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2003.06.25
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昨夜「アジアパー伝」終了。面しろかった・・・。

眠くなかったので、勢いで「ストップ・ザ・ドクハラ」を読む。これは以前日記で紹介した「ドクターハラスメント」(土屋繁裕著)の続編。
自分の仕事に関連した分野であると言うこと、前作の続きであると言うことから理解が早く、一晩で一気に読み終える。
(朝、眠かった~)

ドクターハラスメントとは、要するに医者が患者さんよりも優位な立場にあると言う事を前提、背景として不用意な言葉を意図的、無意識に浴びせて、患者さんを傷つける事である。この本では、その事例集と、どうやってドクハラを防ぐかと言うことを主に書いてあった。

誰が聞いてもおかしい、論外。ドクハラと言うよりは人間失格のレッドカードのような言葉を平気で使う医師が居る。
例えば「お前達はモルモットだ。」「まるで冷凍マグロだね。」「親を恨みなさい。もうすぐ車いすだ。」「こんな体じゃもう嫁に行けないな。」「そんな性格だから病気になるんだ。」
まあ、こういうのはその医者の人間性を疑うし、誰が聞いても弁解の余地が無い。

怖いのは、こっちは患者さんの為を思い良かれと思って言った言葉が、相手にとってドクハラになる場合もあると言うことだ・・。

乳ガンの術後の患者さんに向かって「傷はきれいですね」と言った時、患者さんに「傷は・・ですか?」と言われてはっと気づいたそうだ。

特に癌の告知に絡んでこういうすれ違いのドクハラが多いという。

同じ内容の事を言っても、初対面の場合と相手の事をよく知っていて、お互いの信頼関係が出来ている場合では違うから難しい。医療はモノが相手でなく人間相手だから。ひとつひとつ、その局面において正解が違う。だからこそ、面白い、やりがいがあるのだが。

高校生の頃、もう共通一次(第1期生なのだ)も終わった2月になってもまだ進路を決めかねていた。
理系のクラスだったけど、どうも物理とか化学とか好きになれなくて、エンジニアにはなれないなあ・・と思っていた。いっそ文系に変わろうかとか・・。
その時思い出したのは、冬休みの宿泊訓練にゲストで来た先輩の東大生が言った言葉だった。
「医学部と言うのは科学を使って人間を相手にする、最高に文系的な学部だと思うけどなあ・・。」
その一言で医学部を受けてみようと思ったのだった。

自分でも考えてみる。
ぼくは原則として癌は告知している。
言うか言うまいか、家族に相談はしない。相談すると大抵の家族は反対するからだ。そして多くの場合、本人は真実を知りたがっているからだ。何よりも、病気と体という、最高にプライベートな事を、本人より先に家族が知るのはどうかと思うからだ。



しかし、それはぼくの価値観であり、ぼくの考えである。
それを相手に押しつけたのは、果たして良かったのか・・。

「今治療しなければ、死にますよ」
そんな言葉も、脅迫と取れるドクハラになるらしい。
確かに、癌のように治療しても必ずしも上手く行くとは限らない病気の場合や、予後が判らない病態の場合は、様々な選択枝が考えられるわけで、こういう決めつけは良くないと思う。奇跡が起こることだってあるし。(奇跡でもなんでも上手く行けばそれでいいよね)


例えるなら、深海の底で酸素ボンベが切れた。浮上する時間は無い。そこに予備のボンベがある。それを吸えば呼吸できるし、吸わなければ死ぬ・・そんな場合と同じである。
それでもドクハラになるんだろうか・・。

実は僕もこれに類する発言をしたことがある。

糖尿病による腎不全が進行し、もう透析を導入しなければいけない患者さんが居た。透析をしなければ間違いなく半年以内に尿毒症になって死亡するだろう。しかし、透析を導入すれば、今では透析も技術が進んで、導入後の平均寿命は20年くらいになっているのだ。

だいぶん前から、ずっと腎機能がこのくらいになれば、透析の導入を考えましょうと説明していたが、いざその時になっても「わしはしとうないんじゃ~」の一点張り。とうとう家族に説明して説得して貰っても駄目。1週間ごとに来て貰って、その度ごとに説得していたが、とうとう最後にこう言ってしまった。
「わかりました。貴方の言うとおり、透析をしないと言うのも一つの選択だと思います。ただ、貴方が事実をきちんと認識してるかどうか、その上での事だと思います。以前から、透析をしないと危ないと言いましたが、きちんと理解されていますか?今までと同じく、悪いながらも何となくそのままで長く行けると思っていませんか?癌のように奇跡が起こったり、紛れはありません。透析をしないと言うことは、半年後には死亡してるだろうと言うことになります。だから、その覚悟があって、遺言や、そのほか色んな事の準備もしておかなければなりません。そこまで理解されて、その上で透析をしないと言う選択をされますか?」
そのとき丁度待合いのテレビが壊れて点いてなかったので、僕の声は待合いまで聞こえていて、結構ぎょっとした顔の患者さんが居たらしい。

その患者さんは、結局紹介して他院で透析をして、今は元気だそうだ。
だから、自分ではこれで良かったのかと思っていたけど、この本を読んだ今となっては、結果オーライだっただけで、これもドクハラだったのじゃないかと思ってしまう。

もっと他に言い方はなかったのだろうか?
自分の意見を強引に押しつけてなかったろうか?
他人の生死を口にして、いい気になってなかったろうか?

患者さんに会ったら聞いてみたい。
透析をしてよかったですか?今幸せですか?と。





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Last updated  2003.06.26 01:29:05
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