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★ 閉じた本 / ギルバート アデア / 東京創元社 [単行本]
事故で視力を失った作家ポールに口述筆記者(筆耕者)として雇われた青年ジョン。
ジョンがポールに語る虚構にポールの闇の世界は浸食されてゆく。
ジョンは何者?何のために偽りの世界をポールに伝えるのか。
彼こそポールにとって「不可解なこと・得体の知れぬ人物・謎」という意味の「A closed book」 そのものなのであろうか。
《ある日ふと思ったのだ、日常世界に生きる盲人は、作家によって構築された小説世界と関わる読者と立場がそっくり同じなのだと..........どちらも本質的に対話と描写からのみ成り立っている世界だということである》~ 本文ポールの独白より ~
ジョンとポールの会話とポールの独白だけで構成された小説。
独白部分をメタ小説としての読み解く面白さはあるが、ミステリーとしては謎解きを楽しめるものではない。
状況設定からおおよその結末も読めてしまう。
だから以下遠慮なくネタバレ大いに有りのため、閲覧注意 ٩(๑´0`๑)۶
そういや作家と口述筆記者の関係を描くストーリーとは、なーんか最近のドラマにあったような
♪(´ε` ) サテハ♪
なーんてエロい展開は期待できない。
いや、アチラに近いネタは犯行動機として終盤明かされるのだが、エロさよりエグさを感じる代物。
実はポールは目が見えていて、ポールこそジョンの嘘に騙されたふりをしているのでは?
とか、勝手にドラマチックな憶測をしてみたりもしたが大外れ。
当然の成り行きでポールは殺害され、だけどジョンには警察の疑惑の目が向けられるというのが幕切れ。
ポールの手書き原稿が見つかってその記述からジョンの犯行が暴かれ、独白の文体はポールの原稿であったという種明かしは、かなり捻りが効いているとは思う。
ただし捻りっぱなしで着地の鮮やかさが見えず、捻りすぎて尻尾が切れてしまった蜻蛉のよう。
そんな得心の行かない結構に対する、不全感のうちにこの本を閉じた。