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高校生のころから日本史が大好きで、大学入試も日本史の点数が良かった(?)から合格したのではないかと思っています。日本史の中でも好きな時代は戦国時代で、戦国時代における小説などはよく読みますし、ノンフィクションの解説本も好みです。そんななか、自宅の本を整理していたカミサンから「この本、捨てても良いの?」と言われて差し出されたのが、この本です。ヒロくんとしては、うっかりしていて、購入していたことを失念していたもので、慌てて手に取り読むことにしました。小説でも解説本でもないのですが、しいて言えば学校の授業で役立つ参考書のようなものでしょうか。A4サイズの大判なものとなっており、応仁の乱から始まり、群雄割拠の時代、信長の活躍、秀吉の天下統一、関ヶ原の役、大阪夏の陣までの戦国の世の歴史が網羅されています。全ページカラー印刷となっていて、分かりやすく読みやすくなっています。本の構成としては、第1章から第6章までとなっていて、室町幕府の崩壊、戦国大名の出現、織田信長の台頭、織田勢力の拡大、豊臣秀吉の時代、徳川幕府の成立、です。記載されている内容はおおむね以前から了解しているものがほとんどでしたが、織田信長よりもちょっと早く京都を制圧した三好長慶については、あらためて認識しました。そのほかにも武田信玄の重臣たちである武田二十四将の全員の氏名が記載されていたのも良かったです。
2024年03月16日
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大学一年生の18歳の時に腎臓の機能がよろしくないという診断を受けてから、かれこれ50年ほどが経過しました。その間、腎臓の専門医の先生に診てもらってきて、今日に至るまで人工透析にならずに来ました。腎臓が良くないと言われてからは、多くの腎臓に関する本を読んできましたが、本屋さんで、また新しい本を見つけたので購入して読んでみました。この本は腎臓専門医だという高取優二氏の著作になります。高取氏は1975年生まれということですから、比較的若いお医者さんということになりますね。鳥取大学の医学部を卒業され、岡山大学病院などで勤務し、現在は埼友クリニックにお勤めだそうです。さて、この本では腎臓の機能についての説明があり、また、長生きできない人の特徴として、夜中に何度もトイレに行く、高血圧であること、甘いものや炭水化物を好んで食べる・・などが挙げられています。つまり、このような人は腎臓の機能が落ちている、または、これから先に落ちてしまうことから、長生きができないとされています。良く知られているように、腎臓は体の中にたまった老廃物を尿と一緒に排出する働きがあり、この排出が滞ると体中に老廃物が溜まってしまいます。そのため、長くは生きられないという結論になるわけで、そうならないために食生活の改善や適度な運動を奨めています。というようなことが書かれていて、この本は、腎臓の機能が正常な人、あるいは少しだけ腎機能が良くない人向けの書籍であると思われます。ヒロくんのようにかなり腎機能が悪化している人向けということではなさそうですが、書かれている内容はおおむね以前から了解しているもので、改めて内容を再認識した次第です。
2024年02月28日
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会社員時代は行きの通勤電車では日経新聞を、帰りの電車では読書をしていたのですが、リタイアしてからは通勤しないので読書の時間が減りました。というか、会社員の時は月曜から金曜までの5日間はほぼ毎日読書時間が、通勤時間の30分はあったので、かなりの読書時間が確保されていました。ところが、通勤しなくなり、その読書時間が無くなると、自宅での読書時間をいうのはかなり減るものです。しかしながら、少しは本を読む時間もあって、このたびは久しぶりに宮部みゆきさんの著書を読みました。宮部みゆきさんといえば、江戸時代を舞台にしたものが好みなのですが、この本は現代が舞台で、それはそれでなかなか面白いものでした。この本は短編集となっていて、本のタイトルとなっている「地下街の雨」のほか、6編の短編が収められています。「地下街の雨」のほかは「決して見えない」「不文律」「混線」「勝ち逃げ」「ムクロバラ」「さよならキリハラさん」の各短編となっています。それぞれが一種のミステリー小説となっていて、なかでも、知らぬ間に死神に取りつかれてしまう「決して見えない」といたずら電話をしたあげく、電話機のなかに身体が飲み込まれてしまう「混線」はちょっと怖い感じでした。ユーモアが効いていたのは「さよならキリハラさん」で、家の中に入ると突然耳が聞こえなくなる、というものです。音を消すのは、宇宙人のようなものの仕業で、それは騒音を続けていると地球がひび割れるからという途方もない変な話で、音の消えた家に住む一家がドタバタするものです。久しぶりに宮部みゆきさんの著作を読みましたが、相変わらず面白くて引き込まれました。
2023年12月29日
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ヒロくんも今年で67歳となりましたが、このところ酔って転んだりして、体の衰えを自覚するようになりました。いつ、あの世からのお迎えが来ても良い年代にさしかかってきたわけで、となると「死」への関心が高くなってきます。そんななか、読んだのが、久坂部羊さんの「寿命が尽きる2年前」です。作者の久坂部さんは1955年生まれだそうで、ヒロくん(1956年生まれ)と同世代です。久坂部さんは医師でもあり、多くの人の死を見てきたそうですが、その多くが助からない医療措置を受けて苦しんだのだそうです。そういう経験を踏まえて、寿命があと2年で尽きるとなったら、病院などにはいかず、好き勝手に過ごして、最後の人生を楽しんだほうが良いと言います。多くの人は、いつまでも元気で長生きすることを期待しますが、そうは言っても必ずやってくるのが「死」というものです。死に対して、仮に延命措置をしたとしても、誰にでも死は訪れてしまいます、であれば、病院でいろいろなコードに繋がれることはされたくないと、久坂部さんは考えています。なお、寿命が尽きる2年前が「いつ」なのかは、誰にも分らないですね。そこが、ちょっと問題なのですが、自分でその2年前を決めればよいのだそうです。つまり、自分の寿命が80歳、80歳まで生きると決めたらその2年前は78歳となります。で、78歳からは、人間ドックや健康診断にはいかず、好きなものを腹いっぱい食べ、お酒やたばこも制限しないで楽しむことです。病気のことなど考えずに、好きなことだけをして楽しい日々を送っていれば、そのうちにお迎えが来るということですが、それはそれでひとつの考え方でしょうね。
2023年11月12日
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今年のNHKの大河ドラマは「どうする家康」というテーマとなっていて、主人公はいうまでもなく徳川家康です。家康の物語については、これまでもドラマや映画で多く取り上げられており、その生涯はおおむね理解しているつもりです。ところが、今年の大河ドラマの家康は、若いころはどこか頼りなさげで、これまでの家康とは違うイメージとなっています。そんななか、歴史家の磯田道史さんが書いた家康の本があったので購入して読んでみることにしました。なお、この本の目次は以下のとおりとなっています。第1章 「境目の土地」三河という運命第2章 信長から学んだ「力の支配」とその限界第3章 最強の敵・信玄がもたらした「共進化」第4章 二つの滅亡長篠の合戦と本能寺の変第5章 天下人への道磯田氏は、そもそも家康は始めから天下を取ろうとは思っていなかったとされていますが、たしかに本能寺の変が無かったら、信長との関係がどのようになったか分かりませんね。なお、信長と同盟を結んでいたからこそ、武田信玄に滅ぼされなかったともいえるわけで、とても天下を狙うどころではなかったと思います。ちなみに、本能寺の変では、明智光秀が武田に内通していたことを信長に知られるのを恐れて、あらかじめ信長を討ったかもしれないという磯田氏の説は面白い内容でした。また、家康の正室の築山殿が武田と通じていたのは、そもそも武田からの働きかけによることらしいというのも興味深い説でした。
2023年09月11日
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和田秀樹さんと言えば「80歳の壁」という著作が大ヒットしましたが、ヒロくんは今年でまだ67歳ということなので「80歳の壁」を読むにはちょっと早いかと思います。そんな60歳代のヒロくんのような人でも和田秀樹さんの著作はあるようで、そのひとつが「70歳から一気に老化する人しない人」というちょっと長いタイトルの本です。戦国時代の平均寿命は50歳程度だったようですが、現代はその2倍、人生100年時代となっていて、それも健康で長生きするのが良いですね。そんななか、いろいろな書籍が出回っているようですが、和田秀樹氏には「和田式・老年本」と呼ばれる一連の著作があるようで、この本もそのひとつです。さて「70歳から一気に老化する人しない人」ですが、人生100年時代は、70代をどう過ごすかで、80歳、90歳、100歳の人生が大きく変わるとされています。ちなみに、主な目次は以下のとおりです。第1章 健康診断を疑え第2章 年代別「医学的に正しい」生き方第3章 70歳からは「足りないものを足す健康法」第4章 70代は人生100年時代の黄金期第5章 80歳になったら、どうする?各章、それぞれ含蓄のある記載となっていますが、歳を取ったら健康診断には行かなくてよいそうで、診断の結果を鑑みてダイエットしたりすると、かえって身体に良くないそうです。また、積極的に他人とコミュニケーションを取ることを薦めていますが、インターネットにおけるチャットやブログの展開でも良いそうです。リタイアして他人と接触することが少なくなったヒロくんとしては、このブログを更新することも良いことのようで良かったです。この本にあるように、歳を取ったら身体に不具合が生じるのが当然と受け止め、健康面のことで、ことさら深刻に考えないようにして過ごしたいと思います。
2023年08月20日
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中学や高校の時から日本史が大好きで、大学受験の際も日本史が受験科目にある大学を選択しました。実際のところ、大学受験の日本史の点数が何点だったのかわかりませんが、個人的には日本史の点数のおかげで受験に合格したと思っています。さて、日本史に関するテレビ番組はいろいろとありますが、中でもより深く専門的に掘り下げている番組はNHKのBSプレミアムで放映されている「英雄たちの選択」だと思っています。この番組でMCをしている磯田道史さん(上の写真の右側の男性)は、以前に「武士の家計簿」という書物を出版したこともあり、日本の歴史に詳しい人です。そんな磯田道史さんの新しい書物を本屋さんで見つけたので購入しました。書物の題名に「暴く」とあるので、なにやら物騒な感じもしますが、その内容としては、学校で教えてもらう歴史は表の歴史で、この本では裏側の歴史を解説しているというものです。この本の構成としては「戦国時代」「江戸時代」「幕末」最後に「疫病と災害」となっています。それぞれ興味深いことが書かれていて、たとえば「忍者の実態」「織田信長の遺体の行方」「豊臣秀頼の本当の父親」「孝明天皇の病床記録」「チョンマゲのやめ方」「江戸時代のマスク」・・・などなど、日本史好きにはそれぞれ面白いです。磯田道史さんの著作は面白い内容なので、ほかの著作も見つけたら読んでみようと思います。
2023年04月21日
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池井戸潤と言えば、下町ロケットや半沢直樹などで有名で、主に企業を舞台にした作品が多いですが、この「七つの会議」も企業小説となっています。この小説は、まだサラリーマンとして勤務していた時に、勤務先近くのブックオフで購入しておいたものです。サラリーマン時代に買い置きしておいた文庫本の小説はこれが最後になります。あとは古今亭志ん朝の落語の本が2冊あるので、そのうちに読んでみようと思っています。さて「七つの会議」のストーリーですが、大手電機メーカーであるソニックという会社の子会社の東京建電という会社が主な舞台となっています。その会社の営業課長である原島は、前任者の坂戸のあとを任命されるのですが、坂戸が切り捨てた下請け会社に再発注をするなどおかしな動きをしています。それもそのはず、坂戸が発注した下請け会社から納入されたねじ部品は強度不足だったからです。その強度不足を発見したのは、万年係長の八角で、彼は会社が強度不足を公表してリコールすることを期待していました。ところが、会社は原島課長にこの事実を隠蔽することを指示します。これに怒った八角の会社上層部との戦いを描いていくということが主な展開となっています。最終的にどのような結末になるかは、あえて明らかにしませんが、480ページを超える長編小説ですが、その面白さにはまってしまいました。なお、この小説はテレビドラマや映画にもなっていて、特に映画では、野村萬斎が主人公の八角係長を演じていて、その映画を以前に観たことがありますが、とても面白かったです。
2023年03月04日
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本格的に飲酒を始めたのは大学生になってからで、原則としてお酒は20歳からとなっていますが、ヒロくんの場合は大学生になった18歳から飲んでいたということになります。ということは、現在66歳のヒロくんは飲酒歴が48年ほどということになってしまいます。なお、今でこそ未成年者の飲酒は、わりとうるさく言われていますが、今から50年近く前はそれほどではありませんでした。お酒の上での失敗もいろいろとありますが、歳をとってからはたくさんの量は飲めなくなってきました。そんななか、お酒に関する面白そうな書籍を見つけたので購入してみました。葉石かおりさんという女性が書いた「名医が教える飲酒の科学」という本です。お酒に関する本と言えば、だいたい男性が著者なのですが、女性が書いたというのも興味を持った理由のひとつです。ちなみに、著者の葉石かおりさんが、いわゆる「名医」かと思ったのですが、この人は医師ではなくエッセイストだとのことです。その葉石さんが、日本における飲酒関係を専門とするいろいろな医師に質問や確認をして書いたのがこの本だということのようです。本書の内容としては・飲む前に読む飲酒の科学・公開する飲み方、しない飲み方・がんのリスクは酒でどれだけ上がるか・酒飲みの宿命―胃酸逆流・結局、酒を飲むと太るのか?・酒と免疫・依存症のリスクとなっていて、どの項目も興味深い記述となっていました。なお「酒は百薬の長」と言われていますが、実際はお酒は飲まないほうが健康でいられるのだそうです。そうはいっても、お酒好きにとっては「酒は百薬の長」と思いたいですよね。また、おつまみを食べずにお酒だけを飲む人は太らないとも言われていますが、そんなことはないそうで、お酒だけでも太るのだそうです。やはり飲み過ぎは禁物のようで、ほどほどの量を楽しむのが良さそうです。
2023年02月11日
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2021年の10月末をもって長年勤めていた勤務先を65歳で定年退職しました。長かったサラリーマン生活を終えてのんびりできるようになりました。定年退職という人生でのひとつのヤマ場を無事に終えることができましたが、人生の中での個人的な次のヤマ場は、この世とのおさらばではないかと考えるようになってきました。そんななか、立ち寄った本屋さんで見つけたのがこの本です。「人はどう死ぬのか」という、わりとショッキングなタイトルですが、たしかに「どう死ぬのか」は良く分かっていません。ちなみに、著者の久坂部羊氏ですが、1955年生まれだそうで、1956年生まれのヒロくんと同じ世代の人となります。久坂部氏は医師で、病院勤務のほか、在宅診療医も務めたそうで、これまでに多くの人の死を看取ったとのことです。その久坂部氏によれば、穏やかな死を望むならば、救急車で病院に担ぎ込まれることはしないほうが良いのだそうです。どう見ても助かりそうにない人であっても、病院としては人工呼吸器などを装着して、生を永らえようとしなければならないとのことです。その結果、担ぎ込まれた患者はチューブやカテーテルなどのコードでぐるぐる巻きにされるそうです。久坂部氏は、自分の最期を穏やかに迎えたいと思っている人は万一の際に病院に行かないことを奨めています。とはいうものも、目の前で家族が倒れたら、大急ぎで救急車を呼ぶことになるでしょうね。なお、心不全や脳卒中などの場合は突然死となりますが、ガンになれば次第に自分の死期がわかってくるので、穏やかな死を迎える可能性が高いとのことです。それが分かっている医師の多くは、自分が死を迎える際にはガンが良いと思っているらしいです。苦しんだり痛かったりせずに最期を迎えたいものですが、さて、どうなるか、こればっかりはあらかじめ予測できないですね。
2023年01月12日
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昨年の10月末まで勤めていた勤務先の近くにはブックオフがあって、たまに行って面白そうな本があれば購入していました(ほとんど税込み110円のもの)。勤務先を65歳で退職したのですが、残念ながら自宅周辺にはブックオフがないので、このところ新しい本は正規の値段での購入に限られています。そんななか、勤務していた時代に読んでいなかった文庫本が4冊ほど自宅にあるのに気づきました。今回の本はそんななかの一冊で宮部みゆきさんが書いた「ステップファザー・ステップ」という本です。宮部みゆきさんの小説は好きなほうで、特に江戸時代を舞台とした時代ものが面白く、これまでにもいろいろと読んでいますが、今回の本は現代を舞台にしたものです。現代を舞台にした小説も面白く、ちなみに「ステップファザー」とは日本語に訳すと「疑似親父」というのだそうです。さて、そのストーリーですが、訳あって父親と母親がそれぞれ愛人をつくって家を出てしまい、中学生の双子の男子だけで暮らす家がありました。その双子の家の屋根に登って、隣家に泥棒に入ろうとした男性が雷が落ちたショックで屋根から落ちてきました。気絶した男性を介護した双子に弱みを握られた男性は、双子の頼みを聞き入れて双子の父親を演ずることになってしまいます。その泥棒男性と双子が、いろいろな事件や謎を解決するという物語となっています。この本には、7つのそれぞれ違う話が収められていて、疑似親父と双子たちの活躍が描かれていて、とても面白かったです。
2022年12月17日
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ヒロくんが住んでいる東京都清瀬市にはブックオフのような古書店がありません。数年前までは1軒だけ古書店(ブックオフではありませんが)があったのですが、閉店してしまいました。ということで、本を購入するには普通の本屋さん(これも以前は2軒あったのですが今は1軒だけ)にいくしかありません。ただ、たまに池袋に行くことがあって、そんなときには西武池袋店の三省堂書店に寄ってみることにしています。その三省堂書店で見つけたのが、この本です。和田秀樹さんの著作は、老人に関すること、長生きに関することが多いようで、なかでも最近では「80歳の壁」という本がベストセラーになっているようです。ヒロくんはまだ65歳で、80歳まではまだまだなので「80歳の壁」を読むにはちょっと早すぎると思っていましたが、ちゃんと70歳の本もあるのですね。ということで「80歳の壁の前に読む本」ということで紹介されているこの本を読んでみました。認知症にならないためには、脳だけでなく健康も見た目も、分岐点は70歳だそうで、いつまでも若々しい人でいるか、一気に老け込むかは、60代から70代にかけての生き方で決まるとのことです。そのためには「歩く」「自分の歯でしっかり嚙む」「学ぶ」「笑う」など、「老いを遅らせる正解」が記載されています。そのほか、お金に関することや定年を迎えた男性の日常の良い過ごし方などが書かれていて、いろいろと参考になりました。
2022年11月26日
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週に一度は自宅近くの本屋さん、というかスーパーの西友の中にある書店なのですが、その本屋さんを覗いています。サラリーマン時代は、勤務先近くにブックオフがあったので、廉価の文庫本を購入できましたが、ヒロくんが住んでいる東京都清瀬市にはブックオフがありません。ということで、定価販売の本屋さんに出向くのですが、小説の文庫本は買わずに最新刊の新書を主に購入しています。そんななかで目に留まったのが新書版の「生物はなぜ死ぬのか」という本です。この本は東京大学の教授である小林武彦という日が執筆したもので、NHKの「おはよう日本」という番組で紹介されたそうです。その紹介があったこともあって16万部を超える販売となっており、2022年の新書大賞も受賞しているとのことです。さて、生物が死ぬのは必然であって、死ぬことによって生物は進化してきたということです。そうして、環境の変化に対応できた運の良いものが生き延び出来たというわけです。なお、多くの生物は人間のように「晩年」「老年」というものはなく、いわゆるピンピンコロリで死んでいくそうで、人間だけが死というものを感情的に考えるそうです。寿命を延ばすことに関してはいろいろと研究が行われているそうですが、人間でも死から逃れることはできません。ちなみにAIは、生物ではないので死なずにずっと存在し続けるのですが、将来的に人類がAIの言うとおりに行動するようになると、人類の将来は厳しいものになると警鐘を鳴らしています。死は受け入れなければなりませんが、その死までの人生はより良いものであって欲しいものです。
2022年11月11日
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昨年10月に満65歳となり、定年退職して平日も時間が増えたのですが、読書量は減ってきています。というのも、現役時代は帰りの通勤電車の時間(約30分)が読書時間で、月曜から金曜までの5日間でおおむね150分の時間を読書に充てていました。ところが、日中ずっと在宅しているとなるとあまり読書に時間をかけないことがわかりました。でも、できるだけ1日30分ほどの読書時間を設けるように努力していますが、なかなか思うようにはいきません。そんななか、久しぶりに読破したのは司馬遼太郎の「燃えよ剣」(上下)です。この本は、まだサラリーマンだった時に勤務先近くのブックオフで購入していたもので、上下巻あわせて1000ページを超える大著です。主人公は新選組の土方歳三で、その土方の若いときから物語は始まり、函館で戦死するまでのものとなっています。新選組の土方歳三ですから、局長の近藤勇や盟友の沖田総司も登場しますが、この二人以外の新選組の剣士たちはそれほど多くは登場していませんでした。あくまでも土方歳三に焦点を当てた物語となっており、作者は土方を「喧嘩師」とし、幕末の思想や政治とはかかかわらない姿を描いていました。なお、この小説はいろいろと映画やドラマの原作になっているようで、子供のころは栗塚旭主演のテレビドラマを観た記憶があります。また、最近では岡田准一が土方歳三を演じる映画が昨年に公開されているようですが、この映画は機会があったら観てみたいと思っています。
2022年10月30日
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初めて腎臓病の疑いがあると言われたのは大学入学の際の健康診断の時で、まだ18歳でした。それから50年近くが経ちましたがかろうじて人工透析にならずに今日まで過ごしてきました。その間に腎臓病に関する書籍は数多く読みましたが、今回の本もそのひとつとなります。今回の本は「自力で強化する」というフレーズが気に入りましたが、腎臓病が自分でなんとかなるのなら、願ってもないことです。この本は、腎臓病の専門医である15人の医師が共同で執筆したものらしいです。各医師がそれぞれの経験から腎臓病に対する対処法を述べていますが、要約すると「食事」と「運動」になると思います。食事については、以前から言われているのですが、塩分とたんぱく質の摂り過ぎに注意することが肝心です。なお、リンとカリウムも制限したほうが良いのですが、ヒロくんのようにまだ制限が無い人は特段気にしなくても良いらしいです。ということであれば、長年食べることを控えていたカリウムを多く含むバナナを久しぶりに食べてみようかと思います。運動についても、いろいろとストレッチなどが紹介されていますが、簡単にできるのはウォーキングで、以前は一日1万歩と言われていたのですが、最近の研究で4113歩で良いらしいです。一日に1万歩を歩くのは大変ですが4000歩あまりであれば、かなり負担が軽減されます。なお、食事や運動が推奨されるのは、腎臓病に効くお薬が無いからなのですが、そのお薬も研究が進んでいるそうで、早く有効なお薬が開発されると嬉しいです。
2022年10月07日
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大学に入学して最初の健康診断で尿タンパクを指摘され、さらに精密な検査が必要となり、その結果、腎臓病であることが判明しました。それ以来、かれこれ47~48年にわたり腎臓病と付き合う生活をしています。若いころは40歳代になったら人工透析になるかもしれないと言われました。でも、幸いにして、今に至るまで人工透析にはならずに生活を送ることができています。腎臓病を指摘されてからは、腎臓病に関するいろいろな本を読みましたが、今回の本もそのひとつとなります。自治医科大学教授の黒尾 誠氏が執筆した「腎臓が寿命を決める」という書物ですが、簡単に言えば「リン」という物質が問題だということです。つまり、人間をはじめ脊椎動物は「リン」と「カルシウム」で造られる丈夫な骨を手に入れるために「リン」を体に取り入れることにしました。その「リン」は人体に必要な物質なのですが、取りすぎると体に悪影響を与えるので、必要量以上の「リン」は腎臓から排泄される仕組みになっています。必要以上の「リン」を取ってしまうと腎臓がフル回転しなければならず、そのために腎臓が疲れてしまって「リン」を排泄できないようになると寿命が尽きるということのようです。従って、腎臓を守るためには必要以上に「リン」を取らないことにするのが肝要だとのことになります。ちなみに「リン」は、多くの食物に含まれているのですが、特に加工食品、つまりソーセージやハム、ベーコン、またスナック菓子、ジャンクフード、スーパーやコンビニで売られているお惣菜などに多く含まれているとのことです。ということは、これらの食品を食べても良いですが、食べ過ぎないようにするのが良いらしいです。なお、お酒が好きなヒロくんですが、実は甘いものも好きで特にチョコレートをよく食べています。ところが、チョコレートにも「リン」が多く含まれているとのことで、これからはチョコレートもあまり食べないようにしたいと思います。
2022年08月14日
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勤務先を定年退職して通勤電車に乗らなくなったので、読書時間が大幅に低下しました。というのも、通勤電車の帰りには電車の中で30分程度の読書時間があったからです。ということで、通勤しなくても読書はしたほうが良いので、このところの平日は30分程度の読書時間を設けるように努力しています。そんななか、今回読んだのは呉座勇一さんが書いた「頼朝と義時」という本です。「頼朝」とは鎌倉幕府を開いたという源頼朝のことで、義時とは北条義時のことで、この人は鎌倉幕府の執権として政治を取り仕切った人となります。この本が本屋さんで目に留まったのは、今年のNHKの大河ドラマが北条義時を主人公とするものだからです。大河ドラマは三谷幸喜が脚本を書いているそうで、毎週楽しみに観ていますが、ドラマのところどころにギャグが絡めてあって面白いです。主人公の北条義時は小栗旬が演じていますが、どこかたよりない人物とされているようです。また、義時の父親である北条時政は、歌舞伎役者の坂東弥十郎が演じているのですが、人の好い好々爺といった感じです。義時や時政は、実際のところはどんな人物だったのか、しっかりとした研究書のようなタイプの本を読みたいと思って、この本を手に取りました。本を読んだところ、実際の義時や時政は、それなりにしたたかな人物であったような感じでした。当時の現実として、有力な武士の間では、かなりの激しい権力争いというものがあったようで、今後の大河ドラマでどのように描かれるのか楽しみにしています。
2022年07月23日
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昨年10月末までは一介のサラリーマンとして勤務しており、その勤務先の近くにはブックオフがありました。勤務先を退職したので、勤務先近くのブックオフには行かなくなったのですが、残念ながら自宅近くにはブックオフがありません。ということで、まだ勤務しているときに何冊か文庫本をブックオフで購入しておきましたが、この本はその中の1冊です。藤沢周平の時代物小説はわりと好きなほうで、よく読んでいますが、この本はその短編が9つ収録されています。・酒乱剣石割り・汚名剣双燕・女難剣雷切り・陽狂剣かげろう・偏屈剣蟇ノ舌・好色剣流水・暗黒剣千鳥・孤立剣残月・盲目剣谺返しどの短編も読みごたえのあるものですが、一番最後の「盲目剣谺返し」は秀逸だと思います。そのストーリーですが、藩主の毒見役として奉公していた新之丞は、ある日毒見して失明してしまいます。失明しながらも、騙されて不倫を強要された妻の不倫相手を打ち取るというもので、この話は以前に「武士の一分」というタイトルで木村拓哉主演の映画になりました。この映画も見たことがありますが、その原作を読むことができて良かったです。
2022年05月14日
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昨年10月の定年退職前は、帰りの通勤電車の中で読書をしており、おおむね30分ほどが読書時間でした。ところが、退職して通勤しなくなると、当然のことですが、電車には乗らないことになって読書時間が減ってしまいました。ということで、最近では、平日は通勤していたころと同じように毎日30分ほどの読書時間を設けるように努力することにしましたが、なかなか思うようにはいかないですね。さて、そんななか今回ご紹介するのは、藤沢周平氏の「隠し剣 孤影抄」という本です。退職前に、勤務先だった場所の近くにあるブックオフで何冊が本を購入しておきましたが、この本はその中の1冊です。その「隠し剣 孤影抄」は短編小説が8編となっています。・邪剣竜尾返し・臆病剣松風・暗殺剣虎ノ眼・必死剣鳥刺し・隠し剣鬼ノ爪・女人剣さざ波・悲運剣芦刈り・宿命剣鬼走りといった8編の構成となっています。いずれも剣の達人が主人公となる江戸時代の架空の藩である海坂藩を舞台にしたものですが、剣の達人である主人公がすべて勝利するわけではありません。上記の各編の中では「必死剣鳥刺し」は、豊川悦司主演の映画を観たことがあり、かなり迫力のある立ち回りの映画だったことを記憶しています。藤沢周平氏の著作は、この本の続編となる「隠し剣 秋風抄」も購入してあるので、そのうちに読んでみるつもりです。
2022年04月23日
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昨年10月に定年退職して5か月ほどが経過しましたが、読書をする時間が取れなくて、在職中に比べて読書量が大幅に減っています。在職中は、自宅に戻る帰りの通勤電車の中で読書をしていたので、その時間(約30分)はほぼ毎日読書をしていました。それが無くなってしまったので、読書時間が大幅に減ってしまったということになります。退職したので時間がないわけではないのですが、テレビ番組を録画して観ていることが多く読書時間が取れないのが現状です。さて、そんななかでもようやく読了した書物があり、宮部みゆきさんの「桜ほうさら」という本です。この本は上下2冊になっていて、それぞれが400ページを超える大著ということになります。そのストーリーですが、江戸時代を舞台にした、いわゆる時代小説というもので、上総の国の小さな藩の武士である古橋笙之介が切腹した父親の無実を証明しようとするものです。笙之介は、剣の腕前はさっぱりですが、書はできるので写本で生計を立てながら、長屋の人たちに助けられて父親が巻き込まれた事件について解明していきます。温和な性格の父親がなぜ切腹にまで追い込まれたのかという真実については、あえて触れないでおきますが、宮部みゆきさんの時代小説はどれも面白いです。ちなみに、調べてみると2014年にNHKの正月時代劇としてテレビドラマ化されていました。残念ながらそのドラマは観ていないのですが、再放送があればぜひ観てみたいものです。
2022年03月19日
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昨年10月末をもってサラリーマンを卒業しましたが、在職中は通勤電車の中で読書をしていました。通勤しなくなって自宅で読書をする時間が増えるかと思っていたものの、なかなか本を読むことが出来ず、すっかり読書から離れてしまいました。今後は何とか時間を作って、読書にもいそしみたいと思っていますが、今回の本はまだ在職中に読んだもので、ご紹介するのを失念していたもので「銀行仕置人」というものです。作者は、池井戸潤で、この人の代表作としてはテレビでも大ヒットした「半沢直樹」がありますね。さて、この本のタイトルに「銀行」の2文字があるように、この小説は銀行を舞台にしたものです。そのストーリーですが、関東シティ銀行という名の架空の銀行に勤めるやり手の黒部次長は、500億円という巨額の融資案件を担当します。融資先の経営状態やその経営者に不審な点があったのですが、立花常務の推薦もあって、500億円融資の稟議を申請して、それが認可されます。ところが、黒部が懸念した通り、この融資は焦げ付いてしまい、黒部は閑職に追いやられてしまいます。そんな境遇に置かれた黒部ですが、人事部長の英(はなぶさ)の指示のもと、立花常務の不正を暴くことになります。銀行幹部と取引先の癒着、闇金融業者の暗躍など、さすがに面白い内容でした。この小説の黒部は、テレビドラマの半沢直樹を思わせるような活躍で、ぐいぐいと小説の中に引きずり込まれ、とても面白い内容でした。
2022年01月15日
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サラリーマンだった10月末までは、会社帰りの通勤電車では文庫本を読むのが長年の習慣になっていました。10月末で退職し、11月になってからは通勤をしなくなり、従って電車に乗ることもほとんど無くなり、読書をする時間が少なくなってしまいました。退職前に、勤務先近くのブックオフで買い求めた本が何冊か残っているので、これからおいおい読んでいこうと思っています。さて、そんななか今回、ようやく読み終えた本は、浅田次郎さんの「地下鉄(メトロ)に乗って」というものです。この本は、主人公が地下鉄の階段を上がっていくと、そこにはずいぶん前の世界、戦後すぐだったり、戦争中であったりと、いうような世界になっていて、いわゆるタイムスリップするものです。主人公の小沼真二は、子供がいる中年の男性で女性の下着を売るセールスマンをしています。父親は小沼佐吉は世界的な大企業の創業者ですが、その父親とは仲が悪く疎遠になっています。というのも、父親は家庭では暴力的な横暴な人で、兄を自殺に追いやったこともあったからです。その真二が、地下鉄の階段から、昔の世界に行って、若い日の父親の姿を見ることになるというストーリーです。若いころの父親はそんなに悪い人物ではないことが分かりますが、真二の愛人であるみち子が腹違いの妹であることもわかってしまいます。タイムスリップものは、よく読んでいないと頭がこんがらがるのですが、この本はよくできていてとても面白かったです。浅田次郎さんの小説は 壬生義士伝など、いくつか読みましたが、どれも面白いですね。
2021年11月18日
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今月で65歳になったヒロくんですが、5年前に60歳の定年になってから、通勤電車の帰りに車内で読む本は、基本的にブックオフで購入することになりました。早い話が、60歳定年になって嘱託となり給料が極端に少なくなってしまったからですが、ブックオフでもそれなりに書籍は充実しているので、読む本に困ることはありません。ということで、今回の本は垣根涼介さんが書いた「室町無頼」というものです。この本は上下2巻に分かれていて、上巻は378ページ、下巻は350ページというかなりの大作です。さて、そのストーリーですが、物語の舞台は本のタイトル名にもあるように室町時代です。室町時代を題材にしているので、足利尊氏の時代かと思いましたが、もっとあとの時代でした。あとの時代といっても応仁の乱のちょっとだけ前という時代設定になっていました。主人公は才蔵という若者で、棒術を操る兵法者で、若者を棒術の達人に仕込むことを計画した蓮田兵衛という剣術士、それに蓮田とライバル関係にある道賢という無頼者が絡みます。蓮田は室町幕府に不満を持つ多くの庶民や百姓を集めて一揆をおこし、才蔵も蓮田とともに行動します。そして、市中の警備を担っていた道賢と対峙することになり、蓮田は道賢に打ち取られてしまいますが、才蔵は生き延びることになります。一方で道賢のほうも応仁の乱で命を落としてしまうという結末となりました。応仁の乱の直前という時代設定が珍しく、当時の世相が良く分かる物語で面白く読むことが出来ました。
2021年10月22日
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最近は新型コロナウイルス感染の影響で、寄席には行っていませんが、落語が好きでテレビでも良く観ています。落語を観るテレビとしては、日曜日の朝早くに放送しているNHKの総合テレビの「演芸図鑑」という番組があります。同じ日曜日にはNHKのEテレで午後2時からの「日本の話芸」という番組もあって、どちらも録画して観ています。そんななか、勤務先近くのブックオフで落語の本を見つけました。ちくま文庫から出されている「志ん朝の落語1」というもので、63歳の若さで亡くなった古今亭志ん朝さんが高座で披露した話しを速記したものという感じです。ちなみに、この本では・明烏・品川心中・厩火事・お直し・お若伊之助・駒長・三年目・崇徳院・搗屋幸兵衛・真景累ヶ渕 豊志賀の死・文違い・締め込みの12編の話しが収められています。落語といえば、すぐに思い浮かべるのは滑稽噺という笑い話でしょうが、そのほかにもホロリとさせる人情噺や恐ろしい怪談噺があります。この本に収められている12編の話のうち「真景累ヶ渕 豊志賀の死」は、落語の世界では代表的な怪談噺のひとつで、笑える部分は無かったですね。この「志ん朝の落語」という本は、シリーズものになっていて1巻から6巻まであるそうです。ブックオフで購入するには、誰かが売りに出してくれないと、買えないので全巻揃えるのは難しいかもしれませんが、時々勤務先近くのブックオフをのぞいてみることにします。
2021年10月03日
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昨年のNHKの大河ドラマは明智光秀が主人公でした、ご存じのように明智光秀が仕えていたのが織田信長で、その信長を討ったのが光秀でした。NHKの大河ドラマの中では、光秀が信長を討ったのは、信長に足利義昭を殺せと命じられたからのように描かれていました。実際のところ、明智光秀が織田信長に謀反した理由は定かではなく、いろいろな説があります。日本史が大好きなヒロくんとしても明智光秀の謀反の理由については、興味のあるところです。そんななか、勤務先近くのブックオフで見つけたのがこの本です。著者の安倍龍太郎氏は、数々の歴史小説を手掛けている作家ですが、この本は小説ではなく、いわゆる教養書の類となります。さて、安倍氏によると明智光秀の黒幕は、公家の近衛前久であるとされており、近衛が自分と親しかった明智に依頼して信長を殺害したという説をとっています。なお、本能寺の変の直後に秀吉が出陣していた備中から畿内に素早く戻ることが出来たのは、事前に本能寺の変のことを知っていたからだということにしています。要するに、秀吉は明智光秀が信長に謀反することを事前に知っていて、それを信長に知らせずに、信長を見殺しにしたのではないかということです。秀吉の迅速な行動には、かねてから疑問があったのですが、安倍氏は大胆にも秀吉の信長見殺し説を唱えています。本能寺の変については、光秀の怨恨説、足利義昭黒幕説など、いろいろな説があって、興味の尽きない事変であり、これからもいろいろな本を読んでみたいと思います。
2021年09月25日
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昨年のNHKの大河ドラマは「麒麟がくる」というタイトルで、明智光秀が主人公でした。大河ドラマはそれなりに面白かったのですが、ドラマの中での光秀と主君の織田信長はわりと仲の良い関係でした。ちなみに、本能寺の変で明智光秀が織田信長に謀反を起こした理由には、いくつかの説があって確かなことはわかっていません。大河ドラマでは、信長から足利将軍の足利義昭を殺害するようにと指示され、さらには天皇家をないがしろにする信長に対して逆心したということになっていた感じでした。なお、一般的には、信長から何かと折檻をされた光秀が、我慢しきれなくなって謀反を起こしたという説があります。ということで、光秀の謀反にはいろいろな説があるので、大河ドラマとは違った観点から描いた光秀のことを読んでみようと思って、この本を購入してみました。早乙女貢さんという歴史小説の大家である作家が書いたもので、光秀の怨恨説を採用しています。読み進んでいくうちに、物語の前半で、早くも本能寺の変があって、信長に謀反を起こしてしまいます。物語の前半で本能寺の変ということは、変後の光秀生存説をとっているからでした。つまり、光秀は、本能寺の変のあとの羽柴秀吉との山崎の合戦で戦死しておらず、その後は天海僧正として生きていくということになっていました。たしかに、江戸幕府で重要な地位を占め、家康からの信任が厚かった天海が光秀だという説があるので、早乙女氏はその説に従ったものと思われます。本能寺の変の主たる原因が分からないから、いろいろな説があって、いろいろな小説が生まれているということですね。
2021年09月12日
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歴史小説が好きで良く読んでいますが、今回の書籍も歴史小説、しかも最も好んで読む戦国時代ものです。この本の作者は火坂雅志という人で、ヒロくんと同じ1956年生まれです。早稲田大学卒業後、いったん出版社に勤務したそうですが、その後作家デビューを果たしています。代表的な作品に「天地人」というものがあり、これは上杉家の家老であった直江兼続を主人公にしたもので、NHKの大河ドラマで妻夫木聡さんが主演しました。さて、本の購入はいつものように勤務先近くのブックオフでした。この作品は上下2巻となっていて、上巻479ページ、下巻も479ページという大作です。さて、その内容ですが、戦国時代の軍師と言えば、いろいろな人がいますが、なかでも天下人となった豊臣秀吉の軍師の物語です。その豊臣秀吉の軍師は二人いて、ひとりは竹中半兵衛で、もうひとりは黒田官兵衛です。上下2巻を通しての主人公は黒田官兵衛ということになるのですが、上巻の前半部分はほとんどが竹中半兵衛の物語となっています。歴史好きの人ならご存じのように竹中半兵衛は若くして病気で亡くなるので、その後は黒田官兵衛が軍師として活躍することになります。仕えていた斎藤家の居城である稲葉山城を策略で乗っ取った竹中半兵衛にあこがれた黒田官兵衛が竹中半兵衛の助言もあって、立派な軍師に成長するというストーリーになっています。官兵衛はあまりにも頭脳が切れるので、仕えていた豊臣秀吉に警戒されてしまうことになったりしますが、しぶとく生き残っていきます。火坂雅志という人の小説は、あまり読んだことがありませんが、歴史小説の第一人者であるとのことなので、ほかの作品も読んでみたいと思いました。
2021年06月17日
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勤務先近くのブックオフに立ち寄って、通勤電車の帰りの電車の中で読む本を物色するのですが、歴史小説が読みたくなって購入したのがこの本です。司馬遼太郎の「人斬り以蔵」という、ちょっと恐ろしい感じのネーミングの本です。この本は、表題の「人斬り以蔵」を含めて8編の中短編小説がおさめられています。・鬼謀の人・人斬り以蔵・割って、城を・おお、大砲・言い触らし団右衛門・大夫殿坂・美濃浪人・売ろう物語いずれも面白い内容でしたが、最初の「鬼謀の人」は大村益次郎が主人公となっています。「割って、城を」では古田織部が取り上げられ、ほかにも塙団右衛門、後藤又兵衛など、ある程度というか、日本史に詳しい人なら知っているという感じの人が主人公となっています。ちなみに表題となっている「人斬り以蔵」ですが、幕末に暗躍した岡田以蔵という土佐の人物が主人公です。その名の通り、多くの人を殺害した人物ですが、この本では、土佐勤皇党の武市半平太の指示に従って行動します。以蔵は足軽出身であることに劣等感を抱き続け、武市に求められるままに暗殺者として行動し、最後には武市にも見捨てられてしまいます。幕末の激動期にあって、維新の志士たちの思想と関係なく殺し屋として生きていかざるを得なかった以蔵がちょっとかわいそうな感じでした。
2021年05月27日
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新型コロナウイルス感染拡大の影響により、働き方も変更を余儀なくされてきた日本のサラリーマンたちです。働き方の変更と言えば、時差出勤と在宅勤務ですが、ヒロくんの勤務先でも新型コロナウイルス感染の関係で、昨年から時差出勤と在宅勤務が続いています。ヒロくんは、勤務先からの帰りの電車のなかで読書をするのですが、在宅勤務が増えると会社に行かないので読書時間も減ってきました。そんななか、今回ご紹介するのは永六輔さんの「大往生」という書籍です。この本は発売当時は大ベストセラーになったもので、本の題名を記憶されている方も多いのではないかと思います。この本に目が留まったのは、ヒロくんも今年で仕事からリタイアする予定で、また人間ドックでいろいろと指摘されたり、もともと腎臓病を抱えていることもあり、そろそろ終活を意識せざるを得ない心境になってきたことがあります。誰でも確実に死は訪れるわけですから、あまりにもみっともない死に方はできないなと思っていて、この本を読んでみました。本の内容は「老い」「病い」「死」「仲間」「父」の5章からなっており、そのうち「老い」「病い」「死」の各章では いろいろな無名の人たちの言葉を集めて紹介しています。そして「仲間」「父」では、座談会の様子が書かれており、「父」の章では、死期が迫ったお父さんを思う永六輔さんの俳句がおさめられています。著者の永六輔さんがこの本を書いたのは1994年ですが、その永さんは2016年に亡くなっています。永さんのように大往生できれば良いのですが、どうなるでしょうか。ともかく自分が生きてきた人生を良かったものだと思えるようであってほしいと思っています。
2021年04月17日
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勤務先からの帰りの電車の中で読書をしていますが、もうかなりの年数にわたってのこととなっています。最近は、もっぱら古本が主体となっていて、勤務先近くのブックオフに立ち寄って購入することが多く、主に小説を読みますが、時々は新書を読んだりもしています。なお、今回の本は小説のほうで遠藤周作さんの「沈黙」というものです。この本ですが、以前にNHKのBS放送で放映されていた「沈黙ーサイレンスー」という映画を観て、その原作だったのですが、勤務先近くのブックオフで見つけて読んでみました。本の内容は、おおむね映画と同じで、キリシタン弾圧が激しくなってきた時代の日本にやってきたポルトガル人の宣教師の物語です。その宣教師はロドリゴという名前で、かつて自分を導いたフェレイラという名の先輩の宣教師が日本でキリスト教を棄教したと知らされます。敬虔なクリスチャンだったフェレイラが棄教したとは信じられないロドリゴは同僚のガルペとともに危険な日本に潜入します。その日本では、厳しいキリシタン弾圧が行われていて、ロドリゴの目の前で日本の農民のキリシタンたちが惨殺されていきます。同僚のガルペもまた日本のキリシタンとともに海の中に沈んでいってしまいます。捕らわれたロドリゴは、かつての師であるフェレイラと会うのですが、やはりフェレイラはキリスト教を捨てており、ロドリゴもまた棄教することになります。この小説は、史実をもとにしたものということで、実際にポルトガル人宣教師が日本にやってきて、信仰を捨ててしまわざるを得ないことがあったということになりますね。宗教とは何か、神とは何か、ということを考えさせられるやや重いテーマの内容といった感じの小説でした。
2021年02月24日
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通勤電車での帰りの電車では、読書をするのが通例となっていて、その読書時間はおおむね30分です。最近は新型コロナウイルス感染の関係で在宅勤務が増えて、読書時間が少なくなってきました。それでも読書はしていて、今回は池波正太郎の「雲霧仁左衛門」という本で、前後2冊のものです。雲霧仁左衛門は、NHKのテレビドラマで中井貴一が主演しシリーズ化されて放送されていて、そのドラマが面白くて観ていました。原作者が池波正太郎ということで、ブックオフで長年捜していましたが、まずは後篇のほうが見つかり、その後に前篇が見つかったので、前篇のほうから読むことにしました。テレビドラマと原作とで、どのように違っているのかということも興味のあるところでしたが、ドラマとは違う部分もかなりありました。登場人物ですが、盗賊である雲霧仁左衛門のほか、配下の盗賊たちはほとんどドラマと同じですが、その性格などは原作とは違っている人物のほうが多い感じです。また、取り締まるほうの火付け盗賊改めですが、こちらのほうも長官の安部式部をはじめとして、与力や同心たちの名前もドラマと同じでしたが、ドラマよりも小説のほうが役人の人数が多かったです。さて、盗賊の雲霧仁左衛門ですが、ドラマでは決して人を殺したりしませんが、小説のほうではそうでもありませんでした。小説では、最後のところで雲霧仁左衛門の一味が役人につかまってしまうということになっていましたが、頭目の雲霧仁左衛門はつかまらずに逃げることができたようでした。前後編2冊で併せて1300ページを超えるという大作でしたが、なかなか面白く読み応えのある小説でした。
2021年01月30日
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女流作家の宮部みゆきさんの小説は好きでよく読んでいます。特に江戸時代を舞台としたものが好みです。ということで、今回ご紹介するのも宮部みゆきさんの著作となりますが、その本は「幻色 江戸ごよみ」というものです。この本は、江戸時代の長屋暮らしの庶民を主人公としたもので、1.鬼子母火、2.紅の玉、3.春花秋橙、4.器量のぞみ、5.庄助の夜着、6.まひごのしるべ、7.だるま猫、8.小袖の手、9.首吊り御本尊、10.神無月、11.侘助の花、12.紙吹雪の12篇の短編小説が収録されています。いずれもちょっとしたミステリー小説となっていて、どれも興味深い展開となっています。なかでも、「だるま猫」という短編ミステリーはあじわい深いものでした。そのストーリーというのか、火消しになることを望んでいる若い男性ですが、実は気が弱くて火が恐ろしく、とても立派な火消しにはなれそうにありません。そんななか、奉公先の男性から火消しに使う頭巾を提供されます。その頭巾をかぶると火災の火がどの程度まで燃えるのか、火事の時にどこに居れば安全なのかが分かります。 自分が安全であるとわかれば、怖くはありませんから若い男性は火消しとして活躍することができます。ところが、その頭巾は呪われていて、その頭巾を使うことによって災厄が降りかかるというものです。この短編は宮部みゆきさんのミステリーものとしては秀逸ではないかと思います。そのほかの短編も読みごたえがありました。
2020年12月30日
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会社帰りの通勤電車のなかで文庫本を読むことが多いですが、好きな小説のジャンルとしては推理小説というか、ミステリーに分類されるものが比較的多いです。湊かなえさんのミステリー小説もわりと好んでよく読んでいて、今回の小説は「夜行観覧車」という題名のものです。さて、そのストーリーですが、ひばりが丘という架空の高級住宅街が舞台となっています。その高級住宅街に住む遠藤家と高橋家に起こる出来事が書かれていますが、その高級住宅街に小さな家を建てて住むことになった高橋家では夜な夜な娘が癇癪を起こします。そもそも高級住宅街に住みたいと思っていなかった娘ですが、名門女学校への進学を母親から奨められ受験するのですが失敗してしまいます。自分が受験に失敗したのは母親がそんな高校に進学することを奨めたからだと思い込んで、ことあるごとに反発して暴れます。その遠藤家の向かいにある高橋家では、そんないざこざは起こらず平和そうでしたが、ある日その主人が妻に頭を鈍器で殴られて死亡してしまうという事件が起こります。犯人は本当に妻なのか、それとも行方不明になった次男なのか・・・、この高橋家の事件を起こした妻は後妻で、先妻との子である長男と自分が産んだ次男とを何かにつけて比べてしまいます。長男と同様に次男にも医者になって欲しいと次男には勉強を強制し、部活動も制限するというようなことも行います。さらに、近所に以前から住んでいる初老の婦人がなにかと両家に干渉してくるというような環境になっています。さて、実際の犯人は誰か、そして遠藤家と高橋家に平穏な日々が来るのかということで話が進んでいきます。犯人が誰かというのはミステリー小説ですから、ここでは述べませんが、高級住宅街における家族関係が丁寧に描かれている作品でした。
2020年12月05日
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ミステリー小説は好きなジャンルで、湊かなえさんの小説を読むことはわりと多いほうだと思います。その湊さんの著作ですが、今回は「少女」というタイトルのものです。タイトルが「少女」ということもあってか、主人公は二人の女子高生です。ひとりは由紀という名で、もうひとりは敦子という名前です。ふたりは親友同士ということですが、心の底ではお互いのことを疑っています。物語は、二人の独白で進められ、それぞれが交互に登場しますが、ときどきどちらがどちらか分からなくなることもありました。ふたりは、人が死ぬところを見てみたいと、それぞれがお互いに相談することなく同じことを考えます。そして、人が死ぬのは病院だろうということで由紀は病院の小児科に通うことになります。一方で敦子のほうは、老人ホームであれば老人が死ぬことが多いだろうと考えて、ちょうど体育の補習で老人ホームの手伝いがあったので老人ホームに通うことになります。さて、由紀には認知症の祖母がいて、認知症の祖母から暴力を振るわれていて、祖母なんか死んでしまえばよいと思っています。その祖母が老人ホームに入ることになり、ホームでお餅をのどに詰まらせますが、なんとか助かります。祖母を助けたのが親友の敦子だったのですが、敦子はそのおばあさんが由紀の祖母だとは知りませんでした。そのほかにもいろいろな登場人物が現れるのですが、それぞれが微妙に関係していたということが最後になって分かります。普通では考えられないだろうというような人間関係なのですが、それが小説だということなのでしょうね。
2020年11月05日
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新型コロナウイルス感染が収まらず、勤務先でも在宅勤務が増えています。そのため出社するのは週に2度~3度ということになり、読書があまり進まなくなりました。というのもヒロくんの読書時間は、通勤電車の帰りの車中でのものなので出社しないとなると電車に乗らないので、読書時間も減ってしまいます。そうはいっても、それなりの読書時間があるので読書は途切れておらず、今回ご紹介するのは池波正太郎さんの「幕末新選組」というものです。本の題名に「新選組」とあるので、これは新選組をテーマにした小説ですが、主人公は近藤勇でも土方歳三でも沖田総司でもなく、永倉新八です。永倉新八は、あまり有名ではありませんが、新選組で副長助勤を務めた人物で剣の腕前もすごかったそうです。その永倉新八の生涯を描いた内容で、近藤勇との関係はあまり良く描かれていませんでした。また、土方歳三や沖田総司はほとんど登場しないという内容でしたが、その他の新選組の人物たち(藤堂平助、原田左之助など)との交流が描かれていて興味深く読みました。ちなみに永倉新八は、新選組隊士のなかでは珍しく生き残って長生きした人物で、明治維新後の永倉新八についても記載されていました。池波正太郎さんは、日本を代表する大作家ですが、その著作はこれまで読んだことがありませんでした。すこし昔の作家さんなので、難しい文章なのかと勝手に思っていましたが、わりと平易な文章で読みやすかったです。池波正太郎さんの著作はたくさんあるので、これからもいろいろと読んでみようと思います。
2020年09月26日
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日本史が好きで、特に戦国時代は大好きな時代であり、テレビドラマや映画などがあると良く観ています。今年のNHKの大河ドラマは明智光秀が主人公になっていますが、新型コロナウイルスの影響で放送が中断されていましたが、先ごろ再開されて毎週楽しみにしています。そんななか、今回、会社帰りの通勤電車の中で読んだ本は、日本博学倶楽部というところが編纂した「戦国武将 あの人のその後」というものです。戦国時代の武将たちの名前は良く知られている人が少なくないのですが、晩年がどうなったかは知られていない人が多いようです。たとえば、織田信長は本能寺の変で自害したことになっていますが、本能寺には抜け道があって、生き延びたなどという言い伝えもあります。その織田信長に謀反した明智光秀は羽柴秀吉との戦いに敗れ敗走途中で、落ち武者狩りの土民に殺害されたと言われていますが、これも生き延びで徳川家康のブレーンになったという説もありますいろいろな説があって面白いのですが、この本には90人以上の戦国武将やその妻子の「その後」が書かれています。興味深かったのは、織田信長に桶狭間の戦いで敗れた今川義元の息子である今川氏真の「その後」です。氏真は凡庸な殿様だったらしく、本来であれば父の仇である織田信長に戦いを挑むべきなのですが、そうすることをせずに晩年は徳川家康に仕えたとのことです。氏真は闘うことが嫌いだったのでしょうが、これでは父の今川義元が死なずに天下をとったとしても今川家の天下は長続きしなかったでしょうね。
2020年09月05日
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通勤電車で自宅に戻る際に電車の中で読書をしていますが、最近では在宅勤務の日が増えて読書のペースが落ちました。そんななか、今回の本は垣根涼介さんが書いた「借金取りの王子」というものです。垣根涼介さんもわりと好きな作家さんの一人で、ときおり読んでいますが、今回の本は以前に読んだ「君たちに明日はない」という本の続編です。「君たちに明日はない」という題名は、なんとなく厳しい雰囲気がありますが、要するに企業のリストラをテーマにしたものということです。その続編ですから、今回の「借金取りの王子」も同じようにリストラの話題となっています。本の主人公は村上真介というリストラ請負業の会社に勤めるサラリーマンです。その真介の年上の恋人である陽子とのラブストーリー的な話もあります。なお、この本には・二億円の女・女難の相・借金取りの王子・山里の娘・人にやさしくの5編の話が収められていて、1話から4話までそれぞれリストラ対象となる人物がいます。ただ、最後の「人にやさしく」はリストラではなく、人材募集の話になっています。第1話から第4話まで、それぞれリストラ対象となる人物が描かれていますが、どの人も悲惨な結末ではないのが、この本の良いところです。さらに第5話に至っては、リストラ会社の社員である村上真介の提案で人材あっせん部門を立ち上げるというストーリーになっています。つまり、リストラするだけでなく、リストラされた人に新たな職場の提供をするということも始めたということになります。いろいろなリストラが描かれていますが、純愛ストーリーに思わず涙してしまう話題あり、はたまた思わず笑ってしまう話題もあって面白い本になっています。
2020年08月15日
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梅雨の時期はジメジメしていて嫌ですね。新型コロナウイルス感染防止のため電車の窓を開けることが推奨されていますが、雨が激しく降っていると窓も開けられないですね。そんな通勤電車で、会社帰りに読書をするのですが、今回は10年以上前に読んで自宅の本棚にしまってあった加藤 廣 著「明智左馬助の恋」というものです。創刊は2007年で、新刊本として発売されてすぐに購入したものです。10年以上前のことですから、あまりストーリーを覚えていません。ちなみに、この本を読もうと思ったのは、今年のNHKの大河ドラマ「麒麟がくる」の主人公が明智光秀だということからです。新型コロナウイルス感染の影響で、ドラマの撮影が中断することになって大河ドラマの放送も6月7日をもって中断され、8月30日から再開されるそうです。ということで、放送が中断している期間に、この本を読んでおこうと思った次第です。ところで、明智左馬助ですが、NHKの大河ドラマでもすでに登場していて、NHKのドラマでは、明智光秀の叔父さんの息子ということになっています。つまり、光秀と左馬助はいとこ同士ということになっていて、年齢もそれほど差がない感じです。ところが、この本のほうでは、光秀と左馬助は、親子ほどの年齢差がありそうで、左馬助は光秀の娘婿という設定になっています。つまり、左馬助は、もともと明智の一族ではなく、娘婿になったことによって一族に名を連ねることになったということです。本のストーリーですが、やはり明智光秀が本能寺の変を起こすことがメインになっています。最後には左馬助が自害して物語は終わるのですが、一方で光秀のほうは死なずに生き延びるという設定になっています。大河ドラマでは、本能寺の変のあとで光秀がどうなるのか、通説どおりに落ち武者刈りの農民に殺害されるのか、それとも・・・、今から気になります。
2020年07月26日
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高校生のころから日本史が好きで、大学受験の選択科目も日本史で行いました。日本史の中でも戦国時代が特に好きで、今年のNHKの大河ドラマの明智光秀が主人公となっている「麒麟がくる」も楽しみにしています。さて、通勤電車の帰りの電車では読書をするのが習慣になっていて、今回の本は加来耕三さんが書いた「黒田官兵衛 軍師の極意」というものです。加来耕三さんという人ですが、テレビの歴史番組での解説者として、しばしば登場されている人です。さて、この本には黒田官兵衛の一生が記載されていますが、官兵衛という人物は、結構有名な人で、天下人となった豊臣秀吉の軍師として名を成した人物です。官兵衛は備前の国の小寺家という小豪族の家老の家に生まれ、その黒田家は姫路城(今のような立派なものではないですが・・・)を根拠としていたそうです。全国制覇を狙っていた織田信長が中国地方を攻めるための司令官として任命した羽柴秀吉の配下となったことによって、官兵衛は頭角を現してきたわけです。ただ、信長が本能寺の変で死んだときに、官兵衛が秀吉に「これであなたが天下を取ることができる」というようなことを言ってしまいました。ということで、官兵衛は油断できない人物だということになって、秀吉から警戒されてしまいます。また、関ケ原での戦いの際には九州にあって、九州地方を制覇しようと画策しましたが、関ヶ原の戦いが1日で終わってしまって、それも達成できませんでした。というような、一生が記載されていて、分かりやすい文章で読みやすかったです。
2020年06月27日
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会社帰りの電車の中では文庫本を読むのは文庫本が小さくて持ち運びに便利だからですが、このところは在宅勤務が多くなって、本を持ち運ぶことが少なくなり新刊本を読みました。その本は、李栄薫という韓国の学者をリーダーとする6人の韓国の学者が共同で執筆した「半日種族主義」という名の本です。皆さんもよくご存じのとおり、韓国の人は何かというと日本のことをひどく非難しますよね。特に太平洋戦争時における徴用工の問題と従軍慰安婦については、戦争が終わってからずいぶんと時間が経つというのに、未だに日本に対して批判的です。なぜ、韓国はいつまでも日本に対して批判、非難するのかという理由がこの本を書いた動機だそうです。一言でいえば、韓国は「嘘つき」の国だからだそうです。これは日本人が言っているのではなく、執筆した韓国の学者が言っているのです。たとえば、戦時中の徴用工の問題ですが、日本の企業は韓国からの徴用工にもちゃんと賃金を支給しています。ただ、実際には働いていた20歳未満の韓国の少年たちは、賃金をもらっていないケースもあったそうです。少年たちが、賃金をもらっていなかったのは、徴用工を斡旋した韓国人が、少年に直接支払わずに自分たちに払ってほしいといったからで、その韓国人の業者がピンハネしていたからです。また、従軍慰安婦問題ですが、日本軍が開設した慰安所は確かに存在していたそうですが、そこで働いていた慰安婦たちは、日本軍が強制的に連行したわけではありません。日本軍が強制連行したといったのは、なんと日本人の作家で吉田清治という人で、この人は韓国で自分の小説が売れるようにと日本軍が強制連行したということをでっち上げたのです。この吉田なる人物は、すでに他界しているそうですが、日本人、日本政府を窮地に陥れたとんでもない人物です。実際のところ、従軍慰安婦の多くは、貧しい韓国人の女性に「良い仕事がある」などと韓国人自身が甘言を言って騙して連れてきたり、あるいは貧しい家庭の父親が自分の娘を売り飛ばしたりしたというのが実態だそうです。ちなみに、慰安婦は日本軍だけでなく、朝鮮戦争時におけるアメリカ軍の慰安婦もいたそうですが、アメリカの慰安婦に対しては、何も問題にしていないとのことです。ことさらに、日本を敵対視することによってしか、国家として存続できないような国が韓国という国のようです。すでに解決しているはずの徴用工問題、従軍慰安婦問題をいつまでたっても蒸し返すような国とは、仲良くできないと感じます。それにしても、反日の空気が根強い韓国にあって、韓国の学者がこのような本を書いたということは、まだ韓国にも良識のある人が残っているのだということですね。
2020年05月30日
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会社帰りの通勤電車の中で本を読んでいますが、このところ原則として在宅勤務ということで、通勤しない日が増えたので、あまり本を読むことが出来なくなりました。休日に読んだり、病院に行ったときなどに読んでいますが、今回の本は宮部みゆきさんの「あやし」というものです。宮部みゆきさんの本は面白くて、かなりたくさん読んでいますが、なかでも時代小説というのでしょうか、江戸時代を題材にしたものが好みです。この本も江戸時代の本所という場所を舞台にしたもので短編が9話収録されている短編集となっています。・居眠り心中・影牢(かげろう)・布団部屋・梅の雨降る・安達家の鬼・女の首・時雨鬼(しぐれおに)・灰神楽・蜆塚(しじみづか)いずれの話もちょっと怖いミステリーとなっていますが、最後の蜆塚という話は少しぞっとしました。この話をかいつまんで言うと、世の中には年を取らない人たちがいるらしいということで、そのことを追及しようとすると殺されてしまうということです。ほかにも、病気になった人を安達家の屋敷に閉じ込めていたら、その家に鬼が出てくるようになった話(安達家の鬼)、ある家族にしか見えない女の生首の話(女の首)などがあります。どの話もミステリーの分類に入るのでしょうが、身の毛がよだつような恐怖ではなく、ちょっと気味が悪くなる程度のもので、どれも面白い話です。
2020年05月02日
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会社帰りの電車では、ほぼ30分の乗車時間があります。そんな会社帰りの電車の中では、文庫本を読むのが趣味のひとつとなっています。新刊の装丁本だとでかいので、持ち運びに不便だし、混んでいる電車の中では読みづらいので、もっぱら文庫本、新書版の書籍となります。さて、そんななか今回読んだ本は、有川 浩(ありかわ ひろ)さんの「ラブコメ今昔」という本です。有川 浩さんは女性で、映画化された「図書館戦争」「阪急電車」やテレビドラマになった「三匹のおっさん」などの作者です。今回の本ですが、題名にすでに「ラブコメ」とあるように、ものの見事なラブコメディでした。本の題名になっている「ラブコメ今昔」のほかに「軍事とオタクと彼」「広報官、走る!」「青い衝撃」「秘め事」「ダンディ・ライオン」といった全部で短編が6本収録されています。いずれの短編も自衛隊が舞台となっていて、自衛隊員同士のラブだったり、自衛官と民間人だったり、自衛官とその妻のことだったり、いろいろな設定の話が盛り込まれています。どの短編も恋愛物語ですが、いずれもハッピーな終わり方をするので、読み終わったときに、なんだか嬉しくなってきます。有川 浩さんの小説は、自衛隊を舞台にしたものが多くて、これまでも何冊か読んだことがありますが、どの小説も面白いので、これからも有川さんの小説を読んでみたいと思っています。
2020年04月04日
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会社帰りの通勤電車のなかでは読書をするのが長年の習慣になっています。ということで、このたび読んだ本は、八幡和郎さんという人が書いた「江戸三〇〇藩 最後の藩主 うちの殿様は何をした?」というものです。幕末から明治維新にかけての激動は、たびたびNHKの大河ドラマでも取り上げられて、人気のある時代です。幕末に登場するのは、官軍側の薩摩、長州、幕府側の徳川家や会津などがありますが、幕末時点で日本には、およそ300の藩があったそうです。つまり1万石以上が大名ということで、下は1万石から上は100万石まで、300人ほどのお殿様がいて、その家臣団がいたということになります。それぞれの藩では、薩摩・長州サイドの味方になるか、幕府サイドに忠誠を尽くすか、大いに悩んだものと思います。本来であれば将軍に従うのがスジですから、幕府の側に立つべきなのでしょうが、薩長が錦の御旗を押し立てて、天皇家を前面に押し出してきました。幕末の武士階級の考え方に将軍の上位に天皇が存在するという概念があったはずで、多くの藩は官軍となりました。とりわけ西国の藩は、京都に近いことから世間の趨勢がわかるので、ほとんどの藩は官軍となりました。しかしながら、京都から遠い東北諸藩は情報が錯綜して、幕府側につく藩が多かったとのことでした。ちなみに雄藩のなかで、幕末にほとんど活躍しなかった加賀百万石の前田家ですが、かねてより将軍家と密接な婚姻関係を結んでいて、すぐに動けなかったらしいです。また、黒田52万石の福岡藩では、近くに長州藩があり、おなじ九州に薩摩藩があるにもかかわらず、鳥羽伏見の戦いまで日和見をしていたとのことでした。これらの大きな藩だけでなく、1万石規模の小さな藩まで網羅していた本で、とても興味深く読むことができました。
2020年03月19日
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会社帰りの通勤電車の中では読書をしていますが、持ち運びやすい文庫本が主流です。よく読む作家としては、宮部みゆき、湊かなえ、浅田次郎、有川浩、池井戸潤そして東野圭吾らとなっています。さて、今回の本は東野圭吾の「使命と魂のリミット」という本です。そのストーリーですが、研修医の夕紀が主人公です。主人公が研修医、つまり医者の卵ということですから、物語の舞台は病院です。さて、その夕紀ですが、動脈瘤の父親を手術の失敗で亡くしており、その手術が意図的に行われた、つまりわざと失敗したのではないかと疑っています。そして、自分も医師になってその真意を確かめようと、父親の手術を執刀したベテラン医師のもとで研修を積むことになります。そんななか、病院が脅迫されるという事態となり、その脅迫犯人は自動車事故で恋人を失っています。その自動車会社の社長が心臓病でこの病院に入院し手術することになっていることから、犯人は病院での手術を失敗させようとしているというわけです。手術中に主要電源が落ちてしまい、会社社長の手術は困難を極めます。その手術を担当しているのが、夕紀の父親を手術した医師となっています。手術は困難となりましたが、医師の卓越した技術と犯人が電源を復活させたこともあって事なきを得ます。手術の手際の良さや真摯に生命と向き合う意志の姿を見て、夕紀は自分の父親の手術の失敗が意図的なものではなかったと確信し、医師と和解することになります。病院の中の雰囲気や手術室の緊迫したシーンなどは迫力があって、どんどん読み進んでしまいました。
2020年02月28日
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宮部みゆきさんの小説が好きで、しかも江戸時代を舞台にしたものが面白くてよく読んでいて、もうかなりの数を読みました。そして、今回の小説は「堪忍箱」というものです。本のタイトルとなっている「堪忍箱」をはじめとして8編の短編小説が収録されています。・堪忍箱・かどわかし・敵(かたき)持ち・十六夜髑髏・お墓の下まで・謀りごと・てんびんばかり・砂村新田どの小説も江戸時代の庶民が主人公となっていて、決して裕福ではないが、懸命に暮らしている江戸の人たちの話となっています。どの短編もすっきりとした終わりかたをしていないのが、この小説の特徴的なことではないかと思います。小説が読み終わった後に、読者に主人公をはじめとした登場人物たちの、その後に思いをはせるような感じの終わり方をしている感じです。そんな面白味のある短編8話ですが、なかでも「敵持ち」という話が印象的で、この短編にはお侍さんが登場します。お侍さんといっても江戸の長屋に暮らす浪人なのですが、同じ長屋に住む料理人から用心棒を頼まれ、料理人を救うことになりますが、そのせいで浪人は長屋を去ることになってしまいます。この短編の主人公は、料理人だったはずですが、読み終わった時には主人公は浪人なのでは?という気になり、しかも浪人のその後は描かれていないのです。それぞれの短編では登場人物の抱える悩みや想いなどが丁寧に描写され、いろいろと考えさせられることもある興味深い内容が詰まった短編集でした。
2020年02月15日
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通勤電車の帰りの車中で読書をしていますが、その本は勤務先近くのブックオフで購入します。いろいろなジャンルの本を読みますが、今回は歴史小説の「光圀伝」という本です。冲方 丁(うぶかた とう)という作者の本は初めてですが、この人はおもにSF小説を書いているらしいです。光圀伝ですが、上下それぞれ520ページと496ページでたいへん分厚い本となっていて、2012年に山田風太郎賞という賞を受賞しているそうです。さて、ストーリーですが、光圀というのは徳川光圀のことで、水戸藩の2代目の藩主で、水戸黄門という名のほうが有名かもしれません。テレビなどでは、水戸黄門は諸国を漫遊したことになっていますが、そういう事実はないとのことです。そもそも水戸藩ですが、江戸と水戸の間が近いので水戸藩主は代々江戸に常駐することとなっていて、領国の水戸との参勤交代も免除されていたとのことです。従って、藩主の水戸黄門が諸国漫遊どころか、領国の水戸藩に行くこともまれだったようです。光圀伝で描かれている徳川光圀ですが、テレビでおなじみの人の良いお爺さんではなく筋骨隆々とした逞しい人物として描かれています。小説ですから、事実とは異なるかもしれませんが、実際のところはかなり偉丈夫な人物だったのではないかと思われます。少年期のころから、死を迎えるまでの徳川光圀の長い人生を描いた作品で読み応えのある小説でした。
2020年01月26日
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子供のころは福岡県の北九州市というところに住んでいて、その頃は地元の西鉄ライオンズのファンでした。ご記憶の方もいらっしゃるかもしれませんが、当時の西鉄ライオンズは、中西、豊田らを中心とする強力打線とエース稲尾がいて、とても強かったです。その西鉄ライオンズは、選手が八百長試合をしたということもあって、身売りをすることとなり、今は埼玉県の所沢を本拠とする西武ライオンズになっています。さて、西鉄ライオンズを応援していた関係もあって、西鉄が日本シリーズを争った巨人は昔から好きではないチームです。中学時代になって千葉県に越してきたのですが、テレビの野球中継は巨人戦ばかりで、アンチ巨人のヒロくんとしては、巨人のライバルである阪神を応援するようになりました。それからずっと阪神を応援しているのですが、なかなか優勝してくれませんね。そんななか、勤務先近くのブックオフで見つけたのが、この本です。著者の國定氏は、大和銀行総合研究所の元社長で大学教授だそうで、どうやら筋金入りの阪神ファンのようです。ほぼ毎試合、甲子園球場のライトスタンドで声をからして阪神を応援しているとのことです。本文中に、阪神ファンであればたとえ13対0で負けていても、満塁本塁打3本で1点差になると本気で考えているとありました。またトイレに行くときは相手チームの攻撃の時に限り、阪神の攻撃中にトイレに立とうものなら、ほかの阪神ファンに罵倒されるなどと面白い逸話がたくさんありました。ただ、本の後半は、かつての小泉政権時代の経済政策が失敗だったという自説を長々と述べていて、この部分は阪神とは何の関係もないと思われ、阪神ファンとしては残念な部分でした。
2019年12月07日
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嘱託社員となって収入が大幅に減ってからは、新刊本を買うことを諦めて、もっぱらブックオフで購入しています。 勤務先近くのブックオフに立ち寄って、面白そうな本があれば購入しますが、だいたい100円+税、若しくは200円+税といった廉価本のほうです。ということで、今回の本は湊かなえさんの「豆の上で眠る」という題名の本です。小説は、時代劇というか江戸時代のことを書いたものや戦国武将ものが多いですが、ミステリー本も好みです。湊かなえさんの本は、ミステリーの分野に属するものと思われ、時々購入しています。さて、ストーリーですが、大学生の結衣子には2歳違いの姉である万佑子がいます。二人は仲の良い姉妹ですが、その性格が違っているため、結衣子は自分が本当はどこからか貰われてきたのではないかという疑念を持っています。そんななか、姉の万佑子が失踪するという事件が起こってしまいます。ほうぼう手を尽くしたのですが、万佑子は見つからず、2年が過ぎてしまいます。2年たったところで、突然万佑子が見つかって、自宅に戻ってくることになります。ところが、戻ってきた万佑子は、失踪する前の万佑子とはどこか違っていて、結衣子は常に違和感を持っていて、失踪する前の万佑子とは別人ではないかと疑っていました。DNA鑑定の結果、万佑子本人であることが明らかとなりましたが、それでも結衣子の疑念は晴れません。結局、失踪する前と後の万佑子は、結衣子が感じていたとおり別人だったのです。なぜ、そんなことが起きたのかということは、ここでは伏せておきますが、血の繋がりが大切なのか、それとも他人であっても一緒に暮らしたほうが大切なのか・・・を問いかけるような内容でした。
2019年11月16日
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朝夕は勤務先に電車で通勤していますが、朝の電車では新聞を読んでいます。そして帰りの電車内では、本を読むことにしていて、その本は勤務先近くのブックオフで購入しています。嘱託になる前は、西武百貨店の書籍売り場で定価で買っていましたが、嘱託になって収入が減ったので、今ではもっぱらブックオフです。よく読むジャンルは主に小説ですが、たまに戦国時代や明治維新の解説などを読むことがあります。ということで、今回ご紹介するのは明治維新に関する本で、瀧澤 中という人が書いた「「幕末大名」失敗の研究」というものです。この本に登場する幕末大名ですが、江戸幕府の老中だった阿部正弘、そして大老の井伊直弼、土佐藩の山内容堂、会津藩の松平容保、薩摩藩の島津久光、そして水戸藩の徳川斉昭などです。いずれも明治の新政府には参加できなかった面々ですが、彼らは自分の置かれた立場で、それなりの努力をしたと思います。特に新政府の立役者であった薩摩藩の実質的なリーダーであった島津久光ですが、西郷隆盛と上手くいかなかったことが印象に残りました。島津久光としてみれば、自分の部下であった大久保利通や西郷隆盛らが、自分をないがしろにしているようで面白くなかったことでしょう。なお、個人的には、幕末において活躍する場面が見えなかった加賀百万石の前田家や福岡52万石の黒田家などの動向も知りたかったところですが、この本には記載がありませんでした。
2019年11月02日
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昨日は午後からプロ野球のCS(クライマックスシリーズ)を観て、夜はラグビーの日本代表の試合を観ました。CSでは応援している阪神タイガースが6点差をひっくり返すという大逆転劇を演じて大喜びしましたし、夜はラグビーの試合で日本代表がサモア代表に快勝して、とても嬉しい日になりました。さて、ヒロくんは会社帰りの電車の中では読書をするのが習慣になっています。本は文庫本が中心で、勤務先近くのブックオフで購入しています。以前は西武百貨店の三省堂書店で買っていたのですが、嘱託になって給与が激減してしまったため新刊本を購入することは無くなりました。そんななか、今回は東野圭吾さんの「手紙」という本を読みました。東野圭吾さんの本は、これまでも数冊読んだことがあり、いずれも面白かったので、今回も読んでみました。そのストーリーですが、高校生の武島直貴に両親はすでになく、兄がひとりいます。生活は苦しく、兄が働いてなんとか生活している状態です。その兄の仕事は引越し業なのですが、腰を痛めてしまって仕事ができなくなってしまいます。弟を大学に行かせることが夢である兄は、ある日盗みをするために家宅侵入しますが、家人に見つかってしまい、その人を殺してしてしまいます。強盗殺人犯人の弟となってしまった直貴は、大学進学、就職、恋愛など人生の節目で、必ず殺人犯の弟ということが知られてしまって、いずれも上手くいきません。それでも自分を慕ってくれる由実子という女性と結婚して、少しばかりの幸せをつかんだかと思いきや、妻や娘が近所の人たちから遠ざけられたりして、またしても嫌な思いをします。兄からは毎月手紙が届くのですが、直貴の苦労がわかっていない文面となっていて、直貴は手紙を読むことをやめてしまいます。結局、直貴は兄と決別するために最初で最後の手紙を兄に書くのですが、その手紙を読んだ兄は、自分が弟に計り知れない迷惑をかけていることに気が付くのです。身内に犯罪者がいるという設定の小説で、犯罪者の家族というものについて考えさせられる内容となっていました。
2019年10月06日
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