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2003.10.01
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今日はちと硬派に書く。

午後診察をしてると、受付の子が○○さんが肝炎の検査をしたいけど、値段がいくらくらいかかるか知りたいと仰っているので、どの検査を入力したら良いのか指示を下さいと言う。

ん??この患者さんは、もうじき80歳になる元気なおじいさんで、時々風邪引きでうちに来る。先日も徳島市の無料健診に来て、何も異常がないと太鼓判を押されたばかりなのだ。カルテをひっくり返しても、一度も手術や輸血、大病もしたことないし、毎年の健診で全部肝機能も正常なのに??

「○○さん、なんで肝炎の検査をやろうと思うの?」と聞くと、「ためしてガッテンで、肝炎の検査をしておいた方が良いと言っていたので」と言う事だ。

ああ・・・またテレビの影響かよう・・そう思ってため息が出た。

確かに徳島県はC型肝炎の患者さんは多い。そして、現在全国的に肝炎ウイルスの検査が、市町村の無料健康診査と同時に行われている。それは年齢の1の位が0と5の人で、今まで検査を受けたことがない人を対象に行われている。
要するに、無症状のウイルスキャリアを健診でひっかけることによって、将来肝硬変から肝癌になるのをくい止めようと言う作戦だ。

慢性肝炎から肝硬変になるのは10人に一人くらいで、そしてなるまで平均で10数年かかると言われている。その中の10人に一人ぐらいがいつか肝癌を発症する。要するに年期のかかる病気なのだ。

C型肝炎は主に血液を介して伝染する。だから一番多い感染の機会は輸血である。現在輸血の血液は、肝炎ウイルスをスクリーニングしてあるので、まれに検査をすり抜ける事があるけど(最近、新聞でも時々目に付く)基本的に過去10年くらい前からの輸血は安全だと言われている。また昔は注射針を使い回していたので、それからの感染も多かった。現在は注射器は使い捨てである。


だから、現在の若い人はC型肝炎ウイルスに汚染される可能性は少なくて、この病気は長期的には自然消滅していくのではと僕は思っている。それ故、なんでこんなに熱心に健診でやるのか疑問に思っているくらいなのだ。(自己負担が要るので採血とか料金計算がとっても複雑になる)

まあ、その話はおいといて、現在80歳近くになり、今まで病気もせず肝機能の異常を指摘された事のない人が、ウイルスを持っている確率はものすごく低いに違いない。そして万に一つ持っていたとしても、それから肝硬変になって肝癌になる確率はゼロだろう。(その前に寿命がくる)
だから、健診でも対象は70歳までになっているのだ。

テレビのせいで、こういう事を説明しなきゃならない。
もちろん、時間もかかるし(そして無料・・)全部は理解して貰えるかどうか不明なので「今までの経過をみるとまず心配ないから検査の必要はないよ」と納得して貰うことになったが・・。

そりゃ、面倒なことをせずにさっさと採血してあげれば、うちも少しは利益になるし、患者さんも喜ぶし、それで良いのかも知れない。
しかし、それに健康保険を使うと9割は保険からの持ち出しになってしまう。
医療費の高騰が叫ばれている現在(実際に高いのかどうかは別問題として)、無駄な検査を患者さんに説明して止めて貰うのも医者の仕事だと思うのだ。

ちなみに、厳密な事を言うと、保険診療とは病気を治す為にしか利用できない物なのだ。だから、健康な人に病気が無いかという健診に関しては厳密には自費でやるべきなのだが、実際にはそういう事を言うと患者さんは余所の病院へ行って、その病院が保険でやったりして、結局自分のところに患者さんが来なくなるので、ある程度は保険でやっているのが現状だ。

健診のシーズンになると、「何もかも全部調べて置いて」とか、健診と一緒にレントゲンも撮って、胃の検査と、便の検査もしておいてという患者さんが多くて、これに全部対応すると時間的にも労力的にも大変なので苦労する。
現実にはすぐに出来る胸の写真ぐらいまでは一緒に撮って、胃の検査は別の日に改めてと言うことが多い。そうしないと一人の患者さんに1時間近く時間を取られる事になってしまうからだ。それでもレセプトには肺ガン疑い、胃潰瘍疑い、大腸癌疑いなど、疑い病名ばかりが並んでこちらの胸は苦しくなる。



一度自費で支払ってみないと、どれくらい医療費がかかっているか無神経になる患者さんが多すぎると思う反面、やっぱり自営業なので経営面も考えなきゃいけないし、そういう、病気を診る以外の面で悩む羽目になるが心の負担になる。

ちょっと横道にそれたけど、今日の主題はテレビの弊害だ。

最近健康番組が多い。元気になるテレビとか(ん?思いっきりテレビか?みのもんたの出てる奴)、試してガッテンとか。それなりによく調べて、もちろん嘘を言ってる訳ではない。しかし医者の僕に言わせれば、ある特別の面からの切り口だけで、それがいたずらに誇張されているように思う。

テレビの影響は凄い。テレビで赤ワインが良いと言われると、近所のマーケットに赤ワインが売り切れになるくらい並ぶ。ザクロが良いと言われるとザクロの果汁飲料が並ぶ。何とか茶が良いと言われるとそれが売れるという状態だ。
だから肝臓が悪い人がせっせと赤ワインを飲んでいたり、糖尿病の人がヨーグルトやローヤルゼリーをせっせと食べていたりする現象が起こる。


現在の人は大人も子供も老人も全て過栄養の状態で、それが諸悪の根元のように思う。何かを食べるなら、何かを止めるのが本当だと思うけど、食べ過ぎという悪い食習慣はそのままにして、その上で余分の物を食べているわけだ。

健康になりたいと思うなら簡単なことだ。お腹一杯食べないようにして肥満を改善させること、タバコは止めること、お酒、コーヒーを飲み過ぎないようにすること、適度な運動をずっと続けること、規則正しい生活をして心のストレスを貯めないようにすること、それだけだ。その上で特定の疾患に罹患してる人はそれに即した治療をすれば良い訳である。

これは書くと簡単だが、実際にこれをするのは難しい。タバコ一つやめれない人も多い。外食に行けば、何とかセットなど、沢山量を盛るのがサービスだと思っているメニューが多い(特にファミレスは)。テレビのスイッチを入れると、この食品が良い、この器具が良いの大合唱である。

その中で、ああいう具合にタレントが面白おかしく、そして専門家の医者も混じって番組を作ると、見ている人はさもそれが唯一の真実のように思ってしまうのだ。考えて欲しい。テレビの目的は視聴率を稼ぐことである。みんなの健康を願っている訳ではない。健康に関心が高い視聴者の弱みにつけ込んでいる通信販売と大差がないのだ。

だから、テレビを見るのも結構だが、それを全部鵜呑みにせず、一歩距離を置いてみる姿勢が大事だと思う。自分に何が必要で何が不要なのかを見極める目が大事だ。もちろん、それは医者のくれる薬に対してでもある。

まあ、偉そうな事を書いたけど、大きな責任は医者にあると思う。
医者がきちんと患者さんに生活指導をしないから、そして世間で医者が信用されていないから、代わりに跋扈する者が出てくるのだと思う。
前に日記で書いた、農協が売っている高電圧治療器だって、これに座ればコレステロールも下がる、糖尿も治るなんて平気で言う販売員が居て(何でみんな血液がサラサラになるという言葉に弱いんだろう?医者からすると意味不明の言葉なんだけど)、それを信用して薬を止める患者さんが出たりするのだ。

断って置くけれど、医者がする以外の代替療法を否定しているのではない。
健康食品の効能も解っているつもり、経済的に見合うなら適当に利用すれば良いのだ。ただ、テレビでこう言っているからという盲信するのは駄目だと思う。余裕があれば自分で図書館やネットで調べてみるくらいしても良いのじゃないか?手前みそではないけれど、少なくともテレビよりはお医者さんの言うことの方がまともだと思うよ。

今日は2週間に1度のオカラの日。
そろそろ炒め煮も飽きてきた。
ちょっと変わって、簡単なオカラ料理ってありませんか?





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Last updated  2003.10.01 18:39:15
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