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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2009.11.23
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カテゴリ: 文芸
『アフターダーク』 を読み終え、『1Q84』を読み始めた。
 そして、第1章を読み終えた頃、
 本棚で順番待ちをしていた 『村上春樹はくせになる』 に、ふと手が伸びた。
 この新書は、私が『1Q84』の先を読み進めることを強く押し止めた。

 先に 『アンダーグラウンド』 『約束された場所で』 を読むことにした。

 『1Q84』の第2章以降を読み始めるのに、ずいぶん遠回りをしてしまった。
 しかしこの遠回りこそが、『1Q84』を読むに値する人間に、私を変えてくれた。

そもそも『1Q84』について言うならば、
私にとって、3冊くらいの遠回りは全く大した問題ではない。
そう、この『1Q84』を読むために、
私は、これまで何冊の作品や書物を読んできただろう。

長編は 『海辺のカフカ(上巻)』 『同(下巻)』  に始まって、
青春三部作の 『風の歌を聴け』 『1973年のピンボール』 『羊をめぐる冒険(上)』 『同(下)』
『ノルウェイの森(上)』 『同(下)』 『ダンス・ダンス・ダンス(上)』 『同(下)』
『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド(上)』 『同(下)』
『ねじまき鳥クロニクル 第1部』 『同 第2部』 『同 第3部』
『国境の南、太陽の西』 『スプートニクの恋人』 とすべて読破。 

短編集で読み終えたのは、現時点で 『神の子どもたちはみな踊る』 のみだが、
本棚には順番待ちのものが数冊並んでいる。
その他のものでは 『ふしぎな図書館』 『辺境・近境』
『シドニー!1.コアラ純情篇』 『シドニー!2.ワラビー熱血篇』
翻訳では 『キャッチャー・イン・ザ・ライ』 を読み終えた。
あと、関連本では 『村上春樹にご用心』 『謎とき 村上春樹』 を読んだ。
翻訳や関連本も、本棚で読まれる日が来ることを待っているものが数冊ある。

とにかく、『1Q84』を読む前に村上さんの長編は全部読んでおこうと決め、ここに辿り着いた。
だから、3冊くらいの遠回りは本当に大した問題ではない。
そして、『アンダーグラウンド』を読み『約束された場所で』を読んだからこそ、
さらに『村上春樹はくせになる』を読んだからこそ、気付き・理解できることがそこにあった。

   ***

「青豆」と「天吾」、二人を中心に据えたお話しが交互に繰り返される。
村上さんお得意の、読者にはお馴染みのパターンだ。

青豆は、自分がよく知っている世界、これまでそこにいたはずの「1984」年とは違う
別の世界「1Q84」年に、自分が今では身を置いてるらしいことに気付いている。
そこでは、警官の制服や所持している拳銃が違うし、自分の知らない事件が起こっていた。
おまけに、空には月が二つも出ている。

それでも、その事実にさして驚いたり戸惑ったりせず、すんなりと受け入れ、
その世界に合わせて行動しようとする彼女の姿は、普通の感覚なら驚きだ。
そんな彼女の周りには、老婦人と彼女に仕えるタマル、
環というかつての親友(自殺した)に代わる新しい友人・警官のあゆみがいる。

一方、天吾は、予備校で数学を教えながら、小説を書く柔道の有段者。
出版社で編集に携わる小松に、17歳の少女ふかえりが書いた『空気さなぎ』という作品を
新人賞の最終選考に残すよう推薦したことがきっかけで、その作品を書き直すことになる。
もちろん、それがある意味において詐欺行為であることを承知しながら。

最初、何の接点も見い出せない青豆と天吾の二人だが、それは突然に繋がってしまう。
二人は小学校で同級生だったのだ。
幼少の頃、天吾は日曜になると、父に連れられNHKの受信料の集金につき合わされた。
一方、青豆は母に連れられ、証人会という宗教団体の布教活動につき合わされていた。

4年生の秋、青豆が理科の実験の時間に、その布教活動のことで級友から揶揄される。
その際、手を差し伸べ、自分の班に移ってくるように言ったのが天吾。
それ以後、二人は言葉を交わすこともなかったが、
12月初めの午後、青豆は天吾の手を握り、じっと彼の顔を見あげた。

その後、両親と決別した青豆。
そして、父と決別した天吾。
その場限りの奔放な性生活を送る青豆。
そして、既婚・年上のガールフレンドと週に一度の関係を持ち続ける天吾。

しかし、青豆はこれまでに愛した唯一の男性として天吾をとらえ、
秘めた思いを胸に、再会の日を持ち続けている。
一方、天吾の青豆に対する感情は、それほどハッキリしたものではない。
それどころか、今、二人が同じ世界にいるのかどうかすら本当のところ分からない……

それでも、今後二人を結びつけるかもしれない、このお話の鍵を握る存在がある。
それは「さきがけ」という宗教法人と「リトル・ピープル」。
10歳の少女・つばさを救うため「さきがけ」に挑みかかろうとする青豆。
17歳の美少女・ふかえりを通して「さきがけ」と関わることになるであろう天吾。

『空気さなぎ』のストーリーがどのようなものなのかが、まだ明らかにされていない。
それが明らかになるとき、お話しは確実に前進していくことになるのだろう。
青豆と天吾の出会いはあるのか?
そして、村上さんは「さきがけ」の将来にどんな結末を用意しているのか?





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Last updated  2009.11.23 14:27:35 コメントを書く


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