ニーハオ中国

ニーハオ中国

2005/08/14
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カテゴリ: 考えごと・所感
12日から二夜連続で戦争にまつわる話題、
この際ですから、今日はもう1日。

12日に、にわか愛国主義者になったいきさつ、
13日に、靖国問題に対する考え方が変わったきっかけを書いたが、
実は、こういう一連の問題に対する姿勢が変わった
きっかけというのがもうひとつある。

それは、ウルムチで夫の同僚と話したこと。
それ以来、もうこういう話題はいいやって気になった。

2005年春、北京などでは反日デモが繰り広げられていた。
そのころ、私はウルムチにいたが、北京から遊びに来た
夫の同僚が、私に政治問題について話題を持ちかけてきたのだ。

日本の考え方を知ってほしくて、
日本の首相が靖国を参拝する理由や
歴史教科書問題や愛国心について、
つたない中国語で一生懸命話した。

だが、結果は・・・
彼女はそんな話、聞きたくもなかったのだ。
あなたも他の日本人と同じ思想なのね、って目を向ける彼女。
分かり合いたくて一生懸命話をしたつもりが、
なんだか逆効果に。むなしい気分だけが残った。

そこから学んだことは、真っ向から正論戦わせても、
分かり合うという点では、あんまり意味がないんじゃないか
ということ。自分の国の主張は分かってもらいたい、
でも相手の話はあんまり聞きたくないってことで、
お互い溝を確認しあうだけになってしまう場合もあるのだ。
分かろうという姿勢を保つことができればいいが、
つい「分かってもらいたい」って、自分の国の立場で
ものを言いたくなる。

そんな話しなければ、普通に友達として付き合って、
あー日本人っていいところもあるな、って思ってくれる
機会もあったかもしれないのに、最初に食い違っちゃうと
もうお互い気持ち的に拒否しちゃうっていうか。

それよりも、もっとたくさんの日本人が中国に来て、
生の中国や中国人に触れることや、中国人が日本のドラマや
歌などから日本についていろいろ知ったりすること、
そういうところから、お互い親近感も生まれるし、
もっと人と人とのかかわりあいの中から、理解や友好って
生まれてくるのではないかなって最近思う。

日本人が中国のことを悪くいったら、必死になって中国の
弁護をし、中国人が日本のこと悪くいったら、一生懸命
日本の立場を説明したくなる私。

最近は、もうどっちもどっちだって思う。
どっちの言うことも正しい部分もあるし、
ちょっとなーって思うところもあるのだ。
みんな自分の国がかわいいから、自分の国の立場で
ものを言う。

今までは、そういうことを議論するのが好きだった私。
夫の友人との一件があって以来、こういう問題について、
積極的に話すことはなくなった。
以前はしょっちゅう夫にもこういう話題を振っていたのだが、
今はもう全然。
「国と個人とは別」と冷静に言い放った夫の考えが
けっこう現実的なのでは、なんて今思っている。

自分の国と夫の国。
日本も中国も、どっちも好きでいたいし、
私自身は国にとらわれるより、
もっと身近な生活を大切にしたい。





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Last updated  2005/08/17 02:28:05 AM
コメント(9) | コメントを書く


■コメント

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同感です  
ayaka さん
初めまして。
私自身も中国人の夫がいて、中国に住んでいます。
ブログの内容にピッタリ同感!したので、トラバさせて頂きました。
政治と個人の価値観は異なるものですよね。
でも政局の皺寄せを受けるのは常に個人・・・。
難しいものですね。

最後になりましたが、これからもつばめさんのブログを楽しみにしています! (2005/08/16 04:02:10 PM)

むつかしいなあ  
駒井徳三 さん
こういう問題については、中国人の方が強い信念を持っている。日本人が中国人に議論で勝つことはまずない。 (2005/08/16 08:18:54 PM)

Re:むつかしいなあ(08/14)  
>駒井徳三さん

私達の世代は戦争を知らないので、上の世代の方はどのように考えていらっしゃるのかな、って思ってました。よろしければいろいろご意見お聞かせください。

まあ中国人のほうがナショナリズムは断然強いですね。教育がしっかりしています。私のにわか愛国主義では太刀打ちできないのでした。 (2005/08/16 10:45:07 PM)

Re:同感です(08/14)  
>ayakaさん

北京に住んでいらっしゃるのですね。
私は今大連なのですが、いずれ北京に戻るので、
またどこかでお会いするかもしれませんね。

ブログ、拝見させていただきました。
読み応えのある文章、すごく知的な方だなと
感心しました。
またときどき覗かせてもらいますね。 (2005/08/16 10:53:21 PM)

絶望  
xiaxia さん
つばめさんの言っているフリーな視点がよく分かります。つばめさんのようにもっと中立な立場ではないかもしれませんが、実際に日本で生活し、普通の日本人と触れている私は、日本のいいところをたくさん見ていますし、心からそういうところを好んでいます。
 しかし、日本と中国の問題においたら、最初日本に来た時の「ぜひ何か日中友好のためにしてあげたい」という考え方は、「個人レベルで、できるかぎり日本人とは友好的に付き合い、中国人の友達には日本のいいところを説明するように」というふうになりました。理想主義っぽい私にとっては、「完璧的な解決法はない」という絶望のような感じですよ。苦しいです。悲しいです。
 まあ、とにかく、つばめさんと友達になりたいですし、ずっとこのブログを応援したいと思います。 (2005/08/16 11:54:51 PM)

Re:絶望(08/14)  
>xiaxiaさん

「絶望」というタイトルを見て、私の書いたことに絶望されたかと思って、ドキドキしてしまいました。かなり言いたいこと書いてしまったので、お気に触ったのではないかなって。。。

ま、「完璧な解決方法」は難しいかもしれませんが、放棄することはないし、一歩一歩できるところから友好を深めていけばいいのではないでしょうか。xiaxiaさんのような理想を持った方がいらっしゃることを、とても心強く思いますよ。お互いに中日友好のためにがんばりましょう。

ちょっと大げさかもしれませんが、私が日本語教師という職業をしている動機のひとつにも、語学や日本人教師を通じて中国の人に日本のことを知ってもらえたら、っていうことがあります。逆に学生からもいろいろ教えられることもあります。微力かもしれませんが、自分の気持ちの中では職業を通じて日中友好に携わってるつもりです(笑)。また同時に中国に住んだり、中国人と触れ合う中で知ったいろいろなことを、こうしたブログを通じて、いろんな人に知ってもらえるというのも、私は意味があることだと思ってます。

私は子供が生まれても、ずっと中国で育てるつもりですので、心から中日友好を望んでいます。同時にフリーな視点というか、どちらの国も客観的に見られるような考えも、ハーフの子供にとっては必要なのでは、と思います。

国と国の関係がよくなることはもちろん望んでますが、結局最後は人との交流で、どこの国の人も、つきあってみれば人情があるし、そういうふれあいを通じて、わかりあえるってことが、あるんじゃないかなって思います。 (2005/08/17 12:43:38 AM)

友好の為に  
huihui さん
ええ、その気持ち理解できますよ。
私はなぜか本能的に、中国人の人とはそういう話題は口にしません、偶然あった場合は簡単に中国側に立った意見を言って軽く流します。

我々能天気な先進国の人間の考え方は、中国人の人には理解できないし、彼ら文化大革命・侵略戦争を通ってきた人々の文化・考え方は我々も理解できないと思うから。本当に友人になった人を除いた、私のとって他人の普通の人びとは難しいと思います。
悪い意味では全然ないんです。

例えば簡単な例を言えば、私は阪神大震災を経験しています。人の命・運命なんて一寸先は闇だとつくづくその時感じました。その経験を誰に言ったって経験してない人には理解できないですよ。これは、もうどうしようもないことですよね。たくさんの本や話を聞いて言葉で理解・画像で理解できても本当に理解するのは無理なんです。
だから、そういう意味で被害者の思いは深いだろうといつも感じます。 (2005/08/20 05:08:08 PM)

続き  
huihui さん
前のコメントに追加です。
自分の文章を読んでなんだか中国人日本人は決して理解しあえないって書いてあるような印象を受けるので・・・文章表現が下手ですいません。ちょっと支離滅裂ですし。。
中国人だから日本を理解できないとか、日本人だから中国を理解できないという意味ではなく、育ってきた環境文化政治背景があるので、他人の傷を感じることは非常に難しいということで、これは立場の違う同じ日本人の間でも同じだと思います。
だから唐突に自分の立場を理解してもらおうと思うのは無理があります→身近なところから友好を努めなければ
これは中国に住む我々日本人の役目だと思います。我々を通して日本という国を見られるのだと思うといつも(特に田舎に行くと)責任を感じますね。
(2005/08/20 05:39:18 PM)

Re:続き(08/14)  
>huihuiさん

「育ってきた環境文化政治背景があるので、他人の傷を感じることは非常に難しい」

ということ、震災の例等もあげていらっしゃって、その通りだなと思いました。これは日本人と外国人だから、ということではなく、日本人同士でもそうだという点にも、なるほどそうだなと同感しました。

>だから唐突に自分の立場を理解してもらおうと思うのは無理があります→身近なところから友好を努めなければ

うんうん、そうですよね。やっぱり人間としてのお付き合いから理解が生まれると私も思っています。

>これは中国に住む我々日本人の役目だと思います。我々を通して日本という国を見られるのだと思うといつも(特に田舎に行くと)責任を感じますね。

そうですね。自分を通して日本という国を見られてりうのだ、ということ、意識して行動しないとなー
って私も思います。その人にとって、私が初めて出会った日本人だってこと、よくありますものね。

そうは思いながら、ごくふつーに暮らしてる私です。ま、日本人ってあんなひどい人種なんだって思われないようには気をつけようと思いますけど(笑)!

huihuiさんは神戸の方ですか。私も大阪なので、家も近いかもしれませんね。 (2005/08/20 08:19:09 PM)

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