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第36話「プロポーズ」

家庭部の補佐からを再起を図ることになった秦施(チンシー)。
一方、陽華(ヤンホワ)は胡平(ウーピン)の自宅に招待されていた。

…陽華の旧友・老周(ラオジョウ)の息子は胡平の会社に再就職していた
陽華は胡平のメルアドを聞き出してもらい、新エネルギーシティに関する自分の分析結果をメールしてみる
すると興味を持った胡平は陽華に連絡、真の目的は何か聞いた
『誠(チョン)&慧(フイ)への投資はご再考を…』…

胡平は陽華のメールが届く前、すでに可立信(コーリーシン)に新エネルギーシティの調査を頼んでいた。

すると胡平は離婚協議の件で秦施を巻き込んだことを謝罪した。
「君の奥さんだとは知らなかった…誤解を招くことになったのでは?」
「妻は仕事への責任感が強い、謝罪の必要はありません」
陽華はそれより可立信が高評価を出していながら、なぜ自分と会う気になったのか聞いた。
「最後の決断を下したのは今日だ、決め手となったのは君の報告書にある言葉だよ」
…掌中の一羽の鳥は林の千羽に勝る…
これは陽華の師である邱建祥(チウジエンシャン)の言葉だった。
投資はあらゆる物事と同じ、秘訣は引き際を見極めることだという。

胡平は陽華を見送るため門まで出た。
「先ほどの提案をもう一度、考えてくれ、返事は急がないよ」
胡平はプロジェクトから手を引いたが、その裏で天航(ティエンハン)と南洲(ナンジョウ)の合併は成功した。


すると呉菲(ウーフェイ)に取り入って出世した周茜茜(ジョウチェンチェン)が申し訳なさそうにやって来る。
「知ってるわ、呉菲に情報を流していたでしょう?謝りに来たの?それとも報復が怖いの?」
しかし茜茜は黙って立っていた。
「利害を秤にかけたのよね?…近道を使ってもそれで得た成功はもろいの
 お説教するつもりはないわ、でも人として守るべきものは守ってね」

陶俊輝(タオジュンフイ)たちは若い女性従業員に接待させる尹社長に困惑気味だったが、秦施が懸念した通りやはり姚遥(ヤオヤオ)がホテル側を訴えたと知る。
一方、姚遥を心配する秦施は李黛(リーダイ)を差し向けていた。

陶俊輝は呉菲との諍いや秦施への未練で珍しく泥酔した。
「大丈夫ですか?」
補佐の海涛(ハイタオ)は陶律師を心配して介抱したが、宴席に戻る途中、尹社長が女性従業員を別室に連れ込む様子を目撃する。
驚いた海涛は部屋に乗り込もうとしたが、陶俊輝がなぜか止めた。

秦施の思惑通り李黛は姚遥の代理人になった。
📱<今回は引き受けるけど勝てる保証はないわよ
姚遥の自宅を出た李黛はすぐ秦施に連絡したが、実は姚遥には息子がいた。
今は父親とオーストラリアにいるが、もうすぐ帰国する予定だという。
部屋に飾ってあった写真を見ると母親とはあまり似ていなかった。
『父親似なの…5歳です』
ピンと来た李黛は秦施に姚遥に関わらないよう警告した。
しかし秦施は一方的に電話を切ってしまう。

秦施が地下駐車場へ到着すると、エレベーターホールで酔い潰れている陶俊輝を見つけた。
どうやら車を取りに戻ったらしいが、探しても車は見当たらない。
秦施はひとまず陶俊輝を自分の車に乗せて走り出した。
しかし呉菲に連絡しても無視され、自宅の場所を聞いてもかつて2人で住んでいた秦施のマンションの住所しか言わない。
そこで仕方なく秦施は陽華に助けを求めた。
「陽華?手を貸してくれる?」

秦施は陶俊輝を外で休ませ、陽華が来るのを待った。
すると陶俊輝は秦施を抱きしめ、これまで秘めていた想いをぶちまけてしまう。
「あの時、君の手を離したことを今も後悔している…秦施、もう一度チャンスをくれ
 結婚してくれ!忘れられると思ったが無理だった、王傑森(ワンジエセン)の件で分かったんだ
 憎めば憎むほど君への想いが募る!」
驚いた秦施は陶俊輝を突き飛ばし、近寄るなと警告した。
「私は結婚しているのよ?忘れたの?!」
「偽装だろう?そっちこそ忘れたのか?…なぜ離婚しない?奴を好きになったのか?」
その様子を陽華が見ていた。
陽華は秦施の答えを待ったが、結局、秦施は口ごもってしまう。
それが秦施の答えだと気づいた陽華は深く失望し、やっと歩き出した。

陽華は陶俊輝にからまれている秦施を助けて先に車に乗せた。
「飲み過ぎだ、明日、酔いが覚めてから話した方がいい」
陽華は陶俊輝をなだめて車を出したが、一言も口をきかなかった。
「さっきは…」
「家に帰ってから話そう」



マンションに到着すると、陽華はなぜ陶俊輝と結婚しないのか聞いた。
秦施はすでに陽華と結婚していると答えたが、陽華が聞きたいのは結婚できない理由ではなく、結婚しない理由だという。
「僕たちは偽装だ、いつでもやめられる…僕を愛している?」
秦施はやはり即答できなかった。
「結婚していなかったら彼を選んだ?」
「姚遥と復縁するか聞いた時、あなたは何と答えた?仮定の話なんて意味がないのでしょう?
 私はあなたと一緒にいる」
すると陽華は見せるものがあると断って一旦、書斎へ入った。

本当なら陽華は住宅ローンの契約書を見せて秦施にプロポーズするつもりだった。
しかし結局、契約書ではなく入籍前に交わした結婚協議書を持って来る。
「秦律師、正式に伝える、君は協議書に違反した、第1条の全てにね
 これは2人が自由に生きるための協議書だ
 各自の生活だけでなく、恋愛や仕事を選ぶ権利も含んでいる
 この協議は選択から逃げる口実じゃない、弱さの隠れ蓑でもない
 君の行動は協議書の理念に反している、だからこの関係を終わりにしたい
 …離婚しよう」




秦施は耳を疑った。
きっと陶俊輝のことで怒っているだけだろう。
そう思ったが、陽華は明日にも手続きすると譲らなかった。
「陶俊輝が酔って騒いだだけでしょう?私の気持ちなら分かっているはずよ?」
「彼は関係ない、むしろ感謝している、彼のおかげで君の本心を知り、決断できたんだ
 君にとってこの結婚は何?現実から逃げる手段?人生と向き合わない口実?
 君の城壁になりたかった…仕事で疲れた君の港になりたかった、君を支えたかったんだ
 でも隠れ蓑は嫌だ、人生を直視することから逃げないで欲しい
 嘘の中で生きる君を見たくない…明日、手続きしよう」

翌日、朝一番で秦施と陽華は離婚した。
「できるだけ早く荷物を運び出すよ」
「好きにして」
秦施は結婚や愛への不信感が拭えず、どうしても陽華へ素直な気持ちを明かせなかった。
なぜ愛していると言えなかったのか。
どうして一緒にいたいとすがりつかなかったのか。
しかし後悔してももう遅い。
すると秦施は自分に苛立ちながら、離婚証をグローブボックスに投げ入れた。

秦施は久しぶりに兄嫁であり親友の任梅梅(レンメイメイ)とエステに出かけた。
「私みたいな人間は人を愛せないのかも…親密な関係を長く維持する能力がないのよ
 もしそれが陽華の願いなら、確かに私には叶える自信がない
 だから思うの、一緒にいる楽しみだけを味わって、彼の願いを蔑ろにはできないって…」
「聞けば聞くほど意味不明よ~彼が好きなの?」
「愛してるわ」
「それで十分よ~愛に正解なんてないの、必要なのはその気持ちよ
 会いたいなら会う、一緒にいたいなら手を引っ張るの!
 結果が分からないから諦めるなんて、後悔するだけよ」
結局、秦施は梅梅にも偽装結婚だったことを明かした。
事情は分かったが、全く理解できないという梅梅、そもそも今さら離婚する必要があったのだろうか。
秦施は陽華との愛が本物だとしても、結婚は偽装だからだと説明した。
「未来があるとしても嘘の上に築くわけにいかない
 嘘を終わらせて新しい人生を始めるべきなのよ」
「嘘が本当になったのならそれでいいじゃない?なぜ形式に捕らわれるの?」
「もう別れたの、離れて冷静に考えるのも悪くないわ」
「まだ何かありそうね?」

つづく


。゚(∩ω∩`)゚。 うわ〜ん





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最終更新日  2023.12.21 21:52:40
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