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心あたたまる日本映画を観て来ました。『バルトの楽園』。らくえんではなくがくえんと読みます。バルトはお相撲さんの名前ではもちろんなく、ヒゲのことらしいです(異説あり)。 ベートーヴェンの第九の日本初演が徳島県の某捕虜(当時は俘虜)収容所で行なわれたということは、かなり前から知ってはおりました。徳島の知り合いにその記念館があると紹介されたこともあるのですが、見に行かなかったものですから、いったい何がどうなってそんな片田舎で第九初演が行なわれるに至ったものやら謎だらけでした。今まで私の抱いていた多くの謎を一挙に解き明かしてくれたのがこの映画です。 第1次世界大戦の時、日本軍の捕虜となったドイツ兵は日本各地の収容所に入れられましたが、徳島にあった板東俘虜収容所以外は、まるで刑務所然とした所で(実は私も捕虜収容所と言えばどこともそういうものだろうと思っていました)暴力と威嚇によってのみ所内の規律が維持されていた模様です。 板東俘虜収容所は古今東西、世にもまれな、自由で明るい空気に満ちた収容所だったわけですが、なぜそんな奇跡的なことが可能だったかと言えば、それはひとえに松江豊寿なる実によくできた所長さんの存在あったればこそなんですね。私は大河ドラマにも暴れん坊将軍にもマツケンサンバにも不案内なずれた人間なので、松平健という俳優をよくは知らないのですが、この所長さん役はなかなか良かったですね。 それにしても、この松江所長、陸軍上層部に睨まれながらも捕虜たちの人権を守り、地元住民との交流にも寛大であったというところに感銘を受けました。昔は軍人であっても、このように人間として大きな器の持ち主がいたのでしょうね。もちろん映画ですから多分に美化されてはいるのでしょうが。人の上に立つ者かくあるべしと思いました。お上の顔色ばかり伺って、人民大衆の嫌われ者に成り下がっているような政治家や役人ばかりが目に付く世の中なので、余計に感じ入ってしまったのでした。
2006年06月30日
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奥さんがついに「身体障害者手帳」を持つことになりました。右手指機能障害(4級)+右股関節機能障害(5級)+両全足指機能全廃(4級)= 3級本当は左手の指もなのですが、変形のひどい右手で代表されてしまったようです。股関節の痛みについては、膠原病かまたはステロイドの副作用かと医師によっても診断はまちまちだったようですが、このたび股関節専門の医師に診てもらったところ、生まれつきの股関節部の奇形が原因らしいことがわかりました。 人工関節を入れる手術をしきりに勧められましたが、寝返りを打つと外れることがあるという物騒な話を聞き、一晩に十回以上寝返りをする妻にはリスクが大きすぎるので、もっと高性能のものが開発されるまで今のままで我慢するということになりました。少しなら杖を頼りに歩けますが、大きなスーパーなどでは私が車椅子を押して移動しています。 我々はどこへ行くにも車ですが、目的地に駐車場がない場合は近くの有料駐車場を借りなければなりません。出来るだけ安い所を探しはしますが、雨が降っている時などは高くても近い駐車場でないと移動できません(傘をさして車椅子は押せないので)。まあそんなこんなで今までは体が不自由ということで随分大目の出費に悩まされておりましたが、手帳のお陰でこれからはいろいろと優遇してもらえます。 さしあたり、月に最低1回は利用する高速道路の料金が半額になります。昨日わけあって奥さんが新規に携帯電話を契約したのですが、やはりだいぶ安くなるそうです。映画なども割引がつきます。各種税金や保険料の減免はありがたいですね。 今までは、大きな駐車場では入口やエレヴェーター付近がなかなか空いていなくて、かと言ってマークの付いてる所はもっと重度の方が来られるかも知れませんので遠慮していたのですが、これからはもう堂々と身障者用のスペースに車を止めることができます。それにしてもスポーツ選手のような元気溌剌の若者が当然のことのように身障者用に(たいていは車高の低い馬鹿でかい黒塗りの)車を滑り込ませるのを見ると腹立たしい限りです。(いやいや彼らはひょっとしたら胸にペースメーカー埋め込んでるのかも知れない、と思うようにしてるのですが...)今日の土鈴は鎌倉あじさい寺の小ぶりの福鈴です
2006年06月28日
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久しぶりの更新です。『ダ・ヴィンチ・コード』、やっと読み終わりました。読んでから観るか、観てから読むか迷う作品ですが、正直言ってどちらが正解とも言えませんね。ただ、映画だけで満足!とはいかないだろうと思います。原作を読んでいないと理解できないというほどではないにしろ、何か肝心な部分が省略されているのではないかとの欲求不満がどうしても残る映画でした。 映画を観たあと、どうしても原作が読みたくなった洋画というのは、過去に「2001年宇宙の旅」と「羊たちの沈黙」しかありませんでした。この二作もやはり映画だけでは、しっくりしなかったんですね。 私は本を読むのが遅い方なので、かえって人一倍愉しみが持続するのがありがたいです。この10日間、ラングドンやソフィーらとともにパリ、ロンドンをあちこち行ったり来たりしてきました。撃たれそうになったり、逮捕されそうになったりしながらね。ああ、面白かった!近いうちに同じダン・ブラウンの『天使と悪魔』も読んでみたいと思っています。今日の画像は萩の吉田松陰をデザインした土鈴です
2006年06月25日
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雨の中ひとりで『ダ・ヴィンチ・コード』観に行って来ました。最近のテンポの速い映画が苦手な奥さんは家で留守番です。人の痛みに同調しやすい彼女を連れて行かないで正解でした。宗教的な理由によるとはいえ自傷行為の痛そうなこと、あの場面できっと奥さんは絶叫して気絶していたものと思われます。 西洋史の常識を覆しかねない、またバチカンの名誉を大いに傷つけかねない内容に、エジプトや中国では発禁処分、上映中止が社会問題になっているとか。さもありなんです。登場する団体名や個人名は実際のものとは関係ありませんと断ったところで、こういったスキャンダラスなネタというのは一人歩きしやすいものです。 さて、あくまでユニークな仮説を用いたエンタテインメントということで我々は作品を楽しみましょう。あちこちで言われているように、確かにこの映画は原作を読んでいないとわかりにくいところが多いです。しかも本当にテンポが速いので字幕を追うのがやっとという所が何ヶ所もありました。 逆に、先に原作を読んだとして、どれだけあの映画のイメージに近づけたかというのもありますね。ただ、本の方は「ダ・ヴィンチ・コード」というぐらいですから、しかも暗号解読の専門家を登場させているのですから、きっとその部分で読者を引き付ける工夫がなされているのだと思います、あくまで推測ですが。 それというのも、鈴木光司さんの『らせん』も、原作での暗号解読の面白さが映画では見事に省略されていましたからね。文字や記号による暗号の解読を追体験させるのに映像は不利なはずです。頭の中の試行錯誤に要する時間ということを考えれば、読みながら考えられる読書の方がよりリアルに追体験できるに決まっています。 「いつ、どこで?」と突っ込み入れたくなるような不可解な場面(ラングドン教授はいつAPPLEを解読して地図を手に入れたのか)もありましたが、原作ではこれもきっと納得のいくように書かれているのでしょう。 ともあれ、消化不良のまま観終わった感が強いので、今なら勢いで原作が読めそうです。関連本も色々出ておりますが、いかにも便乗といういやらしい臭味が鼻について、そちらは敬遠です。
2006年06月15日
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「ダ・ヴィンチ・コード」を観に行きたいのだけれど、連日やぼ用が入っていてまだ行けてません。前売り券は買っているので、何とか今週中には行きたいものです。 その代わりと言っては何ですが、先日図書館で借りて来た『私家版 復讐のページ』というのを観ました。ケースの裏のキャッチ・コピーに惹かれました。 これは、謎を解くのではない。犯人が復讐の相手を陥れるために嘘の真実=謎をつくっていく、そのプロセスを堪能するサスペンスだ。あなたは、被害者に同情することなく、加害者と共に、完全犯罪を成し遂げる緊張を味わうことになるだろう 1996年のフランス映画です。完全犯罪のトリックのために常人には思いもつかない技能を駆使する点、主人公が理知的でニヒルな二枚目という点で、往年の名画「太陽がいっぱい」を思い出してしまいました(「太陽がいっぱい」の主人公は言わずもがなのアラン・ドロン、こちらはテレンス・スタンプ)。淡々とていねいに描いてゆく作り方は、アメリカ映画にはない落ち着いた風格を感じさせてくれます。
2006年06月13日
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はおうべっき。ここ数年気になっていた映画です。いやあ見ごたえありました。友情、成功、嫉妬、裏切り、自棄と次から次へと展開する人間ドラマに、激流のような中国の現代史がかぶさり、運命に翻弄される京劇の二人の名優を描いた物語です。子供時代にわくわくどきどきしながら読んだ物語の、あの懐かしい感覚を呼び覚ますような映画でした。 あらすじを知らずにいきなり映画を観ると、子供の頃の小豆子がまるで女の子。そのつもりで観ていたので、途中で話が混乱しかけました(笑)。京劇も日本の歌舞伎と同じで、女性は女形の男優が演じるのですね。あのミャアミャア言う美女は女性だとばっかり思っていました(めちゃ無知やん)。それはともかく、京劇の美味しいとこ満載。高校の漢文で習う四面楚歌や虞美人、項羽と劉邦なども出てきます。 それにしても戦後中国の激動は、「大地の子」などで何となくわかったつもりになっておりますが、本当のところ私にはまだよく理解できていません。毛沢東語録を読んでいないせいかしらん。 中国やソビエトの、全体主義を前面に押し出した未熟な社会主義や共産主義のせいで、マルクスやレーニンが唱えた本来のそれらがいともたやすく否定されている現状は嘆かわしいことと言わねばならないでしょう。
2006年06月08日
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ベット・ミドラーが好きです。下品な女、あばずれ女、口うるさい女、たくましい女、そういうのを演じさせると天下一品の女優。それでいて可愛いんです。彼女の出る映画はB級であれ何であれ、出来栄えがよく面白いとの固定観念が私の中にあります。 今回観たのは2000年に制作された『MONA(モナ) 彼女が殺された理由(わけ)』。過去に『殺したい女』で共演したダニー・デヴィートが製作総指揮(監督はニック・ゴメス)に当たっています。ここでも彼女は強烈な個性で、誰からも嫌われる性悪女を堂々と見事に演じきっております。 映画の冒頭、ミドラー扮するモナはブレーキの利かない車ごと水中に没していきなり死んでしまいます。警察署長役のデヴィートが犯人探しを始めますが、町には家族も含めてモナに殺意を持つ人がごろごろ。参考人の証言にフラシュバックのように回想シーンが挿入され、新たな人間模様が現れる。 深刻なようでいてどことなくおかしいブラックコメディの佳作です。肩の凝らない、それでいて損した気分にならない、暇つぶしにもってこいの映画だと思います。今日の画像は天橋立の魔除け身代わり土鈴です
2006年06月04日
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