ポップな洋楽を求めて長年山下達郎のSSBを聴いてると、達郎氏自身の曲もほとんどの曲を聴いた気になってしまうが、考えて見ればこの「FOR YOU」というアルバムさえ聴いたことが無かったはず。82年当時たまに耳にしていたけど、バリバリに洋楽志向だった私は邦楽を馬鹿にしてあまりこの曲にまともに向き合わなかった気がする。最近シングル化されラジオでも集中オンエアされたこの曲をあらためて真剣に聴くと、その作りこんだサウンドが全く色褪せることなく、というか20数年たった今でも世界に通用する普遍的な何かを持った稀有な日本産ポップサウンドであることが分かる。80年代初頭の(大滝詠一/君は天然色は81年)明るい未来感や乾いた空気感、トロピカルな曲調、爽やかなコーラス、ハープ?などを盛り込んだ大仰な作りこみは実に気持ちよいです。流石ポップスおたくの達郎氏ですねえ。鈴木英人のイラストともよく合っています。ところでこの曲に元ネタってありますか? 「TAVARES / DON'T TAKE AWAY THE MUSIC」
は76年の華麗なフィリーダンサー風サウンドで、明るく乾いた雰囲気やテンションの高さなどが共通項。サビのメロディも若干似た感じがするし出だしにハープが入ったりするところも一緒。同じアルバム収録の「HEAVEN MUST BE MISSING AN ANGEL」にもハープ風音色が聴こえるからやはりこのアルバムのこの2曲からの影響が強いのかと思ってしまうのだがどうでしょうか。 「志村香/秋風はあなた'86」
はハープを使用&テンション高めでこの曲の影響が感じられるフォロワー的作品。