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『五十嵐亮太』 では引き続き、西岡や福留らと同じメジャー帰りの選手について見て行きたいと思います。今回はソフトバンクに入団した最後のメジャー帰り選手である五十嵐について見て行きたいともいます。五十嵐は日本時代ヤクルトに所属し、石井(現在引退)ロケットボーイズとして活躍しました。メジャーでは自己最速の159キロを計測したものの、防御率が奮わない成績に終わり、今年は4試合のみの登板に終わり、ソフトバンクへ入団することになりました。それでは成績を見て行きたいと思います。 まず奪三振率は3Aで13.00、9.87、8.82という高い数字を記録し、メジャーでも11.25、9.78、7.42と高い数字を記録しています。また、一つ特徴的な部分としては年を重ねるごとに良くなっていることであり、徐々にアメリカに適応していったのかもしれません。次に与四死球率は3Aで3.43、2.61、5.64という数字を記録しており、メジャーでは11.25、6.98、5.64という数字を記録しています。3Aではここ2年間適応していったことから特別破綻した数字ではないものの、メジャーでは惨憺たる数字に終わっています。やはりパワーだけでは日本時代や3Aのようにごり押しする投球が通用せず、粘られて根負けして四球か痛打を浴びてしまい、メジャークラスに通用しないということでしょうか・・・。この辺りは五十嵐云々ではなく、パワーにおける日本人選手としての限界地点があるように感じますね。とはいえ、3Aでは特別破綻した制球力ではないことが分かります。つまり現時点では高い奪三振率を誇り、制球力もまずまずのものを持っており、K/BBもアメリカに適応した2年間は3.95、3.78と素晴らしい数字を記録しています。 次に重要ではないかと睨んでいる被本塁打率は3Aで0.16、0.58、1.10、メジャーでは0.00、0.47、1.19と年を重ねるごとに適応していったことを示しており、特に今年は0.16と圧倒的な数字を記録しており、被本塁打率だけでも球威に関しては十二分な物を見せていることが分かります。ついでに被安打率も見て行きますが、0.69、0.48、1.10とこちらも年を重ねるごとに良くなっており、メジャーでは2.25、1.11、0.96と特別改善できずにいました。やはり典型的な剛腕投手というだけではメジャーでは通用せず、如何に変化球の精度といった別の部分が必要であるかが分かりますね。とはいえ、3Aでは基準である0.80~0.70といった基準をも下回る数字を記録しており、被本塁打率や被安打率共に素晴らしい成績を記録しています。さすが159キロを計測した剛腕投手というだけあって球威面では日本でも大いに通用するでしょう。 元々球威は素晴らしく、加えてメジャーでカーブやスライダーといった球種を交えたことで投球に幅が広がった成果が如実に表れ、更に進化を遂げた五十嵐。元々日本時代で通用していた投球に加えて新たに身に付けた球種を引っ提げて日本球界入りするだけに全く死角が見当たりません。ひょっとすると日本時代よりも進化した姿を見せてくれるかもしれません。五十嵐の獲得はソフトバンクにとって大きなプラスとなりそうです。選手評価:S(圧倒的な成績を期待)【送料無料】マネー・ボール [ マイケル・ルイス(ノンフィクション作家) ]価格:798円(税込、送料別)
2012.12.31
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『マニー・アコスタ』 それでは引き続き、新外国人選手の検証をしていきたいと思います。今回は巨人が獲得したアコスタを見て行きたいと思います。 アコスタと言えば、154キロをも計測する今球界で活躍しやすい剛腕タイプの投手です。毎年メジャーで40試合ほど登板を重ねているバリバリのメジャーリーガーです。ところが今年は大不振で、45試合に登板したものの防御率は6.46と目を覆いたくなるほどの惨状でFAとなり、巨人へ移籍することとなりました。それでは成績を見て行きたいと思います。 まずメジャーリーガーなので、メジャーでの登板しかないように見えますが、実は3Aでも毎年20試合前後とまとまった登板数をこなしています。丁度良いのでメジャーと3A両方の成績を見て行きたいと思います。まず奪三振率は83Aでは.04、11.95、8.92と9.00前後と1イニングに1つ三振を奪うほどの高い数字を記録しており、三振を取れる投手と見て良いでしょう。また、メジャーでの奪三振率は8.75、8.81、9.53とメジャーでも高い奪三振率を記録しており、奪三振能力は申し分ないと見て差し支えないと思います。次に与四死球率ですが、3A3年間では1.29、7.52、3.72と制球力には年ごとにバラつきが見られ、特に2011年は魔が差したのか分かりませんが、目を疑う数字を記録しています。メジャーでは4.75、2.87、4.08という成績を残し、2011年だけ3Aとは打って変わって良好な数字を記録していますが、2009年は4.58という数字なので、メジャーでは大体4.00以上と見て良いでしょう。3Aでもそれ以前は4.00以上なので制球力に関してはあまり良いタイプではなさそうですね。つまり、三振は多く奪うものの、制球は不安定で最近よく見かけるサファテやミコライオ、ソーサ、同じチームのマシソンと相通じるものがあります。彼らと同じ道を歩めるかどうかは球威面に掛かっています。そこで、被安打率と被本塁打い率を見てみますと、3Aでは0.86、0.64、0.77とやはり3Aでは投球回数以内に抑え込み、被本塁打率は0.32、0.00、0.99と2010年は悪い数字ですが、ここ2年間では全く本塁打を打たれておらず、球威面は十二分にしっかりしているのではないでしょうか。メジャーでは1.01、1.06、0.76というまずまずの被安打率を残し、被本塁打率は1.33、1.15、0.91という数字を残しています。154キロを記録し、3Aでは圧倒するアコスタでさえもメジャーでは共に1.00を越えてしまうなどメジャーが如何に厳しい世界かが見えてくるような気がしますね。 元々スピードがあるだけでなく三振も取れ、球威面もしっかりしているという最近日本球界で成功しやすいタイプであり且つその指標も良好な数字を示していることから課題の制球力も上記に挙げた投手らのようにストライクゾーンでごり押し勝負ができるだけに自然と良くなってくると見て良いと思います。来季はクローザーやセットアッパーでも十分やっていけるのではないでしょうか。マシソンと共にリリーフ陣を支える役割を担える投手だと思います。選手評価:A(サファテ二世か)【送料無料】マネーボール [ ブラッド・ピット ]価格:2,682円(税込、送料別)
2012.12.30
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『ダニエル・カブレラ』 それでは引き続き、新街区人選手の調査をしていきたいと思います。今日は中日が獲得した新外国人投手のカブレラです。カブレラはオリオールズで2年連続二桁勝利をあげるなど先発投手として投げていたバリバリのメジャーリーガーで、投手版ジョーンズやマギー、ロペスといったところでしょうか。スピードも161キロを計測する剛腕投手として鳴らしましたが、肘を故障してトミー・ジョン手術して以降は球速が落ちてしまったものの、それでも145キロ前後と日本では充分に速球派の範疇にいます。それでは成績を見て行きたいと思います。 まず3年間の成績ですが、2010年8月にトミー・ジョン手術を受け、2010年自体登板が少ないばかりか2011年に至っては登板自体がなく、実質参考となるシーズンがカブレラの場合は2012年しかありません。とはいえ2010年以前のシーズンは手術前の状態で、現在の状態とは違うだけに参考にするのは難しいと思われます。なのでサンプル不足ですが、今回は2012年のシーズンのみの数字を検証していきたいと思います。そのカブレラ、今年はパイレーツ、ダイアモンドバックス傘下3Aで全てっ先発として23試合に登板しています。まず奪三振率ですが、かつては奪三振率が高い時期もありましたが、現在は5.93とやや低めの数字を記録しています。元々直球とスライダーという単調な投球なので、直球の威力が落ちた現状態では三振を奪うのは厳しいかもしれません。次に与四死球率ですが、死球が10個と多く、3.71とこれまた3.00を越え、基準を下回る数字を記録しています。三振を取る術がない上に制球自体も良くなく、正直元メジャーリーガーの割に技術的部分は低く寂しい感があります。 しかし、現在プロ野球で活躍しているソーサやサファテ、ちょっと弱いですがミコライオなどは制球自体は悪く、K/BBも低い数字でしたが日本球界では持ち前のパワーで押す投球が嵌まり、小細工抜きのストライク先行の投球を可能とした結果、制球も飛躍的に向上して好成績に繋げました。つまり、外国人投手は技術的な面よりも先天的なスピードやパワーの部分の方が大きいのではないかと思います。そういった意味では奪三振率は重要ですが、与四死球率やK/BBといった技術的な部分よりも被安打率と被本塁打率が重要になってくるのではないでしょうか。そこで被本塁打率を見て行きますと、今年は0.64と先発投手としては十分な数字で抑え込んでいることが分かります。次に被安打率ですが、126回投げて127被安打で被安打率は9.07と僅かに上回ってしまいましたが、この数字ならばパワー投手に弱い日本球界ならばやれるのではないでしょうか。 1年だけの数字なのでこれだけで判断するのは難しいですが、パワーの部分を見る限りではまずまずやれるのではないでしょうか。ただ、死球が多く、暴投も多い投手なので突如乱調気味になる感があり、安定した投球とは無縁で今一つ信頼感に欠ける投手となるのではないでしょうか。どちらかと言えば先発よりもリリーフの方が良さそうな気がします。今年で中日を退団したソーサと似たような投手なので、ポストソーサとして期待したいところでしょうか。選手評価:B(予想が難しい)【送料無料】信念を貫く [ 松井秀喜 ]価格:714円(税込、送料別)
2012.12.29
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『一時代の終了!新たなスターの誕生を望む!』 これまで大きく注目される記事や報道をスルーしてきたひねくれ?ブログですが、今回ばかりはスルーするわけにはいきません。 本日、元レイズの松井秀喜が現役を引退することを表明しました。当時まだ小学生だった私にとって野球を見ること=セリーグの試合を見ること=テレビで巨人戦を見ること=当時巨人の顔であった松井を見ることでした。そういった意味ではイチローや野茂、清原といったパリーグの名だたる選手よりもより私の常に身近な存在としてテレビの視線の先に居続けました。彼がメジャーリーグへ移籍してしまった2003年のプロ野球中継にはどこか違和感があったことも記憶に残っています。 メジャーリーグへ移籍してもヤンキースの中軸を担い、100打点を残すなどクラッチヒッターとして活躍しました。また、本塁打も30本塁打を達成するなど日本時代のような怪物スラッガーとは行かないまでも日本が誇るスラッガーはアメリカに行っても引けを取らない成績を残しました。20本打った日本人メジャーリーガーでさえ松井以外にいないにも関わらず、30本塁打という大台越えは日本人にとっては正に大偉業と言えるのではないでしょうか。残念ながらイチローの存在で松井は過小評価され気味ですが、恐らくメジャーでも通用する日本人スラッガーはこの先二度と出てこないのではないでしょうか。 これでイチロー、松井という一時代を築いた両雄のうち一人が現役引退で野球界から離れます。イチローも来年で40歳といつまでも一線でいられる年齢ではなくなってきており、一つの時代が終焉を迎えつつあります。しかし、現状のプロ野球界ではイチローや松井のようなスーパースターは出てきていません(残念ながら投手では毎試合出場しないのでスーパースターにはなれないように思います)。今後のプロ野球界のためにもスーパースターになれる野手が出てくることを切に願いたいと思います。 最後に松井選手、お疲れ様でした。松井秀喜は間違いなく永遠の日本人NO.1スラッガーです。【送料無料】不動心 [ 松井秀喜 ]価格:714円(税込、送料別)
2012.12.28
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阪神が補強した福留、日高、西岡を書きましたがやはり西岡の寸評も改めてもっとしっかりした内容を書いた方が良いかなと思いましたので、新しく書きたいと思います。 『西岡剛』 かつて千葉ロッテに在籍して首位打者や盗塁王に輝くなど日本球界を代表する内野手で、千葉ロッテ時代にはスピードスターとも言われた選手です。しかし、ミネソタ・ツインズでは3A生活となり、出場機会を求めて阪神タイガースへ移籍することを決断しました。それでは成績を見て行きたいと思います。 まずミート力ですが、今年の3Aでは7.04という数字を残し、選球眼は.604という数字を残しています。中々の数字を残してはいますが、高いというわけではなく中の上といった具合でしょうか。マートンやカーターといった選手に比べると見劣りする感があります。なので、打率はなかなかの数字は残すものの、高打率を残すという感じではなさそうです。次に長打力ですが、3AでのISOPは何と.066とこれまで取り上げてきた選手の中でも最低の数字を記録しています。この数字が低いといくら打撃の根幹部分がしっかりしていたとしても力負けしてしまい、打球が失速してしまい、内外野手に追い付かれてしまいます。皮肉にも阪神からオリックスへFA移籍した平野も同じ傾向にあり、平野も打撃の根幹部分はしっかりしていたものの、今年は.245という打率に終わっています。また、メジャー1年目の打球傾向を見ても西岡はライナーを打つ割合が僅か18%と低く、GB/フライ、ライナーの比率も1.43と極端にゴロを打つ割合が多く、西岡も同じような事態に陥る可能性があるのではないでしょうか。統一球前は長打力もそこそこあった選手ですが、正直この内容だと1本打つかどうかも怪しいのではないかと思います。 次は守備走塁ですが、阪神の場合は鳥谷という正遊撃手がいますので恐らく二塁を守ることが予想されます。しかし、UZRは-1.7、-1.1とマイナスを計上し、守備範囲や失策の面で数字を落としてしまっています。最後に走塁ですが、3Aでの今年の盗塁数は7で盗塁死が7なので盗塁得点は-1.5点となっており、メジャー1年目のUBRは-1と走塁面でもマイナスを記録しており、2011年のBSR総合では-2.4と低い数字を記録しています。このBSR得点、最高でも7点ほどしか取れない中で-2.4はかなり低い数字だと言わざるを得ないかと思います。かつてスピードスターと言われた選手だけに何かの間違いではないかと思われる方もおられるかもしれませんが、どうも千葉ロッテ時代の2008年に足の故障や膝痛などを発症してから足の陰りが出ていたようで、それまでは41盗塁、33盗塁していたものの、それ以降は18、26、22と盗塁数が減少傾向にあり、成功率も2008年以降は62%、72%、67%とプラスになるには成功率7割を越えなければいけない中、それをクリアしたのは2009年のみと足の陰りが顕著に見られます。また、2011年に併殺プレーでの際に膝を故障したことが完全に尾を引いているのでしょうか?メジャー2年間での盗塁数はそれぞれ2011年が2盗塁で4盗塁死、2012年は3Aでは7盗塁7盗塁死に終わっています。日本の投手よりもクイックをする投手が少ないアメリカならば、本来青木のように盗塁数が激増しなければならない中、逆に西岡は減ってしまっています。正直かつてのスピードを期待するのは少々酷かもしれません。 打率自体はそこそこのものを残せる可能性はあるものの、高打率を残すわけではありません。また、守備や走塁でも大きく貢献できる見込みがないので、あくまでも打撃で勝負するタイプになっているだけに現状の力で大きくチームに貢献できるかどうかはかなり微妙ではないかと思います。仮に西岡を一介の新外国人選手として見た場合、レギュラー選手としてはかなり物足りないと言わざるを得ません。今回、福留や日高、西岡とかつてのスター選手を補強しましたが、個人的に現状の実力には疑問符がつきます。来季どうなるのかを見て行きたいと思います。選手評価:C(レギュラー選手としてはポテンシャル不足)PS:三人共随分と厳しい評価になってしまって心苦しいものがありますが、あくまでも客観的に見た私の評価ですので、あまり目くじら立てずにお願いします。 ^^;)【送料無料】The Extra 2%: How Wall Street Strategies Took a Major League Baseball Team fr...価格:3,780円(税込、送料別)
2012.12.27
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以前、検証した福留は阪神への入団が決まりましたね(ただ、福留獲るのならば金本で良いような気がするのは私だけでしょうか・・・)。また、FA宣言していた平野も何とオリックスへの移籍が正式に決定しました。以前書いたネタのような記事の信憑性はともかく、まさかオリックス移籍が現実のものになるとは・・・。そこで今回、平野のオリックス移籍に便乗して新たに阪神が獲得した正二塁手候補の選手を検証していきたい・・・と思ったのですが、西岡は以前に検証済みなので、簡潔に書きたいと思います(本題はこの後で)。ミート力は7.04、選球眼は.604、全体的に中の上といった数字であり、マートンやカーターほどではないにしても一定のものはあります。しかし、ISOPは.066とかなり低く、土生の時も指摘しましたが、これではいくら打撃根幹部分があってもパワー負けしてしまう可能性あり(皮肉にも平野と同じです)。足は千葉ロッテ時代から盗塁数の減少が目立ち、アメリカで故障してからは完全に目立っており、守備は遊撃手、二塁手では共にマイナス、打撃でどれほどの結果を残すかにかかっています。 『日高剛』 阪神の大型補強選手の一人、日高の検証をしていきたいと思います。日高と言えば、打力に定評のある捕手というイメージが沸きますが、どうもレギュラー捕手というイメージはありません。常に三輪や的山、最近では鈴木、伊藤らと出場機会を分け合っているイメージがあり、不動の正捕手には至らずという感がありました。果たして阪神で正捕手を射止めることはできるのか、成績を見て行きたいと思います。 どうも最近は若手捕手伊藤の育成やベテラン捕手鈴木が多めに起用されて出場機会が激減しており、昨年は26試合、今年は52試合に留まるなど二番手捕手というよりは三番手捕手の位置づけとなっています。特に気になる点としては日高のミート力、スタメン出場のあったシーズンの年は5.00~6.00で推移しており、最高で8.00を越えていた数字はここ2年間で3.55、3.67と完全に落ちており、今年はファームですら5.43と物足りない数字を記録しています(昨年のファームでのミート力は7.00を越えていました)。選球眼も今年は.090と信じられないほど低い数字を残し、ファームでも.429、.233と以前よりも完全に低迷しています。2010年を境に打撃の根幹部分であるミート力や選球眼がはっきりと低下しており、年齢のことも考えると単純な衰えだと思います。長打力も.086と捕手としては高めなものの、特別起用するだけの魅力的な数字ではなく、ファームは.060や.040と低迷しているだけに多くは望めないかなと思います。現状日高の打撃は完全に衰えが目立ち、正直期待する要素を見つける方が難しいと言わざるを得ないかなと思います。 次に守備面ですが、2006年や2007年までは守備得点も高い数字(捕手の中では)を記録していましたが、2008年からは肩を痛めたのか突然悪くなり、盗塁阻止率も著しく低下してしまっています。正直年齢的にも以前のような盗塁阻止を期待するのは難しいのではないかと思います。 打撃に定評のある捕手でしたが、打撃能力自体は完全に低下しており、多くを望むのは酷ではないかなと思います。守備面でも盗塁阻止率の低下など、攻守共に下り坂であることを感じさせるのは否めません。かつてFA宣言で横浜に移籍しながらも活躍できずに終わった野口や橋本らと被って見えてしまい、イメージ的には長年スタメン出場できる捕手として起用されたものの、そろそろスタメンの一線を退き、控えとして苦しい時に出場するという広島で例えると倉のようなポジションに位置する選手ではないかと感じています。正直5000万を出してまで獲得するほどの捕手だったのかどうかは甚だ疑問符が付きます。また、ベテラン捕手には盗塁阻止率も高い藤井が控えており、守備面では盗塁阻止率も高い小宮山、打撃面でも今年.292と高打率を残した今成が控えているなど立場的にもかなり厳しい立場なのではないでしょうか。私としては監督が交代しただけに捕手の人材不足なオリックスにそのまま残留した方が良かったのではないかと思うのですが・・・。選手評価:D(一軍出場できるか?)【送料無料】メジャ-の投球術 [ 丹羽政善 ]価格:777円(税込、送料別)
2012.12.26
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『ブルックス・コンラド』 それでは今回は阪神に入団した新外国人野手コンラドについて見て行きたいと思います。コンラドは今年ブルワーズ、レイズに所属して49試合に出場し、過去にもメジャーでスタメン出場経験もあるメジャーリーガーです。最大のチャンスだった2011年に大きく失速してしまい、今年も打率.133と低迷してしまい、阪神に入団する形となりました。それでは成績を見て行きたいと思います。 まずミート力は過去3年間で今年の3Aでは3.20、メジャー3年間で2.28、2.51、3.47という数字を残しています。2010年ごろはメジャーで3.47という数字を残していましたが、ここ2年は対応力が下降気味で脆さが顕著になっていることが分かります。続いて選球眼ですが、今年の3Aで.592、メジャー3年間で.140、.366、.356という数字を残しています。今年のメジャーでの選球眼は壊滅的な数字なものの、基本的にはメジャーで.350ほどの成績を残していますので、3A換算だと.450~.500ほどではないでしょうか。いずれにせよ、高打率を残すと言ったタイプではないことが分かります。次に長打力を見て行きますが、今年の3AではISOP.344、メジャー3年間では.173、.165、.237と全体的にかなり高い数字を記録しています。特に3Aでの記録ですが、.344は過去最高の数字ではないでしょうか。打球傾向も見て行きますと、ライナーを入れずともGB/FBだけでそれぞれ0.63、0.55、0.61と何と1.00を切るほどのFB打者であり、典型的なスラッガーだと言えるでしょう。つまりミート力はスラッガー故に低いものの選球眼に一定の水準を保ち、圧倒的な長打力を持っている選手なので日本でも活躍できる選手ではないでしょうか。ただし、少々気になる部分としては年を重ねるごとに下がっていくミート力、衰えなのかスランプなのかが気にかかるところがあり、これ以上下がるとさすがに危険な気がしますが・・・。 次に守備走塁ですが、主に二塁手としての出場が多く、UZRは基本的に0前後の数字を残していますので、日本だとプラス圏内に入る可能性が高いのではないでしょうか。他にも一塁、三塁を守っていますが、一塁はサンプル不足で三塁はこちらも0前後を記録していますね。どうも速い打球が苦手なのか二塁に比べるとエラーでのマイナスが響いており、どちらかと言えば二塁手としての起用した方が守備でも貢献できるのではないかと思いますが、阪神は西岡を獲得しています。私なら西岡よりもコンラドを二塁にした方が守備は安定すると思いますが、恐らく和田監督は西岡を起用することになるのではないでしょうか。そうなると、一塁か三塁を守ることになりそうですね。最後に走塁面ですが、盗塁は年々減っており、今年は3Aで0盗塁4盗塁死とSB得点ではマイナスを記録しています。走塁面での指標のUBRは今年0.1とプラスを計上しているものの、2010年のピーク時を境に下降していることが分かり、どうも脚力が落ちてきているのではないかと思います。一応現時点では守備走塁共に平均レベルなものの、起用法と衰え次第ではマイナスに転ぶ可能性もあり得ます。 今年各球団が獲得したメジャー選手にも引けを取らないレベルの長打力を秘めていますが、脚力やミート力の年を重ねるごとの低下を見て行くにつれ、年齢も32歳なだけにやはり衰えが見え始めているのか?という不安は拭えません。足はそこまで期待されている選手ではないと思いますので、多少衰えても問題ないと思いますが、元々低いミート力がこれ以上落ちてしまうと対応力が決定的に低くなってしまうだけに大きな問題と言えます。果たしてこの不安が杞憂に終わればよいのですが・・・。選手評価:B(衰え傾向?が気がかりだが、杞憂なら活躍)【送料無料】The Extra 2%: How Wall Street Strategies Took a Major League Baseball Team fr...価格:3,780円(税込、送料別)
2012.12.24
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『ヴィニー・ローティノ』 それでは引き続き、オリックスの新外国人野手を紹介していきたいと思います。ローティノは今年、インディアンスとメッツに所属してメジャーにも出場していましたが、基本的には3Aでの出場が多く、今流行り?の3A~メジャーの間という位置づけの選手です。それでは成績を見ていきたいと思います。 まずミート力は7.06、7.53、2Aで8.49と高い数字を記録しています。この数字は今年西武で故障して長期離脱してしまったものの、.294という高打率を残したカーターと同程度の水準を記録しています。次に選球眼は.642、.806、2Aで1.04とこちらも高い水準を記録しており、マートンやカーターらと同じく、高打率を残せる可能性が高いのではないでしょうか。それを証明するようにやはり3Aと2Aでの打率はそれぞれ.297、.304、.307と安定した打率を記録しています。次に長打力ですが、ISOPは3年間で.150、.171、.122と.150前後で推移しており、あまり長打力を武器にするタイプではなく年間10本弱に落ち着くのではないでしょうか。 次に守備走塁ですが、今年のメジャーでの守備位置はレフトを主に守っており、3.2とプラスを叩きだしています。また、他にはライトや捕手、一塁、三塁を守っており、そちらのUZRは少ないながらも0前後と守備能力は全体能力に可もなく不可もなくごくごく平均といった選手ではないでしょうか。ちなみにARMポイントも2.7点と中々の強肩を持っていますので、外野として起用するのならば守備面でもプラスが見込めそうですね。また、走塁ですがUBRは過去常にプラスを維持し、今年は1.1と高い数字を記録しています。たったの1.1点じゃないの?と思われるかもしれませんが、実は走塁得点と言うのは大きな得点を叩きだすことができず、イチローですら最高得点は4.2ほどなのです。その中で1.1点は中々高い数字だといえ、やはり3Aと2Aでは盗塁数も14、17、22と盗塁に意欲のある選手ですね。ただ、エルマンのように盗塁で魅せるというよりは走塁で魅せる選手ではないでしょうか。守備は若干プラスを計上し、走塁でも大きく貢献することができるという点はプラス材料となるのではないでしょうか。 打撃の根幹部分は高い水準を残し、マートン(マートンはカーターやローティノを遥かに凌ぐ打撃根幹部分の高さを持っていました)やカーターと似ています。また、彼ら二人とは違って守備走塁でもプラスが見込めるというところは大きな利点と言えます。楽天や巨人が次々とメジャー選手を獲得している中、地味ではありますがオリックスはかなり優良な外国人選手を獲得したと言えるのではないでしょうか。マギーやジョーンズ、アコスタ、ロペスなど大物外国人選手が話題をさらってはいますが是非この選手にも注目して見ていきたいと思います。選手評価:S(マートンの再来を期待)【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.23
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『ブランドン・ディクソン』 それでは引き続き、新外国人選手の検証をしていきたいと思います。今回はオリックスに入団したディクソンを見ていきたいと思います。ディクソンは順調な曲線を描いていき、カージナルスの期待株と目されていましたが、どうも殻を破りきれずにここ数年は足踏み状態が続き、今年メジャー40人枠を外されてしまいました。それでは成績を見ていきたいと思います。 3Aでの起用法は先発投手として投げており、2011年と2012年にはメジャーで登板も果たしました。まず奪三振率は6.62、7.09、7.38と先発投手として十分な数字を記録しています。次に制球面は1.72、1.83、2.86と年を重ねるごとに良くなっていることが分かります。先発投手としては高めの奪三振率と十分な制球力を兼ね備えた投手だけにK/BBは3.85、3.88とここ2年間は3.00を大きく越えて4.00に迫る数字を記録しています。つまりそれは投球面は完成されており、日本で大化けする可能性を秘めた投手ではないかと思います。気になる部分としては球威面、HR/9は1.08、1.26、0.59と投球面とは逆に年を重ねるごとに悪くなっていることが分かります。H/IPも1.07、1.07、1.08と投球面が良くなっているにもかかわらず、この二つの指標は悪化しています。ミコライオやサファテ、ソーサなどが成功していくにつれ、この球威やスピードといった天性的な部分はどうも技術面以上に重要なのかなと思うだけにこの数字が落ち始めていることは少々気になる材料ではあります。 投球面は立派な数字を残しているものの、球威面に不安が残るディクソン。ディクソンを日本にいる外国人投手でイメージすると、広島のバリントンが挙がります。ディクソンの球速は平均144キロ、バリントンも大体その辺りなので、非常によく似たタイプではないかと思います。しかし、そのバリントンが3Aにいた時のHR/9は0.71、0.47、0.96と1.00を切っています。そのバリントンは1年目こそ素晴らしい防御率を記録し、前田健太を上回る成績を残しましたが、以前指摘したようにそれは出来すぎ感がありました。元々、真ん中付近にボールが集まるため、好調な時はゴロの山を築きますが、不調の時は長打を打たれるなど年間通してだと不安定さが残るタイプであり、今年はそれが顕著に現れてしまいました。しかし、ディクソンの場合はバリントンよりも球威面がなく、ゴロを打たせるタイプではないだけにバリントンほどの成績を残せるかは微妙だと言わざるを得ないかなと思います。ただ、全く使えないかと言われるとそれもまた否で、評価の分かれるタイプになりそうです。選手評価:B(先発4~6番手の力量か)【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.22
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『ケーシー・マギー』 球界に(私に?)激震が走りました。アンドリュー・ジョーンズを獲得した東北楽天は何とマギーも獲得することを発表しました。マギーと言えば、今年パイレーツで三塁のレギュラーを務めていましたが、途中からヤンキースに移籍してバックアップに廻ったので恐らくレギュラーとして出られる所へ出て行くだろうと踏んでいましたが、まさか日本球界に来るとは・・・。そんなマギーの数字を見て行きたいと思います。 まずミート力や選球眼を語る前に長打力を見て行きたいと思いますが、ここ数年は影を潜めており、ISOPも2010年は.179とという数字を記録してはいますが、それ以降は、.123、.142とそれほど高い数字を残しているわけではなく、打球の傾向でもここ2年のGB/フライ、ライナーは1.00、1.04とゴロの方が多くなっており、打球が上がらなくなっていることが分かります。福留の時もそうでしたが、これが1.00を越える選手はそれほど本塁打は打てず、マギーも2011年と2012年の2年間はそれぞれ155試合、114試合で13、9本に留まっています。ただし、これはメジャーでの成績なのでレベルが落ち、且つ球を動かさない日本野球ならば打てる可能性は秘めていますが、ジョーンズやラヘアほど派手な打者ではないかと思います。続いてミート力ですが、4.54、5.25、5.98とメジャーレベルでこのミート力は中々高めの数字ではないかと思います。最後に選球眼ですが、.414、.433、.490とこちらもメジャーレベルでこの数字は高めで、いずれも同じく楽天に入団したジョーンズよりも良い数字です。ちなみにラヘアの成績を参考にして3Aでの仮想数値を出すと、ミート力が6.81、選球眼も.680という数字になり、打撃の根幹部分がしっかりしていることが分かります。ちなみに密かに話題になっている外角低めの打率が.000という結果ですが、そもそも外角低めの打率が高い選手などいません。問題なのは外角低めのボールを打てるかどうかではなく、ボールの出し入れを見極められるかどうかと言うことであり、その部分を見て行きますとマギーは充分な対応力を持っていることが分かります。そう見て行きますと、意外に本塁打よりも打率を残すタイプの選手かもしれませんね。恐らく近年の不振はやはりGBが多く、ライナーが極端に減ったことにあり、そのことがマギーにとっては中々打率が伸びてこない要因ではないでしょうか。 次に守備走塁ですが、主に三塁を守る機会が多かったのですが、今年は一塁を守ったイニングが三塁よりも上回っています。その三塁守備は2010年までは下手だったものの、2011年からは6.5、0.7とプラス圏に入っています。ちなみに一塁守備でも2.2を叩き出し、守備でも貢献できる選手ではないでしょうか。次に走力ですが、-0.8、-6.9、-2.3と完全にマイナス圏に入っているだけでなく、-2以上のシーズンがここ3年間で二度もあるなど完全に鈍足の部類に入るでしょう。終盤では代走を出されることは確実ではないでしょうか。 メジャーで本塁打を打っている三塁手や新5番というフレーズによって長打力ばかりが先行していますが、案外この選手は本塁打よりも打率を残すタイプではないかと見ています。唯一ネックなのは打球ですが、日本プロ野球ならば動く直球が少ないことや後日書きますが、最近の配球の組み立ての関係上問題なのではないかと思います。ジョーンズとマギーというメジャー選手を獲得した楽天、どのような成績になるのかが楽しみです。選手評価:A(メジャーの打撃に期待)【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.21
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『ブライアン・ラヘア』 それではジョーンズに続く大物外人であるラヘアについて検証していきたいと思います。ラヘアは今年カブスでほぼレギュラーとしてシーズンを過ごしたものの、一塁としてはやや物足りない成績に終わりました(レンジャーズの選手で例えるとモアランドに近い位置づけでしょうか)。そんな中、ソフトバンクが獲得を表明して入団が決定しました。ジョーンズほど一線を張っていたバリバリのメジャーリーガーというほどではないものの、今年メジャーで130試合に出場したラヘアは今年の新外国人野手の中でもかなりの有名選手であることは疑いようのない事実です。それでは過去3年間の成績を検証していきたいと思います。 まず、今年のメジャーでのミート力と選球眼は2.74、.315という成績を残しました。ただメジャーの成績で検証して選手はこれまでいないので、検証しにくさは否めません。そこで2011年から過去3年の3Aの成績を中心に見て行きたいと思います。まずミート力は4.11、4.49、3.94と大体4.00前半で推移しており、やや低めの数字を記録しています。次に選球眼ですが.541、.543、388と近年は5.40辺りを推移しており、選球眼の成長が3Aでの圧倒的な数字を記録し、打率も3割を越え始めましたが、さすがに2011年の.331はさすがに出来すぎかなと思いますが・・・。最後に長打力ですが、メジャーでもISOが.190を記録していますが、3Aでは.333、.249、.241と年々高くなっていることが分かり、2011年には.333とスラッガーの領域すらも越えた異次元の数字を記録しており、正直バレンティンやペーニャ、ニック、エルドレッドらとは比べ物にならない長打力の持ち主と見て良いでしょう。選球眼はまずまずのものを持っていることやラヘアがスラッガーであることを踏まえると、日本でも打率は残せる可能性も大いにあるのではないでしょうか。 次は守備走塁ですが、一塁守備は-1.1と極々平均を記録してはいますが、右翼守備となると-5.5を記録していますので外野守備は少々難があるタイプでしょうか。ソフトバンクの外野陣は内川、長谷川、プロスペクト外野手の柳田らがいますので、一塁を守ることになりそうですね。数字的にも一塁守備の方が良いのでこの辺りは利点となりそうです。次に走塁ですが、-0.6、-0.7とこちらもほぼ平均、今年の盗塁数は4つなのであまり足を使うタイプではなさそうですね。一塁を守ることや足に特徴がないので、あくまでも打撃メインで勝負するタイプのようです。 これまでの3A外国人野手を凌ぐISOを保持しているだけでなく、選球眼もこれまでのタイプよりも良く安定していることは大きなプラス材料だと言えます(選球眼が.600以上ああったら評価はSをつけました)。この数字ならば同タイプの外国人野手よりも数字は上回っているだけに日本でも主軸として活躍する可能性は高いのではないでしょうか。そう考えますと、ソフトバンクには内川、ペーニャ、松田、プロスペクト選手の江川や柳田も控えている布陣に更にラヘアが加わり、かなり強力な打線を形成できるのではないでしょうか。また、上手い具合に3Aとメジャーの成績組み合わさっていたので、バリバリのメジャーリーガーを評価する上では今後の良い参考となるかもしれませんね。選手評価:A(本塁打王争いに期待)【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.19
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『アンドリュー・ジョーンズ』 続いては楽天が獲得した大物外国人野手であるジョーンズを検証していきたいと思います。今更ジョーンズの紹介はもう必要ないでしょう。それでは成績を見て行きたいと思います。 まずミート力ですが3年間で3.28、3.06、3.80と全盛期に比べて落ちてはいるものの、元々この選手のミート力は4.00前半~5.00で推移していただけに若干衰えは見られるものの、昔は良かったというわけではなく大体こんなものです。次に選球眼ですがこの選手は元来四球を選ぶタイプではなく、四球の数は最高でも83とメジャーを代表する強打者にしては著しく低い数字を記録しています。3年間での成績は.394、.467、.616で、今年こそ故障によって悪かったものの、例年.500~.600辺りを推移していますので、そこまで悪くはなくまずまずといったところでしょうか。ただし、ここ二年間は.500を切っているだけに油断は禁物と言ったところでしょうか。現時点では打率を残せるタイプかどうかは微妙ですが、これはレベルの高いメジャーの成績なので判断しかねるものがあります。最後に長打力ですが、.210、.247、.255とメジャーの舞台でもISOPが.200を越しており、日本球界にはいない強大なスラッガーと言えるのではないでしょうか。打球も当然FBが多いのですが、特に今年の打球傾向はライナーを入れずともFBの数はGBを大きく越えているだけに長打力を期待できる打者だと言えるでしょう。ミート力、選球眼は今一つですが、これだけにパワーがあれば日本人投手の投げる直球は綺麗な回転の直球であり、且つ球を動かす投手は殆どいないだけに容易にスタンドインできるのではないでしょうか。 次に守備走塁ですが、3年間は主にレフトを守っており、UZRは2.8、2.0、-0.7と平均よりも微増を記録しており、打撃だけでなく守備面でもプラスを期待できるかもしれない(ただし、その数字は微々たるものなので過度な期待は禁物)。走塁は2011年こそ悪いものの、それ以外は特別低くはないので足を引っ張らない程度の走力は持っているのではないでしょうか。皆さまは今のジョーンズはパワーだけで守備走塁は足を引っ張るタイプではないかというイメージがあるかもしれませんが、案外守備走塁は平均レベルのようです。 確かにミート力や選球眼は低いものの、同じタイプの3A選手でも圧倒的なパワーを持っている選手は活躍できる下地があります。その活躍したバレンティンやペーニャといった日本球界を代表するスラッガーすらも凌駕する圧倒的な長打力ならば日本でも活躍が期待できるのではないでしょうか。更にパリーグにはドーム球場が多く、空調によってスタンドインしやすいこと(目立たないが実際に札幌ドームは東京ドームよりもかなり飛ぶ)やKスタにラッキーゾーンが設置されるところはジョーンズにとっても大いにプラスに働くでしょう。本塁打王争いを見せてもらいたいところです。選手評価:A(メジャーのパワーに期待)【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.18
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『福留孝介』 それではバーゲセンに続き、新戦力選手となるであろう福留の検証をしていきたいと思います。福留の去就は現在不明ではあるものの、メジャーを断念したことや日本球界の阪神や横浜、中日が獲得に向けて競争しているだけにいずれかの球団に入団することは確実な情勢となってきています。福留の契約金は現在阪神が提示しているであろう3年6億円の数字から察するにかなり年俸高騰することが予想されます。そんな福留の現状の実力を検証していきたいと思います。 まず大きな利点は選球眼の良さ、3Aでは40四球/29三振と1.38という素晴らしい数字を記録していることにあります。安定した成績を残すためには選球眼の良さが絶対であり、この高い数字はマートン以来の数字です。しかし、打率を残すためにはそれに加えてミート力の高さが必須ですが、福留の場合はこのミート力が3.50とかなり低い数字にあることが問題です。これが低いといくら選球眼が良くともバットに当てる技術が足らず、中々打率が上がってきません。ちなみに阪神のマートンや今年解雇となりましたが西武のカーターはいずれもこの二つの数字が高く、それが高い打率を残す礎ともなっているのです(マートンは今年不振でしたが)。 ただし、これは打者がアベレージヒッターの場合であり、長打を打つのことを主眼とする選手は三振数が増加するのは当たり前であり、パワーヒッターならば一定のISOPがあれば高打率を残すことができます。ソフトバンクのペーニャや広島のニック、エルドレッドらはミート力、選球眼共に低い数字でしたがISOPの圧倒的な高さによってカバーし、活躍に繋げました。つまり選球眼の高い福留ならばISOPが高ければより一層の活躍できるということです。そんな福留の3AでのISOPは.093・・・、.100にも満たないこの数字はこれまで扱ってきた選手の中でも最低の数字を叩き出しています。残念ながら現状の福留には高打率を残すことは期待できず、.250~.280辺りを推移し、長打力も恐らく発揮されない可能性が非常に高くなってきています。ただ、日本に帰ってきたら井口や松井稼のように長打力を発揮できるのでは?という方もおられるかと思いますが、最後にメジャーで一線を張った年の数字をご覧ください。井口 GB/フライ、ライナー 0.76松井 GB/フライ、ライナー 0.92福留 GB/フライ、ライナー 1.10 通常、長打になる確率が高いのはゴロよりもフライ、ライナー性の打球であることはお分かりになられるかと思います。現に井口や松井稼はメジャーに行き、かつてのスラッガーぶりこそ影を潜めたものの、それでも打球の質は日本時代のものをキープしてきていました(解雇された年は不振なのでゴロが多いですが)。しかし、福留の場合は一線を張っていた年で既にゴロの方が多い打者になっているのです。GB/FBならば1.00を越えるのは分かりますが、ライナーをも入れた上でのこの数字は完全に転がして打つ傾向が強くなっていると言わざるを得ず、日本に来ても長打を打てる可能性は低いのではないでしょうか。 それでは次に守備と走塁面です。かつては福留のライトからの返球や走塁面も評価され、メジャーデビューした時期はイチローと松井を足した選手と論じられていました。ところが今では年々衰えが激しくなっており、守備を評価するUZRは-5.6、-11.5とかなり悪く、かつての守備を期待するのは難しいかもしれません。また、それに比例するように走力も悪化し、UBRは2009年ごろから常にマイナス、2011年には何と-4.6と大幅に悪い数字を記録しています。このUBR、最高でも7点程しか稼げず、イチローですら4点前半が最高得点である中、何と福留はイチローの真逆の数字を記録しているのです。横浜はともかく、中日や阪神は球場が広く、とてもじゃありませんがライトを任せられるレベルではありません。 結論として現状の福留にはかつて程の力は期待できそうになく、正直3年6億円も出すほどかどうかはかなり疑問符がつくところです。メジャーリーグではどれだけ素晴らしい実績があったとしても力の衰えた選手の年俸はかなり安い額に収められますが、日本は完全に逆のようですね。現状の福留がどこまでやれるのかはかなり疑問符がつくのですが・・・。選手評価:C(常時スタメンでは物足りないかも)【送料無料!】【送料無料!】マツダ商店はなぜ赤字にならないのか? 堀治喜〔文工舎新書〕価格:840円(税込、送料別)
2012.12.16
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『ブラッド・バーゲセン』 それではトレード予想はひとまず置き、再び他球団の新外国人選手調査をしていきたいと思います。今回は中日が獲得したバーゲセンを調査したいと思います。ただし、昨年予想した投手評価は野手に比べて外してしまったケースが多く、再考する必要性があるので、今回はその反省を踏まえて評価付けしていきたいと思います。しか~し、何と外国人野手の分析に関しては9割方当たっていることが判明しました!!なので外国人野手の分析はお任せあれ!!(などと言っておいて外すかもしれませんのであしからず・・・)バーゲセンは元々オリオールズの先発投手として投げていましたが、パッとせずに2年間を終えて、3Aでの登板が中心になりましたがアリゾナ・Dバックスに途中移籍して19試合に登板し、3.64というまずまずの成績を残し、来季は再び飛躍かと言ったところでの中日入団となりました。それでは成績を検証し、指標で評価していきたいと思います。 まず気になる材料として挙がるのが奪三振率の低さ、以前はどちらかと言えば奪三振率が7.00を越える年が多かったものの、今年はメジャーで5.46、3Aでは4.59、2011年はオリオールズで5.44、2010年は4.29と最高でも5.40を超す程度で三振奪取能力の低下が挙げられます。ミコライオやサファテなどを見て行くにつれて思う部分ですが、どうも奪三振率が高い投手ほど活躍できるようなので、奪三振率が低い投手は少々気掛かりなところです。逆に制球力は良く、2012年はメジャーで2.12と3Aでの2.58、2011年は2.85、2010年は2.70とかなりの精密機械ぶりを見せています。次にK/BBですが、メジャー、3A共に年々低下傾向にありましたが、2012年のメジャーでは持ち直して2.57を記録したものの、3Aでは1.78とかなり低い数字を記録しています。しかし、実はこのK/BBは外国人投手分析の際には全く持って役に立たなかったことが分かりました。その理由は恐らく日本人打者のパワーのなさにあり、メジャーでは対応できる球威でも日本の打者は対応できず、そのことが分かった外国人投手は次々と思い切って投げられているのです。もう一つ挙げられる点は日本人打者の心得です。日本の野球界では見逃し三振を良しとせず、見逃すぐらいなら振ってしまえ!という意味不明の精神論が蔓延っています。なので、メジャーの打者に比べて球の見極めの甘さがあるため、簡単に打ち損じや無駄打ちをするケースが多いのです。現にミコライオやサファテ、中日のソーサや巨人のマシソンといった元々アメリカでは与四死球率が芳しくなかった投手でも日本に来た途端に良くなったケースが多く見受けられます。なので、K/BBはアテにならないとみて良いでしょう。最後にGB/FBですが何と1.43を記録するGB投手、制球も良いだけにこれは比較的安定した投球ができているのではないでしょうか。 メジャーでは奪三振能力の低さと球威のなさが仇となってしまったものの、日本プロ野球ではパワーのある打者が少ないことやナゴヤドームを本拠地とすること、日本の打者はメジャーの打者ほどギリギリまで球を見ることができない点などを考えると、日本のプロ野球ならば充分活躍できる土壌はある投手と見て良いのではないでしょうか。充分すぎる制球力もあるだけにかなり安定感のある投球が期待できそうです。現に球威のなさに関してもリリーフならば問題なさそうで、今年のメジャー成績でも被本塁打率は0.61と引き下がっているだけに日本では先発としても問題ないかと思われます。また、中日の守備陣は荒木、井端、森野と安定したアウト関与力を持つ選手が多いだけにそのことも大いにプラスに働くことでしょう。中日の先発陣として吉見や山内と共に先発として投げることになるのではないでしょうか。また、27歳と若いだけに日本で成長してメジャーリーグで活躍してもらいたいものですね。選手評価:A(先発ローテで期待)【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.14
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『宝の山が!?』 それでは引き続き、阪神と横浜の内野手についてみて行きたいと思います。この2球団は今オフの話題の中心にいると言っても過言ではない球団ですね。横浜はブランコ、ソトを獲得(ソトはまだ?)しただけでなく、多村の出戻りや福留の獲得にも力を入れるなど大型補強を敢行中です。一方の阪神は西岡を獲得し、日高をFA補強で獲得、そして福留の獲得に向かっています。何やら話が逸れてしまいましたが、見て行きたいと思います。『主力』阪神:鳥谷、西岡、新井貴、コンラド横浜:筒香、石川、ブランコ『控え』阪神:上本、大和、新井良横浜:中村、内村、後藤武、梶谷『育成』阪神:北條、西田、森田横浜:白崎、宮崎、桑原、飛雄馬、渡辺雄『在庫』阪神:関本、黒瀬、坂、野原横浜:山崎、一輝、渡辺直、後藤武 以上の形となりました。一つ言えることは両球団とも内野手が飽和気味だと言うことです。西岡が入ったことで、関本が溢れる形となり、在庫の方へ移動となりました。仮に平野が残留となった場合は上本の出番も大幅に激減することが予想されます。また、阪神は福留獲得に向かっているということは外野手を欲しがっているということです。広島の外野陣は飽和状態で、『控え』レベルの選手でも放出できるだけに思い切って上本を狙っても面白いかもしれませんね。 次に横浜ですが・・・、この球団は一体何を考えているのやら・・・。最大の汚点が育成ポジションに5人も選手がいること、これでは選手に育成するための充分な出場機会を与えることができず、素材を放置したまま腐らせることへとつながり、結局投資の無駄となるだけでなく、球界にとっての人材損失となってしまいます。話を戻して、狙うべき選手はやはり渡辺直人や後藤武敏、一輝でしょうか。後藤ならば堂林が不振な時の代替選手として起用できるだけに面白い存在となるのではないでしょうか。一輝は一定の打撃力を持ち、守備も複数ポジションをこなせるだけに内野手の質不足の広島にとっては大きな力となるかもしれません。【送料無料!】【送料無料!】マツダ商店はなぜ赤字にならないのか? 堀治喜〔文工舎新書〕価格:840円(税込、送料別)
2012.12.13
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『人材不足?』 巨人が終わりましたので、次は・・・と言いたいところですが、これだと時間がかかりすぎるので2球団ずつ行いたいと思います。今回は中日とヤクルトです。『主力』中日:荒木、井端、森野燕 :田中、川端、宮本、畠山『控え』中日:堂上、ルナ、山崎燕 :藤本、三輪、森岡『育成』中日:高橋周、杉山、溝渕燕 :山田哲、谷内、荒木、又野『在庫』中日:吉川、谷、岩崎恭、岩崎達、柳田、森越燕 :川島、水田、野口 以上のような形でしょうか。このリストを作成して改めて見てみますと、どうも中日は見込み違いの内野手を数多く獲っているのかなと言う印象を受けます。何と言いますかどの選手も特徴に欠ける選手ばかりで、現場は起用法に困るタイプが多いかと思います。現に中日の『控え』、『在庫』リストには目ぼしい選手がおりません。また、中日が高評価して獲得した堂上、吉川も成績が奮わず、中日自体も内野手の質不足で悩んでいるのではないかと思います。 次にヤクルトですが、気になる選手として川島や三輪辺りが面白いかと思います。特に川島は藤本や森岡の加入や荒木、山田の育成などで徐々に優先的地位から落ち始めています。しかし、元々のポテンシャルは高く、長打力も走力も見込める選手なので面白いのではないかと思います。中日比べると、若い選手の台頭やベテラン選手のバックアップなど比較的充実しているのではないかと感じます。【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.13
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『内野手は飽和気味か』 それでは実際にどのような選手が手に入るのかをシュミレーションしていきたいと思います。まずは日本一に輝いた巨人から順々に見て行きたいと思います。広島と違って見て行くのはお目当ての内野手のみとします。『主力』坂本、村田『控え』寺内、藤村、古城、亀井『育成』大累、辻、坂口、高橋『在庫』小笠原、脇谷、高口、中井、立岡、石井 個人的な分類付けとしては以上のような結果となりました。この中で現実的なトレードができそうなのは小笠原、脇谷、高口、中井の4名でしょうか。この中ならば脇谷と中井辺りを狙ってみるのが現実的と言ったところでしょうか。小笠原は面白い存在かと思いますが、球団的に獲らないかなと感じ、高口では少々役不足かなと思います。なので、恐らく巨人とトレードするのならば脇谷か中井ではないかと思います。【送料無料】セイバーメトリクス・リポート(1)価格:2,310円(税込、送料別)
2012.12.12
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『球団は内野手獲得へ動く模様』 本当に何も動きがない・・・と言うよりかは動かなかった広島、いつもながらブランコやソト、五十嵐など補強ポイント且つ大金に見合うだけの活躍が見込める大物選手がいてもスルーと内川獲得を逃して以降、恥を晒した(恥なら連続Bクラス、21世紀唯一のAクラスを経験してないチームと既に晒しているはずですが)とでも思っているのか拗ねたのかは知りませんが補強らしい補強を昨年同様全く行わずに来てしまいました。今のままではせいぜい今年と同じ4位がやっとでしょう。しかし、川端編成部長(この人は何をやる係なのでしょうか?)はトレードで内野手獲得を動くと記事に記載されていました。どのような選手を狙っているのかは当然皆様も(広島ファンなら)興味津津ですが、まずは誰をトレード候補にして狙っているのかを見ていきたいと思います。そこで便利なのが日本ハムが採用しているBOSシステムで、選手の能力や成績、年俸を考慮して『主力』、『控え』、『育成』、『在庫』の4つに分類されます。広島というチームを考えた場合、トレード候補になりうるのは『控え』もしくは『在庫』の二つであることが予想されます。そこで勝手な私見で4つに分類していきたいと思います(育成選手は除き、当然のごとくトレードで獲得する内野手も除外)。『主力』投手:前田健、大竹、野村、今村、今井、福井、青木、バリントン、ミコライオ、ソコロビッチ捕手:石原外野:前田、エルドレッド、ニック、ルイス『控え』投手:横山、河内、中田、江草、久本、中崎捕手:倉外野:丸、岩本、廣瀬、天谷、中東『育成』投手:武内、戸田、金丸、岩見、中村恭捕手:磯村外野:土生、高橋、下水流『在庫』投手:上野、篠田、斉藤、永川、菊地原、梅津、大島、岸本、伊東、弦本捕手:會沢、白浜、上村外野:松山、赤松、迎、鈴木、申、中村憲 改めて何と見ますと、層の薄さに驚かされます。特に外野、数は多いもののはっきり主力と言い切れる選手は誰一人おらず、代打専門なものの前田しかいませんでした。この中から『控え』と『在庫』の二つを見て、恐らく放出はないと思われる選手を除外したリストを公表してみたいと思います。『控え』外野:廣瀬、天谷、中東『在庫』投手:上野、篠田、斉藤、永川、梅津、大島、岸本捕手:會沢外野:松山、赤松、迎『相手都合除外理由』年齢的に欲しがらない:横山、菊地原トレードで旨みがない:伊東、弦本、白浜、上村、鈴木、申、中村憲故障歴が多すぎて恐い:河内『自己都合除外理由』主力への段階を歩み中:中田、中崎、丸、岩本トレードしたばかりだ:江草、久本 私の予想ではトレード候補リストは以上の14名ではないかと思います。特に外野手は育成ポジションでも数多くの選手を抱えていることもあり、トレードするのならばこの中の誰かであることが確実ではないかと見ています。余談ですが、『トレードで旨みがない』という部門に入れさせてもらった選手は来季戦力外の可能性がある選手ですので、挙がった選手は一層の努力をしてもらいたいところです。次回は他球団の内野手リストを4つの分類に分けてみていきたいと思いますので、乞うご期待を。【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.11
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『今やプロ野球はメジャーリーグの登竜門であることを自覚すべき』 田澤ルールという言葉はご存知でしょうか?以前、田澤がドラフト上位候補の一人として注目されてましたが、プロ野球を拒否してメジャーリーグ入りを決断したことによる報復措置です。このルールの詳細はドラフト対象選手が日本プロ野球のドラフトを拒否して海外(主にメジャーですね)でプレーした場合、帰国後の数年間はプロ野球チームと契約できないとするものです。これを制定すれば確かにドラフト候補選手の人材流出は避けられるかもしれません。しかし、これを制定しても結局はポスティング、海外FA権によってメジャーリーグに移籍することは最早止められません。今の野球選手にとっての最大目標はプロ野球ではなく、『メジャーリーグでの活躍』なのです。 そもそもプロ野球界はメジャー移籍を人材流出と捉えますが、こんなことは別に不思議なことではなく、他のスポーツ界でもレベルの高い選手がレベルの高い舞台に行ってプレーするのは至極当然のことであり、寧ろこれまでアメリカに行って挑戦しなかった野球界の方が不自然だったのです。つまり、不自然だったものが一人のパイオニア(野茂英雄)によって自然に変わっただけのことです。現に今年、日本ハムの田中賢介や西武の中島もメジャー挑戦を表明、日本ハムの斉藤佑樹も高校生の段階で「将来目標はメジャー」と公言していましたし、田中将大や前田健太らも将来的にはメジャー行きを選択するでしょう。 それは言い方は悪いですが、『メジャーに挑戦するための力を日本プロ野球で蓄えた』と言え、更に突っ込んだ言い方をすれば『日本プロ野球を踏み台にしてメジャーに行く』ようなものなのです。しかし、それこそが日本プロ野球界に求められている役割ではないのかと感じます。事実、あと一歩のところまで来るがメジャーの壁に跳ね返されて3Aとメジャーリーグを行き来していたルイスやボーグルソンも日本でプレーし、力を蓄えてメジャーの舞台へと戻り、共に先発ローテーションに定着し、特にボーグルソンは今年14勝をあげてバムガーナーやケーン、ジトらにも見劣りしない素晴らしい成績で世界一に輝きました。彼らも活躍できた理由は日本プロ野球での経験が生きたとコメントしていました。今の日本のプロ野球が生きる道は正にこれではないかと思います。力のある選手を育成し、そしてメジャーという最高舞台に送り出すためのリーグ、これではメジャーリーグのファームではないかと言われるファンもおられるかと思いますが、現状でも十分メジャーリーグのファーム的立場には変わりないのです。ならばしっかりと現状を見据え、そのような役割に徹するのもありではないかと思います。そのためには田澤ルールのような力のある選手の日本出戻りを拒否するような鎖国政策などもってのほかです。その役割を生かすためには外国人枠の廃止も考えるべきでしょう(何もせっかく連れてきたドミニカアカデミー選手を生かす機会がないからというわけではなく)。日本人選手だけでなく、海外の選手らも引き入れることによってよりレベルの高さを維持し、そしてメジャーの舞台へと送り出せるはずです。世界各国の力のある選手たちこそ獲得して再び送り出す役割を求めたいと思います。 人材流出はサッカーに限らず、どのスポーツ界でも当たり前な自然な流れです。プロ野球界も自然な流れを食い止めるという無駄なことはせず、逆にその流れの手助けをしなければならない時期に来ているのではないでしょうか。正直、今のプロ野球界がメジャーリーグと力を張り合ったところで、最近ではメジャーどころか3Aレベルにすら届いているかどうか怪しいと睨んでいます。自分たちだけ良ければ良いという思いではなく、本当に世界に野球を発展させていきたいと考えているのならば。【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.11
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『データは田澤>ダルビッシュを物語る』 大谷選手が当初から表明していたメジャー挑戦を覆して日本ハムへの入団を決めました。菅野と同様に非難や中傷をされてはいますが、大谷にも菅野にも入団する権利と拒否する権利があります。特別ルール違反はしていないのですから非難する必要はないはずであり、最後は自分で決めることですのでその道を信じて進んでもらえればと思います。 さて、ここからは話が変りますが、大谷が日本ハムへの入団を決めた理由は『日本、韓国のプロ野球に入らずにメジャーへ渡った選手は失敗する傾向にある』という資料がやはり大きいとされています。そして度々その失敗例として名前が挙がるのはかつて日本球界入りを拒否してアメリカへ渡った田澤純一です。彼の名前は私のようなメジャーリーグにもファンを持っている人などは知ってて当然の存在ですが、一般の野球ファンの方には誰それ?という方もおられるでしょう。つまり、一般の野球ファンにとっての田澤は「日本球界を経ずにアメリカへ渡ったから苦しんでいる」というイメージを持っておられるかと思われます。しかし、それは大きな間違いであり、今の田澤は157キロを叩き出すほどにまで成長しており、来季はレッドソックスのセットアッパー、もしくはクローザーに入ることを期待されている注目株へと昇り詰めているのです。比較対象として昨年まで日本のエースだったレンジャーズのダルビッシュの成績と合わせて見て行きたいと思います。 実際に成績を見てみますと、37試合に登板して防御率は1.43と素晴らしい成績を残していることが分かります。一方のダルビッシュは先発とリリーフの違いこそありますが、29試合に登板して16勝こそあげたものの、防御率は3.90と少々信頼感に欠ける数字となっています。そして、FIPですがダルビッシュは3.29なのに対して田澤は1.82を記録するなど何とFIPでも1点台を記録するという素晴らしい成績を残しています。また、GB/FBでもダルビッシュは1.46なのに対し、1.81と2.00に迫る数字を残し、長打の危険性を一層薄くさせています。更に決定的なのがK/BB、3.00を越えると一流投手と言われていますが、ダルビッシュは2.48と2.50を下回っていますが、一方の田澤は何と9.00と3.00の3倍にもなる数字を叩き出しており、これは非常に圧倒的な数字だと言えましょう。これより上の投手と言えば上原ぐらいであり、既に黒田や上原、ダルビッシュといった日本の超一流投手にも引けを取らないほどのポテンシャルを既に身につけていることが窺い知れます。数字上では明らかに田澤の方がダルビッシュよりも良好な数字を残しており、どちらも来季の活躍が楽しみですが、どちらかと言えば田澤の方が活躍できる安定性が高く、来季が非常に楽しみな投手ですね。 結論としては失敗どころか寧ろ成功であり、現時点でも浅尾や藤川、山口、増井らといった日本のセットアッパーやクローザーよりも明らかに能力は上であり、何故WBCに田澤を選出しなかったのか不思議に思うほどです。また大事に扱われてきただけに肩の消耗も全くなく、長きにわたって一線でいられることも好材料であり、いずれ日本を代表する投手へと成長していくことでしょう。【送料無料】プロ野球選手ホントの実力価格:1,365円(税込、送料別)
2012.12.10
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『スピルボーグズ』 最近全く情報がない広島カープ、4位の球団にも関わらずドラフトでは即戦力は獲らず、出戻り選手の獲得にも向かわず、トレードで内野手の強化もせず、結局補強らしい補強はただでさえ余剰戦力気味の外野手陣に新たな外国人外野手を追加し、久本と枠の関係で出場できるか微妙なソコロビッチのみというかなり寂しい補強に終わっています。脱線はここまでにして今回は西武の新外国人外野手について見ていきたいと思います。 スピルボーグズは聞き覚えがあります・・・、というよりはそれも当然、実はスピルボーグズは私がファンのレンジャーズ傘下3Aに所属していた選手です。残念ながらレンジャーズにはハミルトンを筆頭にクルーズ、マーフィー、たまに外野を兼任する立場のモアランド、ジェントリーと強固な外野手揃いなだけあって出番がありませんでした。正直私自身もそれほど特徴のある選手ではなく、あまりここが凄いという印象はありません。しかし、昨年はロッキーズで98試合に出場し、.210、3本塁打を記録し、2008年、2009年、2010年はスタメン出場した過去もあり、どちらかと言えば3A選手というよりはメジャーで出られる力のある選手と言うべきでしょう。そんなスピルボーグズの成績を検証してみたいと思います。 まずミート力ですが、3Aで4.42、メジャーでそれぞれ4.08、4.11、4.46と5.00を切っており、さほど高い数字ではありません。次に選球眼ですが、3Aで.466、次はメジャーで.388、.470とこちらも低い数字で、少なくとも率を残せるタイプだとは思えず、以前検証した中日の新外国人選手のルナよりも下回っています。したがって.250も届くかどうか怪しいのではないかと想像できます。次に長打力ですが、ISOPは3Aで.127、メジャーで.095、.158とさほど高い数字ではないだけでなく、徐々に長打力の数字が年を重ねるごとに落ちてきていることが分かります。 次に守備走塁ですが、今年の盗塁は7とそれほど多くなく、過去もそれほど盗塁数を記録しておらず、UBRも-2を記録しているだけに近年は足を売りにする程ではなく、逆に平均以下ではないかと推測できます。次に守備ですが、レフトやセンター、ライトと満遍なく守っているので外野のどこを守っても不都合はないかと思います。しかし、UZRはほぼ毎年マイナスを記録しており、2010年は-16.4、2011年も-2.4と低く、守備面での期待はあまりできないかと思われるのでレフトを守ることになるのでしょうか。 守備や走塁ではどちらかと言えば損失をもたらす外野手なだけに主に打撃での貢献がカギを握るのではないかと思います。しかし、打撃面はアベレージ、パワー共に厳しい数字が並び、正直レギュラーとして期待できる程の選手かと言えば疑問符がつきます。球団はポスト中島としてスピルボーグズを獲得したとのことですが、正直ポスト中島に見合う選手だとは到底思えないのですが・・・。選手評価:D(かなり厳しい)【送料無料!】【送料無料!】マツダ商店はなぜ赤字にならないのか? 堀治喜〔文工舎新書〕価格:840円(税込、送料別)
2012.12.09
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『ヘクター・ルナ』 それでは昨年以来の他球団が獲得した新外国人選手の調査をしてみたいと思います。今回は中日が獲得したヘクター・ルナを見て行きたいと思います。中日にはブランコが在籍していましたが、どうやら横浜への入団が決定的なようで代役として獲得したのかもしれません。今年はフィリーズで28試合に出場して.226、2本塁打を記録しています。それではルナの詳細な数字を見て行きたいと思います。 まずミート力は過去3年間の結果では5.76、6.28、5.53と特別悪いわけでもなければ良いわけでもなく、まあ平均的と言うべきでしょうか。続いて選球眼は.627、.656と過去2年間は平均以上で良かったものの、今年に関しては.390と大幅に悪化しているところが気にかかります。つまり、現時点ではミート力は並ほどのもので、選球眼は平均以上に高かったものの、今年に関しては大幅に悪化しており、現時点では高打率を残すとかそういったタイプではなさそうです。続いてISOPですが、過去3年間は.184.166、.185と.200を越えるほどの高さはなく、長距離打者ではないことが分かります。 続いて守備走塁面ですが、盗塁は3Aでも例年一桁で足を売りにするタイプではなく、UBRも僅かにマイナスを記録していることを見ると、走塁面では期待できないかなと感じます。次に守備ですが、2012年はメジャーで一塁、三塁、左翼を守りましたが、過去には二塁や遊撃を守っており、特に二塁と遊撃を守る機会が多いので基本的に守るポジションは二遊間なのでしょうか。ただ、中日には荒木と井端が控えており、三塁には森野と高橋周平がいるだけに守るポジションは必然的に一塁となりそうです。ただ、どのポジションでも大きな損失を記録した年はないだけに触れ込み通りユーティリティー性の良さはありそうですね。 現状では打撃自体はそれほど突出したものはなく、一塁を守る選手としては少々物足りなさが否めず、今年の急激な選球眼の悪化も気掛かりです。常時出場できる力はギリギリあるかもしれませんが、それでも地味な成績で終わりそうな気がします。どちらかと言えばユーティリティー性を持った守備力を見込んで獲得したのかなと思いますが、それならユーティリティー性の内野手の多い我が広島の選手とトレードすればよかったのではないかと思うのですが・・・(できれば投手と交換してもらえれば・・・。)選手評価:C(助っ人としては物足りない成績に終わる可能性あり)【送料無料!】【送料無料!】マツダ商店はなぜ赤字にならないのか? 堀治喜〔文工舎新書〕価格:840円(税込、送料別)
2012.12.08
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『新しい道筋を築く可能性も』 NPBは電通さんに一方的に契約破棄を通告され、これまでのNPBの記録がすべて消滅してしまう可能性が出てきたそうです。今のデータは全て電通さんが管理しており、これまでのデータが消滅してしまうと、最早確認することができなくなり、NPBにとってはかなりの痛手となりそうですね。しかし、違う所にお願いすることにより、もっと詳しいデータが出来上がる可能性があるのではないでしょうか。 そもそも不満な点としては今や当たり前になってきたOPSといったセイバー系指標が一切ない点、ましてや守備面では未だに守備イニングが記載されておらず、外野に至ってはレフト、センター、ライトが区別すらされていないというかなりの大雑把ぶりが挙がります。よく「野球は緻密でベースボールは大雑把」と言われていますが、私から見れば野球の方が未だにしっかりとした根拠を検証せずに昔気質の戦術や調整法、ゴールデングラブ賞の選出などかなり大雑把に見えますが・・・。寧ろベースボールの方がセイバーの浸透が根付き、もっと細かいUZRやUBR、総合評価を示すWAR、投手に至っては一つ一つの球種の回転数や落差を数値化するなどかなり緻密です。現状の日本野球はただ単に「細かいことが好きだけで、その実態は精神論のみの大雑把な考え」なのです。 幸い新たなセイバーメトリクスを扱うデータ会社などが日本でもできつつあるだけにそういったところと組むのも面白いのではないでしょうか。【送料無料】The Extra 2%: How Wall Street Strategies Took a Major League Baseball Team fr...価格:3,276円(税込、送料別)
2012.12.05
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『外野手の布陣』 それでは引き続き、外野手の布陣を考えてみたいと思います。今回は一二軍で分けるのではなく、ポジション別で区分けして見て行きたいと思います。・左翼手スタメン:エルドレッド 二番手:ニック 三番手:松山、迎 育成:高橋・中堅手スタメン:天谷 二番手:丸 三番手:赤松、中東 育成:・右翼手スタメン:ルイス 二番手:廣瀬 三番手:下水流 育成:中村憲、土生 恐らくこのような布陣になるのではないかと思います。ただし、見ていてお分かりのように他に岩本や会沢など他にも外野を守れる選手がおり、はっきり言って人数が溢れています。その割にドラフトで下水流、外国人補強でルイスを獲るなど本当にこの球団のやりたいことは謎ですね・・・。ここで気になるのがトレード、中国新聞にて「トレードで内野手補強を画策する」との記事があったそうです。そこでトレードの駒になりそうなのがこの外野陣、三番手に位置させていただいた選手たちはトレード要員となる可能性がありそうですね。【送料無料】セイバーメトリクス・リポート(1)価格:2,310円(税込、送料別)
2012.12.04
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注意:この記事は私の邪推で、根拠もありませんので話半分に見ていただければと思います。 『本当の狙いは平野だった?』 阪神は西岡に決まり、千葉ロッテとオリックスは西岡の獲得に失敗した形になりました。しかし、私個人の印象としてはそもそも千葉ロッテとオリックスはあまり熱心なようには見えませんでした。恐らく千葉ロッテはファンのことも考えて手を上げたのみで、そこまで熱心な勧誘はしなかったのではないかと思います。しかし、それ以上に興味がないように見えたのがオリックス、新聞記事では以前から西岡の調査をしていたと言っておきながら手を上げたのが最後、本当に獲得したいという思いがあるのならばブランコ、ソーサが解禁になってすぐに手を上げた横浜のようにすぐ手を上げるはず、ところが後になって手を上げ、交渉後のコメントも何故か楽観思考、どうも最初から獲る気がなかったように見え、あまり熱心さを感じませんでした。では何故手を上げたのでしょうか? そもそもオリックスは西岡とは何の絡みもなく、獲る気がないのならば最初から手を上げる必要などありません。しかし、オリックスには手を上げる必要があった何故か?それは、平野をFA宣言させるためではないかというわけです。阪神の内野陣は現在、鳥谷を含め、上本という期待の成長株、そして今は外野を守っているものの、本職は内野手の大和もいます。終盤にはスタメンを外れることもあった平野、その状況下で西岡が入ったとすれば当然出番は少なくなります。また、若手起用ということも叫ばれているので当然優先順位も上本より下がる可能性も考えられます。そして、西岡争奪戦によって年俸が高騰すれば煽りを喰らうのは当然平野、レギュラーで出れるだけの力量を持った平野が出番は少ない、年俸は減るでは納得いきません。そうなれば平野はFA宣言をする可能性がある・・・というよりかは古巣のオリックスは平野の性格を熟知し、こういう状況下になれば彼の性格ならFA宣言するだろうという見通しがあったのかもしれません。だからこそオリックスは西岡争奪戦に手を上げ、西岡の年俸を吊り上げる策に出たのではないかと思います。信憑性は分かりませんが、東スポにて二枚舌という記事も載っています。もし、この邪推が正しければ結果的に阪神は西岡と2年5億という現状の力を考えると、明らかに高すぎる年俸で入団し、平野は待遇を不服としてFA宣言しました。今のところはオリックスの思惑通りに事が運んだことになります。さて、この邪推が正しければ平野はオリックスに入団することになるのではないかと思いますが、真相は果たして・・・・。【送料無料!】【送料無料!】マツダ商店はなぜ赤字にならないのか? 堀治喜〔文工舎新書〕価格:840円(税込、送料別)
2012.12.03
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