迦陵頻伽─ことだまのこゑ─

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2025.09.07
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カテゴリ: 浮世見聞記
昭和十五年(1945年)、東京の月島と橫濱の山下公園の二ヶ所を會場に萬國博覧會が開催される予定だったが、ますますキナ臭くなる時勢下、つひに中止が決まり、幻の萬博となる(※但し同年九月二十日より約一ヶ月間、上野公園を會場に兵器へ直結する工業製品を誇示した「戰時工業総力博覧會」が、日刊工業新聞社の主催で開催される)。

隅田川に架かる勝鬨橋は、この幻に終はった萬博開催予定の名殘りであることを昭和館の小展「こんな博覧会がありました」で初めて知り、



へぇ……、とにはかに興味を覺へて現地まで足を伸ばす。



錢高組が中心となり開催予定年の昭和十五年六月十四日に完成した勝鬨橋は、月島會場へのメインゲートを予定して設計され、特長であった船舶を通すために橋の中央がハの字型に開く構造は、博覧會らしい最先端な文明を見せる目的もあったのだらう。



しかし時代が經つにつれて船舶よりも自動車の交通量が増え、戰後の昭和四十五年(1970年)十一月二十九日をもって、橋の開閉は行はれなくなる。



昭和四十五年と云へば千里丘陵で大阪萬博が開催された年であり、かつて萬博のために建造された橋が、のちの萬博が開催された年に特長だった役目を終へたのも、なにかの因縁だらうか。



國民的漫画の「こち亀」に、開かなくなった勝鬨橋を、友人との約束で再び開いて見せる少年時代の両さんの活躍(?)を描いた話しがある。

私の好きな一篇だが、アニメ版では操作室に入ろうとする両さんを止めやうとして隅田川に転落する巡査が、若き日の自分の上司だったと云ふ原作にはないオチがあり、私としては余計だな、と思ったものだった。





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最終更新日  2025.09.07 23:56:53
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