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2021.10.03
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テーマ: 読書(8283)
本のタイトル・作者


永遠の家 [ エンリーケ・ビラ=マタス ]

"UNA CASA PARA SIEMPRE"
by Enrique Vila-Matas (1988)

本の目次・あらすじ

ぼくには敵がいた
別の怪物
お払い箱
底流
古い連れ合い

カルメン
展望台の塔
お話の効果
師のもとを訪れる
下着のままの逃走
永遠の家
解説

引用

「あらゆることを考え、手遅れになる前にあらゆることを試してみるんだ。死ぬまでに自分が誰なのかを知るようにつとめなければならない」


感想

2021年読書:225冊目
おすすめ度:★★

短編集。
なんというかこう、「これなんなんだ…?」感がすごかった。
雰囲気としては、ちょっと

掃除婦のための手引き書 [ ルシア・ベルリン ]


病的な主人公(腹話術師であることが多い)と、不条理な出来事。

解説によると、著者はスペイン・カタルーニャ生まれ。
前衛芸術的作風の『バートルビーと仲間たち』で「バルセローナ市賞」、フランスの「外国最優秀作品賞」を受賞。
この『永遠の家』は当初酷評されたが、数年後フランスで評判となる。

解説で、腹話術師=小説家というのを読んでハッとした。

小説家は誰しも自分の声(すなわち、スタイル)を持ちたいと願っており、それを何とか身に付けたいと願っている。しかし、そこには落とし穴があって、幸運にも自分の声を手に入れると、それに馴れてしまってやがて語りはお決まりの単調で平板なものになってしまうのだ。



腹話術師は、自らは口を閉じ、人形を操り多様な声音を真似る。
あたかもその人形が話しているかのように。
人はそれを見て、腹話術師がそこにいることを忘れる。
人形が有名になり、その固有の声を手に入れて―――物語の中では、腹話術師は人形を介してしか喋れなくなってしまうのだ。

書くことのテイスト。特有の声色。
使い分けるうちに、自分の声を失ってしまう腹話術師―――小説家。
それでも喋るのだ、流暢に。
書けるのだろう、そのテイストで。
けれどそれは自動筆記と大差ないのか。

解説を読んだ後で読み返すと、印象が変わる。




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最終更新日  2023.01.01 17:47:41
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