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ひくまさんさん
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鉄人騎士。さん日帰りデート3
しばらく行くと食事にどこかに入った。何を食べたか覚えていない。なんでもよかった。
そこで、懸賞に応募する用紙をもらった。
住所、氏名を書いて応募すると当たれば、7月の博多山笠のときに何かがもらえるというものだった。
丁寧に書いたのだが、それを投函するのをためらった。
外れたときが彼女との別れにつながるような妙な気持ちになって、出さずに終わった。
彼女は別れ際にどうして出さなかったのか疑問に思ったことを言った。
でも俺は答えなかった。言えなかった。
まだ学生の分際で彼女との付き合いは無理だ。変に堅物のところがありまして、思いこんだら一途なんです。
俺はこれ以上の苦しみは避けたかった。
食事が終わって、どこかで遊ぼうということになった。
地下街のどこかにパチンコ屋があった。
普段の生活ではパチンコをするなんて普通のことなんだが、
デートでそこに入るというのは気が引けた。でも、彼女は入ろうと誘う。
こんな時でないと出来ないし、学生時代に2,3回やったことがあるという。
勝負事はやるからには真剣にするのが俺の信念ですが、
この時ばかりはそんな気持ちになれない。
でも、彼女が無邪気にニコッと笑って楽しんでいるのを見ると、それだけでいい。
なんてかわいいのだろう。
才能のある人間はなにをやってもできるものですね。
彼女は大当たりほどではないが、出ました。
はい。えらいもんです。感心します。
長続きはしなかったけど、なくなってしまった俺にも分けてくれて、
「一緒にもう少しやろうよ。」 にこっとした笑顔がたまらない。
小学校で彼女の笑顔に参ってしまった俺だったが、またしても心を奪われてしまった。
早く終わってくれないかと願っていた。
ビギナーズラックなんかで大勝ちなんてしたら、
その後の人生に狂いが出るかもしれない。
今でこそ女性がパチンコをするのは当たり前みたいになっているが、
その当時は珍しいことだった。
混み合っていた店内に目立つ美人が打っているので、周りの客からは注目の的でした。
周りの雰囲気が変わったのを感じた。
白い毛皮風のハーフコートにすらりとしたスタイル。
顔はドキッとするくらいの美人がパチンコ屋にいること自体が珍しい事ですから。
僕は勝負よりも彼女がそこそこに楽しんでくれればいいと思っていたので、
勝って長引くのは本意ではなかった。
パチンコ屋を出た二人は地上に出た。
どんたく祭りのメイン通りを歩いたのだが、そのときは大勢の人混みしか見ていない。
日がずれていたのか、時間帯がずれていたのかは知らないが、
中州にかかる橋をわたって博多の空気を吸った。
景色はどうでも良かったような気がする。ひたすらに歩いた。
歩きながら語り合った。
俺の記憶はここまでなんです。別れたのが何時頃で、場所は、別れの言葉は?
すべて記憶がない。彼女の笑顔だけは強烈な印象で心に残っている。
今、会えばしわの多いおばちゃんになっているだろうなあ。
子供の頃の憧れや、若い頃の女性の印象は思い出の中にしまっておくのがいいのでしょうね。
もうじき彼女の誕生日です。忘れません。
1月1日。元日が彼女の誕生日。めでたい人です。