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日本の特異な風習ではあるのでしょうが(苦笑)プレゼントを選ぶきっかけが多くあるのは、つまり、相手のことを考える時間があるということは、とても素敵なことだなぁ、と思います。財布に思いを馳せなければ。=====我が家の庭では、梅も盛りを過ぎて、桃や沈丁花が綺麗に咲いています。(ミモザは散歩中に撮ったもの)三寒四温。時折寒い日もありますが、だんだん春めいてまいりました。新しい季節が、より良きものでありますように。
March 15, 2009
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新春早々、ウェッジウッド倒産のニュースを聞いて驚きました。私は、陶磁器に詳しいわけではありませんが、百貨店のウェッジウッドのコーナーで、その美しさと、クオリティ、そしてそれに見合うだけ値段を見ながら、溜息をついたこともあります。実は、このお正月も、とても素敵なティーセットが詰まった福袋を見ながら、溜息をついていました…つまり、手は出せなかった、って話ですけど。==========さて、2009年にウェッジウッド社が創立250周年を迎えるのを記念し、約250点の名品を集めたこの展覧会。この兵庫陶芸美術館、我が家からのアクセスが良いとは言えず、一人で車で出るのももったいないしなぁ、と思っていた所に、このニュース。ウェッジウッドの名品を、こうして見られるのも、最後かも知れない、チケットもあることだし、会期も迫ってるしと、両親と共に出かけてきました。==========ウェッジウッドの歴史は、1759年、ジョサイア・ウェッジウッド 1世が工場を設立した時に始まります。この展覧会では、ジョサイア・ウェッジウッド 1世の研究メモ、焼成陶片が展示されているのですが、これがすごい。温度、釉薬、材質、など様々な研究が行われていたことが見て取れます。この試行錯誤と記録によって、経験と勘の世界の窓が開かれたのでしょう。例え、それが門外不出の研究成果であっても、完成品のレシピがある限り、代々に渡って、同じクオリティの「製品」を作り続けることが出来るわけです。しかし、ウェッジウッドの歴史は、それに満足せず、更なる「美」を追求します。==========シャーロット英国王妃より「クイーンズ・ウェア」の名称を与えられた、乳白色のクリームウェア。 ----------この美しさは、時のロシアでも賞賛され、女帝エカテリーナより、ディナーサービスの注文を受けます。その数、なんと944点! 手描きされた風景は1244にのぼります。通常3年がかりと言われたこの注文を、ウェッジウッドは1年内で完成させます。この「作品」は、普段はエルミタージュ美術館に所蔵されているそうです。==========対照的に、黒の美しい「ブラック・バサルト」。----------バサルト(玄武岩)をイメージしたこのシリーズの代表作が、今回展示されている「初日の壷(First Day's Vase)」。エルトリア工場開業初日を記念してジョサイア自身がろくろを回した作品。6点作られ、現在、世界中で4点確認されているうちの1点です。その希少性もさることながら、ギリシャの壷をイメージさせる質感と、なにより端正なフォルムの美しさは、やはり素晴らしい。==========真っ青な地に、白いレリーフが装飾された「ジャスパー」。カメオや壷等にも用いられ、ウェッジウッドのイメージシンボルともいえるシリーズ。 ----------展覧会では、様々なジャスパーを見る事が出来ますが、何と言っても素晴らしかったのは「プリンス・オブ・ウェールズの壺」です。ペールブルーの壷を支えるように並ぶ獅子と一角獣。白のレリーフで美しく彩られた壷。その上鎮座する女神。バランス、色彩、本当に美しい。==========さて、さらに「ファインボーンチャイナ」や現代の作品など、展覧会は続くのですが、残念なのは、昔からの作品の方が、美しい、ということなんですよね…。新しいものを取り入れて、より美しくなる、その伝統と歴史が、新しいものを取り入れて、迷走しているように見えるのが、とても残念です。いや、もちろん、新しくて素晴らしいものもあるのですけれども…。----------正直、これは、倒産を受けての「後出し」の話ではなく、金沢の作家さんと組んだ、「和」のシリーズを見て感じた印象です。金沢の作家さんの、現代アート的なセンスは、それはそれで素晴らしいし、刺激的だと思います。でも、あくまで「先鋭」であって、一般向けではない。----------「茶道」「華道」「書道」の3分野でシリーズが展開されるのですが、どれも、シンプルさから離れ、大きさも、崩し方も、使い勝手が悪そう。平たく言って、使ってみたい、と思わせてくれないのです。機能美と遊びの融合が日本文化の華ならば、これは、遊びに寄り過ぎで、とても使えない。----------では、飾ればよいのか?飾るだけの道具なら、「茶道」「華道」「書道」の体裁は不要です。むしろ、その体裁を取るのは冒涜でしょう。==========スタンダードなウェッジウッドの美しさは、テーブルウェアはもちろん、装飾品にしても、「用の美」に通じる所があると思います。映像で、まだ若いウェッジウッド当主が、しばらく前まで東京で働いていて、ウェッジウッドによるティータイム講座などをプロデュースしていた映像が流れていました。こういうのは、本当に良いなぁ、と思います。お茶道具も、使ってこそ、活きるもの。特別な日に、でも良いですから、使ってこその「テーブルウェア」だと思うのです。----------ウェッジウッド・ジャパンの公式HP(http://www.wedgwood.jp/)を確認したら、ジャパンは引き続き営業され、本社も引き受け手を探しているとのことでした。一時、アメリカ資本が、という話も出ていましたけど…。本当は、と思うこともないではありませんけども、こうなってしまった以上、どういう形であれ、この「美」の歴史と伝統が受け継がれて欲しいな、と思います。==========『創立250周年記念 ウェッジウッド -ヨーロッパ陶磁器デザインの歴史-』 @兵庫陶芸美術館 (兵庫・篠山(ささやま))[会期]2008.10/08(水)~2009.01/12(祝・月) [開館]10:00-19:00[料金] 一般 1,000円 / 大学生・高校生 800円 / 小中学生 500円 展覧会 : http://www.asahi.com/wedgwood/index.html ウェッジウッド社 : http://www.wedgwood.jp/#/whats_new/作者: ジョサイア・ウェッジウッド [Josiah Wedgwood] (1730-1795) wiki スージー・クーパー [Susie Cooper] (1902-1995)※ 横浜への巡回は終わりましたが、まだいろいろと巡回するようなので、 展覧会のHPをチェックしてみて下さい
March 13, 2009
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明けない夜はありませんが、夜の来ない日もありません。日は落ちて、夜が来ます。Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tightここに一組の夫婦があります。長年連れ添ってきた二人。同じ寝室に眠りながら、二人のベッドは離れています。Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tight今日は、彼女が、彼の元を去る日。それでも、二人の重ねてきた時間は、かけがえのない、素敵なものだったのです。Good Night, Sleep TightWake up brightIn the morning lightTo do what's rightWith all your might(Mother Goose)Good Night Sleep Tight Good Night Sleep TightGood NightSleep TightGood Night Sleep Tight Good Night Sleep Tightパルコ・プロデュース作・演出三谷幸喜出演中井貴一戸田恵子Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tight物語は、二人が別れる、その日から始まります。出てゆく荷物をまとめながら、思い出話をする二人。過去の思い出は、しかし、微妙にすれ違います。劇中の時間は、二人の新婚旅行のその時へ。二人の「思い違い」「記憶違い」が明らかになります…。------------結婚して別れるに至る、今日まで重ねてきた二人の時間。思い違いやすれ違い、二度とないはずの過去を行き来しながら、物語は、二人の重ねてきた時間を描いていきます。彼女の経済的成功に至る様々なエピソード。彼の才能の開花とスランプ。子供をめぐる考え方の違い、話のタイミング。浮気。猜疑。嘘。大切なペットの死。ちょっとしたすれ違い、間の悪さが積み重なって、たどりついたのは、もう戻れない、今日のこの日。------------時を重ねることは、忘れることでもあります。でも、その時、その時に込めた想いは、嘘ではなく、ただ、時が、言葉を、記憶を、違う意味に変えてしまうのです。ラスト、彼女のハミングの意味が分かる時、そして、その意味が分からなくなってしまった彼を見る時、二人の想いが交錯する、その火花を目にします。それは、線香花火のように、小さくて、切ない火花。ほんのり切なく、なんとなくほろ苦い、そんな舞台でした。Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tightこのとってもタイトな二人芝居に挑むのは、『コンフィダント~絆』でも舞台に上った中井貴一さんと、三谷作品常連の戸田恵子さん。もう、何と言うか、素晴らしい、さすが、以上のコメントはないです。そして、生演奏をしてくださる演奏家の皆さんに、パジャマ姿の黒子の皆さん。彼らの「演技」も舞台のうち。ナレーションでご活躍の三谷幸喜さん。開演5分前の前口上から、笑いを取って、舞台につなげるって、そこまで「物語」に組み込んでしまうサービス精神はすごい。Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tightそれにしても、さすが三谷幸喜。ストーリーの構成が抜群に上手い。ベッドの距離が、二人の距離を暗示して、ベッドの距離が近いほど、遠い過去を意味するという演出で、戸田さんの衣裳や髪型とあわせて、「その時」を表現しながら、過去と未来を行き来する中で、少しずつ明らかになっていく、二人の過去。「現在」の会話を伏線に、「過去」でその真意、現実を解いてみせる、という構成は、逆回しの『古畑任三郎』。------------小粋でオシャレな会話を、照れ隠しのように、ふっと笑いに持っていくのも面白い。 「なんでそこまでしてくれるの?」 「色々あったけど、嫌いな相手と結婚する人なんていないの。」こんな会話が、この次のセリフでまぜっかえされて笑いになるだなんて、ちょっと予想外。そして、笑いながら、ふと、 自分も他人の小粋なセリフを、まぜっかえしちゃうことあるよなぁと反省してみたりするのです。ふぅ。笑えないじゃん…。Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tight何よりすごいなぁ、と感じたのは、このストーリーでの「すれ違い」のドラマの作られ方。今までの三谷作品では、その場の「勘違い」を逆手にとって、笑いを生み出す手法が取られていたことがありましたけど、(『君となら』『三番テーブルの客』『有頂天ホテル』『マジックアワー』等々)今回のお芝居は、「記憶違い」を使って、しかも笑いではなく「すれ違い」のドラマを生んでいる。------------確かに、人の記憶って、そういう所がある、と思うのです。同じことを体験しても、「私」と「あなた」では、時を重ねれば重ねるほど、記憶に差異が出てきてしまう。いや、自分自身だって、記憶しているはずの「事実」と日記や客観資料から明らかにされる「事実」は違う。「今の自分」にとっては、「覚えている過去」=「過去の事実」なのに。------------当然、記憶だけではなく、感想だって違います。 「面白かったね」 「…うん(そうかなぁ?)」のやり取りは、時間を重ねることで、容易に 「面白かったって言った」 「言ってない」の対立(ドラマ)を生みます。あまりに当たり前のことなのですけど、このことをちゃんと、意図的に、確信犯的に脚本として、ドラマの要素として、使いこなしてみせる、というのは、さすがだと思います。Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tight Good Night Sleep Tightそれにしても、切なくほろ苦いストーリーで、ふわふわ甘いお菓子を想像していったら、ビターなチョコレートを貰った、という感じでした。いや、どちらでも美味しいんですけどね。さてさて、次の作品が楽しみです。==========パルコ・プロデュース 『Good Night , Sleep Tight』 @サンケイホールブリーゼ (大阪/梅田)2009/01/06(火) - 01/20(火)作・演出;三谷幸喜出演;中井貴一 / 戸田恵子作曲;荻野清子 演奏;管鍵楽団 http://www.kangengakudan.com 荻野清子(Piano) 高桑英世・岩佐和弘 (Flute) 庄司和史・川村正明 (Oboe) 山根公男・及川豪 (Clarinet)http://www.parco-play.com/web/play/gnst/index.html★★★★☆
March 12, 2009
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劇団四季のミュージカルでもお馴染みの『マンマ・ミーア!』映画化作品です。「アフロディーテの泉」の伝説を持つカロカイリ島に住むソフィは、もうすぐ結婚式を控える、幸せいっぱいの少女。しかし、ソフィには、一つの悩みがありました。それは、自分の父親が分からないこと。彼女は、母ドナの日記をこっそり目にして、母ドナが恋した三人の男性をつきとめます。この三人のうちの誰かが父親に違いない、そう考えたソフィは、びっくりするような作戦を企てます。自分の結婚式に、母ドナにも恋人スカイにも内緒で、「父親候補」の三人を呼び出そうというのです。----------何も知らずに、かっての恋人ドナに会えると、島を目指す三人の「父親候補」。カッコ良い建築家のサム。堅実な銀行家のハリー。冒険家のビル。そして、友人ドナの娘の結婚を祝うために、島へとやってきた独身主義の料理研究家ロージー、結婚&整形を繰り返す百戦錬磨のターニャ。そんな個性的な友人達も加わって、ミュージカルの幕が上がります。----------かって愛した三人の男性の登場に、動揺を隠せないドナ。自分の娘かも知れないの結婚に、嬉しくてたまらない男三人。結婚を寿ぐ街の人々。明るく楽しい、ABBAの音楽に乗って、エネルギッシュに、皆が歌い、踊る、とってもハッピーなエンターテインメント!==========娘の結婚式を控えた母親として、そして、かっての恋人達を前に恋する女性として、悩めるドナに、名女優メリル・ストリープ。本人が希望して実現した企画というだけに、存在感たっぷりに、そして、キュートに、ドナ役を演じます。----------建築家のサムには、先代007のピアース・ブロスナン。銀行家のハリーには、コリン・ファース。冒険家のビルには、『パイレーツ・オブ・カリビアン』で「靴紐のビル」(!)を演じたステラン・スカルスガルド。----------そして、ソフィ役はアマンダ・セイフライド。ポスターに使われている絵そのままの、綺麗な顔立ちの女の子で、ジェットコースターのように感情の起伏が激しい役を、説得力を持って、というより、自然に演じるのはすごい。----------独身主義者の料理研究家ロージー役に、『ハリー・ポッター』のウィーズリー役、ジュリー・ウォルターズ。背の高い整形美人のターニャ役には、『シカゴ』にも登場のクリスティーン・バランスキー。----------かなり豪勢な役者陣ですが、この映画の見所は、何と言っても、様々に展開される群集ミュージカルシーン。そして、影の主役は、ギリシャの美しい海。それこそアフロディーテがどこかにいるとしか思えない、そんな美しい風景を背景にしたミュージカルは、悔しいけれど、舞台では味わえない、映画ならではの醍醐味です。特に女性陣による「ダンシング・クイーン」のシーンは圧巻。==========うーん。しかし。「役者」は「歌手」でも「ダンサー」でもないわけで…時に、「歌手」や「ダンサー」の「演技」に首をかしげてしまうように、「役者」は、「歌手」あるいは「ミュージカル俳優」には敵わないよね、と苦笑せざるをえない部分があるのは、ご愛嬌。----------…とは言え、ピアース・ブロスナンは、この出演で2008年のラズベリー賞(最低助演男優賞)を受賞してしまいました。いや、うーん、この不名誉な受賞を、あえて擁護するなら、キャスティングした人が悪いと言うほかないです。小粋なセリフを、軽やかに決めるのは上手くても、カラオケはダメなのね…。日本人の私が観ていても、「この歌はどうかと?」と思ってしまうくらいですから、英語圏の人達には耐えがたかったんだろうな。ピアース・ブロスナンは、「俳優の歌」なのにもかかわらず、役柄上、歌う曲目が多いんですよね…メリル・ストリープをはじめ、女性陣の歌は、それなりに聞けるのですが…。歌が上手くてカッコいい俳優さんなんて、他にいただろうに。てか、サムかビルなら、曲目少なくて済んだのに。なんか、むしろ、ピアース・ブロスナンが可哀想。このハッピーなストーリーの最大の悲劇かもしれません。==========蛇足ながら、「マンマ・ミーア!」はイタリア語で「なんてこった!」の意味。そもそも、直訳すると「お母さーん!」なので、この題名は、両方のイメージをあわせた感じですね。----------歌の楽しさだけで、十分に満足できる映画でしたけど、正直、ストーリーの最後の「結論」がイマイチ理解出来てないです。うーん? なにゆえ、ああいう展開になるのであろう?そして、野暮を承知で言うならば、そもそも、父親が分からないって、なんて言うか、ちゃんとしようよ、とかも思わないではないです。----------とは言え、そんな疑問に伴うジメジメした感じは全くなく、むしろ、カラッと、明るく、楽しく、そんな深刻さを吹き飛ばしてくれる問答無用のハッピームービーでした。==========『マンマ・ミーア!』Mamma Mia!2008年 米 108分http://www.mamma-mia-movie.jp/監督:フィリダ・ロイド出演:メリル・ストリープ / ジュリー・ウォルターズ / クリスティーン・バランスキー / ピアース・ブロスナン / コリン・ファース / ステラン・スカルスガルド / アマンダ・セイフライド 他★★★★☆==========ついでに言えば、実は、舞台版は観てないんですよね…しかし、「舞台版より映画の方が良かった。舞台版だと、日本語での会話から英語の歌になるから。」という話を聞いて、なるほど、と納得。いずれにせよ、生の舞台はそれだけで迫力があるでしょうし、機会があれば、舞台版も観たいものですけど、四季版で予習して、いつかブロードウェイ、いや、ウェストエンドで観るって夢もアリ、かな?----------劇団四季版『マンマ・ミーア!』公式サイト: http://www.shiki.gr.jp/applause/mammamia/index.htmlロンドンオリジナルキャスト版CD:
March 11, 2009
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007と言えば、アクション映画のイメージですが、アクションと言うより、とびきりヴァイオレンスな映画でした。アクションもやたら痛そうなのですが、ストーリー自体が、ヴァイオレンス。小粋でオシャレ、ではなく、タフでワイルドなボンドは、確かに、男らしくて魅力的と言えると思います。でもなぁ…正直、このblogで「オススメ」する映画ではないかも。===========前作『カジノ・ロワイヤル』のラストから続くストーリーは、イタリア・シエナを舞台にした、ど派手なカーチェイスで幕を開けます。確保した「組織」の一員と対峙するボンドとMI6のメンバー。しかし、「組織」の魔の手は、意外な形でボンド達に襲い掛かります。なんとかその襲撃を撃退したボンドは、残された証拠を追ってハイチへ。急展開の中で次々登場するキーマン達。彼らと命懸けのボートチェイスを演じたボンドは、さらなる証拠を求めて、オーストリアへと飛びます。オペラ「トスカ」の舞台を隠れ蓑にした「組織」の極秘会談に割り込んだボンド。「組織」の尻尾を掴んだボンドは、しかし、MI6から行動を制限されてしまいます。ボンドの向かった先はイタリア。『カジノ・ロワイヤル』事件で引退を余儀なくされた、元英国諜報員のマティスのもとでした。彼の協力を得て、いよいよ「組織」がターゲットとしているボリビアへ乗り込んだボンド。環境団体グリーン・プラネットが狙うものとは何か。残虐非道のメドラーノ将軍にどう立ち向かうのか。暗躍するCIA。奪われる仲間の命。仕掛けられる罠。オイルまみれの死体が意味するもの。そして、物語は、砂漠のホテルでの決戦へ…!===========ボンド役は、前作『カジノ・ロワイヤル』に続き、ダニエル・クレイグ。相変わらず、痛々しいほど身体を張ったアクションで魅せてくれます。『カジノ・ロワイヤル』に引き続いての出演は、CIA諜報員フィリックス役のジェフリー・ライト。マティス役のジャンカルロ・ジャンニーニ。それぞれ、個性的で印象深い役どころ。そして、「M」役もすっかり板についた、ジュディ・デンチ。ピアース・ブロスナンの4作品でも「M」を演じていましたけど、この人が「M」としてスクリーンに出ていることで、「ああ、007だ」と安心できる気がします。-----------ボンド・ガールは、カミーユ役にオルガ・キュレリンコ。ウクライナ出身だそうで、意志の強そうな佇まいが印象的。フィールズ役にジェマ・アータートン。こちらは対照的に、素朴で身近なイギリス女性のイメージ。-----------今回の悪役グリーン役は、マチュー・アマルリック。大きな目が印象的で、二面性のある役どころを、嫌味たっぷりに演じています。===========決戦の後に届けられる「組織」からのメッセージは、次作以降も、この物語が続くことを暗示していて、この路線が続くのだなぁ、と。未来を先取りした(時に現実とかけ離れた)秘密道具、厳しい状況下でも小粋でユーモア溢れるセリフ回しのかわりに、本来ボンドが抱えるであろう人間的な苦悩、生々しいアクション、時に残虐なまでの報復の応酬、といった現実味を加え、リアルなスパイ像が描かれる新ボンド。なるほど、ですし、深いなぁ、なのですが、カタルシスからくる爽快感からは、ちょっと遠いかもしれません。でも、これを観ちゃったら、ピアース・ブロスナンのボンドには引き返せないよなぁ…とも思うのです。 ======『007 慰めの報酬』007 QUANTUM OF SOLACE2008年 英米 106分http://www.sonypictures.jp/movies/quantumofsolace/監督:マーク・フォースター出演:ダニエル・クレイグ / オルガ・キュレリンコ / ジェマ・アータートン / ジュディ・デンチ / マチュー・アマルリック 他★★★☆☆
March 10, 2009
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