迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

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2025.04.25
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カテゴリ: 浮世見聞記
赤字と老朽化で今月十九日をもって閉館した六本木の俳優座劇場を、吉本興業が買収してコント専用劇場に改装云々、



そもそも俳優座劇場の閉館そのものを今朝のニュースまで知らなかったので二重のオドロキ、また一つ昭和文化が消えるのかと、つひ感慨に浸る。


傳統藝能の基礎を日々學んでゐた二昔以上前、現代演劇も觀ておく必要と興味を感じた一時期に、何度か足を運んだ劇場だった。

たまたま運良くさういふものに當っただけかもしれないが、質の良い現代の演劇文化を見せる劇場、と云った印象がある。

前進座の河原崎長十郎が、歌舞伎十八番の「鳴神」を實験的な演出で上演したのもこの劇場だったことは、思へば面白いものがある。

その前進座も長十郎と同世代が苦心惨憺の末に誕生させた吉祥寺の劇場を、孫子の代で自ら潰して同情の余地も無いことに對し、俳優座のそれの場合は、「これも時代の變化、流れなのだらうか……」と、社會的理由に原因を求めたくなるのは、二昔以上前の印象が現在(いま)も生きてゐるからだらう。





これからは吉本興業の持ち物になるとは大變な宗旨替へだが、どこかのやうに跡地が駐車場になったり、ありふれた飲食店になったり、チャチな集合住宅になったりするよりかは、劇場であり續けるだけ、はるかに幸ひと云ふものだ。





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最終更新日  2025.05.06 08:06:32
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