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オーチャードホール 15:00〜 3階正面 ヴェルディ:歌劇「オテロ」 オテロ:グレゴリー・クンデ デズデーモナ:小林厚子 イアーゴ:ダリボール・イェニス ロドヴィーコ:相沢創 カッシオ:フランチェスコ・マルシーリア エミーリア:中島郁子 ロデリーゴ:村上敏明 モンターノ:青山貴 伝令:タン・ジュンボ 新国立劇場合唱団 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:チョン・ミュンフン 最近チョン・ミュンフンは定期演奏会でオペラの演奏会形式をやるようになり、去年がファルスタッフ。今年はオテロ。東フィルの演奏会形式といえば、7年前にバッティストーニがやってるんですが、あの時はバッティストーニ以外歯痒い感じでねぇ.... 率直に言って、今回は、いや、今回も指揮者の一人勝ちに近い状態でした。いや、好みを言うとバッティストーニなんですけれどね。ただ、今回は、他がかなりグレードアップしてましたでしょうか。 指揮者の一人勝ちということは、オケがいいわけですが、まぁ率直に言うとオケはいいけどとはいえそれほどでもないというか。むしろ目立ったのはチョン・ミュンフンの指揮。平たく言えばやりたい放題ですね。格別外すとかいう事はないし、演奏は悪くないんだけれども、それ以上にチョン・ミュンフンの指揮がかなり独特で、あえて一言で言えばシンフォニックなオテロ。スーパーシンフォニック、くらい言ってもいいのかも。どこをどう鳴らすかを最優先で考えて演奏させているような指揮。たとえば冒頭の序奏からオテロの登場まで。バッティストーニならずとも、ここは一気呵成に爆音で鳴らし切って大見得を切るような流れなのが多いけれども、むしろこの辺は抑え気味のまま進めて行く。いや、決して物足りないようなものではないのだけれども、むしろその後の酒盛りの方がうるさいといえばうるさい。そう書くとおかしいようにも思えるけれど、聞いていると納得感はあるのです。つまり、オテロの登場での爆発的な歓喜も、確かに音楽的にクライマックスではあるけれど、音楽的に収拾のつかないうるささ、というのは、むしろ酒盛りの場でもあるのですよね。そういう意味で、そこから1幕幕切への流れは確かに見事。 音楽が雄弁だ、と言いましょうか。その点でチョン・ミュンフンは一切妥協が無い。だから、はっきり言って、「歌手の声を消さないようにする」みたいな配慮はないんですね。例によって響くスペースのあるオーチャードホールですから、オケが本気で鳴りに行くと歌手もかき消されることもある。実際、少なからずそういう場面はありましたが、それは無意味にオケの音がでかいのではなくて、「こう鳴らしたいから鳴らすんだ」とばかりにオケを煽った結果、なのですね。3幕最後とか、その典型でしょう。 これはオペラとしてはどうなんだ、という考えはあると思います。去年のファルスタッフに比べると遥かに「舞台」という要素は引っ込んで、いわゆる演奏会形式に近いのですが、その分音楽が雄弁に物語るので、その意味で思いの外不足はない。ただ、歌唱に対しては厳しいとは思いますが、ただ、ここまで音楽が雄弁だと、十分面白くはあるのです。これで舞台がちゃんとあればさぞ面白かろう、とも思うのですが。 新国は、バッティストーニもだけど、チョン・ミュンフンの起用を考えていいと思います。たっかいだろうと思いますけどね。でも、近年の新国でのオテロの記憶と比べると、こちらの方がかなり面白かったと思います。 歌唱陣は、相対的に良かったのは意外やデズデモナ役の小林厚子。かなり良かったと言っていいと思います。少なくともこの演奏には合っていた。ただ、やりたい放題チョン・ミュンフンのオケを乗り越えて飛ばしてくる、みたいな声ではないですけれどもね。でも、これだけ歌えていれば立派なもの。 ちょっと点が辛くなってしまうのは、外題役。悪くはなかったと思いますよ。ただ、やはり役柄故にチョン・ミュンフンの圧を一番受けてしまうのもこの人。加えて、冒頭のesultate!や、2幕幕切の復讐を誓う二重唱とか、ここ一番というところでつい「もうひと伸びあったら良かったんだけどなぁ...」と思ってしまったのも事実。実は、この日恐らく一番良かったのは、3幕前半、デズデモナを罵倒して後のモノローグ。ここの表現、歌唱は素晴らしかった。この日bravo!を掛けてもよかったのはこの一瞬だったと思います。つい掛けそびれちゃいましたけれどもね。昔だったら一発入れてるところだけれども、寄る年波で瞬発力とかもう無くてねぇ...... イアーゴは、まぁ、及第点でしょうか。悪くはない。2幕のcredoとかね。 でも、まぁ、全般には、そう大騒ぎするほどではない......というのはやはり点が辛いのかしらね。指揮が凡百であればもっと褒めるのかも知れず。一方であの指揮だからここまで引き出されてるとも思えるし.......まぁ、色々っすよ。 チョン・ミュンフンは、本当はそんなに好きではないんですけれどもね。でも、こうやって聞くと、やはり実力者だなぁ、と思わざるを得ません。好きなのはバッティストーニだけれども、やはり何言ってみてもこういう演奏が出て来るのだからたまらんなぁと。確かに、経歴的に見ても、N響以外のオケの中では今はトップクラスになるのかしらん。それを言うといやあの人がとかこの人がとか言い出すとキリがないのだろうけれど、でも、定期演奏会をずっと振り続けている人としてはやはり別格なんでしょうね。私はこの人のオペラがそれほど凄いと思っているわけではないし、冷静に考えてみればこの演奏会形式でのこのシンフォニックと言いたくなるような演奏はどうなの、という話でもあるけれど、理屈抜きにこれはやはりそんなにそこらじゅうで聞ける類の演奏でもないと思います。これがオペラでなければそれでもいいのかなと。 去年のファルスタッフもそうですが、なんというか、オペラオペラしたオペラをやりたいわけではないのでしょうね、チョン・ミュンフンは。ただ、やはりオペラをよく知っているし、その結果出て来るものが典型的な演奏でないにしてもよく練られた卓越したものであるというのが凄いのでしょう。
2023年07月27日
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オーチャードホール 15:00〜 3階正面 尾高惇忠:オーケストラのための「イマージュ」 ラフマニノフ:ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 op.18 交響曲第1番 ニ短調 op.13 ピアノ:亀井聖矢 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:尾高忠明 ボツボツと書いていないものを遅れ馳せながら..... 東フィルの定期演奏会は、プレトニョフは行かないので、3月以来。尾高忠明です。気が付いたら日本の指揮者の中では大御所的立ち位置になってるんでしょうか。あんまりそういう感じの人ではなかったんですけれどもね。ほら、英国音楽を得手にしていたりして、それって日本ではあまり本流にはなれないような。でも、外連味だけでやってるような人に比べりゃ全然堅実な音楽をしてますし。正直今回のプログラムはこれでもむしろ外連味たっぷりのような気もするくらい。 お客さんは、そこそこ入ってますが、どうやらピアニスト目当てのお客が多い様子。若い子で、TVの露出も多いようで、そういう感じのお客さん多数、というところでしょうか。 一曲目は指揮者の兄の尾高惇忠の作品。多分初めて聞くと思うのですが、まぁ、そんななので良し悪しはよく分かりません、といったところ。1981年の作ということですが、聞いた感じを言えば、ベルクの「ヴォツェック」に出て来そうな音楽で、ただ、アレから、なんというか、狂気を欠いたような感じの音楽、でしょうか。凡百の自称傑作なんかよりはよほど面白いとは思いましたけれども。 二曲目がラフマニノフのピアノ協奏曲第2番。例の出落ちのアレです。 で、出来はというと........まぁ、悪くないですが、率直に言ってピアニストが、まぁ、非力というか.......TPOのTKO勝ち、ってとこですかね。 大体がこの曲はよほどの手練れでないともたない曲ですよ。確かに元々人気曲だし、のだめで有名になってしまったこともあって特に日本では有名曲になってますけれども、誰でも弾ける曲ではない。ピアニストが悪いとは言わないし、演奏自体決して悪くないけれども、それ以上にオケがいい。良く鳴っている。馬鹿力を無理に出している訳ではないけれど、オーチャードホールの大きさを活かしてきちんと鳴らしている。 或いは、オペラシティやサントリーだったら、ピアノが凄く聞こえていたのかも知れないですけれどもね。でも、コンサートホールとしては、多分、オーチャードの方が王道なのですよ。まぁ、まだ若いし、修行あるのみ、ですかね。 後半は同じくラフマニノフの交響曲第1番。正直これもあまり聞いたことない曲ではあります。 なんというか.......その昔、キュイが意地悪な評として、「地獄の住人を喜ばせる」と言ったらしいのだけれど、公平に言って、キュイは正しいと思います。ただ、キュイが知らなかったのは、21世紀になると世界は地獄そのものになってるということでしょうね。少なくとも音楽的には。地獄の釜がひっくり返ったような音楽ではあります。緩徐楽章ですら一筋縄では行かないのですから、もう終楽章なんて.......でも、こういうの、我々はもう慣れてしまっているのですよね。前半の、尾高惇忠はもとより、同じラフマニノフのピアノ協奏曲だって、もっと洗練されてはいるものの、そうした曲と比べてこちらの方が格別異形かと言われれば、まぁ、そこまで騒ぐほどではないのかなと。 演奏は、まぁ、良かったと思います。この日は全般にオケは充実していたと思います。無理する手前でちゃんと抑えられて、しかし鳴りは十分。尾高忠明がいいのか、東フィルがいいのか、どちらにせよいい演奏でした。
2023年07月18日
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ミューザ川崎シンフォニーホール 14:00〜 3階舞台脇 エルガー:ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 op.61 ブラームス:交響曲第2番 ニ長調 op.73 ヴァイオリン:神尾真由子 東京交響楽団 指揮:ジョナサン・ノット 久々にエントリーです。コンサートには行ってるんですけれどもね。暑さでバテてるというのはあるかなぁ.....てのは、まぁ、言い訳ですね。連休だし、多少慣れてきたし、ボツボツ書こうかと。 東京交響楽団。時々聞きに行くのですけれども、今回の定期演奏会、結構高いお値段です。多分他の、サントリーとかの定期演奏会と値段を合わせてるんじゃないかと思うのですが、以前はサントリーのピット席とか2,000円くらいだったと思うのですけれども、ミューザは今ピット席は幾らなのか。今回座ったのは4,000円の席で、3階というか4階というかの舞台脇に当たる席だったのですけれども、すり鉢というより壺に近いこのホールの壺の淵、それも横の所に座った格好なので、如何にもバランスが悪い。これだったら幾ら遠くても4階正面にすれば良かった.... その客席の入りが、あまり良くない。正面の席がよく見えるのですが、3階、4階は5分は超えてるといったところでしょうか。こんなものと言えばこんなものかも知れませんが、今日は音楽監督が振るんですよね。ちょっと入りが悪くないですかね?そんなに悪いプログラムでもない筈だけど..... とはいえ、まぁ、そんな席で聞いていたので、あまりいろいろ言えないところではあるんですけれどもね。 エルガーのヴァイオリン協奏曲は、少なくとも生で聞くのは初めてじゃないかと思います。チェロはよく聞くけれど、ヴァイオリンの方はあまり聞かないなぁと。実際、聞いていても、チェロ協奏曲とどこか被るというか......ちょっと退屈したかな、というのは正直言うと、あります。チェロ協奏曲の、ある種の厳しさみたいなものと、チェロの響きとが相俟って迫ってくるようなものが、ちょっと弱いんですよね。じゃぁ、ヴァイオリンじゃなくてもいいじゃん、みたいな気がしなくもない。まぁ、演奏の問題ではないといったところ。独奏の神尾真由子は、多分どこかで聞いていると思います。まぁ、上手。長丁場50分ほど、お疲れ様でした。 後半はブラームス。 そうねぇ.......なにしろ場所が悪すぎて、なんとも言えないんですが.........うーん。 演奏というか........個々の演奏それ自体は、まぁ、多分悪くはないんですよね。ただ........なんだろうなぁ。統一感があまり感じられないんですよ。分かりやすく言うと、演奏しているのは確かにブラームスの交響曲第2番という曲だとは思うけれど、あなたたちはブラームスの交響曲第2番という曲はどういう音楽だと思って演奏しているか?というのが、どうもよく分からない。端的に言えば楽譜を一所懸命なぞってるだけで、それが全体の中でどう調和して響くのか、各楽章がどのように位置付けられてこの音楽が出来ているのか、そういう見通しがよくわからない。司司で一所懸命演奏しているのはわかるけれど...... 勿論指揮者の責任もあるとは思うんですけれどもね。ノットはそんなに聞いてる訳ではないけれど、一般には評価は高いのでしょうか。でも、これを聞く限り、名のみ高い、とまでいうのはなんだけれど.......という気はします。確かに最後は盛り上がる曲だから、終演後は拍手喝采ですが、でも、個人的には、いや聞いてる場所が悪いというのはあるんですよ、でも、これってなんだったの?ブラームスの交響曲だったの?本当に?だとすると、あなたたちはこれをどういう音楽だと思って演奏していて、それは全体として意図が揃っているの?という感じなんですよね。 なんかね。ノット、多分最後に聞いてるのは一昨年のやつなんですけど、どうなのかなぁ。個人的に凄く聞きたい人ではなくて、去年からやってるサロメやエレクトラも言うほど食指が動かなかったのだけれど、こういうのを聞く限り、ノット x 東響 というのは別に無理して聞かなくてもいいのかな、と思ってはしまいます。昔の、スダーンとのシューベルト・ツィクルスとか、粗いなりに面白かったと思うのだけれども、今はそれほど追っかけたい気はしないかなぁ。
2023年07月17日
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新国立劇場 14:00〜 4階左手 プッチーニ:ラ・ボエーム ミミ:アレッサンドラ・マリアネッリ ロドルフォ:スティーヴン・コステロ マルチェッロ:須藤慎吾 ムゼッタ:ヴァレンティーナ・マストランジェロ ショナール:駒田敏章 コッリーネ:フランチェスコ・レオーネ 新国立劇場合唱団 TOKYO FM合唱団 東京フィルハーモニー交響楽団 指揮:大野和士 演出:粟国淳 新国立劇場今シーズン最後の演目になります。こちらも観に行くのはこれが最後。客席は満席に近く。これはまぁボエームという演目故もあるのでしょう。 ボエームは2020年の1〜2月以来のようです。それってコロナが広がり始めたタイミングだよな、どうだっけなぁ、行ったっけなぁ....と思ったけれど、多分その頃はそれどころじゃなかったような。 この演出、粟国淳の演出の中ではまぁマシな方、だとは思います。細かいところとか気になることは色々あるけれど、2幕の処理といい、どこから観ても悪くないと思います。2003年の初演以来、どうも新国ではボエームはずっとこの演出ということになってるらしいですが、でも、正直言うとあんまり記憶にないんですよね。こういう舞台、というイメージはあるんだけれど..... 気になるのは、2幕のカルチェ・ラタンの、奥の方の建物が、フォービズムなのかキュビズムなのか、微妙に歪んだ20世紀初頭絵画のような描かれ方をしていて。いや、これ自体は悪くないんですが、これ、この2003年の前だったかどうだったか、藤原歌劇団がやはりボエームを出していて、その時の演出が誰だったか。その時にはっきりと「佐伯祐三のパリ」というコンセプトで演出を出していまして、それと凄く発想が似ているのがね......藤原の方で忘れ難いのは、3幕幕切れ、ここはいろんなやり方があるのだけれど、佐伯祐三が描いたようなパリの寒々とした街並みが舞台奥に続いている、そこに向かって喧嘩別れしたムゼッタ、私が観た時は高橋董子だったのだけれど、ムゼッタが一人トボトボと奥に向かって歩いていくところで幕、というのがありまして。あれは忘れ難い。とても絵になっていました。 そこから連想すると、まぁ、この舞台は、悪くはないけれどそれほどじゃないよね。 けれど、今回の上演は、まぁはっきり言って演出は割とどうでもいい。むしろ演奏そのものがかなり印象的。というか、はっきり言って歌手がいいのです。 いや、手放しで褒めるような凄さではないです。でも、ミミ、ロドルフォ、ムゼッタ、この三人が最近の新国としては出色の出来。 まず、この三人、いずれも声がある。単に声量があるだけでなく、皆それぞれにきちんと歌として歌えている上で、ちゃんと声量がある。正直に言えば荒削りです。ロドルフォのコステロは4年前に新国の蝶々夫人で来ているそうですが、まぁ、聞いてないな、蝶々夫人だから。なので皆初めて聞いているのですが、はっきり言って、本当は決してこのオペラにはよく合うタイプとは言えないと思います。まぁ、声があるのはいいけど、バリバリ歌っちゃうんですよね。ボエームってそういうオペラじゃないと思うんだけど、ただ、これだけ歌えてしまうなら、まぁ、そういう行き方はあるんだろうなぁと。それと、荒削りではあるけれど、歌い飛ばしてる訳ではないんですよね。ちゃんと、まぁ丁寧に歌っている。嫌いじゃないですよ、こういうのは。 でも、まぁ、合わないよねぇ......悪くはないんですよ。でも、1幕2幕はいいけれど、3幕4幕となると、やはりもうちょっとリリカルに歌って欲しいなぁと思う訳です。声があるのは決して悪い訳ではないけれど、その辺は、好みの問題もあるけれど、やはり厄に合う合わないというのはある。でも、これは確かにかなり贅沢な話ではあります。でも、これだけ歌えるならば、その先を、とはやはり思ってしまう。そのレベルでの話ですけれども。 マルチェッロの須藤慎吾は、まぁ、こうなると分が悪いですよね。声量がいいだけでなく、きちんと歌えるこのレベルの歌手が揃う中では、しかし、よく伍して健闘していたと思います。この中にあって他を圧する....なんてことはないのだけれども、十分及第点です。 オケは東フィル、指揮は大野和士。これがまた、容赦無い。こちらが聞いてたのは天井桟敷、しかも中央ではないので、バランスは悪いですが、それにしても今日はオケが容赦無くガンガン行く。でも、大野和士としては、これが本来やりたい演奏なのでしょう。決して力任せではなく、きちんとオケを鳴らして聞かせる。それに伍するように歌える歌手を揃える。今日のミミ・ロドルフォ・ムゼッタの三人は、ただ歌える、声がある、だけではないんですね。きちんと歌えて、声がある。それが自分でも分かっているのでしょう。だから、オケが容赦無く鳴らしてきても全く臆するところがない。いや、オケのトゥッティに押されたりはするのですよ。でも、なんというのか、この人達、自分にはちゃんと声がある、と分かってるんでしょうね。自信というか、自分の声はちゃんと伝わるという確信があるのでしょう。だから掻き消されそうになるけれど、消えない。慌てもしない。歌手の良さでもあるし、大野和士が練り上げた結果でもあるのでしょう。 率直に言って、ボエームというオペラとして出来はどうかと言われれば、まぁ、いろいろあるよね、とは思うけれど、新国の公園としてはかなりいい出来だったと思います。今シーズンの初めの方とかもう殆ど忘れてしまったけれど、少なくとも今年に入ってからの公演の中では1番の出来かも知れません。くどいようだけれど、荒削りではあるけれどもね。 終演後に、今まで鳴りを潜めていたあの下品なぶらあぼおおおおおおおおおおがZ席と思しきあたりから復活。あれは絶滅して欲しいのだけれども、今回特に下品だなと思ったのは、このぶらあぼおおおおおおおおが掛かったの、ミミと、ロドルフォと、ムゼッタと、ショナールなんですね。つまり外人勢。いや、ショナールが悪かった訳ではない。ただ、率直に言って、ショナールにぶらあぼおおおおおおおおを掛けるくらいなら、あの三人に伍して引けを取らなかったマルチェッロに対しても掛けるべき。要するに、聞いて、判断してる訳じゃないんですよ。外人だから掛けてる。品が無いし、耳も無い。こういう人達は本当に絶滅して欲しい。何故かというに、拍手だのbravoだのというのは、コミュニケーションだからです。それを、浅薄な趣味で濫用しないで欲しい。それも発音のおかしなぶらあぼおおおおおおおおで。 あと、ついでに言うと、終演後にサインおねだり勢が最近多いんですよね。あれもさぁ、見るからに、お前ただのコレクターだろ、っていうのがいてねぇ。以前はそれでも地下の楽屋口前だけだったのか、最近は地下からのエレベーター前で陣取ったりしててね。あれもさぁ、本当に「この人は本当にいい!」と思ったから思わず気持ちを抑えかねて、みたいなのじゃなさそうだし、品が無いっていうか浅ましいなぁと思います。まぁ、ぶらあぼおおおおおおおおみたいなのとはまた違って直接他のお客に迷惑掛けないでしょ、と言えばそうなんだけれども.....ああいう人はあれかね、30年後になんでも鑑定団にでも出すつもりでやってるのかね。私も全くやったことない訳じゃないけど、グルベローヴァと、あとは数人くらいしかやったことないですよ。サイン会みたいなのはまたあるけれど。 演奏に関係ないことだけど、コロナ明けて、頓にそういう品の無さを感じることが尚更増えた気がするので、ね。ま、いいけどね。演奏自体は良かったのだし。
2023年07月03日
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