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婚約破棄までの10日間 (1) (角川コミックス・エース) [ きなつk ]価格:792円(税込、送料無料) (2025/9/28時点)楽天で購入傲慢だった令嬢が怪我をして記憶喪失になって…から始まる物語です。内容自体はけっこうおもしろいんですけども…怪我を負って記憶を失った令嬢のエレナは、記憶を失う前とは全く別の性格で、これが死に戻りかとおもったらどうやら違うようなんですよ。そして傲慢なエレナにさすがに我慢ならず婚約解消の手続きをとったのは、婚約者オスカー。この二人がメインで話が進んでいくんですが、いくつか「謎」が散りばめられている点は面白かったです。エレナが記憶を失う前にとった行動の意味、目的、それから夢に見る鮮明な「記憶」。かつてごくふつうの庶民で幸せな夫婦生活を挑んでいたはず…これは「前世」の記憶とも思えないんですが、いったいどういうことなのか、そしてエレナの実家での「実は…」という設定。そういうのがちらほらと出てくるので、ちゃんと「先が気になる」ようになっています。イラスト自体もとても奇麗で、線の細さも少女漫画らしさがあってよいかなと。ただこれ……「漫画」としてどうなのっていう構成なんですよ。やたらめったら「説明」が多くて、漫画じゃなくて小説の一部を切り抜きしてるだけみたいに見えてしまうんですよ。文字が多いのが嫌だ、というわけではありません。「小説」そのものはわたしはとても好きなので。でもこれ、漫画ですよね?主人公のエレナやオスカーのモノローグや説明が、延々と続くんですよ。文字でだらだら描かれる。しかもさっきもそれ言ったよね、くらいに繰り返されたりもします。これ、もう漫画じゃなくて「挿絵」なんですよ話を勧めながらモノローグを挟む程度ならいいんですが、ただただモノローグで、そこにコビペのカコシーンいれたりするので、漫画としてのページがもったいないんですよ。たとえば、早朝の五時、今すぐエレナの様子を見に訪問ははやいか…なんてシーンはべつに要らないんですよ。これで2ページは無駄に消費しているんです。さらに医師のジェイクをひっぱってくるシーンですが、ここでの会話のやりとりも必要を感じません。ちゃちゃっと「翌朝心配になって朝から訪問した」態でいいんですよ。そしてエレナを訪問する前にまた馬車の中でうだうだモノローグですよ…ここもうちょっと簡潔にできない?モノローグもやたらとどっかのページでそれ言ってたろってことの繰り返しで、もーね、いらいらするんですよ。こういうのがほんと多い。この話って、わりに「謎」が多めなので、説明の文字が多くなることそれ自体はいいんですよ。けど、モノローグ…つまり内心での「ひとりごと」がやたらと多く、それも「謎」に関した「謎解き」の思考ならまだしも、ヒロインやヒーローの「思ってること」つまり感情の吐露でしかないので、有益な情報ではないんですよ。エレナ救出のシーンですら要らないモノローグを挟むもんだから場の緊張感がほぐれるんですよ。ここは大事なシーンなのでそんなモノローグより、異常な侍女のことをもっと「異様に」書いてくれた方がいい。ここってエレナの謎の一端に触れるシーンなんですよ。姫様抱っこのアップシーンなんて一度あればいいです。医師も医師で、もっと切迫した感を出してほしいんですよ。エレナはかなりの重症なんで、ともかく連れ出すことを先決、と。馬車の中でこれまた長々と話すんですが、まず看病しろよっていうね。テンポがいいんだか悪いんだかわからなくて、読んでいてつねにストレスがかかります。ヒロインのエレナも、怪我人なので仕方ない点もあるんですが、「彼と婚約破棄してあげよう」と思うだけで、なにかしらの行動は起こさないんですよ。さっさとダイアリー読めや、っていう。たとえばこの「日記」を読むのが怖い…という描写があるならわかりますよ?記憶を失う前の自分の愚かさを知るのが怖い、という葛藤があるなら、このあたりのテンポがちょっと遅くなってもいいんですよ。でもそういった「葛藤」は描かれず、ただ「彼はとてもいい人だ、婚約破棄してあげよう」の繰り返しですからね?婚約破棄が「決定する」までの期間が「十日間」とはじめからわかっているので、つまり「緊迫感」が物語には必要なんですよ。一日一日を大事に使ってくれないと。もちろんこれは漫画家さんに対してのことです。謎を解こうとしないんですよ、漫画の中で。でもあと何日とか表示される。せめてオスカーは人を使ってエレナの実家のこと、異常な侍女の執着心のこと、エレナとけんかしていたベルを呼び寄せて話を聞くことくらいの行動はさっさとしてほしい。モノローグで、そういう「謎」に触れて、この謎を解くためにどのような手を打つべきか、と考えるのならいいんですよ。でもその気配がないというか。ほんとに惜しいです。話自体は、そこそこ面白そうなんですよ。絵も綺麗なので、その点も安心して「見て」られます。ただ、漫画としてはちょっと…どうかなっていう感じですね…ほんとに挿絵でしかありません。なのでこの話が好きそうな人は、小説の方を読んだ方がいいんじゃないかな?序盤はともかくイライラさせられます。とはいえ、令嬢ものとしてはそれなりに面白いとおもいます。どうせ溺愛ものでしょうけど、そういった点も安心感はありますからね。絵も綺麗ですし、あくまでこれは「漫画」ではなく、挿絵として楽しめる方なら、読んでみてもいいんじゃないでしょうか。
2025.09.30
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聖女様に醜い神様との結婚を押し付けられました 1 (フロース コミック) [ 泉 二羽 ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/9/27時点)楽天で購入けっこうおもしろかったです絵柄は可愛い系なんですが、ちょっと癖がある個性的なキャラデザともいえるので好みはわかれるかな?わたしはわりに好きですが、女の子達のキャラデザがやや幼いっぽいので少女漫画と少年漫画のあいだくらいって感じでしょうか。物語の雰囲気にはあっていると感じました。少女漫画ではあるんですが、こってこての恋愛ものではなく、ヒロインもはっちゃけた性格、コミカルな作風があってますね。そしてイケメンはちゃんとイケメン…かな?これこそ好みはわかれそうですが。そういえばこの話というか世界観の設定って、なんとなくいにしえの乙女ゲー某アンジェリークっぽいなと感じたんですよね。いやもちろん全然違いますよ、内容は。というか、わたしそのゲーム自体はやったことなくて、コミカライズでちょっと触れたくらいです。友人がやってたのをちらっと見せてもらったこともあるかな…とにかくめっちゃ古い乙女ゲーなんですが…まあ有名ではありますよねなぜ似た雰囲気を感じたのかと言えば、神様の設定です。読んだところまでですが、神様がイケメンの姿をしていてそれぞれの属性があったりするんですよ。軍神とか光の神とかそんな具合で、それに応じてのキャラデザが、なんかこう…乙女ゲーでありそうだなぁと。そんで、そのイケメンたちを攻略していく話なのかしらん、とちょっと感じてしまう雰囲気があったのです。もちろん全然違いますよ?とはいえ、そういう世界観なので、まずそこを受け入れられないと、読み進めるのはちょっとキツいかもです。それぞれの神様に「聖女」がお世話係としてつく、というね。どーですよ、この乙女ゲー感さて、このコミック、表紙からして盛大なネタバレしちゃってますし、あらすじにも「え!?実は他の神々から敬われる超絶美形の最高神って本当ですか!?」とか書かれちゃってるんですが…そこは伏せておけば楽しみになったのに…いやまあ読めばもろバレではあるんですが…主人公のエレノアは魔力が低いせいで周りの聖女見習いたちから蔑まれているんですが、性格は上向きというか、根性あるので、へこたれません。が、幼馴染の聖女のアマルダが「最高神」の聖女になったため、無能神と呼ばれる醜い神の世話を任されることになってしまった、というところから物語は始まります。エレノアは「乙女」らしい夢をもっていて婚約者と結婚するのを楽しみにしていたんだけど、それも幼馴染の聖女のせいで解消され、あげく慰謝料までもとめられるっていう。エレノアは激おこですよ。ここでへこたれたりしないのがよかったなぁ、と。もちろんショックは受けるし泣きもするんですが、ちゃんと立ち直って逆に慰謝料請求してやるわと奮起するっていうね。また、「醜い神」「無能神」と呼ばれるものの存在がかわいかった。泥の塊でしかも臭いっていう、最初はちゃんと「醜い無能神」として登場するのもよくて、人の姿にはまだなりきれていません。ちょこちょこ姿を現したりはするんですが。エレノアがぼろ小屋のような神様の住まいや残飯のような食べ物にめっちゃ怒り散らしているんですが、神様自身はあきらめてるんですよ。エレノアが来てくれるようになり、徐々にきれいになって、すっかり可愛い水まんじゅうのような姿に…このエレノアと神様のやりとりは可愛かったですね他のキャラも良くて、…欠点を言えばいじわる女の子達のキャラデザ…描き分けがあまりできてないんですよ、「ヒロイン」と。というか女の子はみんな似たような感じの描き方になってしまってます。髪型が違うからわかるくらいですかね。とはいえ、そのほかのキャラ、たとえば軍神であるアドラシオンとその聖女であるリディアールはけっこう好きだなぁ。もともとツンデレってそんなに好きではないんですが、リディはすんごくわかりやすいツンデレちゃんで、ちゃんとまっとうな感覚をもった真面目な「聖女」なんですよ。そりゃ真面目なアドラシオン様はこういう子好きだろうなっていう。エレノアはじつのところ、それほどキャラが立ってるってほどではなくて、まわりのほうがよほどキャラが濃いんですよ。その点は惜しいんですが、かといって不快なところはなくて、ちょっときゃんきゃんうるさいかなってくらいだけど、怒るにしてもまっとうに怒るし、被害者ぶらないのもよいところだと思います。また、いくつか「謎」とおぼしきものはぽちぽち散りばめられてはいます。無能神と呼ばれる神は「クレイル」と呼ばれているのですが、本当の名ではなく、記憶を失っている。あらすじからもわかる通りどうやら「最高神」のようなんですよね。そしてその名をだれかが「騙っている」もちろんその「騙り者」がだれかはすぐにわかるとおもいますよ?けどそのくらいでいいとおもうんですよね。騙り者の正体から目的、そしてどのようにしてそうなったのか、という過程はわからないままとして提示されているので、そこがこの物語の一つの道筋として用意されている感があります。しかしね、タイトルはちょっと紛らわしいというか。最終的にはそうなるんにしても、もうちょっとひねってほしかったかなぁ?このタイトルのおかげで読む気が起きなかったくらいですから。「押し付けられた」のは世話係であって、結婚しろとは言われていないんですよ。最初の段階は、ですけどね。エレノアは「世界一可愛い花嫁」になることが夢なので、おそらく最終的には「最高神」の花嫁になるんだとは思います。そしてその過程を描くことがこの物語の筋なので、いわば「ネタバレ」をされても別にいいんですが……先取りしすぎなんですよね。とはいえ、全体的には読んでいて面白いと感じたコミックでしたよ。細々としたことで気になることはありますが、ギリシャ神話の少女漫画アレンジとして読めばいけるかな、と。「神様」と「人間」との「違い」があまり明確ではないのは難点ともいえますが。この世界での「宗教観」が意外にもはっきりしていないんですよ、神様が実在する…しかも青年姿として顕現している、ということの弊害といえなくもない。「神様」と市井の民との距離感がどんなものかわからないし、具体的にどんな「信仰」がなされているのかがちょっとわかりにくいんですよ。「聖女」もいったいどういう「信仰」の対象なのかもわからない。日本でいう「巫女」的な立場なのか…このあたりがものすごく曖昧。神様には神様の都合があるわけで「人間って勝手だよな」と神様は言うんですが、「お前が言うか」としか思えないんですよ。神様がちっとも神様らしくない…というか、ただの「人間」に…超能力持ちの特殊な存在の「人間」にしか見えないのは惜しいなと感じた点でした。あとは、キャラの描き分けがちょっとできてない点も残念だったかな。絵が下手とかいうのではなく、決まった「型」のキャラクターしか描けなさそう、というか。とはいえ、背景まっちろけっけとかはないですし、どこにどういう状況でいるのか、というのが絵でわかるので、ちゃんと描き慣れた漫画家さんかなと思えます。あのかわいい水まんじゅう神様がイケメン化してしまうのは若干惜しい気もしますが……テンポよく進んでいくので、お気楽に読める可愛いお話だと思います。
2025.09.29
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落ちこぼれ召喚士と闇の精霊 単行本版1【電子書籍】[ Trulppe ]価格:638円 (2025/9/26時点)楽天で購入うーん…可もなく不可もなくっていうか…面白くないというわけではないんですが、惹かれるものがない話です。はじめは「神童」ともてはやされていたヒロインのルノエがいろいろわけありで召喚士としてはおちこぼれ扱いされてて、嫌がらせっていうかいやみをネチネチいわれている学園生活もの…?のようでいて、そんなでもないっていう。なんというか、中途半端なんですよね。学園生活が舞台のメインってわけでもないんですよ。いちおう学園に18歳まではいるらしいけど、ここっておそらく寄宿学園?いやわかんないな…なんというか学園での生活がほぼ描かれていないので、メインの舞台ともいえないんですよ。ただ、ねちねち嫌みを言う女生徒がいるくらいで。そして男生徒もいるようなんですが、よくわかりません。「よくわからない」っていうのは、漫画の描き方にも問題があるんですよ。場面転換がいつも唐突すぎるし、ぶつぎりすぎて。落丁を疑うレベルです。はじめ、授業中なんですが教師に叱られて、それから友人のアイリスに言い返せとたしなめられるんですが、ここ、時間経過がわからないし、そもそもふたりがどこにいるかもわかりません。それからルノエが無事?精霊召喚するシーンの前後もわかりにくくて、召喚する場所の天井?になんか結界?らしきものが張られているようなんですが、それを壊して黒い羽の精霊がやってきていきなりキス…いやなんでキスした?というかそんななんの必要があるかわからんシーンよりも、召喚する場所がどんな場所なのか俯瞰でかいてくれよっていう。強固な結界が張られているにも関わらず、それを突破してきた謎の黒羽精霊、という効果が薄れるんですよ…さらにそのあともひどくて、ルノエが友人と精霊の扱い方?というかなんかそんなのを話しているところをぶつ切りされて、なんか偉い人?が会議してるらしいページが一枚入るんですよ。けど、よくわからんページというか構図で、たぶん学園のお偉いさんが会議してるらしいってのはわかるけど、たった1べーじで、次にはまたルノエと友人アイリスのシーンに戻って、アイリスが「魔力制限のコツを教えたんだから」云々と話してるんですよ。その制限おしえてるところ描けよ、とおもったら、今度はいきなり黒い手?が伸びてきてその手の横のコマに闇精霊がいるもんだから、精霊きた?と思ったらら不審人物がルノエを拉致。しかもそれがどの場所なのかさっぱりわからないんですよ、屋外なのか屋内なのかも。そして花瓶?を落とすかなんかして音を立ててそれに気づいたアイリスがやってきて、そこでやっと屋内とわかるんですよ。上の文章かいててやたらと「?」が多いのは、「わからない」からなんですよ。アイリスが「誰かいませんか」とどっかのドア?みたいなのをたたいたらおえらいさんの一人の女が現れるんですが、そこがどこかもわからないっていう。もうね、漫画の「絵」としてダメなところが多すぎて困るんですよ…話自体もじつはよくわかんなくて、さらにこの漫画の状態ですから、「なにがなんだかわかんないけれど話が進行している」状態展開自体はめっちゃ早いんで、そのこと自体はまあいいんですが、あまりにわからなすぎるんですよ文章での説明すらよくわかんないってのに、絵でもって説明してくれることすらしてくれないので…そういえば、この漫画家さんの絵自体が、わたしはちょっと苦手なんですよ。しかたない側面もあるんですが、ヒロインの目がガンギマリっていうか、見事な球体で、常に眼光がん開き状態。精霊が発動してるときはその瞳の中に文様が現れるので、ああしたビー玉みたいな目の描き方になってしまうんでしょうが、これ…横向きの時もまん丸いままなんですよ。つまり、視線がどこにむいてるかわからないし、…正直すごく…ホラーじみた気味の悪さがあるんですよ。ほんとにまんまるなんですよ。そのせいで表情のつけ方がワンパターンで、とにかく「表情」が描けていないんですよね…つねに瞳孔ひらきっぱ…すごく…こわいです…そしてこのヒロインであるルノエですが、あまり好きになれないんですよ…虐められてて卑屈になってるかといえば、そうではない場面もあったりして。友人はいちおういるんですが、その友人のアイリスとも、どういう友人関係なのかがまるでわからないんですよ。アイリスって本当にいい子なのか、それとも実はいい子ぶった悪人なのか…それすらわかりません。ルノエを励ますようなことをいったりはするんですが、積極的にかばうようなことはしません。あとになって、ああすればよかったのにこうすればいいじゃないと口を出すだけ。ルノエもルノエで、アイリスみたいになりたいなぁみたいな愚痴はこぼすけど、アイリスに対して感謝ってほぼしてないんですよ。なんでなろう系作家さんって「友人関係」を描けないんだろう。こんなのもうアイリスいなくたって話すすめられるじゃん?もしかしてアイリスが悪の黒幕でって設定が後にあるのだとしても、描き方が中途半端なんですよ。黒幕かどうかはしりませんけどね?ルノアはのちに白の召喚だか聖女だかになって淀みというか穢れを祓う存在になっていくわけだけど、その対比として金髪?のツインテール友人を出したのなら、黒の召喚士がアイリスってことでいいかなーとかこっちは期待してたんですよ。でもそれにしたって中途半端なキャラデザと存在感だしね…他の嫌がらせ?してくるモブはどうでもいいです。ただのモブなんで。精霊ってそんな意地悪なヤツにも召喚されていうこと聞くんだーー召喚精霊はつらいっすねー、くらいは思いましたが。そして冒頭でね、ルノエは小物悪党教師に叱られるんですが、このシーン、ダメすぎるんですよ。だってルノエ、授業中に、その授業とは関係のない本を開いてるんですよ?こんなん誰だって叱られるでしょ?悪いのはルノエなんですよ。この教師が後にルノエをさらう小悪党でヘイト役なんですが、冒頭のシーンではヘイト集まりませんよ?非はルノエにあるんですから。いちおうね、ルノエの鎖骨あたりにある文様の謎だったり、闇の精霊のあれこれだったり、いろいろと「謎」を解いていくらしい展開はあって、学園生活からは脱却、浄化の旅?にでるようなんですが、なんつーか…呑み込めないんですよ…ルノエが怨霊を浄化してあげるところがあるんですが、これだっていきなり怨霊をご都合的に配置して、ルノエが慰めて成仏って展開なんですが…いくらなんでも、はやすぎない?まだ自分の魔力とかそういうのわかってない状況で、しかも怨霊じたいの存在についても無知な状態で、ですよ?自分勝手にふらふらしてキスした相手の傍にいもせず、呼べといいつつ、名前もない。だいたい暴力振るうシーンにだけ出てくるから、「かっこいい」とか思えないんですよ。ただの身勝手で…そこはまあルノエと合うはずですわと納得いくけど…どうも好きになれないんですよね。「危機に瀕する世界に現れた救世主なのです」とかどや顔でいわれてもさぁ…その危機に瀕している世界の状態を絵、漫画として描かれてなけりゃ、いきなりなにそれ、でしかないし、胡散臭さの極みなんですよ。全体的に漫画としての出来が稚拙なので、読むのが非常に困難でした…ので、先を読む気にはなれませんでした。なんというか…よくわからないまま話が進むので、どういう話の展開にしたいのかも、よくわからないなにしろヒロインのルノアが無表情の瞳孔ガンギマリ顔のせいで怖くて…絵柄は…まあ、好みあるのかなぁ?ぶっちゃけあまりお勧めはできないのですが、ヒロインがあちらこちらでもてはやされる話がお好みなら、読んでみてもいいかもです…いや、もてはやされとるかはわかりませんが。
2025.09.28
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辺境の獅子は瑠璃色のバラを溺愛する 1 (PASH!コミックス) [ まろ乃 ]価格:693円(税込、送料無料) (2025/9/25時点)楽天で購入話自体はわりと好きなんですが、なんとも「惜しいな」というかもったいないな、という感想です。話の展開自体は、悪くないんですよ。恋愛ものですがいちおう国事に関して駆け引きがあったり陰謀みたいな流れも少しあったりと、主人公二人の恋愛を軸にしつつ、国事についてふれることもあるので、それなりに読みごたえはあると思います。ただ、いかんせん作り込みが甘いというか。とくに大事なキャラクターの設定の作り込みがものすごく甘いんですよ。ここはもったいないと思った。そして最大のもったいないは、絵柄です。この漫画家さんの絵と、物語の雰囲気がまったくあってません。絵はそこそこ描ける人ですのでそこまで下手な感じはないんですが、…まあ、デッサンは微妙なのと服の…ドレスのデザインが壊滅的にダサい…のは仕方ないとしても、かわいらしい絵柄なので、冒頭の少女時代サリーシャとか王太子のフィリップもほほえましい雰囲気がうまく出ていてよかったんですよ。サリーシャの結婚相手となるセシリオも、冒頭ではまだ少年の面影を残している雰囲気があって、好きでした。しかし時が流れて…の姿がね…セシリオは28になるんですが、まあセシリオはギリ年相応に見えなくもないですが、サリーシャがね、見た目も言動も中学生なんですよ…セシリオ28で10歳差とのことなんで、18歳で本筋がはじまるんですが…顔のアップとかどうみても可愛い系でしかなく、女子中学生と二十代後半男性……いやあかんやろってなってしまう。キャラの顔もときどきブレますのでまだ不慣れな印象は受けますが、丁寧な作画ですので、その点は良いなと感じました。とにかく絵柄が合わない、としか言いようがないです。性格の作り込みの甘さに関しては惜しいとしか。すごくもったいないんですよねーわたしはヒロインであれヒーローであれ、体に傷跡があるっての好きなんですよ、ええ、性癖ですんでそこはご了承くださいましよ?なのでサリーシャの背中の傷も、いい設定だと思ったんですよ。その傷を負う過程も、強引ではありますが、良かったですしね。もともと体に呪いのマークがついててそれで家族にさげすまれてきたヒロインカワイソスってのがないだけでかなりの加点ですよ王太子と王太子妃を暗殺者から守った時についた傷で致命傷になりえたわけですよ。なので大きな傷跡が背中に残ってしまった、と。ま、ここもおかしなところはいくつかあるんですが、なんでサリーシャを「国が威信をかけて」治療したのか、よくわかんないんですよ。サリーシャはもとは農民の娘…ってことは知られていないにせよ、養父である伯爵がそれほど国の重臣だとも思えないんですよ。もしかしたらそういう設定があったのかもしれませんが…単に夜会で死者をだすことはまかりならんと王太子が厳命し、王太子が幼友達のサリーシャを断じて死なせるな、と命令があったとかならわかるし、実際はそうだったのかもしれないけど…ここら、なんかモヤっとするんですよ。というのも、おそらくヒロインのサリーシャが「賢くない」からなんですよ。サリーシャは貴族の娘でもないけれど「王太子を誑し込め」と命令されてそのために日夜レディとしての勉学を課せられていたんですよね?そして令嬢らしいふるまいもできるようになっていった…はずなんですよ。たとえば王太子が妃にいる女性をサリーシャに紹介するシーンで、サリーシャは令嬢らしい返答をするんですよ。ちなみにここでフィリップもその質問はどうなんだというような聞き方するんですが、まあそこは聞き流すとして。わたくしはこれでも瑠璃色のバラとよばれているので殿方にこまることなんかないですわ、みたいな返しをサリーシャはするんですよ、もちろん内心はショックを受けていつつ。ちゃんと王太子を気遣いつつ、令嬢らしい誇り高さもほんのりくわえて、しゃれた返しをする。心で泣いて、笑顔をつくっている、ってのはいいですよね。こういった性格がまず語られたのだから、傷を負ったあともその性格を持ち続けてほしかった。王太子と王太子妃を命を賭した守ったのだから、背中の傷はわたしにとって「勲章」だ。表向きそう語って笑顔を絶やさずにいてほしかった。もちろん内心はちがう。年頃の娘らしく、背中の傷が「重荷」になり、こんなみにくい傷があっては結婚もできないだろう。誇りに思ってはいるけれど、やはり傷の醜さに心が折れてしまうこともある。そういう葛藤を描けばよかったのに、と。フィリップに対しての感情もそうで「初恋」としてきっちり描きつつ、だからこそ「フィル」の選んだ幸せを願う…けれど、初恋が砕けてしまった辛さを描いている…ようでいて、存外そうでもないんですよ。意識を失うところでのモノローグにすごい違和感がある。わたしにも恋した目を向けてくれる人がいたら…みたいなこと思うんですよ。もうここで、すっぱりフィルのことわりきれてるんかーい、と。一年経ってフィルのことは叶わなかった初恋だったのだと割り切れるのならいいけど、失恋した直後の回想モノローグがそれって、不自然なんですよ…サリーシャの葛藤が生かせていないなぁと。また、セシリオ辺境伯についてもそうで、やたらと距離詰めてくるんですよ。設定は「色事には不器用」なはずなのにですよ?やたらと触るし頬にキスもしれっとするし…せめてもうちょっと節度もって接そうよ?相手、10歳下やで?武骨で女性を褒めるのも下手で、みたいなところはよかったんですよ。いくらサリーシャのことを昔から好きだったにせよ、距離のつめ方が早すぎるんですよしかもサリーシャを初めてみたの、サリーシャが幼い少女だった時ですよ?もしやその時に「初恋」?ロリなの?「再会」してから恋をした、ならばわかるんですよ。はじめは不遇な目にあいそうなサリーシャを助けたいと思って婚約話を持ち出しただけだった。保護者に近い感覚だったが……あの時の幼かった少女が愛らしく美しい女性になって、その「再会」したときに一目ぼれだった、ってんなら受け入れられる。けど、どーもそうじゃないっぽいというか、そういう「描き方」をしてくれないんですよ。ここらがとにかく「勿体ない」んすよ年の差じゃないですかー!年の差恋愛ゆえの葛藤描こうよ!ヒロインのサリーシャもね…言動すべてが「女子中学生」の域を出てないんですよ。背中の傷のことを隠すのは仕方ないにしても、それがキモオジにチクられてショックだったからって屋敷から逃げ出す?ここはたぶん、ドラマチックな展開を描きたかったんでしょうが、はっきりいって要らないです。サリーシャ、馬鹿で考えなしってことになりかねないんですよ。というか、屋敷に不寝番の衛兵ひとりおらんのか…?最前線の「辺境」でそ?まあそれはおいといて。そのあと、セシリオがサリーシャに傷を見せるようにいい、セシリオ自身も体の傷を見せる、というのは別に良かったんですが、そこでなんで寝ちゃうかなー…そこはひとまず、結婚前だからと我慢すべきなんですよ、セシリオが。セシリオ10歳上の設定がここでも生かしきれてない。こういう、ちょこちょこ設定作り込みの甘さが垣間見えるシーンがあって、物語に没入できないんですよ。そうそう、笑ってしまったことがひとつあって、「辺境伯」についての説明が※印つきで欄外に描かれていたんですよ。いやー、これなろう系揶揄ってる?こんなわざわざ欄外に書くようなことではないんですよ。たしかになろう系の「辺境伯」って、田舎の過疎地の村長り低いなにものか、みたいなことにされることが多く、国境ゆえの要地、とはみなされないんですよ。左遷でへき地に飛ばす、みたいな感覚で国境付近のド田舎の辺境伯に任じる、とかけっこうありますからね。それを皮肉ってるのかと。まあ、違うでしょうが。ともかく、そんな説明は、本文でいくらでも説明できるんですよ。わざわざ欄外に書くことではありません。なんであんなことしたの、まじでわからんです。絵自体は、上でも書きましたが、そんなにうまくもないですので、当然戦闘シーンはお察しです。迫力ないので、サリーシャが背中に傷を負ったシーンもはっきりいって「変」としか。ナイフが短いのは持っていたのが「刺客」だったからいいとして、あんな大振りじゃだれだってすぐ気づくでしょ?王太子が棒立ちになっててくれたからいいものの。せめて毒くらい塗っておけよっていう。というか、構図がね…暗殺なのにめっちゃ大ぶりなんですよ。そこはそろそろ近づいて静かにナイフを刺しなさいよっていう。こういういわば「戦闘」系の描写は、少女漫画家さん苦手な方多いんですよ、とくに最近のなろう系さんは。こればっかりは仕方ない…と言いたいけれど、「戦争」とかそういった戦いが出てくる系の話を描くなら。それなりに勉強してほしいんですよ、デッサンとかね。漫画で学んでもいいし、映画やドラマでもいい。もし自分がナイフ一本で暗殺しようとするならどうするか、という点を考えてみるといいんですよ。なんというか、もろもろもったいないと感じる話で、ヘイト役の女も、知能なさそうでね…キャラの「個性」を感じられないんですよ。ただヘイト役だから嫌みなことを言って、やってるってだけ。そこになんらかの、キャラ独自の思想なんでないんですよ。デク人形でしかありません。女子中学生がイケメンを取り合ってきゃーきゃーわーわー騒いでるみたいなデート話も萎えですよ…ほんとにヒロインが顔も言動も中学生すぎて…読んでて辛いっす。いうても、内容そのものは悪くないと思いますし、ヒロインもヒーローも、性格破綻してるとかはまったくないので、そこに対して嫌悪感はなかったです。なので、そこそこ面白いと感じられるので、令嬢もの好きな方は読んでみてもいいかもです。
2025.09.27
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廃棄巫女の私が聖女!? でも騎士様に溺愛されているので、教会には戻れません! 1 (フロース コミック) [ まえざき もな ]価格:792円(税込、送料無料) (2025/9/25時点)楽天で購入これはもう…漫画として未熟としかいいようがないです。絵自体はかわいらしいの好みではあるんですが、漫画の出来が素人以下です…少しは手直ししてあるのかはわかりませんが、これを「漫画」といってしまうのはよくないんじゃないかな、と。冒頭が、シーン先取りでないのはいいと思うんですが、おそらく「小説」にあることをそのままなぞっている感じで、しかもその説明が足りないんですよ。いろんなことをすっ飛ばして描かれているので、ヒロインのアイリスが孤児院で不遇な立場にあったことはわかりますが、具体性がないんですよ。しかもアイリスの性格が「あーはいはい」系なので可愛くもないんですが…それが突然可愛い女の子になってしまうんですよ。すっ飛ばしすぎて同一人物かどうかもわからんていう。まず、水晶に手を当てて能力測定、という時点でダメでしたけどね。これはなろう系作家さんの悪い癖だと思うんですが、なんでもかんでもテンプレートをなぞりすぎて、その「テンプレート」を「利用」しようという心意気が感じられないんですよ。話はそれますが。このテンプレート、たとえば少女漫画なら昨今の流行で「悪役令嬢」だの「婚約破棄」だのがありますが、それを逆手に取ったり、うまく活用して独自の物語性を築いていける作家さんというのはいます。「聖女」「薬師」「契約結婚」「溺愛」あたりもそうで、テンプレートな、なんの独自性もない設定ではあるんですが、そこをうまく調理して物語として面白くさせることはできますよね。実際わたしも、そういうテンプレートな話だけど好きな話、コミックっていくつかあるんですよ。少女漫画だし、タイトルであらすじをいっちゃってるんでどんな内容になるのかはわかるのだけど、話の展開の持っていきかたが丁寧だったり、独自設定が生かされていたりと、「なろう系」でありつつも、ちゃんとおもしろいと思えるコミックはあります。絵がまだ拙くても、面白くさせようとかコマの構図とか展開を考えて「おもしろくしよう」という意気込みのある作家さんもいて、絵はアレだけど読んでみたいなと思えるものもある。これは少女漫画より少年向けに多いですが。絵がうまいことは大前提、ではないんですよ。漫画の場合。漫画としての構成力やデッサン、つまり難しいんですが、総合力ですよね。漫画って描くのがほんとに難しいんだなと改めて感じます。だからこそ、いろんな漫画読んだりデッサン勉強したりして頑張ってほしいな、ともおもっちゃうんですが…話を戻しまして、このコミックは「漫画未満」としか言いようのないもので、これほんとに担当編集さんついてるのってレベルで、素人が趣味で作ったものというなら許されるレベルなんですよ。絵自体は可愛いし、丁寧に描いているのはわかるんですが、それでもデッサンは微妙だし、なんつーか…キャラの顔がみんな同じです。ヒロインのアイリスとヘイト役のローザ、同じ顔なんですよ。髪型でしか区別つきません。絵柄としては小学生向けかな?絵柄自体はまあいいんですよ、そんなことより漫画の進め方が壊滅的に下手。もう、申し訳ないけど「下手」以外の言葉がでませんでした。展開が早いこと自体はどうでもいいんですが、「どこでだれがなにをして」いるのかがわからないんですよ。まず最初に、アイリスが立ち聞きするシーンも唐突ですし、ダッシュで教会から逃げる流れも1ページすら使っていません。そんなのはまだましで、教会から逃げなきゃ…の後に、いきなり「知らないキャラ」が出てくるんですよ。髪にトーンはってボブヘアの女の子です。で、その子に「アイリス」と話しかけるなんかの店のおかみさんがいる。そして「事情があって王都を出る」とアイリス?が言うんですよ。待って?この髪型違う女の子がヒロインのアイリスなのはわかったけれど、突然現れたおかみさんが言う「仕事」って何?」教会から逃亡して、このおかみさんとのやり取りの間に何があったの?次のページに「お世話になったのに」とアイリスが言い、おかみさんが臨時に手伝ってくれたてな会話があって、どうやらアイリスはなんらかの店のお手伝いを臨時でやってた…らしいんだけど。なんの店でどう働いていたのかもわからないし、髪型変装は「かつら」と後に判明するんだけど、それどうやって手に入れたのかわからんし、その前にどうやって職探しして、雇ってもらえたのかもわからない。ここいっさい漫画「絵」として描かれないんですよ。教会はどこにあって臨時で働いていたらしい店はどこにあって、何日店にいたのかもわからない。憶測ですが、王都を出るために資金があるからそのために働いて賃金を得たんでしょう。馬車に乗るために賃金支払ってますからね?でもこれ、わたしの憶測でしかないんですよ。展開が遅いのもどうかと思うんですが、これ、展開が早いんじゃなくて、「面倒だから描かない」って手抜きにしか思えません。ここいらの展開がかりに原作になかったとしても、漫画で少しばかりの補完はしてもいいのでは?それか、描く気がないならこんな中途半端なことはせず、すっ飛ばして、馬車のシーンからでいいんですよ。思い出として後で語ってもいい。絵で描けないなら、その「描けないこと」を自覚して自分で工夫してほしいです。その先もひどくて、馬車に同乗する男性がいるんですが、フードを被っているってだけで、「この人も分けアリなのかなけなんてふつー思います?この男性があからさまに身を隠そうとしてもっと目深にフードかぶって、腹が鳴ってアイリスが食べ物をだしても固辞するほど用心深くしているならわからないでもないですよ?けど、腹が減ってるってことでアイリスからパンもらってもぐもぐしてるし…べつに身をかくしてないですよね?あとこのシーン絵が「漫画」が描けてないのがモロバレなのが、フードの男が腹を鳴らした時、包みの上に「残りひとつ」と手がきで説明されるんですが、その真上のコマでアイリスは手にかなり大きいパンをもってるんですよ。「のこりひとつ」ってのはある意味でただしいですが、次のページで「わたしもたべたいですがっ」と内心で思いつつ、そのフードの男にパンを渡すんですよ。手に持ってたパンどうした?丸呑みしたの?なんでこんな恩着せがましいシーンにしちゃったのかなぁ?べつに「残り物で恐縮ですが」ってわたせばよいじゃん?自分はめっちゃでっかい野菜挟まれたパン喰ってんだから。そのあともまたひどくて…いやひどくないシーン探す方が難しいレベルですわほんと…絵は可愛いけどね…馬車の中で回復魔法のなろうあるある展開が終わって、そのあとどうやらどっかにつくんですが、いきなり馬車の中じゃなくなってるんですよ。で、モブのざわざわってシーンがあるんですが、馬車どこいった?っていうか、馬車の外?どこかについたの?ここまったく描かれてなくて、唐突にどっかにたどり着いててモブ女があのひとかっこいーみたいな背景になってて…フードをとったらイケメン男がお礼をしたい流れになり…しかし身元をあかすわけにはとアイリスまたダッシュで逃げるんですが、そのコマの流れというか構図の取り方、視線誘導が驚くほど下手なんですアイリスは「あっ」と声を上げてイケメンの後方を指さすシーンが1コマ目そしてその指さした「後方」の場所にヒロインのアイリスがダッシュで逃げるコマ、コマからアイリスを飛び出させる大コマなんですが、つまり、アイリスが指さしたその「後方」に「アイリス」がいるんですよ。これ、1コマめが失敗してるんですよ、たぶん。1コマ目、アイリスが右、イケメンが左にいる、という構図、そして指さしてるのはイケメン側、つまり「←」その下のコマで「左側」にアイリスがいるって構図。イケメンを自分から目をそらさせその逆に走るって構図を描きたかったのはわかるんですが、構図の持っていき方が下手すぎなんですよ。だってイケメンの見た方向にアイリスがいるんだから。これはおそらく「全身」を「俯瞰」して描けないから、こういうコマになったんでしょう。なので臨場感もないし、「町」がどんな構造になっているのかもわからない。そのあと、すぐイケメン…ゼビウス隊長というらしいが現れるんだけど、もうね、突然すぎて。つまりここまで、ほぼバストアップでしか描かれていないんですよ。下半身どこいった…このイケメンが実家に帰ってからもその「バストアップだけで話が続く」んですよ。全身描かれた絵を探すのたいへんなくらいです。というか一つくらいしかなかったかも…お着換えしましたってとこくらい…あんまりじゃないですか?こんなの漫画ではないと思うんですよおそらくコミック一冊分通して、キャラの全身の絵ってひとつかふたつくらいしかありません。ちなみにローザという意地悪女の子は、なんかしらんけどアイリスにたいして激おこなんですが…なんで?あの子がいなくなったから雑用増えたとか巫女の力がどうだとか…いや知らんがな。もうちょっとまともな思考回路もったキャラいないの?一応なぞの女性の存在が示唆されていたり、教会のおえらいさんが悪徳っぽかったり、物語の種のようなものはあるんですが、芽吹かせられるとは到底思えないんですよ。漫画としてまったく「迫力」がありませんから。アイリスが実は聖女だったなんてタイトルからわかるのでもうどうでもいいとしか思わない。捨てられたとかいうけどどうせ聖女の捨て子なんだろうとか邪推はしますが。男キャラも見ために大した差がないので、わかりにくい。相手役のイケメンもじつは腹黒っぽいのはにおわせてくるんですが、わかりにくい。ヒロインにしてもキャラブレがひどい。漫画としての見せ場がどこにもないし、というかバストアップのコマしかないので、コマの中でキャラが与えられた台詞を棒読みしている、くらいにか見えないんですよ。こんなのを、デビュー作としてだしてしまうのは、読者に対しても漫画家さんに対しても失礼だと思うんですよ。もちろん数打てば当たる世界ではあるし、数打つことも大事なのはわかりますが、こんな手抜き作品を出して、いったい何が得られるんでしょうか?漫画家さんが気の毒になるレベルで、おそらくなんの指導も入っていないでしょう。おかしなシーンばかりなんですよ。ひとりで描いているからそのせいで手抜きになっても仕方ない…というのは言い訳にならないと思うんですよ、商業作品として世に流通させた以上もうちょっと…誠意というものを読者にしめしてほしいというか。絵自体は決して下手なわけではないので、デッサンや漫画の描き方をこれから真摯に取り組んで、改善していってほしいです。なろう系は粗製乱造、その中に優れた作品もあるのだから決して嫌いなわけではないんですよ。好みももちろんありますしね、でもやはり、あまりに「ひどい」と感じた作品には「ひどい」という感想を述べる以外のことはできないです。
2025.09.26
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ド田舎の迫害令嬢は王都のエリート騎士に溺愛される1 (DREコミックス) [ 幸原ゆゆ ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/9/23時点)楽天で購入とりたてていうことのないテンプレの話でしかないんですよね、これ。タイトルのままです。いくつか気になる点はあるのですが、こういった漫画の特徴としてまず「言葉」が拙い。ヒロインのクロエは「呪われた子」で、その説明が入るんですが、ヒロインの生家が王都から離れた田舎であることと「スピリチュアルに対する信仰が深かったこと」ってあるんですが、スピリチュアルに対する信仰ってなにそれ、なんですよ。ここはもっと単純に「迷信深い」でいいんじゃないんですかね?その言葉を知らないってことでしょうか?スピリチュアルって、ざっくりいうと神秘的なこととかそういう目に見えないものとかでしょ?ここでいうスピリチュアルって何を指してるの?だいたい、どんな信仰があって、どんな民間信仰があって、っていう説明もないので、ものすごーくふわっとした説明なんですよ、「スピリチュアルに信仰」してるって文章としてもおかしい。こういう、なんかよくわからない日本語が飛び出てくるもんだから困る…これは担当さんとかがチェックするべきことですよ?いくらなんでも国語力低下しすぎじゃない?あとはヒロインが騎士様に助けられてお礼を言った後の返しが「問題ない」???は??助けてくださってありがとうございます、の後に「問題ない」って、何が?ベッドをお借りしてもうしわけありません、と言った後ならわかるんですよ。それなら「ベッドは使ってもらっても問題ない」という意味だろうと推察できます。こういう会話力のなさも、少女漫画なろう系のあるあるになりつつあるなぁまあともかく、いつも通り生家で虐げられていたって設定です。何の面白みもありません。ひとつ良かったなと思ったのは、ちゃんと実の母親に虐げられていたことであり、迷信というよりは悲しみからくる娘への虐待、とわかるところでしょうか。鬼来迎 (ハロウィン少女コミック館) [ 山岸凉子 ]価格:426円(税込、送料無料) (2025/9/23時点)大御所作家さんの短編なんですが、これも同じで、母親が実の息子を虐待していた、という話なんですよ。上の令嬢とはちょっと違うんですが、夫が息子を助けるために海で溺れて死んでしまう、息子は助かるんだけど…愛する夫を失って母親はおかしくなってしまうんですよ。わたしの愛する夫がお前のせいで死んだ、と日々虐待している。つまり、実の母親が実の娘や息子を虐待するのって、ありだなと思うんですよ。そして愛する夫が子供のせいで死んだ、という理由がある。ここに整合性なんてなくていいんですよ。夫が死んだのは事故だったり病気だったりで、でもそれを「子供のせいだと思い込む」ってのはそう無理な設定でもない。殺そうとするのも、過激だけど、まあ…ありなんですよ。ただ、わからないのが、ヒロインのクロエは呪われているといいながら、家事を任せているんですよ。ここが不自然です。「鬼来迎」だと幽閉して虐待してるんですよ。何が不自然かっていうと、「呪われた子」だからその「血」も汚いと言いつつ、家事をさせたり、妹なんかも刺繍をやらせてるんですよ。汚くないんですかね、それ。「汚い」と思っている子に家事なんかやらせませんよ、だって「汚い」んでしょ?呪われた子に家事させて、それで生活してるっておかしいんですよ。「汚い」存在に「家事」という生活に直結していて、矛盾してるんですよ、言動が。ここが呑み込めなかった。ヒロインのクロエが殺されそうになって家を飛び出していくんですが、なんかこー…無事に王都についちゃうんですよ…ここ、もったいないなぁって。登山なめとんの?クロエが騎士ロイドに助けられてなんだかんだあり、山を越えてきたのかみたいな話になるんですが、いやもう、無理すぎる。遭難せずに王都につくってまずありえません。二週間かかろうが、遭難せずつくなんて、いうちゃなんだけど不可能ですよ?なので、別に「森で野党に襲われているところを騎士様にたすけられた」っていう、なろうあるある展開でいいじゃないですか。森に騎士がいるのも理由ならいくらだって考えられますよ?それこそ王都から逃げた野党やら強盗やらの集団を追いかけていたとかでもいいし、魔物でもいるんならそれの討伐だっていい、その帰り道か途中で、「何か」に襲われている少女クロエを見つけて保護、でいいんですよ。それこそこの設定ってなろうのお約束展開なんですから。なのに、いきなり王都ついた…路地裏で膝を抱えているって…うーん…まあ、どうだっていいですけど…なろうだし…それと、「土下座」に関してなんですが、これ、やめた方がいいと思うんですよ。見ていて気分が悪くなるとかこの世界にそういう慣習があるのか、とかいうツッコミではなくて、単純に画力の低い人がやると見た目滑稽だからです。漫画の絵的なインパクトがないんですよ、デッサンできてないので。ようするに、人体デッサンも微妙でしかも漫画の見せ方も微妙な人に「土下座」の旨味はだせないとおもうんですよ。いきなりソファーの上で土下座とかもそうです。そこはソファーから降りて土下座しなさいよっていうのが、絵や漫画の表現としてできないんですね。それがわかってしまうので、すんごく萎えるんですよ。画力はほんと微妙で、すんごい下手ってわけではないんですが、ヒロインを助けるシーンで悪漢を殴る蹴るなどで追い払うんですが、うん…全然描けてなくて、ヒロインがかっこいいと思うようなシーン、コマがないんですよ。剣の練習してる絵もそうです。なにやってんだかわかんない…漫画での見せ方というのがまったくできてないんですよね。なんでこの程度の画力なのに戦闘や喧嘩がはいる漫画かいちゃうのかなー問題は深刻だと思います。映画でも何でも見て戦闘シーンの勉強と人体デッサン勉強しておくれ…としかほかにも、ロイドが「このように散らかってる」みたいな台詞で部屋を見せるコマがあるんですが…うん、どこもかしこも散らかってませんね…こういう「散らかりまくってる部屋」ってのを「絵」で見せてくれないと…これ、漫画なんですから。それからキャラですが、なんか惜しいな、という気がしました。ロイドはヒロインのクロエを「家政婦」として家にいてくれることを希望するんですが、それはいいんですよ。ただもっと「考察」してくれたら有能さがわかると思うし、まずはじめはヒロインを「保護対象」とだけ見てほしかったんですよ。読んでて気持ち悪くなってしまうんですよ、すぐ「恋愛」に持っていかれると。クロエは異常なほど虐待されていたのだから、そこの設定を活かしてほしい。いちおうロイドが剣を練習してるところで、クロエはフラッシュバックしてしまう、というシーンがあります。そんな感じで、まず心のケアから始めてほしかった。クロエは16歳なんですが、異様に「幼い」「知能が低い」というところに触れてほしかった。虐待って長く続くと、脳が委縮してしまうんですよ。知力が発達しなくなる。多分意図して描いてはいないと思いますが、クロエ、異様に「幼い」んですよ。もの知らずというより、言動が10歳くらいの幼さ。読んでてちょっとイラッとしなくもないんですがそれはおいといて。ロイドはそこに気づいてほしかった。クロエも読み書きは最低限しかできないこと。教育を与えられているとは思えないせいで言葉もたどたどしい、異常な怯え、などなど気になる点は多い。だから生家に戻すのは得策ではない、本来孤児院なり施設に入れるべきだろうが、クロエの異様な幼さと、反比例して家事の手際の良さをはかりにかけ、ともかくしばらくはうちに置いておこうってなる方がいいんですよ。そこにロイド自身の過去と重ねちゃったりさ。そういう心を癒していく過程をすっ飛ばしてしまうのはもったいないとおもうんですよ。初めはあくまで保護者と被保護者の関係であり、雇用主として賃金を与え、教育も与え、そこからクロエの魅力に気付き、ゆっくりと惹かれていく、っていう王道で。なんかそういうのを全部すっ飛ばしてるんですよねそしてクロエ自身も、自分なんかがと卑下する前にまず背中の紋について考えてくれよっていう。わたしは呪われた子なのでロイド様に迷惑がかかる…って思考が前半、まったくないんですよ。呪われた設定もったいなさすぎでは?はたしてこれ「令嬢もの」といっていいかはわかりませんが、いちおうクロエは田舎の貴族の娘なんで令嬢ではあるか…いやしかし、気狂いのママはあんなで領地経営できてるの?まさか後出しで、領地経営もクロエがしてました設定だしてくる?ありそうでヤダなぁだって領地経営できてたなら、それだけの教養があるということとなり、虐待のせいで異常に幼い知力、という設定が生かせないじゃないっすか…なんというか、まあ、これといって見どころもない、なろうテンプレ虐げられ令嬢のひとつでしかないですね、これ。たぶん、展開的に矛盾しつつ、ロイドに溺愛されエンドなんだと思われます。長く続けちゃいけない系の話だと思いますね。とはいえ、溺愛確定の話を好まれる方もいるでしょうし、読んでみてもいいかもですね。ロイドはわりとまっとうなキャラだと思いますし。
2025.09.25
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生贄として捨てられたので、辺境伯家に自分を売ります いつの間にか聖女と呼ばれ、溺愛されていました 1 (フロース コミック) [ 春乃 まい ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/9/22時点)楽天で購入うん、面白くなかったです、ごめんなさい。まず、漫画としての見せ方がだいぶ稚拙なのと、日本語の文章、会話の成り立たなさ、…とくに日本語文章に関しては誰か指摘してあげなかったの?作者さんお若いのかもしれませんが、言葉がとても子供っぽいんですよ。「クズ」だの「クソ」だのをイケオジというか優秀であろう高貴な伯爵様に使わせてしまうのはもったいないんですよ…絵に関しては、お察しというか・・・・べつに目も当てられないほど下手ってわけではないですが、人体デッサンというか、俯瞰したキャラ絵、人物絵が描けない、戦闘シーンも描けない、コマの無駄遣いが多い…などなど、とても漫画としてはよい出来とは言えず、素人作品としかいいようがないです。これほんとに担当さんとかついてます?それほどちょっと…ひどいです。基本的にバストアップばかりですしね。ヒーローであるジークとかキャラデザ自体はいいと思うんですよ。でも中年のおじさんの描き方がワンパターンで、ヒロインとヒーローの「父親」どっちもにたようなデザインなので…まあ、しかたないか…ヒロインのルアーナは可愛いキャラデザなんですが、どうも顔のブレがひどいのと、これはあくまでわたしの好みの問題なんですが、やたらと大口をあける描き方が好きではなく、なんか顔が怖いんですよ。小さい口の時もあるからものすごい落差っていうか。少女漫画雑誌「りぼん」っぽい絵柄(しかも古い)かもです。内容はタイトルまんまなのでどうでもいいんですが、実家で虐げられてきたとかいう設定ですが、それもおかしいし、ろくに描かれてないのでなんかよく「わからない」んですよ」むだなコマの使い方してるせいもあって、「絵」「漫画」で見せる説明をしてくれないんですよ。ひどいと感じたのは、「辺境伯爵の元に来て、一か月、半年、一年…が経った」っていうのを一ページで説明されるんですが、そこの説明であろう「絵」が足だけなんですよ。歩いているらしい「絵」いやいや、そこは一年が経過している様子を小さなコマでいいので「絵」で示してほしいんですよ。「絵」で、たとえば魔法の練習に奮闘している絵や、伯爵家の使用人や兵士たちとも親しくなった会話をしてる絵、それらをいくつか挟み込んで、「一年が経った」ってんならわかりますし、「髪が伸びて綺麗に整えられた」ヒロインにつながるのもわかりやすいんですよ。こんなの後日譚としてあとがき?なところに描かなくていいんですよ。そして近頃の少女漫画家さんに多いのだけど、やたらと「目」「口」だけのアップが多い。しかもそこそこ大きいコマをつかって、せりふだけそこに入れてたり、ギュッとか擬音入れたり。むだなんですよ、こういうコマ。全身描けないからって手抜きしてるだけでよね?そういうのがわかってしまうし、「絵」で「説明」することをしないから余計、無駄なコマにしか思えないし、漫画としてなんの効果もない。とにかく漫画が描けない作家さんなので、魔物との戦闘シーンは酷いなんてもんじゃありませんでした。というか、戦闘シーン、描いてないんですよ。擬音だけです。どこからどういう魔物がどれだけやってきて、どんな風に城を包囲しているのか、兵士はどんな布陣でいるのか、どれくらいの規模の兵隊が組まれて、武器は主になんなのか。魔物にはどんな種類がいて、どのような戦い方が主流なのか、そもそも戦闘開始時点でどこにいるのか…そういうの全部ないんですよ。俯瞰シーンが一切ない。ヒロインのルアーナがジークがどっかから飛びだした?のをみて「すごい」と感心するんだけど、何がどうすごいのかがさっぱりわかんないんですよ。もうびっくりですわ魔物との戦闘シーン…ここに迫力が全くないというか描かれていないから、ルアーナが戦闘の後食欲減退していても説得力がないんですよ。だってなにがどう凄惨だったのかわからないでしょ?そもそも作戦会議とかしないの?ルアーナの配置とかきめないの?ルアーナが光の魔法をどう使うかの確認すら取らないの?もうね、ドン引きレベルで描かれていません。さらにルアーナは剣もジークに教えてもらうんですが、やめといたほうがいいのに…と思いましたよ。だって「描けない」じゃないですか…剣を振るうのにスカートの時点で「前線に出る」なんて口だけでしょ?そーいや魔物との戦闘終わったシーンで、ジークが部下を殴るところあるんですが、その「殴る」シーンも文字でごまかしてますからね…このシーンにしたって「油断」してたのはテメーもだろジークそれで部下殴るとかどんだけ傲慢なんよ、こんなやつ陣頭に立たせたくないしこんなにやつの下で戦いたくなんかねーわもうとにかく、「絵が描けない」ってのに、どうしてこんな戦闘シーンが必要な内容にしちゃうかなー…後半は王宮やらに行くようだけど、この絵ではさすがに期待できません。そしてヒロインのルアーナも、性格悪いです。いけにえだか何だか知らんけど、辺境に来たのは「転校生」としてじゃないんですよ。働くためですよね?で、クロヴィス伯爵ってのは「雇い主」、つまり上司、上官にあたるわけですよね?その息子のジークはその雇用主の嫡男なわけで、なんで「同い年」だからっていきなりため口、しかも態度悪いの?中学生じゃないんだから…いくら15でも、目上の相手に対してあの態度はないでしょ。ちなみに義理の兄と姉に対してもああいう「厭味ったらしい」態度をとりますよね、この子。そりゃ嫌われるわ。ともかく、雇用主とその嫡男に対してしょっぱなからあの態度はありえないし、好感度ダダ下がりだとおもいますよ…そこんとこちょっと考えてほしい。はじめから「学がない」を前面に出しているならまだしも…まわりの執事なりなんなりもたしなめなさいよ…報酬として、伯爵様一家と飯を食わせろだぁ…?欲がないなんてこと全然ないでしょ。空気読みなさいよ、いやもちろん今までずっとそうしてきたからっていうんだろうけど、なんで家族として扱われたいなんて思うの?「魔導士」として働きに来てるんじゃないの?もうこのヒロインまじで無理です…図々しいにもほどがある…そしてとにかく気になるのが「日本語」です。要らん言葉や語彙がおおかったり、会話としてなんか微妙に…合ってなかったり…ぶっちゃけ毎ページごとにあるといっても過言ではないほどです。赤ペンもって直したい欲…「私は陰ながら治癒魔法を使えるものを探し出してアイルに治癒魔法をかけてもらった」「陰ながら」の使い方間違ってますよ…どの台詞も基本「説明的」なんですが、説明にしてもすごく言葉がわかりにくく、足りない。上記の台詞の後に「私の勘だが光での治癒が一番可能性が高い~~」いやだからね、過去にどんな属性の魔法使いがきてどのような治癒魔法をかけてきたのかわかんないんですよ。四大属性の魔法では効き目がなかったといいたいんでしょうが、いくつかある魔法属性の中で、「一番」が光だというのなら、それらを説明して?もうね、こまかなことあげるとほんとキリないんですが、ちょこちょここういう、その台詞へんじゃね?ってのがあって、小さなストレスが溜まってくんですよ。ここらは描いている本人って気づきにくいので、第三者が指摘してあげるべきだと思うんですよ。日本語というよりは「説明」と「会話」の構成が苦手なんだと思うので、たくさん、優れた小説をよんで日本語の文章学んでほしいです。プロなんですから。そーいや、やたら「婚外子」「婚外子」言ってますけど、べつに庶子でいいやん?あとわりどうでもいいけど、伯爵様が愛人つくる自体はべつにめずらしいことでもないんだから、なんで正妻の子供たちってヒロインを虐げるんだろ?現代的な感覚でいうなら、そこ「父親」に蔑視の感情を向けた方がいいんじゃないの?あと、初っ端「あほかいな」と思ったのは、義妹のルアーナを「生贄」として辺境に送って「死んでくれたらラッキー」みたいなこと言ってるけど、これ、死んだら次にもう一人寄越せと言われるの、考えないの?死なせちゃダメだし、魔法つかえないとバレたらそれこそ、「魔法を使えるものを寄越せ」といわれるんじゃ?「辺境」の地を守ってるのって最前線であり、国にとっては重要な任務地でしょ?これ、上に報告されたらルアーナの実家没落する可能性もあるでしょ皇族がどうのいってたな…けどここって「皇族」「王族」どっちやねん?世界観わっかんねーな。まあ、いいや。そして、漫画として稚拙なのは全体の構成力にもあって、ひとつひとつのエピソードのつながりがほぼないことなんですよ。ひとつ事が起こったら、次はこの出来事、というようにぶつぎりで展開されていくんですよ。ジークの母親のことにしても、クロヴィス様はつまりジークの父親は妻であるアイル大好きっていうのなら、かなりはじめから、別宅に通っている様子を見せるとか…ちゃんと伏線を張っておいてほしいんです別宅というか、アイルを寝かせている場所があり、そこには気の利いた使用人だけをおき、基本的に余人を近づけない。もちろんしばらくはヒロインも別宅へ近寄ることは禁じていてほしいんですよ。で、そこにクロヴィス様がかならず、毎日、足を向けていることにルアーナは気づいている、しかも沈痛な面持ちのクロヴィス様を一度ならず見かけて気になっていた…くらいの伏線なら張れたと思うんですよ、「一年が経過した」あたりの冒頭でも。こういうヒロイン目線での「謎」を置いておけば、それが「先が気になる」という読者の興味をひけるのに、それをしていない。で、いきなり「妻を治してくれ」ってエピになるんですわ。雑すぎやろ。この、エピソードとエピソードの繋ぎが悪く、伏線ひとつ張っていないので、物語として機能してないんですよ。たった一冊でアカン…ってなったんですが、たぶん続きからは「溺愛」が始まるんで、それを楽しみにしてる方にはいいんじゃないですかね…いやどうかな?正直なところ、漫画としては素人の作品でしかないと思うので、そこはあらかじめ了承したうえで読んだ方がいいと思います。やたらと大きいコマとバストアップで進んでいくせいもあって、物語としての展開は速いのに、世界観わからないまま、なんか進んでってる感がすごいです。絵柄自体はかわいらしい「りぼん」っぽさがあるので、好みの方もいるかもしれません。
2025.09.24
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前世が伝説の大魔女だった不遇聖女は皇帝陛下に溺愛されています(1) (フロース コミック) [ 十夜 ]価格:792円(税込、送料無料) (2025/9/21時点)楽天で購入なんというか…二次創作?というか、うーん…どっかで読んだなこれって感じがすごくてどう読んでいいやらって内容です。ちなみに絵は綺麗ですし、丁寧な作画でもあるので読みやすいですが、冒頭のシーンはページの重複でしかないので、いらないと思うんですよ。先取りシーンって必ず入れなきゃならないんですかね?そこがすごく重要だというのならわかりますが、べつにどうだっていいシーンなんですよ。そしてまつたく同じ展開を、同じように、別に視点からでもなく、描いているんですよ。こんなのページの無駄でしかありません。しかもいきなり「日本」の会社(職場)に戻っているんで、話のつながりが強引すぎて…雑なんですよ、とにかく展開の持っていきかたが。ですので、初っ端から読む気をそがれる導入になってしまってるんですよ、これ。もったいないです。ちなみにこの話、絵以外はちょっと…ひどいとまでは言いませんが、「なにをどうしたい」のかがわからないんですよ。それが大問題。ま、まあ、なろう系ですので「そんなもんやろ」ではあるんですが。「日本から聖女が二人召喚」「ヒロインは黒髪」「ヒロインだけちやほや」・・・聖女の力はじつはヒロインの方が上とか…「白い結婚」って設定も出てくるな…もうとっちらかりようがすごい…テンプレというか…なんかこれほかでも読んだ気がするな…ってのは置いておいて。そういった「どっかで読んだな」というテンプレ設定を避けるためなのかもしれませんが、設定を盛りすぎてるんですよ。まず「日本からの召喚」「聖女」「前世は大魔女」「ヒーローの初恋相手がじつはヒロイン」ぶっちゃけ、日本からの召喚なんかなくてもいいです。前世の記憶があるんだから日々の暮らしに困らないんですよ、ヒロインのスミレ。もう一人の召喚聖女はミスレの従兄弟ボタンなんですが、このボタンも意地悪要因でしかなくて、はっきりいって要りません。存在理由が「意地悪するため」ですからね?そもそも「スミレ」「ボタン」の間柄の深堀が全くされていないのにいきなりふたりして召喚して、すんなり異世界になじんで、皇帝を取り合うライバル?みたいな雰囲気だされましても…まあたぶんこれって乙女ゲーなんでしょうね、設定の作り方が完全に乙女ゲーです。やたらと設定だけ付与して、ただ「それだけ」なんですよ。ちなみにこれ「二次創作」ってわけではないんですが、ある意味でそういう話づくりではあるんですよ。もうね、「水晶」が出てきたうえに「ステータス」確認なんぞして、スキルがどうのってもう終わってますわ…ここらが「二次創作」でしかないんですよ。乙女ゲー以下のゲーム設計。その「ステータス」とやらを出す意味あるんですか?水晶で能力鑑定とかいまはもう流行らないと思うんですよ、ここは(なんのためのかわからない)ギルドなんですか?皇帝の魔力の属性が火だとかいうのはまあいいとしても、その魔法とやらが世界においてどんな役割を担っているのかとか、そんなのすら説明されませんからね?すでに何らかの設定が組み込まれた「物語」の背乗りで書いた「二次創作」っぽいんですよ、端から端まで。あとは、ヒロインのスミレがやたらと「結婚願望ない」「生涯独身」を連呼しますが、みっともないのでやめた方がいいと思うんですよ。結婚願望がない女性って、たぶんいちいちそれを口に出したりしないと思うし、その方が「リアル」ですよ?わたし結婚願望ありませんからぁってドヤってるだけにしか見えません。結婚願望ないのにイケメンに結婚申し込まれちゃってるんでどうしようドヤァ、ですよね、これ。いっそボタンの方が人間味があるくらいです。といっても、ボタンは性格悪い女のように描かれてますけど、ほんとにただそれだけで「生きたキャラ」ではまったくありません。当て馬にするにしたってもうちょっと個性つけたげて……もうね、とにかく展開のひとつひとつ、エピソードのひとつひとつのつくりがとにかく雑なんですよ。絵がきれいなだけにもったいないです。たとえば…「火がつかえなくて肉が焼けない」って小さなエピソードがあるんですが、これにしたって、皇帝(子どもに変装)に火の魔法を使わせるためだけのエビソードですよね?なんで「火」ひとつ人力でおこせないんですかね?これが「現代」ならばまだしもわからんでもないんですよ。でもナーロッパなわけで、例えば「照明」はどうしてるんです?昼間だから消してる?いやそれ以外にも「火」ってわりと身近にあるわけで、その「火」をもらってきて焚き付けにぽいっちょすればいいでしょ?皇帝に火の魔法が使えることをなぜかスミレは知っていた、という話に持っていくがためだけのくださらない話なんですよ。そんなのこんな大げさにしてまでやることではないんですよ。皇帝が少年の姿に変身しているのだって、おしのびでどこかに行くところだったっていうのに、その「少年姿」でのエピソードがそこで語られることもないっていうお粗末さ。さらにひどいのが、スミレが魔法の塔だったかをパンチで破壊して、大魔女の遺品?を見つけて皇帝大喜びってシーンがあるんですが…これはもうひどいに尽きて、ただ「暴力っ暴力振るいたいっ」なんですよ。頭いかれてんのかと。もっとましな展開の作り方してくださいよっていうそういえば、そこで発見された「巻物」のこと「スクロール」って呼ぶんですが…これ、わかりにくいですよね?スクロールが「巻物」の意味だってのは分かりますが、なんでわかりにくいかって、そのあとでこれは役に立つ「アイテム」だ、みたいに言ってしまうからなんですよ。巻物には魔力の使い方やら魔法陣の種類やらが描き込まれていて、その「スクロール」は記録書でしかないはずなのに、さもなにかしらに「使える」「アイテム」のように描かれているから、うーーーん?となる巻物に「スクロール」というルビが振ってあるならもうちょっとわかりやすかったし、魔法の指南書的な言い回しをしてくれればへんな悩まずに済むんですよ。なんかところどころそういう言葉が足りないというか、やたらカタカナにしたりするというか、とにかく読んでいて、これはどういう世界なの?とわからなくなる大魔女だったスミレと皇帝のラブをメインにするのはタイトルにあるからそうなんでしょうが、そもそもね?「不遇聖女」ではなくない?むしろ好待遇じゃない?いいお部屋あてがわれて侍女もいるし聖女勉強もさせてもらって、…つまりただ飯ぐらいさせてもらって、これのどこが「不遇」なんですかね?「無能聖女」にした方がよかったんじゃ?性格悪い設定のボタンはともかく、ヒロインのスミレって社会人にもかかわらず礼儀ひとつとらないし、いくら前世の記憶がうっすらあるにしたって、態度デカすぎない?日本に戻る気がないのはいいとして、ならばせめて聖女として貢献して賃金もらうなりして独り立ちして、この国でたくましく生きていこうってんならわかりますが、日々、ぷらぷらしてるだけっぽいんですよ。しかもスキル?ステータス?とやらを改ざんしてわざとレベル低くしてるの、変でしょ?このただ飯ぐらいっぷりで思ったのは、たぶんこれ作者さんなんも考えてないなってことくらいなんですよ。キャラクターの性格、行動について、深く考えてませんよね、これ。そう思えたのは、スミレはいったいどうしてボタンと同じ職場にいるのかってところから、なんですよ。両親を亡くして幼少期はお世話になった、ちなみにボタンにもいびられてきた、それはまあいいとして、社会人になったんなら、家を出りゃいいんですよ。何もボタンと同じ職場に勤める必要もないんですよ。ボタンの親が会社経営していてそこに勤めている、にしてもおかしいでしょ?大学までいったかはわかりませんが、大学は奨学金でいって、そのあとはしがらみのない会社に就職すればいいだけです。「今までお世話になりました」で済む。だって「苗字」違うんですから、籍には入ってない、つまり「養女」にはなってないってことでしょ?このあたり、たぶんなんもかんがえてないと思うんですよ。そういう「なんも考えてねーな」っていうのがちらちらどころか、がっつり見えてしまって……こりゃだめだなって。絵だけは丁寧で綺麗なんですが、かなりページの無駄遣いをしているようにも感じるので、漫画としても読んでて面白くはないです。だいたいわたしは「水晶」が出てきて「ステータス」「スキル」「レベル」が連なった時点が激萎えして、一度そっ閉じしましたからね…読み進めても、面白くなることはありませんでしたし、むしろ「こりゃダメだ」となりました。とはいえ、テンプレ設定の異世界召喚聖女ものですので、そういうのが好きな方なら、すんなり読めるかとおもいます。
2025.09.23
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辺境の貧乏伯爵に嫁ぐことになったので領地改革に励みます ~ドラゴンと公爵令嬢~(1) (アース・スター ルナ) [ 花波薫歩 ]価格:1,320円(税込、送料無料) (2025/9/19時点)楽天で購入これは酷い…と思ってしまいました、すみません。絵がひどいとかではないです。絵自体は、まあ…人体デッサン微妙なところもあるけれど、べつに下手とも感じませんでしたしね。ただし漫画の構成とかそういうのはだめだと思います。何がひどいかって…もうこれヒロインの性格が引くほど悪すぎて…「しっかり者」と「無神経」は違います。サバサバ公爵令嬢、とあらすじにあるけれど、この「サバサバ系」ってもろに嫌われる性格付けなんですよ。うまくやらないとただの「無神経」「無遠慮」「下品」でしかありません。そしてこのヒロインのアンジェリクはまさにそれです。それはともかく、まず漫画としてわかりにくいってのが冒頭から出てきて頭を抱えました。よくある始まり方の「どうしてこんなことに」の後に、なんか噴水の前に立ってる三人?の人物がいます。いやなにこのデッサン…三人いるのわかんなかった…はともかく、なんか「シャルロット」がどうのとモブキャラが言い始めていて、真ん中にいるのがおそらくヒロインなんですよ。シャルロットで誰やねん。というか、ここのページだけで何が起こっているのかがさっぱりわからないのに会話だけ続いていくんですよ。誰がどこにいて、どんな過程があってどんな状況になって…ってのがさっぱりわかりません。そしてヒロインの名前すらこの時点でわからないのに出てくる「シャルロット」の名前。いや、ほんと誰それ。しかもエルネスト王子との婚約も解消って、誰がやねん?いやわかりますよ?昭和的な嫌がらせ(靴に釘とか笑わせに来てんのかよっていう嫌がらせ)をしてると責めているけど、この時点でヒロインの名前すら出てこないんですよ。そしてもう一度言うけど、シャルロットって誰?いやあとでわかるけど…判明するのがめちゃあとなんですよ。で、なんかしらんけど昭和的嫌がらせの件についてうわさが広まっているらしいけど、その噂はどこでどのように広まっていてどんな「悪評」がたてられているかがわからない。その悪評のせいで婚約解消となったのはもうヒロイン自身もどうでもいいようだけど、濡れ衣だわ真犯人突き詰めなきゃとか言うけど、もうね、その件まるまる要らないんですよ。とっとと辺境地に飛ばされればいいやんていうくらい流れが悪い。この流れを削って世界観の説明位してくれよってくらい、ほんとに不必要な茶番なんですよ。あのモブ女とのやりとり?もどうやら「学校」だったらしく、ヒロイン、学生らしいんですよ。その説明すらありませんからね?辺境の伯爵家に嫁げ、今からだ、って流れでようやく「学校」って言葉出てきて困惑しましたからね…もうほんとひどすぎる冒頭なんですよ。ぶっちゃけここだけで読みとめてしまう人多いと思いますよ。たぶん「漫画」としてまとめるのができない漫画家さんなんでしょう。「どうしてこんなことに」と冒頭で言ってるけど、「どうして」の内訳はわかってるでしょ?どうして?なんて思うことすら要らないんですよ。この冒頭の、なんだかよくわからないとかしか言いようのないシーンは全部なしにして、「諸事情により辺境地に嫁ぐことになった」でいいんですよ、もう。無理に「婚約破棄」ってワードをいれたいがためにねじ込んだ茶番コマですよねこれ…ってわかってしまうのは萎えるんですよ。どうしてもやりたいならあとで回想なりなんなりすればいいんですよ。婚約破棄自体、別に物語になんの意味もないんですから。その冒頭のひどさを、ヒロインの性格はさらに上回ってきます。いやこれ…作者さんはいったいどういうつもりというか…どういう性格にしたかったんでしょう?サバサバ、というだけでおさまりきれるものでもないんですよ。ほんとうにね、おどろくほど無礼だし、無神経だし、性格悪すぎてドン引きなんですよ。辺境伯爵はど貧乏で、まあそれに驚くのはいいんですが、掃除もわたしがやらなきゃねとアンジェリクは奮起する、ここもいいんですが、そこで伯爵が君が掃除をと驚くと、アンジェリクいきなりキレちらかすんですよ。それくらいやりますけどッッッ、みたいな。いやなんでキレちらかすわけ?ぴらびらしたドレスきた「公爵令嬢」ですよ?ごくふつうに驚きますよ。その「驚いた」というリアクションになんでキレちらかすわけ?わたしは優秀で慈善事業もやってて孤児院にもいって掃除くらいしたし、畑にも出て鍬を持ちますみたいなのをドヤって話されても、ああそっすか…くらいにしか思わんし、なんでそこでそんな自慢話でちゃうかな?その夜もひどくて、侍女から嫁いできた土地がいかに貧しいかを聞くんですが、これでまたあられもない格好で伯爵に怒鳴り込んでいくんですよ。頭ごなしに𠮟りつけてさー…いやあんた、何様なの?「領主として自覚をもって領民のために心を砕け」と言いたいのはわかりますが、そんな頭ごなしに怒鳴りつけていうこと?しかも風呂上がりのスケスケネグリジェで?あげく、その朝、同じベッドに寝たっての承知の上で、「きゃーーーっ」とか悲鳴上げるとか、厚顔無恥にもほどがあるでしょ…ドン引き朝食でも、野菜しか挟まってないサンドイッチに肉はないの、みたいな顔して。貧乏だってわかってんでしょ?領民のためとか言いながら、肉食べたいから領地改革しよ、とか…もちろんそれが領民のためになることもわかりますよ?でも、今までのやり取りからヒロインに対する好感度ってマイナス値になってるのに、そこへもってきて「肉食べたい」とか。もうね、このヒロインの悪評広められてたのって、事実無根の中傷なんかじゃないと思う。そう思わせてくるくらい、とにかく「他者を思いやる気持ち」ってのがかけらも感じられないんですよ。妹たちにはやさしい姉の顔を見せているのに、このキャラブレはなんなの?ドラゴンを素敵だとうっとりして涙を流すけど、この感情のブレッブレさはちょっと…逆に怖いですよ。つまり感情的でキレやすいってことでもありますからね。伯爵も伯爵で、公爵令嬢が嫁いでくる、と事前にわかっているはずなのに、体裁を整えることしないんですよ。ドラゴンがいるから何、っていう。数日かかってきてるんだから、せめて令嬢を迎える準備…最低限の掃除くらいできるでしょ?それすらしてなくて、ドラゴンのお世話がーとか言い訳にならないから。足元の危険物…壊れたものを片付けておく、横によけておく、程度のこともできないの?そしてドラゴン対面でもそうですが、まずは柵越しであるなりすこし距離を取らせるなどして、安全をはかってくださいよ。それが「礼儀」ですよ、動物と人間にたいしての。あんな近くにいて、もちろん知能の高いドラゴンだから大丈夫だといわれても、いちおう距離は取らせますよ。この無神経さにゾッとしました。まあ…割れ鍋に綴じ蓋なので似合いの夫婦ではありますわ絵自体はそこそこ綺麗ですし、キャラも丁寧に描けているとは思うんですが、主人公二人の性格が終わってる…のと、性格のブレが気になって、そっとページを閉じましたよ。ドラゴンが出てくる話だからと期待していたのですが、もうどうでもいいです。ヒーローが無能なのはまだすこし許せますが、ヒロインの性格が無神経すぎて無理でした…とはいえ、絵はそれなりに安定しているし、令嬢ものなら何でもばっちこーい、な方なら楽しめるかもしれませんね。あと、わたしサバサバしてるから、系のヒロインがオッケーならいけると思います。
2025.09.22
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こじらせ王太子と約束の姫君 1【電子書籍】[ van ]価格:715円 (2025/9/18時点)楽天で購入これ、けっこうおもしろかったです。とはいえ、一冊目はとにかく絵というか、漫画が稚拙で読みにくいというか、すっごくわかりにくいです。この点惜しかった…動きのある絵がかけないのはもはやなろう系少女漫画あるあるなので仕方ないところもありますが、それ以前にまず問題なのは「男たち」の絵が微妙なところなんですよ。この話は、何人かの「イケメン」が出てきます。なんというか、ちょっと乙女ゲーみたいなノリに近いかな?悪い意味ではなく、ヒロインが誰とくっつくのかがわからない話の持っていきかたになってるんですよ。もちろん恋愛対象外の「イケメン」もいますが、それだって重要なキャラなのに…あまり美男子に描かれていないのですごく惜しいんですよね。これはもう画力の問題なので仕方ないです。描き分けに関しては、それなりにできていますが、やはりちょっとわかりにくいかな…実はこれ女子もなんですよ。多少描き分けはできてますが、顔のドアップとかになると、いやわかるんですよ?でもなんか微妙っていうか。たぶん顔の描き方のブレが大きいんだなと。下手、というわけでは決してないんですよ、絵、そのものは。ヒロインのレイリアは「お転婆姫」なんですが、このお転婆具合が絵というかデッサンとか見せ方とかが足りないせいで生かしきれてないんですよ。回し蹴りとかするんですが、ぜんぜん描けてなくて何が起こってるのかがわかりません。「走る」という一点においてすら描けてませんからね。でもこれらは些細なことで、慣れてくれば描けるようになると思います。問題は、漫画の構成力だったり、説明の仕方が雑だったりすることです。とにかくわかりにくいので、もうちょっとわかりやすく描いてほしいんですよ。地理の説明も下手すぎて、しかもかなり小さなコマにちらっとかいているだけなんですが、この情報はけっこう大事な「設定」なんですよ。ヒロインの国はバルコス公国で、嫁ぐことになるのは「オセアノ王国」そして大国であり強大な「ミドラス帝国」このみっつの国が主流なんですが、せつめいちっっっっさっっってなるんですよ。手書きで描かれているおおざっぱな地図が、ほんとにおおざっぱすぎて、ここはさすがに擁護しようがないですよ…ちゃんと描いてください。レイリアのいる国は小さいながらも金の鉱脈があるため、そこを狙われる可能性が高いオセアノも大国だけどミドラス帝国に、一国で歯向かうほどの力はない、そこでオセアノがレイリアと手を結ぼうという話がでる…っていうここの説明のとこね、もっとちゃんと大きなコマを使っていいので、がっつり説明しなきゃならんところなんですよ。今後の展開のためにも。そもそもこれだけではなく、いろんなことが「唐突」なのと、「絵」と「文章」の説明がかみ合ってないところが多々見受けられるんですよ。これは初っ端からそうです。カラーのところから。「バルコス公国 ここには少し変わった「友人」とお転婆が過ぎる一人の姫君が居ました」という冒頭の説明はメイドのモノローグで、それはいいんですが、問題は「友人」の部分です。最初見たときなんのこっちゃか分らんかったんですが、「妖精」のことなんですよ。いちおうカラー絵にも妖精は描かれてますが、ぱっと見でその「妖精」のことを指してるとわかりますか?って描き方なんですよ。ここに限りません。馬車の転落事故の回想シーンがあって、レイリアは手に「ピアスを握りしめていた」とあるんですが、回想の後にどうしてそれを握っていたのか…と目線をやった先にあるのはどう見ても「ペンダント」なんですよ。おそらくピアスをペンダントに加工したんでしょうが、それはわたしの想像です。だってそこに「ピアス」らしいものが描かれていなかったし、レイリアの目線の先にあるのはペンダントだけでしたからね。ここももうちょっと説明してくれよ…さらにお兄ちゃん登場のシーンの会話もヘンで、妖精が「レイリア彼とごゆっくり」というんですよ。実際はカナカナですが。で、にーちゃん登場。いやそこ「おにいさん」じゃだめなの?しかも兄「会話を邪魔しちゃったのかな」っていうのは言葉が足らないんですよ。なぜなら兄には妖精が見えないんですよ。見えないけれど妖精がいるものとして空中に話しかける、というシーンが描かれる。わかるけどね?わかりにくいし、もうちょっと描きようあったでしょっていうシーンなんですよ。妖精についての説明ももうちょっとあってもいいだろっていう。さらにコマ内の台詞にも気を使ってないなってのがあって、世界一の優しい兄がいてわたしは幸せだ、みたいなほのぼのシーンなんかですが、兄のコマで、「いいや」と否定が入るんですよ。一瞬、「えっ」となる。読者が、ですよ。この「いいや」の後にはそのうち現れるレイリアにとって兄ではなく別の「世界一」がってな流れになっていくんですよ。このシーン自体はいいんですよ。兄いいやつなんですよ…でも「いいや」、という一見否定の言葉をいれてしまうのはもったいないんですよ。いいシーンなだけに。もうたびたびこういう「せりふ」があってないとか説明が足りないっていうのが多くて、はじめはとにかくイライラします。一話の終わりだったかな、今まで顔ちらすらしなかった男が一ページをとって描かれるシーンがあるんですが、浴衣きた男にしかみえないうえ、唐突すぎて、なんかへんなページ紛れ込んでるけどって驚いたんですよ。もちろん重要キャラ(王太子)だったんですが。わかりにくすぎやろっていう。こういう、場面転換がものすごく下手で、そういうのが何度もあります…そーいや、ドミニクは「バルコス公国の王子」って説明があるんですが、正しくは「公子」では?って思うんですよ。ときたまこういうささいな語彙のミスというか、チョイスが微妙だったりもあり…まあこれは「なろう系」ですから、日本語が多少ヘンだったりしてもきにしてちゃいかんですねいろいろとつたないところは多いんですが、大枠としてはけっこう楽しめる話なんですよヒロインがオセアノに嫁ぐ理由もわかるし、その先で出会った「王太子」二人の事情も複雑でどうなるのかが気になります。レイリアの幼馴染で従兄弟のルイスもいい味でしてるキャラで、レイリアに片思いしてるってのもなかなかに面白いです。レイリア自身にも謎があり、馬車の転落事故のせいで記憶の一部を失っていることや、妖精を見るだけではなく会話もできる「祝福」という能力を持っていて、しかも何やらそれだけではない雰囲気…王太子「二人」の事情も重たそうなんですが、その王太子のどちらとくっつくか、というのも初期ではわからない。これ、どちらも美男子に描かれていれば、氷の王子と呼ばれたジョアンと死亡していた思わせていた赤毛のエディ…どちらかの派閥とかできそうなくらいいいキャラなんですよ。どっちを推したいかってなると、ジョアンかなーちなみに兄のドミニクが好きなんですよ。一応ブラコンシスコンってなってますが、異常な雰囲気はなく、ごくふつうに仲の良い兄と妹で、この塩梅がとてもいいです。兄にはのちにちゃんと恋人できますしね。レイリアとも友達になるし。ほんとにこれ、内容はなかなかにおもしろくて、先が気になる展開もいろいろと用意されてるんですよ。しかし絵というより「漫画」を描くのが不慣れと言った感じで、とにかくそこがネック。巻が進むにつれて慣れてきた感はありますが、どうも「読みにくい」が勝ってしまいます。令嬢もの、ではあるんですが、胸糞悪い展開っていうのはそうそうなくて、ヒロインもお転婆ですが、決しておばかではなく、暴力は振るうけど…快活で嫌な印象はありません。つっこみもしますしね。ルイスと共謀していろいろやらかしてくれたところとか、いい展開だなーと思いましたからね。「絵」と「漫画構成力」がひっかかってしまうのは難点ですが…あと台詞まわしと日本語…けっこう楽しみ読める令嬢ものです。
2025.09.21
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ブラック・ジャック 手塚治虫文庫全集(12)【電子書籍】[ 手塚治虫 ]価格:880円 (2025/9/17時点)楽天で購入言うまでもなく名作な「ブラックジャック」しかしわたしがこの漫画を読んだのはかなり遅く、二十代後半になってからだったかなぁ?周りで読んでいる人がいなかったんですよね、なぜかしら。「火の鳥」を読んだのは小学生でしたから、かなり開きがあります。わたしが「一話完結型」の連載ものが好きになったきっかけは、ブラックジャックだったかもしれません。ブラックジャックのいいところでもあるんですよ。基本的にどの話から読んでも通じる、一話だけでも面白い読み物なんですよ。短編のお手本、とおっしゃっていた方がおられましたが、本当にそうなんですよね。起承転結がはっきりとしている分、どの年代でも楽しめるってのは大きいです。ブラックジャックとピノコ以外にもレギュラー陣がいて、安楽死医のキリコなんかは有名でするね。キリコは「悪」として登場しているわけではないので、時にはブラックジャックとともにオペをこなしたりもしますし、二人で絶望感にうなだれたりもして、「敵対」しているようなそうでもないような、という関係が秀逸です。亡き本田先生も話のところどころにも出てきますが、わたしは山田野先生が好きなんですよね。ごく普通のお医者さんなんですが、ブラックジャックにとっては頭が上がり切らない存在って感じで。なんのかんのと山田野先生もブラックジャックのために骨折りをしてくれるしね。他にはちゃっかり登場している「手塚」先生も好きです。ブラックジャックの朋友という感じでしょうか。作者が漫画にしゃしゃり出てくるってのを、うまく描いてくださる人ですよね。いやらしさがないというか。ブラックジャックは医療漫画ではあるんですが、がっつり「医療」ってわけでもなくて、SFでもあったりしますね、スコシフシギ…っていう。それゆえにとてもとっつきやすいんですよ。超能力者もでてくるし、宇宙人や幽霊だって手術しますからねそもそもピノコの存在がありえんでしょっていう。だからある程度、「そりゃいくらなんでもありえんやろ」っていう医療的な部分があっても、これは「フィクション」ですよっていえてしまう「ズルさ」もあったりします。この医療ものとして正確な部分もありつつ、きっちりフィクションをねじこんでくるあたり、さすがのエンターティナーです長期連載の短所みたいなものもあって、時々キャラブレしたりはします。ブラックジャックは無免許医なんですが、それを矜持としているはずなのに、ある話では免許を与えましょうといわれてルンルンしちゃうんですよ。結局免許はもらわなかったんですが、ブラックジャック自身の意志でそうしたのではなく、不慮の事故…というかまあちょっとしたトラブルがあって、受け取りに行くことができなかった、というだけのこと。矛盾はしてるんですよ。免許を持ってる医師を小馬鹿にする話もあるかとおもえば、こうした話もある。他にも、ブラックジャックが住んでいるがけっぷちの家の設定も、とある老人が精魂込めて作った家で、どんな狭い家でも増改築はしないんですが、ある時自身がきてあっさりぺしゃんこになってますからね…そーいや…わりとどうでもいいことなんですが、ブラックジャック…間黒男は医者の免許は持ってないけど、車の免許は持ってるし、パスポートも持ってるんですねーパスポートはさておき、自動車の免許とるために教習所に通ったのかと考えるとちょっとほっこりしますブラックジャックは医療ものであり、「金の価値」について考えるのにもいい漫画だなと思うんですよ。極端ではありますけどね。ブラックジャックの金に関する価値観ってけっこう好きなんですよ。何に重きを置いているか、というのはとても大事なことだと思うので。だからブラックジャックの金の請求の仕方って面白いなと思う。いやこんな先生嫌ですけどね~白内障の手術代金が、一か月の飲み代っていうのも好きだったな。金持ちになったご婦人にラーメン一杯分でっていう厭味ったらしいのも好きでした。のちに一杯分ちゃんとおごってもらうってオチも含めて。子供には基本的に甘いのはピノコのせいかな?ピノコのことを「あれは最高の助手です」と言った時のブラックジャックにはきゅんときましたわーそういうとこですよ、ブラックジャック先生がモテるのって!!!ブラックジャックは見た目ああだしぶっきらぼうなんですが、やたらにモテるんですが、時折垣間見せる「かわいい素顔」のおかげで、納得感がすごいんですよ。これね、ちょっと金田一耕助氏とにたとこあるなと思ってます。好きになる女のタイプが似てるのもあるしね。そして悲恋に終わるし。こういう「かわいい素顔」が女性ファンの獲得にもつながっているんでしょうね。手塚先生の絵は、時々びっくりするほど色気があるんですよ。とくに目元に。切ない系の色気かな。色っぽい作品内で、ではなく。ブラックジャックが亡きお母さんのことを思い出してつぶやくシーンのブラックジャックの目の色気というか…マザコンだとかかんがえちゃいけません。わたしは最近のいろんなタイプの…それこそなろう系の漫画も読むし、なろう系の令嬢ものだって読みます。好き嫌いはもちろんあるので、冒頭だけで切ってしまうのも多いし、そもそも設定訊いただけで避けてしまうものもあります。面白いよとすすめられても、あえて避けてしまうものもあります。なろう系でいうと「悪役令嬢もの」がそれです。おもしろいのもあるとわかっているんですけどね。ゲームの世界に転生・転移、というのが言い方は変ですが、生理的に受け付けないので。異世界転生はそこそこ平気なんですが、ネット小説の世界に転生とかそういうの…たぶん、そういう系で読めるのは「ネバーエンディングストーリー」くらいです。本の中に入ってしまう話ってのは王道ではあるのですが、乙女ゲーの世界に入っちゃったとかいうの、もうぞわぞわしてしまってダメなんですよ…ギャグとかコメディならなんとか話がずれましたが。手塚先生ってブラックジャック連載前は低迷しておられて、最後のチャンス的にブラックジャックを描いたんですよね。幸いそれがあたり大ヒットからの代表作になりましたが、低迷していたころがあるのは、すごくわかるんですよ。途中放棄したような終わりのものもありますしね。ブラックジャックは一応最終話らしきものはありますが、そこは一話完結の強みで、終わりはない、ともいえます。そういった、続いているけど単話で読めるっていうのは強みで、わたしもランダムに手に取ってぱらっとめくり、気まぐれに読んでいます。そういうことができる一話完結型の名作、ブラックジャックはやはり名作として、お勧めしたい「日本の漫画」です。
2025.09.20
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【全巻】 王太子に婚約破棄されたので、もうバカのふりはやめようと思います 1-7巻セット (マッグガーデンコミックス アヴァルスシリーズ) [ 南乃映月 ]価格:5,027円(税込、送料無料) (2025/9/17時点)楽天で購入7巻まで出ていることに驚いたこちらの作品ですが…うーん…人気はありそうですし、それこそアニメ化でもしそうなもんですが、わたしには合いませんでしたね、全然おもしろくなかったっていうか、これは典型的な「なろう系」でしかなくて、それ以下でも以上でもない話です。読みながら感じていたのですが、これって男向けなろうの「追放もの」の亜種ですよね?というか婚約破棄がそもそもそうなのかなヒロインのオリヴィアは「天才」なのに「ばか」のふりをしていて「追放(婚約破棄)」されたわけで、その後追放した側がざまぁみろな展開になるっていうアレ…うんこれもうほんとに、なろうのテンプレでしかないです。まず、この漫画家さんですが、決して絵自体は下手ではないんですが、ぶっちゃけ漫画の出来は中くらい程度ですよ。コマは単調だし背景は白いし、ほんとに淡々とコマがふられていて説明されるだけなので読んでてすごくつまらないし感情が動かないんですよ。初めて読んだのは一年くらい前だと思ったんですが、その時は「なんかつつまんないなー」くらいだったんですが、今回一冊をじっくり読んで、やはりつまらなかった…コマが白いのもあるけれど、キャラのバストアップがほとんどで、駆け引きも詰まんないんですよ。王のキャラデザもテキトーすぎるっていうより、たぶん中年男性のバリエーションが少ないんでしょうね。なんでしょうあの鼻の下のちょび髭…それもきちんと書いてくれるんならいいけど、福笑いの眉毛が鼻の下についてますよー的な…あんなキャラデザで、いかにも「策士」で「腹黒」感だそうとしても、見た目がお笑いすぎて無理です。それに比べると王妃の方はまだしもなんですよ。そして青年キャラである王子二人も、明確なキャラの描き分けができてないです。見た目が、ですよ。はっきりいってどっちも好きになれません。この王子二人の後継でのことが背後にあるんでしょうけど、そのことだけではなく、物語の土台がすごくベニヤ板みたくペラいんですよ…そもそもが、タイトルにある「バカのふり」をしていた描写が少なすぎるし、しかもそんな程度?なんですよもっとこう深い理由があるのかと思ったらそんなことないし、ヒロインのオリヴィアもあえてそれを演じている…にしてはガバガバっていうか。徹底してないんですよ。バカのふりをしていたおかげで婚約破棄キターーーー!やったーーーって感じなのかと思ったら違うし、何がしたかったの?このヒロインのオリヴィアって「天才」設定されてますが、どこが?と首をかしげますよ山となってる仕事の書類を捌いたってところで、さすがオリヴィア様女神様ともちあげてるけど、これほんとなろう系主人公の有能あるあるで、どこにその「天才的」要素があるのかわからない。政治の仕事ですよね?この王国って零細企業かなんかなの?政務に携わってる全員が馬鹿なの?役割分担以前の問題で、はたしてこの王宮内、どんな仕事があり、どんなふうに職務がふりわけられてるの?最終的には王の認可がいる…にしても、王子二人も仕事をしているわけだけど、その二人が担当してる仕事って具体的になに?そう、この「具体的」ってのが、この漫画には何一つないんですよ。仕事の内容もですが、オリヴィアの「バカのふり」が果たしてどの程度だったのか、とかね。そして布石ひとつおいてなくて、いやいちおう置いてる風は装ってますが、全然機能してないんですよ。陰謀描くのに向いてないです。ヒロインの仕事こなしてるシーンでひとつ気になったのは、商談について何日かに会って…みたいなところがあるんですが、それ、ヒロインがやるの?そういう人事の振り分けのできなさって、国事も任せられる天才とは言えない思うんですが。そもそも国王が全然有能だったり策士だったりに見えないんですよ。かといって暴君なのかというとそんなこともなく、オリヴィアの父親が無礼極まりない態度で国王に直談判するんですが、その流し方がもう「国王」じゃないんですよ。というか、国政のシーンがひとつもなくて、しかしそれを描かないとオリヴィアの「活躍」描けないんじゃないの、と思うんですよ。だいたいオリヴィアって天才のくせに、王太子に婚約破棄された裏に誰がいるのかって考えるんですが、わたしみたいな馬鹿でもわかりますよ、その程度。もうね、冒頭からして「バカ」丸出しなんですよ。バカのふりをしていたら「婚約破棄」されたってぽかん顔ですよ?いやいや、それ狙ってたんちゃうんかーいって思いましたわ。だって天才なんでしょ?ならこうなることくらい事前にわかるでしょ?わからないにしても、疑うことくらいできたはず。だから「やはりね」と内心でほくそ笑んでくれないと、やはりただの「バカ」なんですよ。あげく、王太子に「バカでいろ」と言われて一応その通りにして、バカでいろといったあなたがそれを言うんですかって、「バカ」なのこのヒロインってあきれ果てましたよ?「貴方がそう望まれたからです」くらい言えないわけ?「くくく、計画通り」っていうんなら、あの綺麗な?お辞儀のシーンも納得がいくんですよ。あんな馬鹿王子に付き合ってらんない、こちらから見放してやりたいところだけれど王命の婚約だったから伯爵家の私からは婚約解消を求めることはできない。ならばティアナみたいなおばかちゃんを利用して王太子をたぶらかせ、リモーネ家の暗躍もさらに利用して、王太子側から婚約解消の流れに持って行ってやる…そして「くくく、計画通り」でいいんですよ。だってこのヒロイン、王太子のこと「好き」とかなかったからね?なろう系主人公あるあるで、「ありがとう」を言われたことがなかったって被害者面する主人公となんら変わりなくて、オリヴィアも「好き」と言ってもらったことがないから、「好き」ってどういうことかわからないとかぬかすんですよ。なにこのジコチューヒロインってげんなりしたわさらに、なろう系の、とくに少女漫画にありがち設定なんですが、本読むのが大好きっていうの、性格付けにはなんの効力もないと思うんですよ。読者に親近感を持ってもらうためかもしれませんが、もう、そればっかりで、「だからなに?」としか。悪いことにこのオリヴィア、すごく「キモオタ」要素が強いんですよ。つまり、好きな本の話になると早口文字量多めでっていうコマがあって、……キッツッッッッてなりましたよこういう言動のオリヴィアに対して、有能ではなく、ちょっと変わったところのある、つまり奇人変人だけど本についてはがっつり詳しいってんならまだしもなんですよ。近視眼的で、好きなことには熱中するけど、他はちょっと…みたいならまだしも共感できるというか、好感・共感も持てるんですよ。ところが、政治にも詳しくて令嬢としての礼儀も美しい完璧な「なろう令嬢」なんて、読んでて面白くないんですよ。王妃との「駆け引き」も別段楽しめなかったしなぁ…これはたぶん、コマ割りが原因てのもあるかも?会話がだいたい唐突なのも原因かな?「絵」なり背景なりで見せておいてくれればいいものを、せりふなどで唐突に出てくる単語があったりして、いやそれ、説明わっかりにくってなるんですよ最初の方で、サイラスが婚約の理由や、じぶんはこの婚約を利用されること自体良しとしているみたいな流れの時に、時間をくれないか、といった流れで、「僕は本気なんだ、チェスだって道具がないと勝負できない~~云々」とあり、チェス盤が描かれるんですが、それ以前に「チェス盤」は絵としても出てこないし、会話の流れでもでてこないんですよ。なんでいきなりチェス盤?ってなるんですよ、たとえが唐突すぎる。サイラスがさまざまな説明をする中で、宮廷での争い、後継問題はある種のゲームなんだ、そして君は今、重要な「駒」であり、その「駒…たとえるならクイーンとして、そのクイーンを狙う者がいる」みたいな流れで、つまり「勝負」「ゲーム」という何かしらの単語を用いていた会話の流れとしてなら、まだわかるんですよ、上記の台詞でチェスが出てこようとも。そしてここで登場する「チェス」は王妃との勝負への伏線でもあるんですから、もっと丁寧に伏線を張ってほしいんですよ。ものっすごい雑に「チェス盤」だしてくるもんだから、のちの王妃との「駆け引き」がうすっぺらく感じてしまう。これは漫画家さんの演出が稚拙だということでもあるんですよ。読めばわかると思いますが、ほんとに淡々としたコマ割りと流れで、山場もない。漫画を読んでいる感がなくて、絵の描かれた説明書を読んでいるような感じなんですよ。だいたい、オリヴィアが「天才」だってんなら、サイラスの婚約申し込みも利用するくらいしなさいよ…そこは恋愛にうぶだから…と逃げるのではなく、利用すると決めたのにお互いを知っていき、やがて「恋が芽生える」ってベッタベタな展開でもいいし、たぶん、後半はそうなるんでしょう。ほんとにこれ、なろう系のテンプレ、しかも追放ものだからいっちゃなんですが、つまらない。なろうの追放ものってたいていつまらないんです。追報される主人公、じつは有能でした。この「実は」ってところがなかなかうまく説明できないことが多いからですよね。実は有能だった場合、たいていは事前通達できていなかった、情報共有がされていなかった、ってことが多い。あるいは、追放された後有能になったって場合でも、ではなぜ無能な主人公を仲間にしていたのかが説明つかないんですよ。勇者パーティー系での追放はだいたい上記の追放なんですが、少女漫画の追放っていうのは婚約破棄で、「追放」と言い換えることもできます。実際追放されることも多いですからね。婚約破棄にいたるルートはいろいろあるようだけど、勇者パーティーの場合と大差ありません。せいぜいヒロインが虐められ令嬢で、寝取る女がいた、くらい。この場合だって寝取った女にたいした理由はないし、しかもすぐさまほかの男に言い寄られるので「のちに有能とわかった」系の流れでしかありません。とはいえですね…このこのばかりふりをしていたから婚約破棄の話も、所詮はなろう系でしかないので、これはこれでいいんだろうなーとは思いますよ?背景白かろうがバストアップばかりのコマだとか、それだって絵が壊滅的に下手ってわけでもないですから、読めなくはないです。それなりに綺麗なイラストですので、「絵」として見るのならいいんじゃないかなーと思いますしね。宮中の策謀渦巻くなんやかんやの駆け引きなんぞは、あまり期待しない方がいいと思いますけれどね…世界観というか、国の設定というか、そういうのがペラい「ナーロッパ」でしかないので。気楽に読む分にはぜんぜんいけると思いますし、人気があるっぽい作品なので、令嬢ものが好きな方ならたのしめるかもしれません。
2025.09.19
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「これは政略結婚だ」と言った王太子殿下からなぜか溺愛されています(2) (ポラリスCOMICS) [ 坂田ユイ ]価格:803円(税込、送料無料) (2025/9/15時点)楽天で購入正直に申し上げまして、漫画としての出来は「素人仕事」です。よくこれが出版されたなと思うレベルの出来です。ほんとうにね、絵も稚拙なんですが、漫画としてほんとに…申し訳ないですがはっきりいって下手です。スピンオフだからってこれはないんじゃないの…読んでいて、むしろ漫画家さんが気の毒になりましたよこれ原作者さんはたぶんほぼ関わってないと思います。申し訳程度に描きおろしの小話はいってますけど、その程度です。たぶんこの漫画がデビューの漫画家さんなんでしょうが、気の毒でなりませんよ。これはぜったい編集担当さんがなんの指導もしてなかったとしか思えません。二巻の内容ですが、これ、ほんとになんの意味もないっていうか、すっかすかなんですよ。やたらと大ゴマつかってページ消費しているだけですし、顔芸だけで話が進んでいるような態をとってますが、本当に絵が描けていないので、どこでなにがどうなっているのか、まったくわかんないんですよ。基本的に、1ページにコマが3つくらいですよ?すくなすぎで、しかもそのほとんどが顔だけ。これでどう物語を「説明する」つもりなのかっていう。ひどいのは、ヒロインのフローラが侍女ともども襲われて監禁されるって話があるんですが、もうここほぼ絵になってないんですよ。顔だけです。馬車が襲われるシーンもないんですが、馬車がどこを走っていて、どれだけの手勢で襲撃に合ったのか、どうやって監禁小屋までつれていったのか、もうなにもかもがわからない。そのまえにこれ、一、二巻まとめて一冊にできる程度の内容なんですよ。びっくりするほど内容がない。次の巻で終わりのようなのでまあ買いますけどね…ほんとこれ勧められません…漫画家さんが気の毒だなと思ったのは、たぶんこれ、一人で描いてますよね?デビュー作だから当然としても、編集担当さんから指導されてないだろう稚拙さがありありと出てしまって、素人が描いた二次創作未満でしかないんですよ。厳しいようですが、これは、お金を取っていいレベルではありません。漫画家さんの責任というより、これは編集の方に責があると思います。【全巻】「きみを愛する気はない」と言った次期公爵様がなぜか溺愛してきます 1-4巻セット (ポラリスCOMICS) [ 水埜なつ ]価格:3,212円(税込、送料無料) (2025/9/15時点)楽天で購入こちらが本編なわけですが、このコミックの漫画家さんだってぶっちゃけそんなうまいわけじゃないんですよ。イラスト自体可愛く見えますが、人体デッサンは稚拙ですし、背景がういているところがしばしばみうけられのすしね。ただ、ちゃんとアシスタントさんもいてそれらの方々の協力を得ていることがよくわかります。…まあつまり、アシスタントさんの力量がかなり…ってことでもありますが…絵はアレだけど、漫画としてはすんなり読めますし、一巻でそこそこ情報も入っているので、一巻で「足りない」と思う内容ではないんですよ。あとは、せめてもうちょっと似た絵柄の作家さん使ってあげるべきでしょ…同じ世界観とは思えないんですよ。本編がそれなりに人気のコミックなので、スピンオフはテキトーでいいやってことなんでしょうか?それって「勉強」のために描かせている漫画家さんにも失礼だし、なにより金をはらって買って読んでいる読者にも失礼ですよ。コミックにかかっている帯が詐欺っぽいのもどうかと思うんですよランキング一位なのはあくまで本編のほうで、このコミックはスピンオフにすぎないんですよ。この漫画家さん、この先チャンスがあればまた何かを描くことになるのかもしれないけれど、現在の漫画力ではとても…ぶっちゃけ無理だと思います。イラストだけに専念されるとか、せめてもうちょっと漫画を描く勉強をした方がいいんじゃないかな…いやわたしも漫画は描けませんが、仕事として対価を少しだけでももらってるなら、ね…そういえば、読んでてふと思ったんですが、この漫画は本編と違って一話ごとの「表紙」がないですよね?たぶんここにも扱いの差が出てるなと感じましたよ。べつに毎度毎度表紙絵がありゃいいってもんでもないですが、本編の方は表紙絵があるんですよ、話ごとに。なんつーかほんと、描かせている側が、この漫画家は下手だから勉強させてやってるってのが透けて見えちゃってるっていうか。顔だけと大コマばかりの漫画なんて、ふつう「ネーム」の段階で止めますよね…ほんとそのレベルでひどいんですよ。それもあって、ろくな指導もしてもらえなかったんだなと、漫画家さんが若干気の毒に。でもまあ…雑な描き方してるし、きっと漫画家さんも気づいてますよねこれ…そんなわけなので、とても人に勧められるような漫画ではありません。「公式」のスピンオフではありますが、素人が描いた二次創作と思ってわりきれば読めなくもないので、そこは自己責任でってことで。
2025.09.18
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仮面伯爵は黒水晶の花嫁に恋をする1【初回限定ペーパー付】【電子限定特典付】【電子書籍】[ 氷堂れん ]価格:769円 (2025/9/14時点)楽天で購入それなりにおもしろい、といえる作品です。絵も丁寧ですし、読みやすかった。これってエロもある態の話なのかな?それにしてはそういうところはあるにはあるけど、かなりぼかされていたので、エロ目的なら読むのには適さないかも。なんのかんの、ヒロインが溺愛されるっていうだけの話なので、それ以上は求めない方がいいかもですね。絵は綺麗ですし、読むのに気疲れ…ツッコミつかれするってことはほぼありません。ただし、読み手はやはり選ぶと思います。てのは、仮面伯爵、つまりヒロインの相手となる男ジェラルドは初手からいたしてしまいますので…強引に。まあたぶんここがエロ要素?これを受け入れられるかどうかってのはあると思います。冒頭は、もうテンプレ以外のなにものでもない婚約破棄もので、虐げられてきた有能令嬢もの。ちゃんと「絵」での説明も入っているのでわかりやすい状況説明がされます。この冒頭でのヒロインに可愛げってのは全然なくて、ほんとに有能なだけの令嬢なんですよ、なので寝取られもしかたないっていうか、ほんとに寝取られてて笑ってしまったけどもね。つーか妹の妊娠も裏がありそうではありますけどね。寝取られて爵位継承の権利まではく奪ってのはよかったです。「悪役」が、ものすごく悪役面なんですが、知略があるって感じではないですね…なのでヒロインが気づかなかったのは痛恨って感じに描かれます。そして仕事のできる執事ひとりいなかったんですよね、極貧のせいで。ただまあこのあたりの設定はたぶんどうでもいいです。テンプレでしかないので。嫁ぎ先の仮面の伯爵ジェラルドに関しては、わりと早いうちに仮面のうちをヒロインのクリスタに見せます。たぶん、ここからが話の本筋かな?ちにみに、全員ではありませんが、鉱石の名前が多いですから、ヒロインもたぶん「クリスタル」からきているんでしょう、黒水晶とか言われてるし。クリスタっていうなんか中途半端な名前なんですよね…もちっと可愛くできなかったかな、とは思います。クリスティーでもなんでもさ。冒頭のヒロインが「かわいげない」のもそうですし、しばらくはクリスタに好感を寄せにくいんですよ。とはいえ「聡明な女性」として描かれるので、へんに身近な可愛さを見せないよりはいいですけどね。かわいいのはむしろ、ジェラルドの方ですかね。冒頭で印象悪かったんですが…強引にやっちゃうし…そこはきちんと謝ってくれたので、許容はできました。執事が逐一つっこんでくれますしね。執事のダンテがいい役になってます。読者のツッコミをこのダンテがうまくこなしてくれているんですよ。ジェラルドはかなりヘタレなんですよね。そこをうまくつっこんでますし、ちゃんと有能な執事らしい振る舞いをしているのが好感高いです。この作家さん、キャラの描き分けはできる方なので、そのへんも安心して読めますね。ジェラルドの見た目は好みが分かれるかな?すんごい美形ってわけではなく、どちらかといえば普通…かな?クリスタは仮面をとった時のジェラルドを見て「なんて綺麗な人だろう」みたいには驚かなかったんで、よかった。仮面をしていても、ちゃんと「表情」がわかる描き方をしてくれているので、仮面あったほうがむしろなじんできた感があるくらいですしね。宝石人については、かなり早い段階から「そうだろうな」と思わせるところがあるので、正体明かされても別に「ふーん」くらいです。やっぱりね、と。そもそも表紙で半分仮面とってるし、想像つくやろっていうね。ただ、宝石人をネックにどけだけ話を膨らませるか、だとは思います。たぶん義母や異母妹、元婚約者や、ジェラルドの叔父やらの「ざまあ」展開はあるんでしょうが、たぶんここらもかるーく流されると思いますよ…なんというか、「敵」とするにはバカすぎて。お話にならなさそうっていうか。なのでまぁ、溺愛令嬢ものとして読めば、それなりに楽しめる話ではあると思います。良くも悪くも、ツッコミどころが少ないので、続きが気にならない、というのが難点でしょうか。クリスタとジェラルドの歩み寄りや日常的なシーンがもうちょっとあればよかったなと思います。溺愛ものとわかってはいるんですが、ちょっと中途半端なコミックなんですよねー作画は丁寧なので、その点に関しては問題ないです。戦闘シーンもないので、そこも安心。少女漫画って戦闘シーンだけがダメダメすぎるってのが多いので、描けない自覚があるなら極力描かないか、せめて練習してほしいと思うんですよ。けっこう上手い、しかも漫画家歴長くても…うーん…って方多いですからね。と、話がずれましたが。なかなかに面白く読めたのですが、これは絶対に紙の本でもゲットしなければっ、とまでは思えなかったです、申し訳ない。とはいえ、水準以上の画力はありますし、ちゃんと「恋」要素も入っているし仮面伯爵のヘタレっぷりは可愛かったので、令嬢もの好きならば読んでみてもいいかも、というコミックです。れ〇ぷまがいのシーンがありますので、そういうのが苦手な方は避けた方がいいですよ、と一応注意喚起です。
2025.09.17
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小動物系令嬢は氷の王子に溺愛される (1) (フロース コミック) [ 佐和井 ムギ ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/9/13時点)楽天で購入なかなかに面白かったです。コメディ要素が強めなところもよかったかな。女の子も総じてかわいいですしね。ヒロインが王子に小動物と思われてしまうエピソードもすっごくほほえましかったし、似たようなリアクションをとってしまいました。ヒロインの伯爵令嬢であるリリアーナは小柄で見た目のかわいさもある。家族に甘やかされて育ってきたお嬢様って雰囲気もすごくあって、それでいてわがまま炸裂のいやみな令嬢でないところもよかったです。どうしても受け付けないのが「シスコン」設定…なんですが、これは最初だけで後半はあまり気にならなくなります。コメディ要素がそれをうまく使っている風なので、シスコンといっても気持ち悪さはあまりありません。ちなみに父親も娘大好きなんですが、そこは母親がまっとう人のようで、気持ち悪さは半減します。シスコン兄二人に関しての気持ち悪さが減ったのは、リリアーナが学校で女子に絡まれるところでの「返し」でしたね。学校でひがみ嫉み除けのために「美形」の兄二人の存在をいいように使っているあたりにちゃんとコメディさがあったし、やるなヒロインと思いましたよ。安易に美形兄が助けに入るってシーンにしないのはよかった。ちなみに女子三人に囲まれるんですが、その女子三人に関しては「描き分け」できてるんですよ。髪型だけでなく、顔がちゃんと違います。とにかくこれはコメディ要素があるからこその面白さなので…あまり話が長くなるとちょっとどうかなってきわどいところではあります。そしてこのコミック、欠点はと言えば、男子がまったく美形じゃないんですよ…美形設定ではあるんですが。そして何より困るのが、致命的なほどかきわけができていない。なので、リリアーナの兄と王子三兄弟も区別がすごくつきにくい。髪型でなんとかわかるってレベルなので、もうちょっとこう…見た目で違いだしてあげて…たとえばダニマッチョなんかはちゃんとキャラも立ってるし一発でわかるんですけど、まあそこは紙の色が黒だからですよねっていう。あ、このダニマッチョのあたりは笑えましたよ。というかリリが呪いかけてやるーってのがいくつかあるんですが、それがまた可愛いです。でもねぇ…第一王子のウィリアムがリリの相手となるんですが、見分けがつかないし、変な髪型のせいでどうしても「美形」ではないんですよ。惜しいなぁ…ちなみに少女漫画あるあるの剣術シーンがまったくダメってのも踏んでますね。描けてないですが、まぁもうこれに関してはあきらめるしかないです。何がどうすごいか「絵」で見せられないのならもうあきらめるしかないんですよ。リリの台詞だけで納得するしかないです。ひざだっこのシーンにしても、何が起こってるのかわかりにくいので、派手な動きのあるシーンが描けないんだなぁと。小さく描かれている腕立て伏せの絵とかね…立ち姿の絵もイケメン感がほぼなくて…たぶんこれ、女の子はドレスで足元隠しているからなんとかなってるけど、人体デッサンだめなんでは…と思わされましたよリリとウィリアムが並んで歩くシーンというか絵があるんですが…いや…うーん…頭身…ただまあ、丁寧な作画には感じられますし、たしょうごちゃっとはしてますが、雑といった風には感じられませんでした。これっていちおうは令嬢もの恋愛なんですし、少女漫画なので、「イケメン」「美男子」はちゃんと美形に見えるように描いてほしいんですよね…そこがこちらのコミックの最大の難関でした、自分には。あとは、わたしは学園ものが苦手なので、そこも読み進める気にならなかった要素の一つになってます。学校編になればわかりませんが…ヒロインのリリに「対等な立場の友人」がいないってのが、まずだめなんですよね。令嬢もので友人がいない設定なんてたくさんありますし、そんな中でも好きなコミックは多いんですが、たとえば家が極貧で学校に通う資金がなかったり、親に監禁状態にされていたりと、「学校」にいくことができなかった、という環境があるなら、親しいのが侍女だけっていう狭い交友なのは納得なんですが、リリは学校に行ってるんですよ。で、友達ができてないってどういう?これは惜しいんですよ。家族に溺愛されているヒロインのリリは、相談事も結局は家族にしかできない。しかも、「溺愛しているけ兄弟に、ですよ。こんなの絶対味方になるとわかっているし、リリの感情や思考を全肯定ですよね?そんな環境の中にいるリリの「性格」は、つまり一方向しかみられないんですよ、読者としても。リリに意見してくれる友人ひとりもいないのって、キャラの性格の掘り下げができないってことでもあるんですよ。家族以外、恋人以外に見せる顔、というのは存外大事なものです。キャラクターの多面性を読者に見せることで、より深く好感や共感を得られると思うんですよ。友人のいないヒロインが嫌い、というわけではなく、キャラクター性を見せるためにいた方がいいのになぁという感覚です。この漫画の主人公リリアーナは、溺愛されるだけのキャラなんですよねそれが悪いわけではないんですが、けっきょく「それだけ」になってしまうので、退屈になってしまうんですよ。その点がちょっと惜しいかな、という。とはいえ、全体的には読んでいて面白かったし、リリがウィリアムとの婚約はいやだーって言いながら親しくなっていく過程は楽しめました。最初「これでいい」と言われたことに腹を立てていたのも、そりゃそうだ、そりゃ婚約なんぞ無理やって思うしね。わりと無理のない流れで、物語に没入できます。あとは、美男子…というか、男…男をイケメンに描いてくれよ…兄二人も弟二人も、せめてかきわけはしてくれ…つーか、ほんとヒーローがそれってのはまずいでしょう…美形要素と「氷」要素もだしてやって…絵柄は好みが分かれるかもしれませんが、女の子はとても可愛く描けているので、それだけはほっとしてます。コメディというか、リリのおもしろい言動が「小動物」かはさておいても、「おもしろかわいい」のは間違いないと思います。令嬢ものでコメディ要素強めなのがお好きなら、こちらは楽しめるコミックだと思います。
2025.09.16
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魔力がないからと面倒事を押しつけられた私、次の仕事は公爵夫人らしいです 1 (フロース コミック) [ ここあ ]価格:792円(税込、送料無料) (2025/9/13時点)楽天で購入なかなかに面白く読めたコミックなんですが、ちょっと惜しいなと感じた。でも全体的に不快感とかツッコミしかねぇということはありませんので、わりとさくさく読めます。虐げられ令嬢ものなので、その設定部分はしかたないんですが、面白くありません。婚約も破棄ってながれがあって、ぶっちゃけそんなのは読み飛ばしていいレベルでどうでもいいです。たぶんその要素を入れないと「うけない」と言われてそうで、しかたなく入れたみたいな。それぐらいテキトーに描かれていますし、婚約者の存在も寝取り妹の存在もぺらっぺら。ほんとどーでもいいです。この作品の魅力の大きいところって、「騎竜」という存在にあります。獣の奏者 1闘蛇編 (講談社文庫) [ 上橋 菜穂子 ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/9/13時点)これって獣の奏者…?とはじめは思っちゃいましたが、あれほど重厚な内容ではない、ゆるーい令嬢ものなので安心?して読めると思います。実のところ「惜しい」と感じた要素もここにあります。「騎竜」の設定よかったとおもうんですよ。デザインもです。正直にいえば漫画家さんの絵がもっと上手かったら、もっと素晴らしい「騎竜」デザインになっただろうなと思わなくもないんですが、まあこれは今後上手くなるかもですしね。騎竜のベースデザインは「鳥」と「龍」なんですが、「鳥」要素が強めなのがいいですよね。ダチョウあたりがベースになってるのかな?一応「羽」はありますし、走る力も強くジャンプ力もある。顔は竜顔なんですが、耳は猫や犬といった哺乳類系で、品種改良されて今の「騎竜」になった、と。この小型の竜、騎竜は天からのギフトとされるほどの希少な生き物で、騎乗するにも免許がいるとかなんとか。ここはちょっとどうかと思うけど…免許って、車じゃないんだから…そもそも竜を保有することが難しい、つまりかなり高価なわけですし…ただまあ、騎竜で郵便物を運ぶ仕事があるわけで、それに関しては「免許」がいるってんならまあわかるかな…しかしこれって「騎鳥便」ってやつでは…ハクメイとミコチ…いやまあつまりいろんな話のいろんな設定が盛り込まれてる感じですかね、全体的に。ヒロインのアルジェリータは騎竜のお世話をすること自体は好きで、やりがいを持っているようなんですよ。そこはよかったんですが、ちょっと中途半端な思考回路なんですよね。虐げられてきたからいじいじした性格なんだってのを描きたいんでしょうが、気位の高い竜の世話を続けて、しかもその騎竜の一頭から信頼のあかしとして羽をもらっているんですよ。騎竜はとても知能の高い生き物で、「主人」を第一に思っているし、さらにいうと貴重ないきものゆえに、落ちた羽であっても主人の許しなくそれを別の人間が保有することはゆるされない、という設定があるんですよ。つまりそれほどに、騎竜から信頼されてきた、ということ。亡くなってしまった騎竜のことはアルジェリータにとっても大切な思い出のわけですよね。責任と誠意をもって仕事をしてきた人間が、狭い視野でしか「自分」をみず、見当はずれな卑下でいじいじするのは、妙な違和感があるんですよ。それはまあ改善されていくからいいんですけどね。実家の都合かなんかでとつぜん公爵家に嫁入りってのもテンプレなんでそこんとこもどーでもいいんですが、到着した公爵家でのやりとりが、ものっっっっすごくわかりにくい。嫁ぐはずだった老公爵はすでに亡くなっていると聞かされて、マーガスという次期公爵が出てくるんですが、そこからの「会話劇」が不自然極まりないんですよ。普通に考えて、嫁ぐはずだった老公爵がなくなったと聞き、実際マーガスも「ではなぜ迎えの馬車がいったのか」とその答えの「さわり」を提示しているんですよ。そうなったらまずヒロインのアルジェリータは出された朝食なんてそっちのけでいいから、説明を求めるべきなんですよ。なのに延々とごはん風景が続くっていう。ヒロインの好物とかそんなん後でいいから!!たとえばこれを、マーガスが最初から説明するつもりもなく、むしろごまかそうとして話を逸らしている、というのならまだわからないでもないですが、最初に老公爵は亡くなったという話について水を向けたのはそのマーガスなんですよ。なのにむしゃむしゃ飯くってるって、ヒロイン、頭おかしいの?って、とにかくここで躓きそうになりましたわでもそのあと、マーガスは仕事があるからとさっさと席をはずそうとするし、この人たち「会話」とか「説明義務」って知ってる?あげくにアルジェリータは「仕事くれ」とか言い出す始末。ここはまず仕事の有無ではなく、説明を求めなさいよ。もうここの流れはイライラしかなくて、「仕事ください」「なら嫁になれ」って、頭痛くなる会話しかないんですよ。よくこれ編集さん通したし、漫画家さん自身、変だなと思わなかったの?っていう結果的にマーガスさんちには騎竜がいて、その世話をしてくれる人がほしかったって話に落ち着くんだけど、だったらはじめからその話をしろやっていう「君の事情はおおよそ把握している。騎竜の世話に慣れていることも聞き及んでいる。その腕を見込んで、こうして来てもらったのだ」とでもなんとでも説明できるやん?老公爵との再婚話は実際にあったが、それを利用させてもらった、とでもなんとでも。そうなれば、あんな無駄な会話シーンなんて必要なく、ヒロインにしても納得できたでしょうよ。もうとにかくこの序盤はダメすぎた。けれど後半に進むと、イライラは収まってきます。少しですが。アルジェリータとマーガスの交流もあって二人が心を許しあっていく過程もちゃんと描かれているのはよかったですし、マーガスの騎竜のポルカがやきもち焼いてるっぽいのも可愛かった。こういうところにページ数割いてほしいんですよ。読むとわかりますが、けっこう無駄ページが多いです。あと読みにくいのは、文字が人物やなにがしかの絵の上にあるので、ひっじょうに読みにくいことでしょうか。べつに読めますけど、なんというか…漫画としての描き方はそんなにうまくない印象です。とはいえ、ヒロインのアルジェリータのキャラデザはわりと好きかも。きらっきらに可愛い系ではないけれど、誠実でまじめなキャラ、という雰囲気は出てます。マーガスに関しては、正直ちょっとまだわかりません。が、嫌いではないですね、見た目も性格も。ただ、ヒロインたちが居る「舞台」についての説明がわからなすぎます。王宮からの手紙を燃やしてみたりなんだりいろいろ舞台裏ではあるようなんですが、その「裏舞台」がわかりにくいので、もうちょっと安易でいいので描いてほしい…こういうところにページを割かないんですよ。なのでマーガスの関しての理解度もどうしても下がってしまう。それはヒロインに関してもそうなんですけどね。魔力がひくいってだけで家族から総スカンって、なんでなのかがわからん。ま、そこはどうでもいいや。どうせテンプレなぞっただけだろうしね、と割り切れば。そしてなにより気になるのは、「日本語のおかしさ」です。これもなろう系あるあるで仕方ないんですが、会話としてのおかしさもそうだし、文章の使い方としてもおかしいってところが散見されて、赤ペンチェックがはかどるっていう有様なんですよ。冒頭話だと、「つまりこれは結婚ではなく、労働」とヒロインが内心で思うわけですが???せめて雇用関係を結ぶとかなんとか、ほかに言い方あるんでは?ここの流れをぜひ読んでほしいんですが、この台詞、もやっとするんですよさらにそのすぐあと、マーガスによろしく頼むと言われてアルジェリータもにっこり微笑んで内心で思うわけですよ「恥ずかしいことはない、だって彼は私の雇い主なのだから」って。その「恥ずかしいこと」ってどこにかかるんですかねっていう話なんですよ意味不明すぎて困惑。ここらはページごとにツッコミだらけの文章が続くので頭痛くなること請け合いです…いやほんとひどい…アルジェリータがマーガスさんちの事情について使用人に訊くんですが、それなりにお家事情をなっとくして、思うわけですよ「だから謎が解明されるまでは私も彼らの流儀にのっとろう」といや、わかりますよ?まちがいとは言いきれませんが、使い方が微妙なんですよ「のっとる」の。漢字だと「法る」「則る」後者が雰囲気には合いそうですが、それはともかく、これって「乗っ取る」と間違えやすいんですよ。こういった場合は「彼ら(使用人)の流儀にのっとった行動を心がけよう」とかにしてくださいよっていう。難癖かもしれませんが、「のっとろう」だと日本語の文章として違和感はんぱないんですよ。いやもうほんと「会話」の端々にこういう日本語のおかしさや、会話として成り立ってない不足さがあって、そこが辛すぎる。惜しいなと思うのはほかにもあって、せっかくの「騎竜」の存在が生かしきれてないところでしょうかね。好きなのでもっと出してほしい。というかヒロインだって騎竜好きなんだから、もっと騎竜との交流シーンが欲しかった。これはつまるところマーガスとの交流にもつながるんだから。それと、この漫画のヒロインだけに限ったことではないのですが、ヒロイン令嬢が仕事クレクレからの使用人がするので仕事はなし、暇だ…っていうパターンね?これ、よくないんですよ。ヒロインの有能さを出したのならやってはいけない流れです。とくにこのアルジェリータは騎竜の世話が仕事としてあるわけで、それならそれで「暇」になるなんてことないんですよ。今までなにしてたの?騎竜が一頭しかいないからなんとのは理由になりません。どんな仕事でもそうですが「仕事」ってのは自分で考え、見つけていくものです。とくに騎竜の世話なら、餌を与えるだけが仕事ではないはずです。厩舎の様子を眺めて糞の片づけもあり、その糞から健康状態を見るのもいいでしょう。飼育環境をあらかじめ学んでおく必要もあります。餌の配合に関して勉強してみるのもいいでしょう。牧場があるならそちらの整備も必要なはずです。草むしりひとつしないで「暇」とか何ほざいてんの、となってしまう。言われたことしかやらないのは「有能」ではないんですよ。それしかできないってことですから。それこそ「暇」なんて「暇」はないはずです。生き物の、しかも大型動物の世話がどれほど大変かわかってなさすぎですよ。探求心があるなら、騎竜の生態についてもっと知りたいとか…そういう「騎竜」大好きってヒロインの性格を、ただ台詞をだらだら語らせるより、行動で知らしめろ、と言いたいんですよ。こんなの口先だけで「騎竜」好きって言ってるだけにしかみえません。このあたりは原作が原因なのかもしれませんが、べつに設定を変えるわけではないんですから、ちょっとコマの端々で描いてみせるくらいの判断はしてもいいと思うんですけどねーといってもこれはなろう系の愛され令嬢ものでしかないので、そういうの求めちゃだめなのかしらね…という残念な気分になります。もったいないなぁ、と。騎竜かわいいし、いいキャラなのに、こんな素敵な存在感のある竜をだしといて、そこをネックに話に深みをつけようとしないのはもったいなさすぎるんですよ。話自体はとくに面白みもない分、ゆるく読み進められるので嫌いではないんですけど、この「もったいない」って感情が立っちゃって…先はもうどうでもいいかなって…絵はたぶん描き慣れればうまくなっていきそうな雰囲気あるし、絵柄自体はけっこう好きです。あと、難癖というか自分の好みでなんですが、作業着は「スカート」じゃない方がいいぞ!!!ここんとこも「仮に」ってんならわかるけど、スカートで作業はほんとありえないですからね。そういうところがじつは「絵」で表現することの下手さにつながるかなって。ふわふわのスカートはいて、お外の仕事します(大型動物の飼育)と言われて、納得できるかって話ですよね。ガーデニングですら、無理です。ここのところ、ちゃんと考えてほしいかなって。いろいろ言いたいことはあるのだけど、けっして「無理」って話ではありませんでした。マーガスの魅力に関してはまだ描かれていないのでなんとも言えませんが、ヒロインに関しては不快感ってあまりありませんでしたしね。何やら裏事情がありそうな「におわせ」もありますから、令嬢もの好きなら読んでみてもいいかもです。
2025.09.15
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彼方から 1 (白泉社文庫) [ 新井素子 ]価格:792円(税込、送料無料) (2025/9/13時点)楽天で購入知る人ぞ知る、少女漫画のファンタジー。地味ながらも良作といえる作品です。古い作品ではあるし、絵柄もむかしの少女漫画って感じなのですが、良い意味でとてもあっさりとした絵柄でごちゃつきがないのでとても読みやすいです。王道ともいえるファンタジーで、主人公二人、ノリコとイザークの恋愛を主軸にしながら戦いにも巻き込まれていく…そんななかでもキャラ達全員の心情の描き方はさすがといえる丁寧さです。異世界ファンタジーなんですが、コミック14巻で終わるんですよ!!今の少女漫画って無駄に間延びさせほちゃってつまらなくなってしまうんですよ…その点、こちらはさくっと…いやまあ完結の巻が出るまでの年数は長かったですが…終わります。こちらの作品の「良い点」と「物足りない点」が同じなんですよ。たくさん登場するキャラクターにはそれぞれ複雑な事情があるんですが、それをいちいちだれそれの過去編といった風に横道にそれる、という描き方をしないんですよ。作中で語られはするんですが、長々と語ったりはせず、主軸はあくまで「ノリコとイザーク」です。このブレなさがよいんですが、同じように物足りなさも感じます。もちろんこの物足りなさは、良い意味での物足りなさです。読み終わった後に、あのキャラはどういった生きかたして、今後どうなるのかなぁと想像させてくれる余地を読者に与えてくれるんですよ。これはとても大事なことで、脇キャラの過去編てやりだすと、物語が無駄に長引いて、「それはもういいから本道にもどれよ」となってしまうんですよ。ある程度の情報を仕込んでおくだけでいいし、「主軸」は真ん中にどしんと据えておくべきです。そういった点で、やはりこちらの作家さんは漫画家歴長いだけのことはあるなぁ、と。キャラクターデザインもよくて、とにかくいろんなキャラを描ける人です。もちろんそれは「見た目」もです。老若男女、いろんな人を描けて、当たり前のことですが、全員顔が違います。似た体型、似た髪型、というキャラが出たりはするんですが、顔はちゃんと違うんですよ。細かなことかもしれませんが、こういうのが本当に「上手い」。老人はちゃんと老人で、中年は中年、ごつい男もごつい女も、美女も、キャラ造形がしっかりしてます。異世界召喚ものとして、当時は珍しい部類の少女漫画だったのかもしれませんが、少女小説ではある設定だったので、すんなり受け入れて読めたのもよかったですねーもちろん、気になる点もあったりはします。そもそも「天上鬼」と「目覚め」ってなんなのかが、じつのところはっきりしないんですよ。天上鬼とは、誰かが人工的に作った破壊兵器だったのか、自然発生的に生じたものを誰かが「加工」したのか…天井鬼は過去にどれだけの回数現れて猛威を振るったのか、討伐された過去はあるのか、今回が初めての「発現」なのか…闇の勢力のおっさんたちが一応裏から手をまわしてるわけですが、そのおっさんたちが「作った」破壊兵器だとはどうしても思われないんですよね。取り込んで利用した、という描き方のようでもあったので。そして「目覚め」の存在はいつから知られるようになったのか。何を意味する「目覚め」なのか。いわゆる闇の勢力にとって目覚めは予想外の存在なのか、もともと仕込んでいたものなのか。このあたりの細かい設定も、詳細に語られることはなかったので、妄想にとどめています。もしかしたら設定集に書いてあるかもしれませんが。おそらくは天上鬼を作るに際して「核」を用意したと思うんですが、それって「光」だったんだと思うんですよね。なぜって光には闇が生じるから。なので、核には光を用いて、破壊するための闇の「魔」兵器をつくったと。破壊だけが目的の意志のない化け物の予定が、核が光だっただけに「目覚め」であるヒロインの典子が邪魔になった。つまり「光」の部分を目覚めさせるわけにはいかんので、典子はなんどか命を狙われる。つまりまぁ、光の勢力が用意したのが「典子」ってことかしらねぇ?過去には出来損ない、つまり試作品の天上鬼はいて、破壊をしつくしていたかもしれないけど、なんどとなく討伐されてきた、と。なにしろ試作品だから、弱い。で、やっと完成したのが「イザーク」だったんだけど、と。天上鬼についての説明は作中にそれほど出てこないのだけど、想像させるだけの情報は出ている、というのが肝です。わたしの妄想はあくまで妄想ですが、妄想をするにしてもネタの核がいる。その「核」がある状態、ということ。そしてこの「核」はきちんと存在しているので、作中ではくどくど語る必要がないんですよ。ここらも「上手いな」と感じたところです。キャラクターの対比も、うまく描けてるなという印象です。ヒーローにあたる「イザーク」と敵側の「ラチェフ」がそうで、この二人は見た目も似ているので、最初から対比キャラとして描かれていたと思われます。ラチェフ様、好きなんですよねぇラチェフとイザークはほんとうによく似てて、ラチェフが天上鬼になっちゃえば早いくらい、ちゃんとした「悪役」なんですが、「核」が闇ゆえに、天上鬼になれなかったのかもしれない。最期、気の毒だけど、よかったねって思えたんですよ。いや、黄泉路をいくことになるんですが、占者のおっさんゴーリヤが道連れ、というのがいいですよね。美女タザシーナじゃなくて。美女タザシーナはラチェフ好き好きでしたが、べつにラチェフ様が好きってわけではなかったですしね。いい美女でしたわ…生き残っちゃったので、いつかは美魔女になって静かな余生を送ってほしいものです。タザシーナはある意味で典子の対になる存在でしたね。自分は優れていると自信満々なタザシーナ、ラチェフと並び立って権力の頂点に立ちたい野望もある。いっぽうの典子はごくふつうの女の子で、ひたすらにイザークが好きでちょっとした能力はあるけどそれで身を立てるなんて考えもつかない。不思議なことに、わたしはこの漫画の主人公ふたりを、とくに「好き」だとは感じていません。もちろん好きではあるんですが、いわゆる「推し」的な感情ではないっていうか。むしろ「推し」感情はラチェフ様に向いてるしな…脇にいるアゴルとジーナハースの父娘、とかね。推しキャラはいないといってもいいんですが、話がちゃんと少女漫画してていいんですよね。ひとつひとつのエピソードもとても丁寧なんですよ。最終決戦の前に、典子が敵側に捕らえられて乱暴に髪をばっさばさ切られてしまうって出来事があるんですよ。これ、うまいなと思った。髪の毛を乱暴に切られるのって、すんごく怖いんですよ。ダイレクトに体や顔に暴力を振るわれるのもそりゃ怖いんですが、髪の毛を切る、という行為って存外怖い。そしてこのエピソード、ちゃんとイザークの感情につなげられるんですよ。髪より、たとえば体や顔に血が出るほどの切り傷を典子が負っていたら…イザークは「闇」落ちしてしまったと思うんですよ。髪を切られて、みっともないからと泣く典子を見て、イザークは悲しんで泣くんですよ。もちろん怒りもありますが、まず悲しみに打ちひしがれるそのあと微笑んで、出会った頃の髪の長さだなと慰めるくらいには、怒りに我を忘れてはいない。ここ、なぜ重要なのかというと、話の初期、典子はでっかり鳥に襲われて、岩にあたり、怪我を負ってしまうんですよ。それを目の当たりにして、イザークは動揺するし、怒り、「天上鬼」の闇部分が覚醒してしまう。このエピソードとの対比になるんですよ。キャラクターの感情の出方をきちんと把握しての描き方ですし、「生きたキャラクター」なんですよ。後半で出くるグローシアやアレフが好きなキャラなので、どんな過去だったのか知りたいなぁ知る人ぞ知る少女漫画ファンタジー、がっつり少女漫画ではあるんですが、一読の価値はあるかと思います。もちろん、少女漫画とファンタジーが好きなら、ではありますけど。良質なファンタジーでもあるし漫画としての出来も「さすが」なので、令嬢ものの漫画を描かれてる新人漫画家さんは、ぜひ読んでほしいですけどねっっっっ
2025.09.14
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身代わり婚約者なのに、銀狼陛下がどうしても離してくれません! 1 (フロース コミック) [ みやの 真琴 ]価格:715円(税込、送料無料) (2025/9/11時点)とにかく絵と漫画が稚拙で、読むのがとてもしんどいコミックでしたね…ヒロインのアイリに不快感があるとかいう系の読んでてしんどいって感じではないのですが、とにかく漫画としての出来が不出来すぎて…なんていうのかしらね、これ、漫画家さんが不憫になってくるレベルですだれか指摘してあげなかったの?冒頭の、巻頭カラーの漫画?からしてわかりにくいんですよ。「ちっ」といってる男と、男に肩を貸している女がいるんですが、その「ちっ」男と、肩にうずくまくってる男が同一人物なのかがわからないっていう。しかもこれ冒頭に持ってくる意味ある?大きいコマをつかってるけど、「よくわからない」コマにしかなってないんですよ。そして始まる漫画なんですが、もうね、ぜんぜんダメすぎて…ヒロインの妹のクリスティーナが家出したってのはまあどうでもいいんですが、ちっさいコマで膝を抱えてる子とかいてそれが弟だってんですがよくわからないし、とにかく絵が下手すぎてさっぱりわからない上に、なんとも説明しがたいのですが、文章が稚拙なんですよ。絵がチ稚拙で、「絵での表現」ができていないのに、文章での説明までわかりにくいっていう。そもそも義理の妹とアンリとの仲はどうだったのか、というのもわからない。アンリに充てて手紙を残しているのだから仲良いのかとおもったらなんかそうでもなさそうだし、家族構成がどうで、その家族の中でアイリが「養女」である以上の情報がまったくない。国王が人狼の末裔でそれをなだめるのがヒロインなわけなんですが、たびたび、アイリは陛下を「犬」みたいだなと思うんですが、そのわりに愛犬家って描写もないんですよ。犬は飼っている設定ですが、その犬にしても特別可愛がっている、という描写がなくて、ただ犬に好かれやすいという「自慢」を心の内でちらっと語るだけ。父が浪費家で、というけれど家がどのくらい困窮してるのかもわからない。使用人が「二人」やめたというけれど、100人以上いる使用人のうち二人がやめたのか、10人程度の使用人のうち二人がやめたのか、そういった「比較」もないので、アイリが使用人の代わりを務めてるくらい…とかいっても、わかんないんですよ。伯爵家ですから、使用人が10人未満ってことないでしょさすがに。わかりませんが。とにかく漫画としての「絵的な」な説明も稚拙なんですが、文章での説明もすごくわかりにくいので、ダブルパンチなんですよはっきりいってページごとにつっこみあるといっても過言ではありません。適切な言葉で説明することができないんだなと感じました。「機嫌を損ねた時に備えて銀狼陛下の攻略法なんか用意してくれてもかまわんのだぞ」って父親の台詞があるんですが、…もちろんこれ、言いたいことはわかりますよ?でもすんごい違和感なんですよ。また別のページで執事…宰相?のサイラスが陛下に言うんですよ「ご自分でお決めにならないと 後でご機嫌が悪いでしょう」これもね、意味はわかりますよ?後で機嫌悪くなるじゃないですか、ということを言いたいわけですよね?言いたいことはわかるんですが、もっと他の言い回し選んでくれっていうのがめっちゃあるんですよ。「先王に仕えた貴殿は今まさに玉座につく余を蔑ろにすると申すか」これもです。へんでしょう?言いたいことはわかるんですよ?先王に仕えていた貴殿が、先王の世継ぎとして正式に玉座についた余を侮辱するのか、それはつまるところ先王をも侮辱することになるのだが、そうとってよいのだな?不敬であろう。ってことを言いたい…んですよね、たぶん?いやみういちいちあげたらキリがないほどあるんですよ「大きなお気持ちで伯爵家をかばってくださったこと」そこは寛大とかいいようあるやろっていう。まあ、これに関しては漫画家さんというよりは原作者さんのせいかもしれませんが…かりにも出版というか世に出す前に編集担当さんがいるはずで、さまざまにチェックはしなかったの?もうほんとにこれ…満足に編集というか校正含めた「チェック」が入っているとは思えないんですよ。漫画としての出来が、ですよ。絵が稚拙すぎるのをこの漫画家さんもデフォ絵でごまかしているし、陛下登場シーンの謁見の間?のシーンなんて唖然とするほどのひどさです。そもそも謁見の間に通されたこと自体がわからないという、「描かなさ」っぷり。もうここは直に見てほしいですが、やたらとコマを消費しているんですが、はっきり言いますが「酷い」です。で、陛下が来てヒロイン見もせずに仕事始めた、と「説明」してますが、…どこが?となる「絵」のわからなさ。そして陛下の顔のアップですが、目、足(足を組んでるっぽい)、どあっぷ、なんですが、……え、なんで足?そしてなんて綺麗なお顔だろうっていうけど、けっこう遠く離れたところにいるんですよ。その「遠く離れている」シーンを描いているのに、なんで「綺麗な顔」とわかるの?その遠く離れている絵では、陛下の顔は「見えない」にも拘わらず、です。コマの使い方自体が下手なんですが、ヒロインの父というか叔父上にあたる人のライバルおっさんが登場するシーンが、漫画の下手さを表してくれてます。まず、ページの右上で「ぞろぞろ」歩いてきてそれがおっさん。で、真ん中のコマで大きくおっさんの挨拶シーン、その下の右コマで「これはこれは」とアイリの叔父上が顔を半分描かれた状態。そして次のコマでおっさん二人の握手シーンなんですが、これ、アイリの叔父上が右コマで描かれている以上、握手したコマは横向き、向かい合って握手してるその右側にいるの、アイリの叔父上と思うじゃないですか。でも実際はライバルおっさんが右側に立ってるんですよ。ここも実際に見てほしい…わたしは漫画なんて描いたことありませんが、それだってたくさん読んできただけに、わかりますよ、このコマの流れがすんごい不自然だってことくらい。さらに次のページでなんの前触れもなくサイラスが出てきて、「案内します」ってほんと唐突なんですよ。どっからきたよ?ここはサイラスの「知者」ぶりをしめすためにも、この二人のやり取りを遠巻きに見ていた、くらいのことはしてほしいんですよ。もう、赤ペンチェックしたくなること請け合いですよ、これ。ほんとに漫画に慣れてないんだなぁ…としか。全体的に、キャラの顔もぶれまくるし、たぶん「横顔」描くの苦手?というか稚拙な漫画家さんあるあるですが、横から見た「人体」のデッサンがダメなんでしょうね顔のアップだけなら、決して下手ではないんですよ。背景などはおそらくアシスタントさんか素材でしょうね。それらと漫画家さんの絵がかち合わない、といったことはあまりないのですが、キャラの顔は安定しないし、手は描けないし、腕も描けないし…申し訳ないけれど笑ってしまったのは「ベッド」ですめっっっっっっちゃ「高い」んですよ。ベッドサイドに二人が並んでるシーンとか…これも見てほしいんですが、ヒロインの腰の高さまであるんですよ。これに「座れ」と言われても「えっ、登れってことっすか」と…なんの苦労もなく座りましたけどねしかも陛下、足、ぶらんぶらんな状態なんですよ…子供かよ…各ページ、下手じゃないところがなくて、漫画家さんには申し訳ないけど…もうちょっと何とかならんかったんかい…としか…しかもこれ5巻まで続てるようなので…ま、まあ、練習次第かもしれませんね…内容に関しては、じつはそう悪くないと思えるんですよ。アイリはべつに賢明ってわけではないけれど、そこそこ普通の女の子ですしね。わたしは「俺様男」は好まないんですが、この陛下に関してはおもいのほか「俺様」感がなく、馬鹿っぽくもありません。ちょっと惜しいなと思ったのは、この漫画だけではないのですが「獣耳」の「あり方」です。ただのカチューシャみたいなんですよね…ちゃんと「耳」としての機能があるなら、人間の時の耳はどうなったのか、たぶんこれ考えられてないですよね?この「人間の耳」が「狼の耳」にとってかわって生えてくる、なら良かったんですよ。でもなんかそれっぽくなくて、遊園地で買うカチューシャくらいのお手軽耳。ここは惜しかった。あとは、国王として「俺様」というか「居丈高」にふるまってはいても、もうちょっと「ワンコ」っぽさをだしてほしかったなぁ、と。ギャップが大事なんですよ、こういうの!!「俺様系男子」のようにふるまっておきながら、ヒロインの前ではかなりの「ワンコ気質」つまりちょっと甘えん坊で、表情もしゅんとしたり、うれしがったりを「可愛く」描いてくれたらなぁと。まあ、この漫画家さんの漫画力では無理かな・・・と思ってしまったけれどね…つまりまあ…話の内容自体は、ちゃんと「妃」に関しての後宮関連の謀略だのなんだのありそうだし、悪くはないと思います。漫画家さんの技量がそれについていけるかが微妙ってところではありますが。そして「サイラス」がどう見たって賢いって感じしないのに、知略に優れたみたいな描かれてて…そんなシーンどこにあった?って首をかしげますよもうちょっと漫画力っていうか、そういうのが高ければ続きも気になったんですが、さすがにこの絵と構成では…読むのはストレスになりかねないので、やめてしまいました。ただ、令嬢ものとして、内容は悪くないと思うので、令嬢ものが大好きって方なら、読んでみるのもありだと思います。
2025.09.13
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ポジティブ令嬢フローラの幸せな契約結婚(1) (モンスターコミックスf) [ ミキマサハル ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/9/9時点)残念、といった印象のコミックですね、こちらは。何がって…まあ表紙からもわかると思いますが、絵と…なにより漫画としての出来がすごーく稚拙です。ちなみに作中の会話というか言葉の使い方もところどころ微妙で、これは原作由来かもしれませんね。正直なところ、内容はテンプレ以外の何物でもない、としか言いようがないです。虐げられていた継子ヒロインが評判の悪い貴族の家に嫁いでとこで幸せになるってだけの話。ヒロインのフローラが楽天的なので、いじめられてうじうじめそめそしないのは良い点ともいえますが…まあつまり、その点だけにおいて、読んでいて不快感はまったくなかったです。以上にじぶんを卑下して天然ぶることもそうないですしね。ただ、「もったいない」んですよ。話の内容はテンプレでしかないけどメインの登場人物はそんなに悪くもない…んですが、漫画が稚拙すぎて、読んでて突っ込みどころ満載なんですよ。言葉遣いとかもですが。まず、ヒロインのフローラはタイトル通りにポジティブというか、物事を楽観して考える性質なんですが、一話目だとポジティブというより、「無神経」なんですよ。そりゃ継母にも妹にも嫌われるだろうっていう物言いをしてしまうんですよね…これは嫁ぎ先ではみられないんで、おそらく作者さんがポジティブと無神経のバランスをとれていないんだと感じました。アルフレッドの設定も悪くはないんですよ。父親が主な原因となって女性嫌悪になってしまった理由もまあわからなくもないっていうか。とはいえ理由付けがかなり雑ではあることもたしかですが。とにかくこのコミックは漫画家さんの力不足が大きいです。絵も、ぶっちゃけそんなうまくはないんですが、とにかく漫画が稚拙だとしかいいようがありません。まえまえから言っていますが、この漫画家さんもデフォルメされたキャラ絵を多用するんですよ。いくらふんわりした内容の話といっても、使いすぎです。これってたぶん「君を愛することはない」という台詞シリーズの一環なんでしょうが、そのひとつとして、わたしが購入している次期公爵「きみを愛する気はない」と言った次期公爵様がなぜか溺愛してきます(4) (ポラリスCOMICS) [ 水埜なつ ]価格:869円(税込、送料無料) (2025/9/9時点)この漫画家さんも決してうまくないですし、なんならほぼアシスタントさんに作画頼んでるっぽいところあるんですが、デフォキャラ絵はまったくといっていいほど使っていません。…かけないのかもしれませんが…いちおうほっこりシーンであっても、デフォルメキャラ絵でごまかすようなことはしていません。こちらの場合は単純に人物デッサンができてない、なんですよ。もちろん説明不足だったりは多いし、とにかく絵がアレなのでひっかかるところは多いんですが、上のフローラほどひどくないです。ポジティブフローラの漫画は、他にも人物デッサンができていないために、少女漫画あるあるではあるんですが、アクションシーンがまったくダメです。アクションといっても「ビンタ」です。そしてビンタ失敗して転ぶ、というアクションですらかけていない。致命的なんですよ、これ。ヒロインはクロスボウを使って狩りをする設定があるからです。このクロスボウに弦をかけるシーン、つまりお店でそれをやってみるシーンがあるんですが、その「絵」が描けていないんですよ。漫画なんだからそこは絵で見せなさいよ、と。ただ、描けないんだなぁ、とわかってしまう。それに人物が会話しているシーンですら、どのような立ち位置になっているのかがわからない。もうほんとにね、「顔」しか描けないのがありありとわかるんですよ…しかもその顔も別にすごく綺麗というわけでもないっていう。そしてコマの使い方もびっくりするほど下手です。わたしは漫画は描きませんが、そんなわたしにでもはっきりとわかるほどに、コマの使い方が「おかしい」んですよ。漫画のコマって、ある意味で小説でいうところの「地の文」にあたることも多々あるんですよ。漫画ではコマの流れで時間の経過をあらわすこともあるし、俯瞰の絵で全体像を把握させてくれる役割もありますよね?ところがこの漫画、なぞのコマが多いんですよ。無駄コマが多い。余白としてのコマと、無駄なコマってのは違うと思うんですよ…最初、フローラとアルフレッドが部屋で会話してるシーンがあるんですが、こまごまとしたコマ割りで、しかもそのコマでやたらと部屋の壁とか天井とかが描かれているんですよ、なのに、部屋全体がどうなっていて、二人はどのような位置関係で座っているのかもわからない。一応はテーブルで差し向いになってるコマがなくもないんですが、そういった絵はなぜか背景まっちろけっけ部屋の全体絵は素材なのがモロバレですしね…それいがいはほんとに背景まっしろなんですよ。要らんコマが乱立してるので、そういうの省いてほしい。このヒロインには隠された秘密というか、目の魔力ですね、それが示されているのがメタボ親父がビンタに失敗しるところなんですが、あれだけじゃぶっちゃけわかんないです。そしてこの設定って別にいらんやろと思ってしまった。なにしろフローラは狩猟経験があるんですから、その経験値から攻撃に対しての反射能力があがったってことでいいやん?それを魔法だなんだにしてしまうのはかえってもったいない。もったいないといえばアルフレッドで、女性恐怖症…なのは別にいいんですが、やはりそうなってしまった理由の漫画としての描写が下手なんですよ。いやでもこれ原作からなのかもしれませんが、笑ってしまったんですよね。卒業式に男性の服のボタンをもらったらとかいう……なにこの昭和感…さすがにこの設定はないやろと。もうこんなん単純に、父親の浮気相手から、自分もまきこまれて色仕掛けされて、さらに押し倒されたとか…つまりレ〇プまがいのことをされて、それが原因ってくらいでいいんですよ、ここに凝った設定なんで必要ない。女性に対する蔑視が、フローラと出会うことで見る目が変わり、こういった女性もいるのかと心を癒していけばいいんですよ。単純な話で良いと思う。それから、せりふ回しも微妙に稚拙なんですよ。これは原作由来かもしれませんが。間違った言葉の使い方ではなくて、せりふ回しが「せりふ」でしかないんですよ。「君を愛することはない」がまさにそれで、これがひとつのジャンルとして確立してしまったがために、どっかにこれをいれなくちゃならないのかもしれないけれど、この台詞、言わせる必要がないんですよ。というのも、初めから「一年契約」と説明しているんですよ、事情こみで。なら、いちいち「愛することはない」なんていう必要がなく、ただ「ジャンル」だから言わせているだけ、なんですよ。こういう不自然な会話がいたるところにあります。一話目からずっと、です。結婚式でもそれで、お笑い要素として描いたんでしょうが「喜びの時も悲しみの時も神の試練が降りかかりし時も 自分が気遣いもせずスタスタ歩いたせいで転びそうになった時も 妻として愛し慈しむことを誓いますか」という台詞があるんですが、ここ、おかしいんですよ。だってアルフレッドがすたすた歩いてフローラが転びそうになったわけで、ここは「フローラ」に対して「そういう夫」だけど愛していけますか、という問いかけなのでは?アルフレッドに「あてこすり」をしたわけですよね。なのでここはフローラへ誓いの言葉を言わせるのがいいんですよ。そして何話目かだったか、フローラがドレスの礼を言いに行ったとき、急に「今朝のことだが」と話をふるんですよ…えっ、それどこ情報?一緒に朝食なんてくってた?ってそのシーン探しましたよ…なかったと思う…こういう、なにそれ?な会話も多いんですよたぶん漫画というか絵として描けないので「せりふ」の説明でごまかしている。それってもう「漫画」ではないんですよ。「絵」として表現していないところが多すぎるし、大きなコマでデフォルメ絵を使うという手抜きぶり…正直これは、漫画未満としかいいようがないですね。それからこれはあくまでわたしの好みの問題ですが、もったいないと思ったのはもう一つあって、アルフレッドの額の傷ですこんな中途半端な傷で何を表現したいねんっていうせめて額から眉間にかかるくらいの、かなり濃い傷、にしてほしかった。…まあ…かけないんでしょうね…とにかく、内容はテンプレでしかないけれど、ヒロインに不快感はないし、それは相手のアルフレッドに関しても同様です。漫画かうまければそれなりにほのぼのとしてコメディ要素もありの内容になったろうな、とは思います。この漫画家さんはまずデッサンこなして、デフォ絵をやめて、…漫画の勉強がんばってくださいね、としか。いやな内容ではないので、令嬢ものならなんでも好き、という方は読んでみてもいいかもしれません。
2025.09.12
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指輪の選んだ婚約者 1【電子書籍】[ 早瀬ジュン ]価格:693円 (2025/9/7時点)指輪「が」ではないんすね、わりとどうでもいいんですが。べつに間違ってはいないですが…ちょっともやっとした。で、内容は…残念ながら私的には大外れでした。。。しょんぼり。実のところ、こちら「FLOS」コミックから出てる本で、ここのコミックではいくつか好みの作品があったから、これもいけるかなと思ったんですよ。絵はまあ…好みはあるでしょうが、下手ではない…けど、キャラの描き分けが問題かなと。ヒーローにあたるクラヴィスより王太子の方が主人公の相手っぽいんですが、大丈夫なんですかね、これ。これはめずらしく婚約破棄ものでも虐げられものでもないので、その点は安心です。ヒロインのアウローラは伯爵令嬢で、あいては公爵家嫡男のクラヴィス。それなりに王道な恋愛少女漫画なんですが…とにかくヒロインがムリでした。一話目からしてほんと無理…それと会話力がないですよね、全体的に。ひっかかるところが多かったです。まずはじめ、夜会に来てるヒロイン、暇とかつぶやいてますが、こんなん積極的に挨拶しにいけばいいでしょ…とかいうのは置いといても、趣味の刺繍の観察を始めるんですよ。ぶっちゃけ…失礼ですよね、これ。褒めてるからいいだろってことはないし、全然「暇」じゃないやんけ。暇ーとかいってるコマを全否定ですよこれ。また、刺繍が好きとか言ってますが、ものすごく浅い。こう言っては何ですが、刺繍全然興味ないだろう作者さん…一言で刺繍っていってもめっちゃ奥が深いんですよ本来古い映画ですが、「ロードオブザリング」の衣装係を務めた人の話をDVDでみてこーいと思いましたよ。わたしはあれで本当に感激したんですよ。そんな細かいところまでって。しかも刺繍の柄に関してがメインじゃない。それでいてちゃんと刺繍の柄にたいしてのこだわりもある。アウローラは刺繍好きとか言ってますが、女性のドレスにばかり目がいってますよね?しかも具体的にそれがどんな刺繍なのかも「絵」で描いてくれてないんですよ、一部しか。こんなので「刺繍」大好きで、魔力も込められる「原始の魔女」とかいう設定出されても、どこにもこだわりが感じられない。さらにコメディみたいな展開で婚約が決まったのはさておき、自分より身分の高い公爵家の嫡男クラヴィスに土下座させたままずっと放置なんですよ。一応立ってくださいとかいいますけど、こんなん土下座された時点で慌てて腕をつかむなりして無理にでもソファに座らせ、落ち着かせてからゆっくり話をきけよっていう。土下座スタイルのまま話をさせるんですよ。ヒロインにドン引きしました。というか、もうここらは学芸会みたいで、舞台裏で登場人物が登場のタイミングはかってるくらいの流れで、あきれかえった。土下座イベからの説明イベ、それからクラヴィスの姉が飛び込んできて、そのあとでアウローラの兄登場って…なにこの大根役者のお遊戯…もちっと話まとめて…たとえ話も失礼極まりないんですよ。良いこと言ってる風ですが、公爵嫡男に向かって「売れ残り」って言っちゃっるようなもんでしょそれ…もうほんとヒロイン…おばかなの?なんか性格好きになれないなぁと思っていたけど読み進めたらどんどんひどくなってて、耐えられなくなった。まずね、いくら趣味でも、お茶会…しかも公爵あいてに二人きりでお茶してるのに「手慰み」の刺繍やりつづけてるとか、失礼でしょ…もうほんとありえない。クラヴィスが趣味の話とかしてて水を向けてくれて刺繍を見せる、てんならわかるけど。しかもここ、コマの流れも良くなくて、数日たってるみたいなコマの流れがあるんですが、そうじゃないっぽく…さらに続きの話で、いつの間にかお茶会が恒例になってるとさらりと流された…そこもね、もうちょっと…少しで良いので情報共有のためにお茶会することになったくらいの説明してくださいよあと、ハンカチーフをプレゼントしたことも「絵」で見せておいてくれないと、のちの王太子イベントの時に、「え、いつの間に」ってなるんですよ。別に文章で書かなくてもいいので、いくつかのコマをつかって「日常のやりとり」を描いて、その中にハンカチーフをどうぞ、と渡すシーンくらい入れてほしい。それと↑にも描きましたが、会話力が「へん」というか、「失礼」なところ多々あるんですよ。クラヴィスに得意の魔法を聞いたときに「氷」と聞いて、見た目それっぽいですねーみたいな返答なんですが、それってけっこう失礼では?氷の魔法、と聞いて刺繍好きのヒロインならまず氷の文様を頭に浮かべるくらいのことをして、氷の美しさを称えてそれを刺繍でみせて、「たしかにクラヴィス様らしい魔法属性ですね」とほめたたえなさいよ…さらに、会話としてなにがいいたいのかわかんないってのもあって、クラヴィスが自分は人の上に立つ力量がないとちょっとへこんでるんだけど、励ました先で「きっとまだ、これからですわ」って言うんですよ。???なにが「まだこれから」なんですかね?これから、なに?文脈からして「そのうちに慣れますよ」的なことだとは思うんですよ。わたしの父親もまーまー伯爵家当主らしいですよって話をしたあとに、「これからです」って。わたしの父もまーまーやってるんですから、あなたもそのうち「まーまーやっていけるんじゃないですか」って言いたいの?励まし方としてそれはどうなの?さらにアウローラってけっこう人を見た眼で判断するんですよ剣術の模擬戦でライバルらしいイケメンが出てくるんですが、まぁ美形ですよ。でも遠目に見ただけで「性格悪そう」って性格悪いのはおまえやーーーーっと、読んでて突っ込みましたよ。たとえばここで、そのイケメンが自分より格下の騎士たちに横暴にふるまっているのをたまたま見てしまったとかなら、ちょっと難のありそうなお人だな、と思うのはいいんですよ。でもそういうシーンはありません。ほんとに見ただけで、ですよ。これがね「原始の魔女」の血筋からくる観察眼だ、というのなら、それらしい伏線を張っておかなければいみがありません。一目で嫌悪感を抱いてしまうのって現実でもあることなので、それ自体はまあいいんですが、せめて漫画なのだから「説得力」を持たせてほしいです。あと、これは難癖ですが、刺繍好きってわりに…なんつーか、ドレスのセンスあんまないですよね…ドレスがダッサ…いや、なんだろ、リボンつけときゃかわいいでしょみたいな…シンプルだけどよく見ると刺繍の美しいドレス、ってのは描けないのかな?刺繍って目立たないけれどじつはすごく凝ってる、ってのを演出するのにいいんですよ。ま、まあ、それはともかく、このヒロインが決定的に「ダメだ」と思ったのは上に挙げた剣術の模擬戦です。ヒロインはクラヴィスの上司と観戦することになるんですが、例の性格悪イケメンとクラヴィス対決の時、悪イケメンが「真剣」をつかっていることに気づいくんですよ。でも上司はそれを「いまとのところは」黙認する。クラヴィスの上司が、「可」としてるんですよ。本来そこは止めるべきじゃないかなーと思わないでもないけど、まあそれはそれとして、上司はあとで罰を与える(たぶん与えない)とした上で了承してるってのに、アウローラは飛び出して模擬戦を止めようとするんですよ。で、剣が飛んできてクラヴィスが間一髪防ぐっていう、まぁ、あるあるイベントです。そこでクラヴィスがどうして飛び出すんだと当たり前のこととして注意すると、アウローラ、内心で「誰のせいだと」って言うんです。おまえのせいやろがいっっっもうほんとここでキレましたわ、いやほんとヒロインマジ無理。前にも書きましたが、戦ってるシーンなどでヒロインが考えなしにしゃしゃるの、大嫌いなんですよ。しかもそれを男のせいにするっていう。クラヴィス、今すぐ婚約破棄しろっと思いましたね…しかも「騎士」に対して、わたしを心配させるな、とかどの口が。わたしを安全地帯に置きたいなら心配させるなって、騎士の役職なんだと思ってんだ。あなたがでてこなきゃ危険もなかったんだよ。このヒロイン、アウローラは最初からずーーーーっと「無礼」なんですよ。性格が悪いとかではなく、身勝手な無礼者。ぶっちゃけ、ヒーローにあたるクラヴィスなんて、空気以下ですよ…なんの特徴もない、アウローラが趣味の刺繍をやりたいがために登場させた舞台装置です。王太子に協力して刺繍するぞーわーいってのがやりたいだけで、選んだ「指輪」責任とれよって感じですわ。クラヴィスが気の毒でならない。もうアウローラは王太子とデキちゃって、クラヴィスはさっさと身を引くルートに入った方がいいです。漫画、絵に関しては、そこまでひどくはないです。剣術模擬戦も…うまくはないけど、頑張ってかいてるのは伝わってきます。ただ、ぜんぜん迫力ないですし、手抜きもしてますけどね。模擬戦のシーンは漫画に入れない方がマシだったかも…キャラに関しても…場面ごとに「こんな顔だっけか」ってのもところどころにあって安定しません。アウローラの兄と悪イケメンとの区別もつかないしね…一枚絵というかイラスト自体はうまくて、わりと好みの絵柄です。ドレスのデザインは許容しかねるけど。おっぱいでっかいなーってのは許容範囲。ヒロインがちょっと「悪役顔」なのもじつは嫌いじゃないです。きつそうな顔つきですよね。でもあの性格に合ってるわ(褒めてないただ、テンポはよいと言えなくもないし、敵対勢力の話や魔力の話やらで物語の幅もそれなりに広がりそうなので、令嬢もの好きな方にはいいかもしれません。ヒロインの性格を受け入れられれば、ですけども。
2025.09.11
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感情が天候に反映される特殊能力持ち令嬢は婚約解消されたので不毛の大地へ嫁ぎたい(1) (モンスターコミックスf) [ 菜乃ひる ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/9/6時点)無事嫁いだので、終了。タイトルでの願望がかなったので話はそこでしまいなんですよ。タイトルもうちょっと慎重に考えて。テルプレ以上の何物でもない婚約破棄ものです。婚約破棄のされ方も雑なものなので、まーどうでもいいです。でも笑っちゃったところがあって、馬鹿王子がヒロインを送り出す場…まあこれって追放亜種かな?それはいいとしてそこでヒロイン・シャルロッテに、「お前のせいでパッパに叱られたー俺様は絶対平民娘と結婚してやるぜばーかばーか」(意訳)というんですよ小学生かーい!!と笑っちゃったわこれ、描いてて作者さん情けなくなかったのかな?負け犬の遠吠えよりひどいですよこれ。わたしならこんなバカ即刻廃嫡しますけどどうなんですか王様というか王様も考えなしすぎるんですよ。シャルロッテの能力について察してることがあるのに世継ぎにそれを知らせないってそんなことある?これもう廃嫡が予定調和ですよね?弟がいて、そっちに有力貴族いるって設定ちらだししてきたんなら、せめて「陰謀」くらい書いてほしかったです。つまり、馬鹿王子に村で評判の男好きのビッ〇をあてがって堕落させ、それを「理由」に馬鹿王子を廃嫡の流れに持っていく、くらいの暗躍はしててほしいし、じっさいそういう流れが今後あるのなら、それを早い段階でにおわせて伏線はっておくなさいよ、と。わたし的には村娘のヴェローナがまっとうな「男たらし」であってほしいんですよ。馬鹿王子が「王子」とわかってて色仕掛けして、結婚申し込んで来たら拒絶、しかも手ひどく振ってほしいんですよね…「もう正体ばらしていいって許可出たんでいっちゃいますけどぉ、弟一派に頼まれて誑し込んだだけ。あんたみたいな頭花畑王子の嫁なんてまっぴら」くらいのことは言ってほしいんですよねーもちろん報復あるだろうからってんで、ちゃんと逃亡するくらいの仕込みもあり。つまり、シャルロッテもはめられた婚約破棄であってほしいんですよね。もちろん馬鹿王子は監視付きで遠国にとばすんでもいいし、そこから王子の報復劇があってもいい。でもそんな話は期待できなさそう。ヒロインのシャルロッテにしてもそうだけど、感情が天候に反映されるからって、なに?それを悪用されるからーとママンは言ってるけど具体的な事柄が描かれていないので説得力に欠けるんですよ。だって笑ったら晴れて怒りや悲しみで雷雨ていどですよね?それをどうやって「悪用」すんですかね?感情のコントロールを常日頃からしているので利用なんてされません、っていうなら特殊能力とやらを大っぴらにしていればいいんですよ。隠すから利用されるって、シャルロットの父母は考えなしすぎるでしょそんで、不毛の地を行こう…って、いやほんと、こんなの物語ですらないんですよ。物語としての態をなしていません嫁ぐ先のためにヒロインの能力が設定されてるだけです。シャルロッテはかわいそうヒロインとして描かれますが、どこに「かわいそう」要素があるかわからない。馬鹿王子を愛してたとかいうけど、その「愛してる」感情は天候に左右されないのっていうのもあるし、王子のために一生懸命やってました感がさすがにうっとうしい。つまるところ見る目がなかっただけなんですよね…これを言ってしまうのは酷ですが。世間知らずだったから王子の見た目の良さに惹かれていただけだった…そんな自分が情けない…って泣くのならわかるんですよ。たぶんいちばん共感しやすいです。なんつっても、小学生以下の思考しか持たない、おどろくべき馬鹿王子ですよ?あんなのに惚れた事実なんて黒歴史でしかないですよいやほんとそれと、嫁ぎ先へ魔法陣でおくられたわけですが、「魔法」がふつうにある世界ですよね?それでどうして天候影響程度の能力が「すごい」とされるのかもわからんですね。シャルロッテの父親の立ち回りも貴族の当主としてありえないです。もう、なんつーか「ありえない」の連続すぎて読んでいると疲れるやつやこれ…あらたな結婚相手のアズールにしても国王でしょ?いくらなんでも血のりは落としてきなさいよ。無礼にもほどがある。直前まで狩りに出ていたってのも失礼で、まず嫁を迎える準備に奔走しろっての。シャルロッテの問いかけも不自然なんですよ。甲冑についた血をみて「怪我」と思うかってことです。甲冑についた血ですよ?こんなのはちゃんと正装して出迎えて、なおかつ顔に傷があるのを見、しかも血が当て布からにじんでいるのをみて、「血が…」と戸惑って見せたらいいんですよ。ほんで、先ほどまで魔物討伐に赴いていたので…ご不快になられたのなら申し訳ない、くらいの自然な流れはできんのかっていう。そうすれば、いかに魔物の脅威が身近なのかもわかるでしょう。机に本をどさーっと奥よりも自然な流れですよ?会話の流れなどもすごく不自然で、シャルロッテが夜ベッドで鳴いてるわけですが、そんな「うっううっ」みたいなの「大声」でうめいていたら、普通は泣いてるとは思わないですよ。てゆーかどんだけ防音がゴミなのか。せめて布団にくるまって声を押し殺して泣くくらいのことをして、翌朝に、泣きはらした顔にヒーローが気づいて、人払いをして話を聞く、でいいんですよ。あの泣いているシーンは、ホラーかと思いましたよ…絵としての表現が悪すぎますって。心霊現象でああいった描き方ならいいですけど。そして不自然きわまりないのは、貴族の令嬢なのにたったひとのり侍女もつれてこなかったんですか?家族仲…というか父親だけですが、父親に愛されて育っているのに、侍女ひとりつけないとか、ありえないんですけど。迎える側もそうで、こちらは公爵令嬢にふさわしい侍女を用意できないので、一人信用できるかたをつけてほしいとお願いしなさいよ。魔物が出て治安が悪いので護衛の女騎士はつけますが、侍女兼任ってのはありえないです。その後、おデートイベントがあるんですが、いっちゃなんですが、服のセンスが悪すぎてここも笑っちゃいました。ここもね、あの奇天烈な服を用意する前に、城壁の様子をみせる目的もあり、馬車は用意できない。シャルロット様は乗馬の経験はおありでしょうか、尋ね、「多少心得はありますが乗馬服を用意してきておりません」と返答があり、ならばこちらで用意いたしましょう、とあのダサい服をだせばいいんですよ。母国とはかなり違うデザインに戸惑ってどう来たらいいのかわからないがなんとか着こなして…って。漫画家さんも…正直絵はうまくありません。とくに男女ともに「体」を描くのが下手ですよね?とくに男子はひどいものです襟の高い服は首と肩のラインをごまかすためでしょうねー服飾のデザインも微妙なのですがこれはまあ好みもあるので仕方ない。とにかくまず人物のデッサンをやり直さないと、見ててすんごい違和感なんですよ。こればっかりは頑張って、としか。常に甲冑姿の国王ってのは好きなんですけどね。日常パートをもうちょっと丁寧に描いてほしいです。この漫画家さんもデフォルメの絵でごまかすんですよね…街のお祭りで食べ歩きのシーンとか。それはデフォではなくて、町の様子を見せつつ、町のおおよその広さや何が屋台に並んでいて、どんなものがシャルロッテにはめずらしいのかを見せるべきなんですよ。小さな国土だというなら、王族と町の人たちが思いのほか距離が近く、町の中なら治安もいいというところを「絵」で見せてほしい。シャルロッテの感情が天候に、って設定はかなり局地的ですよね?たとえば魔物に対していかずちを落とすんだとしたら、怒らなきゃいけないんですか?悲しいと泣いて雨が降るんなら、不毛の地を肥沃にするために泣き続けなくちゃならんでしょ?もちろん「これはうれし涙です」っていう回避があるのはわかりますが、それだって一時的なもののはずです。というかですねー天候を操るってのは特殊能力としてはかなり強めなので、ほんらいこういう設定はつけるべきじゃないと思うんですよ、少女漫画では。ほんとに局所の局所、ならいいんですよ。それこそ「狐の嫁入り」程度でないと。まぁ、あんまり考えてないんでしょうね…婚約破棄からのヒロイン溺愛の、テンプレ以外のなにものでもない話なので、正直お勧めはできません。絵もちょっと微妙ではありますし。村娘ちゃんがクッソ悪役ムーブかましてくれたらすっごく嬉しいんですけどね。王妃になりたいなんて微塵も思ってない、馬鹿王子をコケにして高笑いして退場してほしいです。がんばれヴェロちゃん
2025.09.10
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姉に悪評を立てられましたが、何故か隣国の大公に溺愛されています1 自分らしく生きることがモットーです (フロース コミック) [ 長神 ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/9/6時点)微妙としか言いようのない内容でした…いちおうこれ「転生もの」のようでしたが、それに関しては「あ、そう」くらいです。日本からの転生があたりまえのように描かれていますが、説明不足もいいところです。いきなり「転生した先は」って始まるのはまあいいとしても、「前世」の記憶とやらはいつ思い出したの?のっとり系の転生ものなのか、ある時ふと思い出し系の転生なのかもわかりません。そのせいで、ヒロイン像がうまく構築できないんですよ。性格の悪い姉にこっそりいじめられてます虐げられ系ヒロインなんですが、それも唐突すぎるんですよ。母親がそういう性格だったからって理由だけにしてますが、それも説得力なくて…なので、転生ヒロインだからこそ、このヒロインの方がよほど性格曲がってるよね、と思ってしまうんですよ。なんで放置できるのかな…?注意しても無駄ってのはわかりますが、「転生」者だからこそ母親がおかしいって気づいてて、それを放置してたってことなんですよね?なんていうのかな…このヒロインすごく身勝手なんですよ。転生ものだからって転生した先の家のことなんてどうでもいいわけ?かりにも令嬢として何不自由なく過ごさせてもらっている「転生」先なのに?ただ転生してきただけ、なんですよ。なんで転生したのかなんてどうでもいいんかいっていう。まあこれは、なろう系あるあるなんで、どうせ自動車の事故で死んで気づいたら転生してましたーとかいうやつでしょ、多分ヒーローも。変な話ですが読んでて腹が立ったのはヒロインのレティシアが緑茶を飲んで「故郷に帰ったみたい」と思うところでした。はあ?ってなりましたよ。転生前の情報を何一つ提示してないのに、いきなり「故郷」って。一応「転生」して、ずっと今いる国で育ってきたんでしょうに。これは漫画の表現が悪すぎるし、原作由来なのかもですが、せめて「懐かしい」だけで終わらせておくべきだったんですよ。また、「日本人」だったということを引き立てたいのなら、転生前は日本茶がとても好きで、それこそとくに緑茶ガチ勢くらいの知識があってほしかった。もちろん日本茶全般でもいい。ほうじ茶や煎茶、抹茶…日本にはたくさんの種類の茶があって、それを懐かしみ、ぶっちゃけそれをきっかけに「前世」を思い出した、でもいいんですよ。なぜここにこうして令嬢として生まれたのかはわからないけれど、前の生では「日本」という国で生まれ育ったのだ、って。いやこれだって雑だけど。で、あとは「バイト」ですよね?これも何の説明もなくしれっとバイトしてるんで、そんなんありえないんですよ。公爵家の令嬢としての「日常」を無視しすぎです。これがたとえば月一とかならまだしもなんですよ。「公爵」家ってそもそもがどんな邸宅で過ごしてるか、想像もしてないてしょこれ。というか、公爵邸が「国」のどの場所に合って、町との距離はどのくらいで、というのを全然考えてないでしょ。もうこういう設定の甘さが冒頭からずーーーーーっと続くんで、気になって仕方ない。令嬢っていちおうは家庭教師なりがついて勉強もしなくちゃならないはずでしょ?学校に行く必要はなくてもさまざまな教養はみにつけなくてはならないので「勉強」のために教師がつけられることはあるはずです。また、「社交」をなんだとおもってるかわかりませんが、これだって仕事の一環だと思うんですよね「侍女」についてもそうで、レティシアの侍女は唯一の味方なんですが、なぜ「味方」になったのかもわからないし、公爵令嬢につく侍女である以上、身分はそんなに低くないはずで、どこから雇われたのかとか、そういうのたぶん全然考えられてないと思うんですよ。これはキャラの性格全員に対していえることです。ただキャサリンの性格はいいですねーいるいるああいう子!実際いるんですよね、ああいう嘘で他人の評価を下げようとする子って。実体験なのでわかります。そして案外信じるんですよ、くっだらない嘘も。この点はキャサリンの性格には個人的に「あり」だなと感じました。母親の真似をして嘘をつくようになった、のはあるかもですし、三女なので末っ子に対してのみ強気ってのは、まあ、あると思います。上の姉二人が違和感覚えないのが変なんですけどね。ぶりっこ次女がキャサリンを毛嫌いしてて、レティシアが生まれる前はぶりっこ次女がずっとキャサリンをいじめてて、その憂さ晴らしに…ってんなら納得なんですが、そういった経緯は描かれていません。キャラの性格に限らず、国でも家でも、連綿と続いてきている「歴史」があるはずなんですが、それがないんですよ。これはなろう系あるあるのことなんですが、漫画が始まったその一ページ目に、世界ができてるんですよ。過去もなにもなく、あっても「とってつけた」だけ。これがリアリティのなさに通じる。キャサリンや母親がどうして虚言癖になり他者を貶めるようになったか、その原因について作者さんは深く考えているでしょうか?レティシアについてもそうで、「転生」したから家の奇妙さがわかる、なんて雑な言い訳でしかありません。いつ転生に気づいたか、これだけでも性格構築の上でなんらかの「変化」はあったはずなんですが。そもそもなんで転生したんですか?あげくにこんな家出て行ってやる…のでバイトするんやでって…これ、身勝手すぎるでしょ。公爵令嬢ですよ?それが許されると本気で思ってる?家庭環境の悪化も「他人事」でしかなく、改善を求めようともしない。過去にそれをしてきたけどできなかった、というのならまだ「家出しよう」もわからなくもないけど、とくに何かしらの行動はしてなくて、ただ黙って流すだけ。それ、たとえば職場とか他人同士が集まってる場所ならわかりますし、その手が最善かもしれないけれど、かりにも地位のある「公爵家」でそれってしかもレティシア、長女には一度歯向かってるんですよ。すりゃいいじゃないですか、キャサリンにも。ヒロインのレティシアが好きになれないのは、歯向かって自分が嫌われることを忌避してるのがすけすけだからなんですよ。耐えてるわたし健気でしょみたいなオーラが…そりゃキャサリンも嫌うわ。キャサリンにしても、なんでそんなレティシアを貶めたいのか「目的」がわからない…というかこれもう目的なんて作者さん考えてないのでは?ただレティシアを貶める舞台装置だけでしかなく、生きたキャラになってない。もったいないと思うんですよ、キャサリン、すごくいいキャラだから。いつかキャサリンが自分と向き合えたらいいんだけどな、と思うし、そういう話をちょっと入れてほしかった。あとは、この漫画家さんの絵なんですが、話の雰囲気にはあってて可愛いのは間違いないので読みやすくはあるんですが、キャラの描き分けがまったくできてません。少女漫画家さんあるあるで、中年男性は描けないですしね。背景もけっこう白いんですよ。コマわりも単調なせいか、読みやすい反面、退屈というか、つまんない。デフォ絵は可愛いんですが、やはり多用すべきではないと思うんですよ。安っぽい感じがして。レティシアと侍女のラナのかきわけができてないですしね…いくら変装してそっくりになるからって…それならバイト先でレイノルトと目があっても、ばれないはずでは?あっさりバレてるんだから、やはりラナとは違う顔のはずなんですよ。レティシアに惚れるイケメンのレイノルト、見た目キレイ系でちゃんとイケメンではあるんですが、他の男キャラと大差ないっていうか…なんか全員、同じ顔、なんですよ。髪型と目の大きさがちがうくらいの差しかないなんというか、全体的にもったいない感はあるんですよね、この話。もっと「緑茶」に焦点を当てるとか「転生」であることをもっと有効活用するとか、やりようはあると思うんですがどれも中途半端なうえ、説明不足なので、描きたいことだけを描いているだけで、「生きた世界」になってないんですよねもうちょっと煮詰めて味をしっかりつけてほしいっていうか。物語の方向性をきちんとしめしてほしいっていうか。いやまあ溺愛か…ぱっと見の絵は可愛いですので、わりに好まれやすい絵柄なんじゃないかなとは思います。わたしはヒロインに好感持てませんでしたが、不快感のあるヒロインってわけではないので、楽しめる方は多いかと思います。
2025.09.09
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水無月家の許嫁 ~十六歳の誕生日、本家の当主が迎えに来ました。~(1) (KCx) [ 水辺 チカ ]価格:748円(税込、送料無料) (2025/9/5時点)雰囲気まんがというか、……よくある「異能もの」「契約結婚」ものかな?虐待されたヒロインカワイソー系でもあるっていう。舞台はいちおう「日本」らしいんですが、なんかよくわからない。ヒロインの六花はじつは「天女の末裔」とかいう設定があるんですが…これ、どう読んだらいいかわからない話です。というのは、漫画家さんが微妙なんですよ。絵がね、雑です。ただ、雰囲気だそうとしてるのはわかります。ポエミー系ヒロインにしたいんだなって。わたしってかわいそう。なんで生きているのかしら…っていう悲劇のヒロインがポエムってる冒頭からはじまるのでかなりきつい。キャラ絵がすごく…雑なんですよイケメン設定らしい文也もなんかこう…常に眠たそうで。これで美形設定はかなり無理がある。和服なのも理由がないんですよ。というかですね、これ物語の設定がものすごく雑です。ヒロインの家系は伝説の「天女の羽衣」に関する家柄で、文也がそうですが、超能力をつかえます。で、ヒロイン六花の父親も同じで、もともとは「天女」家系の本家のあととりが、六花の父親でした。それが駆け落ちして、双子もうけて、その後離婚して、ヒロインの六花は母親に虐待されて、父親は天書の末裔がかかる奇妙な病気によって亡くなる、と。設定自体はけっこうおもしろそうだなーと思ったんですよ。天女モチーフの話だと少女漫画ではすでにあって、古くはあるんですが妖しのセレス(1) (コミック文庫(女性)) [ 渡瀬 悠宇 ]価格:660円(税込、送料無料) (2025/9/5時点)「妖しのセレス」がまさにそれです。ぶっちゃけ、これが元ネタというか…構想の段階であったんじゃないですかね?正直に申しまして、セレスの方はちと苦手で…ヒロインがね…読むのをやめてしまったんですが、これもたしか双子で「十六歳の誕生日」にことが始まるんでよ。双子は男と女なんで若干違いますけどね。そしてこっちのほうがかなり設定は大胆ですし、いろいろと寝られています。比べて水無月家はどうかっていうと…漫画家さんの技量が足りてなさすぎですし、これはいつの時代のはなしなのってなりますよ。笑ってしまったのが、ヒロインがポエムったあと倒れて、文也が別宅に連れていくんですが、なんとその別邸に「火矢」がうちこまれるんですよ。そこの描写もお粗末なんで笑ってしまうんですが、火矢って…平安時代かなんかなの?というか、その程度の火で火災なんか置きませんし、消火器持ってくるなりバケツで水かけりゃすむのになぜか逃亡しだすんですよ。「敵」の姿も目視できていないにも関わらずです。そして描かれてもいない「車」で逃走してるんですよ。車はかかれてません。119しろよとかいうツッコミもむなしく、なんと舞台は「東京」から「京都」へ。いやいやいやいやいや…逃走劇とかないんかーいっていうねここは普通、追われている場面をだして緊迫感煽るべきだし、その緊迫感の中で「分家」からの攻撃だと知らせる流れでいいんですよ。火矢で火災も笑いますが、なんで分家の人たち、車には細工しないの?無能なの?って思いましたよこれが「警告」として火矢が撃ち込まれた、ならいいんですよ。なんらかの警告としてだけ「矢」を射て、それを見て文也が考え込む、とかね。でもそれもなく、京都に行って文也の兄弟と対面して、ほのぼのお食事タイムとか…なめてんのかと。なんで「なめてんのか」と思ったのって、設定がきちんとしてないからなんですよ。六花の父親は、かけおちして家を出たけど病気にかかり死ぬことが分かったから本家の跡取りになってる文也に六花と結婚をねがいでるんですが、そもそもそこがおかしいんですよ。奇病で病院にかかってたとかあるんですが、なせ権勢のありそうな水無月家がそれを掘っておいたのかもわからないし、文也に頭を下げに行ったんなら、六花の生活面に対する「保護」をねがいでるべきだったのに、葬式終わってから来るって、遅すぎなんですよ。だいたい、病気にかかって寝た切りだった父ですよね、生活費どうしてたんですか?ここで、実は水無月家からかなりの支援を受けていたが、六花だけ知らなかった、という流れになってたなら、それ説明しなさいよ、っていう。葬式に準備に遅れたことも謝罪しなさいよ。もーね、物語の舞台設定ができてなさすぎて。ほかにもツッコミどころ満載で、読んでてストレスしかなかった。そのうえ、漫画家さんがね…デフォ絵でごまかすのはやめた方がいいですよほんとに。この話ってベースはシリアスなんでしょうに、多用されるデフォルメされた絵が物語のシリアスムードを台無しにしてくるんですよ。最初のポエミーな話もそうですし、おそらく花の名前(第1巻) (花とゆめコミックス) [ 斎藤けん ]価格:429円(税込、送料無料) (2025/9/5時点)こちらの漫画の雰囲気に寄せたというか似せたかったのかもしれません。ですが、「花の名前」もコメディっぽさはあってくすっと笑えるシーンは多いんですが、デフォ絵はほとんどないんですよ。これはすごく大事で、デフォ絵にせずともちゃんとほっこりしたり、くすっと微笑んだりするような描写はできます。ゆるキャラも、できれば出さない方がよかったと思いますよ?これ、どんな感情で読めばいい物語なんですかね?天女の末裔ということでなんらかの闘争に巻き込まれていく話なんでしょうに、その設定について…とくに分家のあれこれについて早い段階ではまるでわからない、京都についたらなんかいきなりごはんモードになって、ヒロインの手料理タイムになってみんなでほっこり…しかもテデフォ絵多用時代設定もわからない、水無月家の役割や日本においてどんな権勢を誇っているのかもわからないヒロインは虐待されてきたので、この先は双子の妹のいじめムーブがはじまりそうだし、なんなら学園生活はじまりそうでげんなり。さらに妖怪も出てきたので妖怪とほんわか日常やバトルとかもあるのか、とか。京都が舞台なら京都観光も始まるのか、とか。もう、「どうでもいい設定」だけが散らばってて、ほんとに読みにくいし、ストレスです主題を一本、きっちり決めておいてほしいわけですよとっちらかりすぎて、どう楽しんだらいいのかがわからない。漫画の構成が悪いんだとはおもいますけどね…読んでて「この先どうなるのかな」と思わせるポイントがまったくないんですよ。漫画として稚拙としか言いようがないというか。ただ、ポエミーな少女漫画が好きな方にはいいかもしれませんね。かっぱのデザイン可愛いです。ありがちですけど。
2025.09.08
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絶世の悪女は魔王子さまに寵愛される 1 (りぼんマスコットコミックス) [ 朝香 のりこ ]価格:528円(税込、送料無料) (2025/9/4時点)失礼を承知で申しますが……「これは酷い」白目剥くほど、なんじゃこりゃ感がはんぱない。いやいやこれほんとに令和の世に描かれた話なの?平成の古い漫画じゃなくて?カラーの一枚絵あたりはうまいんですが、中の漫画はお察しです…下手とかいうんじゃないんだけど、いろんなことが「描けてない」また内容もびっくりするくらいぺらっぺらで、なるほど「ケータイ小説」が原作…いやそれにしたってひどすぎるし、ほんとこれ令和のコミックなの?と目を疑いました。学園ものってだけで自分には苦手なんですが、白と黒に分かれたカースト学園生活で、しかもこれ、魔物と人間が一緒に登校とかあるし、寮もあったりするわけだけど、この世界ってどうなってるのかとかまったく説明がないんですよ。主人公たちの名前は日本名なんですが、魔物たちは西洋風るネーミング。羽生えたり人魚やら雪女とやらなんか「魔物」がいるけど、なんつーか、魔物設定べつにいらんやろ?っていうね世界の設定が、魔物いる前提でねられているのならともかく、そういった感じは全くないんですよあとは令和の流行の「婚約破棄」ものを唐突に入れてるもんだから、なんじゃこりゃ感がマシッマシ。主人公の鈴蘭には双子の妹・星蘭てのがいて、その星蘭をいい子に見せるために悪女を演じている、しかも実家では母親と妹に虐待されているって…いやもう、なにこのとってつけたような意味のない設定。「白」と「黒」の学園対比も、黒が悪、みたいな安易な描き方でしらけるし。絵自体は、最初にも書いたけど、カラーは綺麗なので「見られる」んですが、中身は線の細さもあるせいで、非常に薄っぺらく感じるし、全身絵も微妙です。とくに男子、ですかね?女の子はそれなりに可愛く描けているんだけど、たぶんヒロイン以外描けないですね。少女漫画家さんあるあるだけど「中年女性」はかけないですしね。「ビンタ」をするシーンを描けないのも少女漫画あるあるだなぁ…また、舞台が学校であるにも関わらず、学校としての機能をまったく果たしていないですよね?これはもう異世界ファンタジーの「なーろっぱ」でやるべき内容でしかないんですよ。かわいそうなヒロインをイケメンが助けてくれるってだけの話です。悪女として立ち回ろうとする鈴蘭ですが、それすらできてません。そしてこれたぶん、逆ハーものですよね?このあたりも古さを感じずにはいられません。読者層は…りぼんらしいので小学生なのかなと思ったんですが、それにしては変なエロ?要素をいれてくるんですよ。婚約破棄した白のルイスが無理やり鈴蘭を押し倒すんですが、それをヒーローにあたる「夜明」とやらが助けるんですが、そのあと、「消毒」しはじめるんですよ。なにこのふるくさい流れ…ドン引きなんですけど…この消毒ってのは、ルイスが触ったところを夜明がキスとか接触で「消毒」するって流れです…一時期少女漫画で流行ったんですよ、こういうえろ展開。対象読者が小学生ならこれはすべきでないんですよあと、逆ハーを描きたいのなら男性を魅力的に描かないといけないんですが、それもできてません。なんかよくわかんないうちに「何か」が始まって「何か」が終わってるんですよ…つまりヒロインに何をさせて何を目的にし、最終的にはどうなりたいのか、というのがまったくわからない。なんというか…描きたいシーンだけを描いているってだけの、漫画未満のなにかです、これ。一話目で、もしやこれはお笑いなの?と思ったシーンが、鳥?の羽に絆創膏をはったところでしたね…笑わせにきてるなこれ、と思いましたよ。ギャグじゃなければなんなのか、というシーンでした。もちろん「羽」自体を描けないんだってのはわかりますよ?ヒーローたちの羽すら「かっこよく」かけてませんからね?下衆ルイスの蝶の羽はきれいなんですけど。古臭い同人誌だと割り切れば読めますが、何がどーなってんだかわかんない世界で、ヒロインちやほや話を見せられてもね、という…ヒロインはクラスからもいじめられてるんですが、それもまた稚拙ないじめでねぇ…こんなことされてる子をみて、はたして「悪女」だと断じられますか?まっとうな思考の生徒はひとりもいないの?これはあくまで「子供だまし」の少女漫画でしかないですが、一時的な読み流しにする程度なら、まあ…読めると思います。細かいこと考えて読んだらダメです。星蘭や母親がなぜ虐待をし始めたのか具体的な理由は何もなく、下種ルイスはただのざまぁ対象でしかないし、婚約破棄の流れを作っただけの舞台装置です。ヒーローにあたる「魔王子」もなにがしたいのかわかんないですしね…つまり「俺様」男で、「おもしれー女」を言いたいだけのキャラです。こりゃないわーと思うなろう系少女漫画はいくつか読みましたが、「これは酷い(古い)」と愕然とした漫画は久しぶりでした。「りぼん」から出てるってことにも驚いたけど、りぼんってたしかにかなり攻めた漫画多かったですから納得と言えば納得かな…しかしここまで低クオリティのものは…別で出すべきだったと思いますけどね。そんなわけで、あんまりひどかったんで、感想かかずにはいられなかったコミックでした。
2025.09.07
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春を待つころ 千津美と藤臣君のシリーズ1【電子書籍】[ ひかわきょうこ ]価格:611円 (2025/9/4時点)昭和の漫画ですが、いまだに好きで手放せないオーソドックスな少女漫画です。大好きなんですよ、この作者さんの作品。作品の雰囲気が初期から一貫して変わっていません。絵はいかにも少女漫画、といった感じなのですが、かなりデッサンもしっかりしてますし、少女漫画としての見せ方も上手いです。このシリーズは、コミック三冊で、一話読み切り型。高校生から大学生までなんですが、現代と違ってことこまかにはその生活は描写されず、ある意味「切り取り」型なんですよね。また、一話目ではなぜヒーローにあたる藤臣くんが志野原千津美のこと好きになったのかがじつのところよくわかんないんですよ。でもそこはそれ、短編の勢いってやつですね。そう、あくまで短編のお話なので、かなり凝縮されています。物語のヒロインである千津美は両親をはやくに亡くし姉に育てられている、というわりに「えっ」と思わせる家庭事情で育つんですが、さらーっと流されます。性格は、一生懸命なドジっ子、というやつで、まあ、テンプレではあります。ちんけで取り柄無しのドジっ子として周りから馬鹿にされて落ち込みもしますが、存外図太い性格で(良い意味で)へこたれないんですよ。たぶんそこがいいんだな、と。読んでて不快な主人公ではありません。かなりのドジでまわりに迷惑かけることもあるんですが、それを「笑い」として描けていますね。また、この当時の少女漫画って「不良」っぽい男の子が人気だったのか、例にもれず、いわゆる「非行男子」がたくさん出てきます。藤臣くんはべつに不良ってわけではないんですが、腕っぷしが強くて、わりと暴力にはしりがちなんですよ。いまならこりゃだめだろっていうね。高校生だろうがたばこは吸うキャラいるし、なにしろ「番長」なんてものが存在しますからねー。これは現代ではなんのこっちゃな言葉でしょう。一話目がそうなんですが、昭和すぎてよくわからない「ガリ刷り」という作業がでてきたりします。これはもうググってくださいとしか。教師もたばこを教員室ですっぱか吸ってますしねーいやー、今思うとすごい描写だなーっていうの、たくさん出てきます。この作者さんはほんわかした画風も特徴ですが、ふんわかした「お笑い」をうまく活用してくれるのがいい「味つけ」になっています。千津美の友人二人が「笑い」の要素をちゃんと担ってくれていて、すっごく好きなんですよ。というか、さすがというべきかもしれませんが、ちゃんと「友人」が主人公にいるんですよ。わたしはこういった、ちゃんと友人関係を気づけるヒロイン、ってすごく好きなんですよ。友達がいるからいい、というのではなく、友人関係を見せることによってキャラの性格は「こうだ」と提示できるからです。千津美の友人の三浦さんと園部さん、はじめ園部さんは名前もなかなか出てこないんですけど、二人していいキャラだし、藤臣くんのけんか友達?の豪法寺くんと小室さんとうまくいってほしいなぁってにこにこしてしまうんですよねーつまり、周りのキャラがすごくいい。千津美と藤臣くんをメインに周りが動いて物語を進めていく、という話の流れが多いんですが、そのまわりのキャラに対する解像度もたかいため、すごく共感できますね。けんかシーンも、少年漫画のようなかっこいいバトルってわけではないんですが、ちゃんと描けてるんですごいんですよ。ちゃんと全身のデッサンができてる人なので俯瞰して全体が見られるようになってます。いまどこにどうしているのか、という構図が描けている。昨今のなろう系少女漫画を描く方は、これができてない方が多いです。一枚絵はうまいのに、というね。星のハーモニー【電子書籍】[ ひかわきょうこ ]価格:581円 (2025/9/4時点)もうふたつ初期シリーズを紹介。星のハーモニーの文庫にはふたつのカップルの話が入っています。のちに、べつのコミックに掌編が載せられていたりするわけで、あのカップルの初出はどこよ、ってなることがあるかもです。星のハーモニーは「和田君と穂積さん」カップルこちらは、いまだと物議をかもしそうな男の子なんですよね。お人よしすぎる穂積さんと、それを叱る和田君、というカップルです。もう一つは「虹色の雨粒」というタイトルで、こちらは「杉掛くんとまゆ子」のシリーズです。こちらはわりとまっとうなカップルかもですね?おちゃらけた人気者の杉掛くんと、失恋したばかりのまゆ子とのお話。このふたつのカップルは、しれっと続編が描かれてほかのコミックに掌編が収録されています。和田君と穂積さんの掌編はどこに入ってたかな…でもこれは続編あってくれて嬉しかったやつなんですよ。和田君絶対誤解されるやで…と思っていたので。優しさからとはいえ、「怒鳴る男」ってのは印象悪いですからねー補足的な話があってよかったな、と。「星のハーモニー」はこの作者さんの初のコミックなんですよね。キャラクターの動かし方というか作り方はさすがというべきで、超絶有名ってわけではない作家さんですが、堅実に作風を守ってこられたので、安定した漫画家活動をしてこられたのではないでしょうか?「彼方から」で好きになった人もいるかもしれませんし、これはまたいずれ紹介するとして、初期作品もかなりおすすめなので、ぜひ読んでみてくださいな。
2025.09.06
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義経 上 (文春文庫) [ 司馬 遼太郎 ]価格:858円(税込、送料無料) (2025/9/3時点)「英雄とは何か」というテーマに絞って書かれた、しばりょーの一品これを読んだのは、かなり後になってからでした。しばりょー作品全部を読んでいるわけではないのですが。こちら「義経」は2巻で終わっているので気軽に読めます。義経、とはもちろん「判官びいき」の元ネタといえる源義経で、悲劇の英雄としてその名は広く知れ渡っていますね義経っていうと白拍子の静との悲恋が有名すぎるし、悲劇的英雄ってことで漫画や小説のネタにもされます。とはいえ、ほんとはどんな人物だったのか。「吾妻鏡」という資料があるのでそこからぼんやりと義経像は浮かび上がってきますが…わりに謎めいた「英雄」ですよね。平安末期の人物なんだからそれも当然ですが。しばりょーによって描かれた「義経」はと言いますと…司馬遼太郎氏、義経、きらいなの?と初めて読んだときは笑ってしまいました。いや、わかりませんが。というか、わたし自身、じつのところ「義経」って悲劇性をつよく押し出されることもあって、あまり好きではなかったんですよ。「新選組」と似た感じで、嫌いってほどではないにしても、なんかこー好きになれないなぁっていうか。そしてこの小説よんで、妙に腑に落ちたんですよ。もちろんエンタメ小説ではあるんで、実在した「義経」とはかならずしも一致しない、というのもわかります。そのあたりはさすがの司馬遼太郎氏で、小説自体読みやすいですし、時代背景の説明もあって、楽しく読めました。読むと、義経の子供っぽさが、めっちゃうっとうしいんですよ。いやーこりゃ周りに嫌われるの仕方ないよねっていう。もちろん「戦術」にかけては天才だったんでしょうし、ゆえにこそ理解されなかった、のもわかります。そのあたりはたしかに「悲劇的」なんですよねあたりまえですが、時代時代の節目にこういった奇異な人物が出てくるって歴史の奇跡のように感じるんですよ。義経は最後までにーちゃんの源頼朝に嫌われてましたが、わたしが頼朝でも嫌ったと思います。ちょっとは頼朝にーちゃんの身にもなってやれよっていう。頼朝に関してのイメージは…よくはなりませんでしたが、同情的になれましたね。この人って終生板挟みだったんですよね…結局「権威」を持っていたのは北条氏だったわけですから。でもいちおうトップに立たされて関東勢をまとめて関西勢…というより朝廷に歯向かった。時の天皇が政治にがっつりの人でしたかすらねーいや、太古の昔はそうだったんですが…時代は変遷していくものなんですよ…平氏の、清盛なんかはうかつにも…しかたないともいえるけど、朝廷に入り込んでしまったんですよ、これが失敗だった。このあたりは秀吉っぽいですよね。朝廷とはつかず離れずの、心理的にも土地的にも距離をとった家康のやり方が賢明なんですよ。清盛は自分の娘とかも朝廷にいれちゃってますからね…切っても切れないし、朝廷側に入って政務とろうとしたわけだけど、それを「院」が抵抗しちゃうわけで…うーん、まあ時代の流れってやつですね。この時代のことってあまり勉強してなくて、だからこそ義経を読んでみたんですが、やはり歴史って面白いなぁとほくほくしましたよ。義経はパッパのかたき討ちをするのだーっの一点張りで、さらに女にだらしないだけじゃなく、政治的な心理を読めない世間知らず。郎党も政治に詳しく、義経を叱咤できる人物がいなくて、こりゃもう詰んだ、とかしか思えないんですよ。戦だけが妙にうまいっていう。女にだらしないのは同じでも、頼朝は教養があったんですよね。戦は下手なんでそこはどーにもならんと自己分析もできてた…そして麾下には恵まれた。大江さん、有能っす。ただまあ、どちらとも悲惨な最期ではありますけどね。腰越の、泣訴のおてまみをよんで、頼朝が義経を殺すべし、と決意したのもすっごくわかるんですよ。話がかみ合わないどころじゃない…義経がもちっと兄を立てることを知っていたら。部下を褒めたりおだてたりすることができていたら。世渡りが下手というより、自分絶対主義なんですよ。これだから院にいいように使われても気づかない。「そんなわけはない」と自分の考えを否定できないから。これってとても身近な「考え方」なんですよね。義経は戦争に関しては天才的で、勝利を何度も経験したから、自分は間違っていないという認識を持ったまま。けれど、そうした戦争には勝ったんやでー、と「政治」は違うんですよ。作中で弁慶あたりがちょっと説明してくれていますが、義経はあたまに?マーク飛ばすだけで理解できない。固定された概念が岩より硬くなってしまってるから。なのでたしかに、義経は悲劇の英雄には違いないんですよ。時代的には必要な存在だったけど、役割終わったらもう要らん、っていう。歴史を見ていくと、こういう「存在」ってたしかにいるんですよ。その時代を変革するだけの存在はたしかにあるんだけど、時代が変わったらもういらないから退場してねーっていう。ある意味で、信長もそうだった。ちなみにわたし、信長は好きなんですよね。地元の「英雄」なのでひいき目もありますが。もちろん秀吉、家康もです。この二人に関しては好きというより、ありがとねーって感じが近いかな。義経に関しては、小説読み終えた後、好きにはなれなかったけれど、必要な存在だったんだなとその存在の大きさには驚かされました。小説、義経の産れる経緯から、死に至るまでがきっちり描かれています。「英雄とは何か」という問いには、わたしは答えられません。けれど、英雄って何だろうという新たな疑問が生まれたのは、変な言い方ですが、心地よかったです。歴史を学ぶ楽しみが増えたから、かもしれません。しばりょーの小説の中ではわりに短め、二冊で終わっているので、義経の超絶ジコチューっぷりを楽しみたい人には是非にとお勧めします。頼朝にーちゃんに対しても同情的になれること請け合いです。
2025.09.05
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DIE WITH ZERO 人生が豊かになりすぎる究極のルール [ ビル・パーキンス ]価格:1,870円(税込、送料無料) (2025/9/5時点)ちゃんと読んでいないので紹介とはいかないのですが、このDIE WITH ZEROって考え方に、最近すごく「いいな」と思い、これを指針にして老後を生きています。じつはわたしは独身高齢女ってやつで、しかも天涯孤独の孤独死ルート確定を突き進んでいるんですよ。こうなったことに対しての「後悔」て自分でもドン引きレベルでなくって、なるべくしてなったし、自分の意志でそのルートを選んできたので、それにたいして「辛い」とか「さみしい」ってのはありません。じつのところ、わたしはもうなんていうか…生まれたこと自体が「失敗」みたいなところがあって、それがずっと心の片隅にあるから、家族なんて欲しいとおもったことがないし、持てるはずがないと思ってきました。子供のころからずっと、です。なので結婚願望マイナス値だったんですよねいやーじっさい30歳で死ぬ予定だったんですよ、子供のころはがちでそう思ってました。まさかこんな高齢になるまで生きるとはっていうもちろん家庭環境があんまりよくなかったこともありますが、いまはそれを悲壮感たっぷりに浸ってはいません。家族がいないおかげで、いま、一人満喫してますしねしかも友人の数がすくないので、困ったものです。さらにいえば学歴も低くて、ろくな職歴もありません。じつに社会の低層にいて、生きてる価値などこれっぽっちもありません。だからこそ、なんだか心がすごく軽いんですよ。「諦めが肝心」というのがわたしの座右の銘でもありますしね。いくつかの絶望というか、自分は何やってもダメなんだなーを経験してきたので、もうこれはさっさと諦めて底辺で生きようと決めたんですよ。そしていろいろあったんですが、今年に入ってなんだかいろんなことを考えまして、「そうだ、資産形成しよう」となったんですよ。いやー、持ってる資産なんて雀の涙なんですが、わけあって無職になってしまい…うーんどうすっかなーってことで、手持ちの「札」でなんとかしようと考えたんですよ。パワハラやらなんやらで心も折れたことだしもしかも更年期キタコレですし…それで慌てて始めたのが「新NISA」で、これをきっかけにいろんなことを調べ始めました。おもにYouTubeでそれ関連の番組を見ては自分なりに学習し、考えて…いわゆるマネーリテラシーがゼロどころかマイナス値くらいだったので、もうはやいとこNISAやってたらよかった…と、さすがにそれは「後悔」したけれど、後悔したところでその気持ちは「一円」にもならないんだから、思い立ったら口座開設だよってことで、さっくり口座開設。ブログも楽天ですし、証券口座も「楽天」にしました。単純です。まあ、つまりNISAがらみの動画を見あさっていた時に見つけたのが、上記の本でした。ゼロで死ぬなんてぶっちゃけ理想論です。でも、この考えは「老後の指針」になりえたんですよ。私的には、ですが。この「ゼロで死ぬ」っていうのは、一文無しで野垂れ死ぬ、ということではないんですよ。この考えのためには、まず資産形成しなくちゃならない、という考えになったんです。お金あっての「楽しさ」ですからね。不安を解消するのも「お金」です。けれど、お金を貯めることだけにすべてをつぎ込んでしまうのは…わたしのような天涯孤独の身には「つまらない」ものなんですよ。つまり、あとに何かしらを残してあげたい「身内」というのが存在しないからです。「終活」なんて言葉もありますが、わたしはなにしろ孤独死なので、やっといた方がいい、ではなくてやらなくてはならない、んですよ。自分で何もかもやらないといけなくて、それってつまり、めっっっっちゃ金がかかります。死ぬときはゼロでいいんですが、死ぬ前にはお金かかるから、資産形成しないとまずい、という流れになります。わたしのような孤独な女子…とくに高齢の方で天涯孤独が確定している方は、この「DIE WITH ZERO」念頭に置いておくといい思想だと思います。金を使い切って死ぬ…というわけではないんですよ、本書がいいたいのって。お金を使うことは大事、そのためにはお金を貯めるのも大事ってことです。わたしは計画倒れしやすい性質なのでがっちりとした計画を立てるのは苦手なんですが、ふわっとでも、このくらいの資産は保有しときたいなー、というのを考えておいた方がいいなとまた、マネーリテラシー激低だったもんでいろいろ情報あさってたんですが「日本円」だけに自分の財産を「賭ける」のはリスク高い、というのを知ったんですよ。これはじつは実感もありました。長く、銀行預金で定期貯金とかしてきたんですが、むかしはまぁ金利よくて、銀行貯金にも意味があったんですが、今、引くほど金利が低い…低いっていうか、税金も取られるのでほぼないに等しいんですよ。このことがきっかけにもなって「定期預金」どうしよっかなーと悩んでいたってのもあり、新NISAについて目がいったってわけなんです。もちろん投資はリスクもありますが、インデックス投資しておけば、少なくとも銀行に日本円で全部預けておくよりはマシなんですよねこういった「考えて行動する」ことを「ゼロで死ね」で気づかされたんです。金を遊びでも何でも無計画に使いまくって無一文になって死ぬ、という本ではないです、決して。そして「健康大事」って内容でもありますね。健康にためには「投資」しろって大事な思考です。いろんな経験をしようって内容でもあって、それは高齢のわたしはもうしてきたんでいいんですが、「金を貯める経験」だけはかなりおろそかだったので、今からでもやろっかなと。そして、わたしは高齢女には違いないんですが、「現在」が一番「若く」もあって、何事かをやるなら、明日ではなく「今」なんですよね。地頭があるいこともあって、社会の底辺でしか生きられないけれど、それならそれで、底辺でもぼちぼち楽しく生きていこう、と。本を読むのが好きですので、漫画もいろんなものを読んでます。むかしは読まなかったろうなーってものも読みますし、やはりどうしても受け付けないものもありますが、それはそれってもんです。旅行好きでもあったんですが、土産物はほぼ買わない。これは昔からなんですが、「思い出」は冥途の土産ってことで、先に冥途に送っておいたって思考でいました。どうせ忘れるかもしれないんだし、先に冥途に送ったってことにしとけばいいんですよ。ふりかえってみると、この本に出会う前からわりと「ゼロで死ぬ」考えが自分の根底にあった気はします。自分はどうせ失敗作なので、死んだところで別段なにかしらあるわけでもないし、と。そう考えるとすごく楽なんで。「失敗」自体はすごく怖いんですけどねー失敗を責められるのがものすごく怖い。ともかく、こんなことは周りの人に言える話でもないので、ブログでつぶやく程度にしています。より良い人生=「ゼロで死ね」ではないとも思ってますけど…でも自分はそうかもってだけで。天涯孤独ならそれに見合った生き方ってきっとあると思うし、それを楽観しててもいいんじゃないかなと思ってます。
2025.09.05
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淑女の鑑やめました。時を逆行した公爵令嬢は、わがままな妹に振り回されないよう性格悪く生き延びます!(1) (モンスターコミックスf) [ 林倉吉 ]価格:704円(税込、送料無料) (2025/9/3時点)ああまあ、うん…自分には合いませんでした。いわゆる死に戻り系、死んだと思ったら過去に戻っててやりなおしー、みたいなやつですね。読んでる途中で気づいたんですが、わたしはこの「やり直し系」って好きじゃないんだなと。というのも、自分自身があの頃の私に戻ってやり直したい、と思うことがないからです。わが人生に悔いなし、とかではなく、単純に面倒だからです。やり直そうにもわたしはわたしでしかないし、だからなんなのって話ですし、わたしがやり直したところで、わたしの気持ちだけがすっきりするだけのことでしかありません。それに何の意味を見出せというんでしょうか?このヒロインもまさにそんな感じなんですよ。やり直して、それでどうするのっていう。だれかを助けたいとかいうけどそんなのだってただの自己満足ですよ。全部自分が招いたことだという反省もないのが見て痛いです。追放されるたびにスキルを手に入れた俺が、100の異世界で2周目無双 4 (ヤングチャンピオン・コミックス) [ 日之浦拓 ]価格:792円(税込、送料無料) (2025/9/3時点)まったく別のジャンルなんですが「やり直し」系でもこちらは大好きなんですよ。勇者を含め、ティアが死んでしまったことの一因にたしかに主人公も含まれるけど、それが大きな原因ではないんですよ。だから主人公が反省すべき点なんてない。これはむしろ、神かなんかよくわからない存在に運命を弄ばれている感がすごく伝わってきて、それでもあえて自分の望みをなげうってまで、「やり直す」と強い意志をもってそれを成し遂げようとするんですよ。しかも、かなり策を練って。この塩梅がすごくうまいので、読んでいて引き込まれます。上記の淑女はといえば、少女漫画とはいえ、かなり雑なんですよ。話の展開が、です。冒頭でヒロイン死ぬわけですが、そこで「犯人」の義母妹のミリュリエルちゃんが「おねえさまってほんと馬鹿ね」というようなことを言うんですが、いやほんとまじでそれなって同感しまくったわ。わたしはむしろ、このミュリちゃんの話の方が知りたい。かわい子ぶって被害者ぶって、その実裏でこそこそ策を講じていい子ちゃんな姉を追い詰めていくんですよ、かっこよくないですか?一応誰かが裏で操ってる風に描かれてますが、「実行」したのはミュリちゃんなんですよ?「実行犯」ですよ?単独犯。胆力すっげーなと思う。こんなん誰か頭ぱっぱらぱーの男を抱き込んで騙して姉を殺させたらいいじゃないですか。でもそれをせずに、自分が前に立って姉を刺し殺すんですよ。いやー、実にすごい。ヒロインのクリスティナはまったく魅力的じゃないんですよ。殺されたってそれをクリスティナ自身が「何もしてこなかった」から起こったことなんですよ。それはまあいいとしても、漫画としての展開もひどくて、殺された、目が覚めた、これは過去に戻ったんだわって…なんでそんな思考になるのかがさっぱりわからない。そもそも「好機」ってのがわからない。巻き戻ったという思考になるのもわからないし、これは好機だわととらえるのもさっぱり理解できない。もうこれ、キャラに人格なんてないも同然なんですよ。死にもどりやりたいだけの作者の都合がまんまの「展開」です。ありがちな展開だとしても、死んだと思ったら目が覚めて、妙に現実味のある夢をみた…と思ったら、まさか「過去」、という流れでいいんですよ。そしてどうして「あんなこと」になったのかって考えたとき、ミュリちゃんの「わがまま」のせいばかりに焦点がいってるのもおかしい。というか、共感できないし、このヒロイン、思いやるという心がないんだなと思った。裏に誰かいると思ったのなら、まずそれを探らなければ、妹も「被害者」になるんですよ?殺人を妹に侵させること自体には憐憫を催さないクリスティナ。わがままっていうなら、ヒロインのその思考の流れこそが「自己中」なんですよ。ドン引き。この点はミュリちゃんも同じなんですよ。なんかこう…もっとキャラ付けちゃんとしてっていうね。加害者役としてしか存在しないキャラ。父親が特にひどい。政治的な頭とかないの?長女を粗雑に扱うのは現代でもあるあるだけど、くっだらない提案をクリスティナにされて、それでうろたえるだの、これまた中学生レベルの思考。クリスティナの侍女もありえないんですよ。公爵相手に「お言葉ですが」と言葉を添えるにしても、容喙するとかありえません。この侍女が王宮から遣わされた実は身分の高い令嬢で、公爵令嬢につかえるにふさわしい身分の者、しかも王宮からきてるってことで公爵もあまり強くは出られない、という設定があるならわかるけれど、そういった設定は特になく、ヒロイン思いの侍女ってだけ。父親に対して言い返すヒロインも、なんというか…現代的すぎるんですよ。現代の中学生が言い返しそうなことしか言わない。高度な教育を受けていたはずの公爵令嬢っぽさがまったく感じられません。あと、絵はたしかにかわいらしいのですが、これはシリアスではなく、コメディ寄りなのか、というくらいデフォルメされた絵が多いので、そこも引っかかります。あんな悲劇的な死を冒頭に持ってきておいて、コメディなのっていう。あとは、ミュリちゃんが姉を殺す前に台詞に「♡」っていれるのはどうかとおもいますよ。シリアスなシーンですよね?ナイフの絵もおもちゃみたいでしたしね…殺人シーンが全然迫力ない。ヒュッっていう擬音だけ書いて終わりっていう、手抜きっぷり。ぶっちゃけそこで切ろうと思ったほどですが、続きもちまちま読んで、やはり、切りました。わがままに生き抜くっていうより先にすることあるだろう?なんていうか、淑女の鑑っていうより、ものを考えてこなかったおばかちゃんが悲劇のヒロインぶって…起きたら過去に戻ってたやったー!ってだけの内容なんですよ。だから、やり返す方法もすごくおばかっぽい。15歳だししょうがないかな…と思っていましたが、数年後に放火殺人おこされるんですよ、妹に。危機感持てよ…なんというか、絵もそうですし、全体的に「雑」な印象の話です。不愉快さはないんですが、「死に戻り」をやりたいがために書いただけの話で、そこに何かしらの「思い」「テーマ」はまったく感じられない。漫画としての出来もいまひとつって感じではありますね。コメディ寄りにしたいのかシリアスな展開にしたいのか、それを合わせるにしてもバランスのとり方が雑で、たんに「楽をしている」ようにしかみえないんですよ、デフォ絵。とはいえ、人気はありそうな漫画ですので、きっとこういう話はアニメ化しやすいんじゃないかな?死に戻り、やり直し系が好きな方なら、読んでみてもいいかもしれません。
2025.09.04
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追放最凶クズ(?)賢者の辺境子育てスローライフ クズだと勘違いされがちな最強の善人は魔王の娘を超絶いい子に育て上げる (このマンガがすごい! comics) [ 尾切 美月 ]価格:789円(税込、送料無料) (2025/9/2時点)まあ、幼女が某スパイで流行ったせいでしょうかね?こういう幼女出しておけばいいやろっていう、ただのなろう系話です。面白いか面白くないかでいえば微妙なところで、くだらないってことは…まあないんですよ。絵もまあまあうまい方だと思いますしね。読んでて変なストレスは感じませんでした。内容はタイトルまんまなのですが一応この幼女が魔王の娘かどうかは明言されてません、謎としてひっぱるかんじですかね。ただこれ、あくまでも「なろう」でしかない話なので、なろう知らない層にはとてもお勧めはできません。というのは、もう「なろう」という世界観がすっかり定着している態で話がどんどん進むんですよ。だから「なろう」ものとして読むだけなら問題はありません。なろうってほんとに二次創作で、すでにある物語の側枝の話でしかないんですよ。まず主人公のカインがそれで、「賢者」なんですが、わたしが想像するね賢者とはまったくべつのもので、なろう世界での賢者なんですよ。ダンジョンがしれっと出てきたり「鑑定」とかいうスキルがあったり…魔王もそれで、そういったことがらのほぼ説明がないんですよ。主人公は魔王を打倒して帰還してくるわけですが、その魔王が彼らのいるせかいでどのような存在でどのような脅威があったのか、そして魔王がいなくなった世界はどう変わったのか…そのあたりがさっぱりわからない。魔王がいなくなった「世界」は、まるではじめから何事もなかったかのように平穏で、魔王による「荒廃」があったようにはみえないんですよ。そして「賢者」もですが、なろう賢者なので、賢くはなく、魔法が使えて腕っぷしがつよい、というだけのナニカなんですよ。賢者って、そういうものなの?ギルドにしてもダンジョンにしても、それがどんな役割を担っているかがわからない。キャラの造形など、漫画家さんはそう下手でもないんですが、主人公べつに顔が怖いってことないんですよただのいつものなろう系主人公というキャラ造形です。せっかく顔に傷があるんだから、その傷がもっと醜く傷の影響で引き連れて笑うことができない、くらいの設定にすればいいのに。あの顔のキャラデザで、モブたちがこわーいっていう気持ちがまったく理解できません。ヒロインにあたるフィオ、登場時はよかったとおもうんですよ。ひどいことされてて…気の毒だからとカインが引き取る流れは自然に感じました。けども、あんなひどい目にあっていながら、慣れるのはやすぎなんですよっもったいないこことゆっくりとカインとフィオのあたたかなエピソード盛り込んで、フィオがゆっくり心をひらいていく過程を描くべきなのになぁ街に買い出しに行く流れで「パパ」と呼ばせる流れはあまりに不自然ですよ、キャラデザ的に!どう見たって「兄妹」くらいでしょ…だから「カイルおにいちゃん」でいいんですよ…まあ「パパ」にしたかったんでしょうけどね、流行的に。もうここが呑み込めない商魂たくましいトーカのキャラは好きなんですよ。カインのこといい人…っていう理由が金払いがいいからっていうの。お金大好きっていう理由でカインの実は優しいイケメンって性格を別の角度から察するってのはいいですよね。ただ、これはなろう話なので、基本女キャラばかりです。じつにつまらない(女読者的には)その後和風な地域で出会うのもそろって女でげんなりだし。もちろんカインに好意ありますよねっていう、つまらなさ。フィオはどんどん頭の足りない子になっていってしまって、最初の悲劇性なんてどこにもちらつかせてくれない。ここらはほんとにもったいないと感じました。カインは主人公らしく、ちゃんと好青年なんですよ。森を焼くのはダメ絶対、というスタンスですし、無駄な殺生は好まない。奴隷はゆるせないからその制度何とかしろと働きかけるしね。ちなみにたよりにしてる王族がこれまた女子、お姫様なんですよ、うんざりです魅力的な男性キャラが前半まったくでてきません、まあ…しょせんはなろう向けですから仕方ない…それとこれ、コメディなのかシリアスなのか、どちらも中途半端なんですよ。べつにどちらも含まれててもいいんですが、配分がわるいというか。シリアスとして「魅せる」シーンがまったくないのが問題で、絵柄のせいもあるかもですねきちんとした線の丁寧な作画だとは思うんですが、なんというかコマのテンポが淡々としてて、もりあがるところが少ないんですよ、画面が退屈というか。ごちゃごちゃしてないのはいいんですが、単調すぎる原作はなんかの賞を取ったようですが、まあこれあくまでも「なろう」としての出来で、それ以上ではないし以下でもない、つまり突出したところが何一つとしてない話です。ほめられるのは、主人公の性格が胸糞じゃないってとこくらいでしょうか幼女だして無邪気にふるまわせてきゃいいだろってくらいには、「少女」の魅力をわかってない話だとは思います。なろうを知らない人にはとても勧められないですが、なろう慣れしてる人ならまあ…いいんじゃないですかね。
2025.09.03
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異世界で真心包み屋カフェをオープンです 1 (コミックMaomao) [ はやぶち 伶子 ]価格:770円(税込、送料無料) (2025/8/31時点)料理系コミックってあたりはずれがあるんですよ…ぶっちゃけ漫画力が弱い人には向かない題材だと痛感。こちらの作品、作家さんの絵がまず「異世界もの」に向いてない気がするんですよね。ぶっちゃけて言うと古臭いので、絵柄の好みはかなり別れると思います。1ページ目の導入とかもね…いきなりドラゴンでてくるんだけど、見せ方がだめすぎるこれは、主人公が祖父母が経営していたパイ屋さんごと異世界に送られ、そこでカフェオープンって話なんですが、いくらなんでも話の設定もだし、説明が下手すぎるんですよ。絵自体はそんなに下手なわけではないんですが、コマの使い方や見せ方が下手すぎて、なんかよくわかんない、となるのと、会話がほぼすべて説明的なので、ひっかかる。お店ごと異世界に飛んで、外の様子を確かめに出た主人公さやかが、そばにいた町の人に「あの」と話しかけるんですよ。で、「さっきの地震でひっぱられた」「だったら帰れない」「なんといっても大地のドラゴンが気まぐれ」いやいやいやいや、なにその流れ?まず、主人公に対し「あんた、どこから来た」とかないの?また異世界から変なのとばされてきたなーくらいの日常的な会話もなく、「説明」しだすんですよ。そしてそこへ説明係の女性がわざとらしく現れて、いらん子供たちもまぎれこんでっていう。その次の説明もひどくて「この世界はガリアン」「この国はランドック王国」って…「この」ってなんですかねっていう。この世界というのはおそらく「地球」に対しての言葉なんでしょうが、それ、要らない情報なんですよ。「今、私たちがいるこの国はランドック王国、××という町」というならわかりますよ?そしてこの世界、という言葉を出してしまったら、他にどんな国があって、ということになっちゃうでしょ?この世界、という言葉、「地球」に住んでて説明するときに使いますか?もうここの日本語と会話のおかしさが、つっかかってしまってダメなんですよ。一話目もそうなんですが祖父母が亡くなった説明もそうですが、「父」と「義母」とさりげなく言葉をだしてますが、姿もえがかれないのなら、べつにそんなのさらっと流せばいいんですよ。母親は早くに亡くなって後妻の「義母」がいるとかいう設定なんて、後出しで充分。あと、ヒロインの名が「さやか」で言いにくいからって、あって数分しか経ってない女に「あなた、サーヤって名前にしましょう」って、てきとーすぎんだろ。さやかなんてべつに言いにくくないし、「タケウチ」が言いにくいなら「さやか」だけでいい。呼びにくいから「サーヤ」って呼んでいいかしら、と愛称的に提案するならいいけど、決めつけるってどうなの?もうね、設定のためにキャラに台詞を言わせてるとしか思えなくて。この後設定上イケメンであろう男三人が登場するんですが、失礼ながら、あんまり見た目イケメンじゃないです…これは絵の問題ですね…モブにしか見えないっていう。誰に焦点当てたいかもわからない。絵が稚拙なのは随所に感じられて、男三人の登場シーン全部がまインパクトないんですよ。見開きみたいに大ゴマ使ってますが、店のドアを開けて入ってくるシーンにしてほしかった。ドアが開くのは小さなコマでしかないので、三人の立ち姿もよくわからない。ここは店かと尋ねられるけど「店」っぽく見える俯瞰した絵がないんですよ。そもそもなぜ「店」とわかるのかが、わからない。そしてここからの会話もすごく変なんですよ。まず、身元確認すべきだろうに、詳しく聞きもしない。サポートするって男が言ってるのに監視ですかと問うヒロイン。肝が据わってるとか言われるけどただ会話力がないだけなんですよまたパイをつくるシーンで騎士の男に砂糖のこと尋ねられて「日本では三温糖」と説明をヒロインがするんですが「日本」の説明をまったくしてないんですよ。家ごと転移なので電気ガス水道まるっと使える設定も、ちょっと強引すぎるここはせっかくなのだから魔法の道具があるのでそれを提供するくらいのことはできない?もとの世界との「流通」がって説明もそうですが、「流通」って言葉へんでしょ?もうね、なんでヒロインの身ひとつで異世界転移させなかったかなーっていう…精霊?も出てきますが、べつに可愛くもないし、料理自体も作ってる過程がかなりはしょられるので、美味しそうにも見えません。なんというか、話の進め方がすっごく雑なんですよ…食べ物系の話ってほんとに難しいんだなと思う。アップルパイをつくるのはまあいいとしても、ほぼ提供されたもので作ってて、たとえばそのリンゴにしても、アップルパイに合うリンゴか確かめるくらいのことはしてほしいんですよ。ヒロインはもともとそんなに料理得意ってわけでもないのならなおのこと、もうちょっと簡単で材料自体もすくないものにすべきなんですよ。パイ生地でつくれる、簡単レシピってわりとありますよね?台詞というか会話の説明口調にしてもコマの展開にしろ、これぜったい編集さんはいってないだろうな、という素人っぷりですよ…あとは、ヒロインに華がなさすぎ問題…なんつーか、モブ顔なんですよ…美女にしろというのではないけど、もうちょっと可愛い個性だせなかったかな?これは男たちにも言えますけど。まあ、絵に関しては好みだとは思うので仕方ないけれど、「会話」の拙さは編集が気づいて指摘すべきかなと。なんというか、最近こういう、描いた漫画をそのまま出してしまうっていうの、多いですね?残念ではありますが、漫画を画く経験をつませるためにはいいのかな?ぶっちゃけ、こちらの漫画は「素人仕上がり」なので、お勧めはしにくいです。
2025.09.02
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えびがわ町の妖怪カフェ 1 (ヤングアニマルコミックス) [ 上田信舟 ]価格:660円(税込、送料無料) (2025/8/31時点)これアニメ化しないかしらーっ。「えびがわ」というのは「揖斐川」、つまり実物の町「揖斐郡」がモデルです。「えびがわ」は架空の土地ですが、作中には揖斐川周辺のいろんな「観光地」が出てくるので、アニメ化もしやすいと思うんですよ。ほっこりいいお話ですしね。しかも今はやりの「おっさん」ものでもあります。主人公は少女、まな。妖怪が見えてしまうことで、母親と関係がぎくしゃくしてしまい、夏休みの一時期を「おばあちゃんち」で過ごすことになるんですが、おばあちゃんちではなく、「おじさん」ちで過ごすこととなります。そのおじさん、佐吉さんが飲食店を営んでいて…という。そしてそこに「妖怪」要素が足され、日常の飯ものでもあります。全部で6巻なのは短いと思わせてけっこういい巻数だとも思います。だれることなく続くので。まなちゃんは、妖怪を見てしまうことで内気になってしまうんですが、妖怪たちとの交流で心を開いていくので、ここらもまあ良い意味で「ありきたり」ではあります。また、佐吉おじさんもわけありなんですよね。見た目はおっさんなんですが、実年齢はさらに…という。もともと料理が趣味だったわけではない佐吉ですが、なんとなく飲食店をやってる程度なので、提供される料理もとっても身近。実際わたしも作中の料理つくってみましたからねーそのくらいには身近で、しかもとっても美味しそうなんですよ。レシピの過程もきちんと描かれているので自分もやってみよう、となりますしね。また、佐吉が作らないにしても、お店で食べる料理とかも紹介されますし、それこそ観光地案内もしてくれるんで、岐阜県在住の方なら「知ってる」となるでしょう。わたしも愛知県住まいなのでいったことのある「観光地」がありましたよ。揖斐のあたりはかなり山なので、行くには車が不可欠ですけどねー大垣あたりならJRですちゃっといけますが。登場する「妖怪」、メインでは狐のサキちゃんがいますが、可愛いんですよね。セーラー服ってのもいいですね!!見た目の可愛さ大事。が、これは女の子を楽しむ話ではないので、おじいちゃんも出てきますし、河童は美少年です。ランドセルしょってますが。仕事の早い少年なんですよねーかっぱのために出てくる「きゅうり」の料理は真似しやすいですし、美味しさばっちり。もちろん狐にはお揚げなんですが、このお揚げ、岐阜ではおいしい厚揚げがあったりするんで、ぜひにとお勧めしたいですね。醤油たらしてってだけでおいしいんですよ。あとは納豆と大葉を揚げの中に入れてオーブンで焼いてっていう。すごく単純なレシピってのがいいんですよ、こちらのコミック。佐吉はいちおう年齢不詳の「おっさん」なんですが、ちゃんと「いい大人」なんですよ。町民からは不愛想だなんだといわれてますが、かといって厄介者として忌避されてるわけでもなく、まなちゃんが来たことで印象もよくなってくるんですよ。また、まなちゃん父親と母親も、とても人間味のあるキャラです。ほんの小さなエピソードなのですが、佐吉が手料理をふるまってくれた時に、やはり出汁からきっちりてづくりしなきゃですよね、みたいなことを母親が言うですが、それにたいして佐吉は別段こだわりもない、うまく食べられりゃなんだって、とわりとぬるいんですよ。そしてそこに母親はほっとする、というか。がちの料理人ではないしこれといったこだわりもない佐吉の、そういったこだわりのなさってすごく救われるんです。だからこそ登場する料理はとても身近。うなぎのかば焼きに対しても、これは外食なんですが、ちょっとした知識が語られてて「わかる」となりますね。岐阜県は、じつはうなぎも盛んに食べられてて、味に関しても関東関西、その真ん中くらいなんですよ。愛知で有名な「ひつまぶし」ともまた違うっていうか。場所的に「関ケ原」がちかいんですが、このあたりは「味」の別れ場所でもあるんですよね。そこを舞台にしたのは良かったなと思います。この物語は「夏休み」期間だけの話なので6巻で終わるんですが、まなちゃんみたいに「田舎暮らし」が合う子もいるんだと思います。佐吉は自分の事情もうまいこと解決して、ふつうの人間に戻ります。佐吉は持っていた「櫛」の力で妖怪を見ることができましたが、それをもとの持ち主に返すことができて、ふつうの人間に「戻った」んですよ。そしてまなちゃんは妖怪を見る目はそのまま。母親からの理解も得られ、家族は再構築できた、というお定まりのハッピーエンドです。でも、そういったハッピーエンドでよかった、と感じられる話でした。妖怪は身近なものではない分、出てくるキャラクターや料理はすべて「身近」だと感じられるんですよ。そのバランスがとてもうまいと感じられました。いい話だし、アニメ化しやすいとおもうんですが…まあなにしろちょい前の作品だしなーもったいないなー「おっさん」と「少女」の組み合わせは大好きなんですが、へんな恋愛要素もなく、ごくごく日常の、「家族」ものといえるでしょう。まなちゃんは中学生になって佐吉おじちゃんのところに戻ってくるんですが、あくまで「家族」としての関係性です。佐吉おじちゃんちで育ちことになるけど、家族のサポートがあるので、いやらしさはありませんね。ここは本当に大事です。おっさんと料理系ではかなりおすすめのコミックです
2025.09.01
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