液種でやっと起こした生地)を入れました。スイッチはもちろん切ったままです。15分後にバゲットを取り出し、今度はカンパーニュの横に、全粒粉パンを投入。三年前から継いでいるライ麦サワー種は、今も元気。この種とスペルト小麦の全粒に近い粉、粟、ひまわり種、麻の実、麦フレーク、キャラウエイ/スターアニス/フェンネルの種を挽いたパン用スパイスなどが材料です。これが朝食の基本パンなので、毎週いろいろ実を変えて焼いています。カンパーニュを入れて40分後に取り出し、全粒粉パンの横に、カボチャムース、、クリームチーズ、生クリームなどを混ぜたチーズケーキの種を置きます。オーヴンは永遠にスイッッチを切ったままですが、まだ上側の石は230℃以上です。チーズケーキには熱すぎるようで、表面がぶくぶく動いています。ライ麦サワー種、スペルト麦、粟、ひまわり種、カラスムギフレーク入り全粒粉パン posted by (C)solar08全粒粉パンは1時間余りで取り出します。今回は粉1キロ以上入れて、大小二本焼きました。かなりこねたので、きめが細かくなりました。水分を80%以上にすると、しっとりざっくりしたパンにすることもできます。白い食パンとは、まったく違った目標とコンセプトのパンですが、かみしめると味がでてくるので、あごがくたびれますが、やっぱりこのパンが飽きず、好きです。お腹にも一番よいようで、、。この石釜はコンヴェクション機能などはなく、ひたすら静かにじんわり焼くので、チーズケーキはふつうのオーヴンよりも時間がかかります(上側の石はまだ200℃以上なのに)。結局、1時間45分ぐらいオーヴンにいれっぱなしてから、出しました。カボチャチーズケーキ posted by (C)solar08まだ柔らかいけれど、まあいいだろう。出して冷まします。写真はオーヴン、型から出したてなので、縁がほげほげしています。オーブンはまだしっかり熱いです。ふつうなら、ここに肉の塊を入れた鍋を入れて、オーヴンのスイッチを切ったまま5時間ぐらいほっておくと柔らかく煮えるのですが、今日はもうこれでおしまい。このオーヴンはキッチンには置き場所がないため、これを書いているパソコンの斜め後ろに鎮座しています。電子レンジ/オーヴンはパソコンの斜め後ろ。買いだめした粉もこの部屋に収まっているので、この「仕事部屋のつもり」は物置だかキッチンのようです。まだまだ熱い石釜オーヴンは、今は暖房の補助となってくれて、今日はここにすわっていてもほんのり暖かいわ。これぞ、カスケード利用だ!エネルギーのカスケード利用について原稿を書くつもりが、パン焼きカスケードになってしまいました。たった二ページのレポートを一ヶ月もかかって、まだ書けない自分が情けないです。まずはコーヒーでも飲んで、チーズケーキの味見をしようかな。
2011/12/12
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手抜きタルトタタン posted by (C)solar08仕事をしなければならないときに限って、急にパンやケーキが焼きたくなります。自分に対して、さぼる言い訳をさがしているようで。最近は、リンゴケーキといえばタルトタタンばかりつくってます。自分でパート ブリゼとかパイ生地をつくったこともあるんです。でもね、身近にいる人が、タルト生地がちょっとでも厚めだと、皮は残す人。前回はなんとなんと「パン生地にリンゴのせて焼くだけじゃあだめなの?」とか、ひいては「市販のパイシートがおいしい」とのたもう。「ベーキングパウダーとイーストの違いもわからないアンタに何がわかる」と言いたいところですが、考えてみれば、そんなに味が変わらないのなら、何も苦労して、バターをこてんこてんに入れてパイ生地とかパートブリゼを作る意味もないです。私だって外では、タルトの生地残すことよくあります。市販の100円ぐらい(ドイツのスーパーでですが)って、植物油脂だけで、なんであんなに膨らむんでしょうね。化学物質がいろいろ入っているのでしょうが、確かにさっぱりしていて、それなりにおいしいから不思議です。ということで、今回は手抜きで簡単タルトタタンを作りました。カラメルも簡単に。タルトタタンレシピ 24センチの型(私はグリーンパンというミネラルコーティングのフライパンを使っています)砂糖100gと大さじ1の水をフライパンに溶かして、飴色になるまで煮、火をとめて50gのバターを溶かす。リンゴ1キロから1、2キロを四つ割りにし、皮と芯をとる。リンゴをフライパンのカラメルの上に並べて、再び火にかけ、カラメルをからめるようにして、10分ぐらい煮る。リンゴの間にすきまができたら、さらにリンゴを加える。本当はこのあとオーヴンで1時間弱、煮るのがふつうですが、リンゴが煮くずれるのを避けたいのと、なにしろ手抜きで行きたいので、これはカット。煮汁が飛ぶまでまつと、リンゴを煮すぎてしまうので、10分で火を止める。しばらくして浮いてきた汁をスプーンですくい出し、別皿にとりのけてく。パイシートをかぶせ、200度に予熱したオーヴンで20から30分焼く。この段階でもかなり煮汁が出てきます。さめてから(熱いうちだと、煮汁が流れる)、皿にひっくり返す。別に取り分けておいた煮汁がまださらさらの流動状ならいくらか煮詰め、どろっとしていればそのまま、ケーキの上にかける。冷やしてからの方が、汁もペクチンで固まって、切り分けやすいです。リンゴはとろけそうに柔らかくなっていました。今回は、砂糖が濃い飴色になるまでこがしたので、カラメルの味がしっかり。くやしいことに、味は自家製のパイ生地とかパートブリゼに劣らず、しかもバター成分がないので、さっぱりたくさん食べられます。
2011/12/09
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南ドイツ「黒い森」のカッペル posted by (C)solar0825年前、フライブルクに来たばかりの頃は、11月には冬が始まって、零下10度を体験したこともあります。それ以後は年々、冬の訪れが遅くなり、数日前まで日中は10度以上の暖かい日が続きました。昔は今頃ならスキーができた「黒い森」(フライブルクの東側と南側に連なる山脈、ドイツ語ではシュヴァルツヴァルト、フランス語だとフォレノア、名物のケーキ、黒い森のサクランボケーキの名前はここからきてます)の山は、今年はいまだに雪がありません。今年の11月は気候の逆転現象が置きました。雲海が生じて、雲の上、つまり高度800mぐらい以上は快晴でホカホカ暖かいのに、雲の下はどんよりとして気温が低い現象です。11月末のそんなある日、黒い森のカッペルという村に行きました。観光地「ティティゼー」の近くです。ここは高度が高いので、フライブルクの町中とちがって、好天気でした。南ドイツ、カッペルにある300年前の家 posted by (C)solar08この家はBFの姉夫婦、というかBFの義兄がもっている、いわば別荘。筑後300年以上たつ古い家で、BF義兄が代々受け継いできたのだそうです。古めかしい部屋がいくつもあるのですが、BF義兄夫婦はこの家に泊まったことが一度もないのだそうです。シャワーもないし、暖房は暖炉だし、水道管が破裂していらい、屋内の水道は機能してなくて、屋外の水道栓から出てくる地下水をくんでこなければならず、トイレもバケツに水をくんできて流さなければならないなど、便利とはいえません。でも、なんと、BF姉夫婦の娘さんはスペイン人のBFといっしょに何週間もここに泊まり込んで、外で薪をたいて湯をわかして、何十本ものビールを手作り醸造したそうです。周囲は広々として、景色はいいし、「黒い森」カッペルの300年前の家、居間 posted by (C)solar08家の中は、BF姉が集めたアンティーク家具や「黒い森」カッペルにある300年前の家、居間 posted by (C)solar08先祖代々の写真などで、昔のドイツをしのばせます。ドイツ、「黒い森」のカッペルにある300年前の家、ストーヴ posted by (C)solar08アンティークのタイル張りの薪オーヴンは手間がかかるけれど、一度熱くすれば、ほんわりとした快い暖かさをくれます。アンティーク家具って、雰囲気があっていいですね。過去の未知の人々が、何十年も使い込んできたというのが伝わるのしょうか、なんとも言えない落ち着きを感じます。11月のこの日、BF姉とともにこの家に出かけた私たちは、テラスでコーヒーを飲んで、前々前回に書いた焼きたてベラヴェッカを(本当は何週間か熟成させた方がいいのに)食べました。フライブルクのどんよりした薄寒さが想像できないくらい、ポカポカのひなたぼっこが楽しめました。南ドイツ「黒い森」カッペル posted by (C)solar08
2011/12/04
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