全3件 (3件中 1-3件目)
1
![]()
エンディングは「?」状態、読者は路頭に迷い茫然自失。 これが村上作品の定番だとすれば 『1Q84 BOOK2』はまさに定番中の定番。 ところが『BOOK3』はあまりに程よい「おさまり感」。 この慣れない感覚に、逆に私は大いにたじろいでしまった。 冒頭にも驚かされた。 何と死んだと思っていた人間が生きていた……しかも二人も。 まぁ、青豆が死んでしまうと、お話の軸がぶれてしまうので、 『BOOK2』の続きを書くとしたら、生かしておくしかないか。もう一人は天吾の父。こちらは、生きているとはいいながらも昏睡状態だけど……。しかし、彼は別の形で、かつてのように集金を続けていたに違いない。この件に関する「?」は、未だ解明されていない。そして、天吾の出生の秘密、父と母との過去も不明。さらに、ふかえりのその後の足どりや、牛河の口から出てきたものも……。そしてそして、最大の「?」は反転した虎。これにより、『BOOK4』が出版されることは間違いないと私は確信。まぁ、『BOOK1』が4月-6月、『BOOK2』が7月-9月、そして、『BOOK3』が10月-12月なんだから、1月-3月の『BOOK4』が存在しないわけには絶対にいかない。つまり、あの妙な「おさまり感」は、実は虚像に過ぎなかったのだ。これぞ村上ワールド!!
2010.04.25
コメント(0)
![]()
今巻は脇役たちの活躍が目立った。 アダムスキ、修平、そしてシモン。 しかし、何と言っても特筆すべきは雨宮洋一郎。 さらに、パン・ウェイ。 そして、この二人に共通するのが、 阿字野壮介に対する想像を絶する深遠な心情。 洋一郎の想いは、息子・修平に無言の重圧としてのしかかり続け、 パン・ウェイは暗い過去を背負いつつ、阿字野のピアノを継承しようとする。カイが活躍する場面は、今巻ではほとんどなかったが、今後、洋一郎・修平親子とパン・ウェイのただならぬ想いが向かう矛先が、カイ一人に集中していくだろうことは、誰の目にも明らか。それらの攻撃(?)を見事に乗り越え、さらに自分だけのピアノの世界を築いていく。お話しとしての密度が、一気に高まった今巻は、これまで発行されたものの中でも、最も優れた一冊に仕上がっている。
2010.04.04
コメント(0)
![]()
時代を感じずにはおれない作品だった。 結婚・入籍して夫となった人とは言いながらも、 実際、共に過ごした時間はごく僅かだった男のために、 これほどお金や時間をかけて動き回る妻って、当時は本当に存在しえたのか? また、色んな個人情報が、あちこちでいとも簡単に入手できてしまうのも驚き。 今なら、素人が単独で動いたのでは、こう簡単に情報収集はできないだろう。 さらに、鵜原宗太郎が青酸カリ入りのウイスキーで殺害されたのを知りながら、 なぜ、本多が久子の差し出すウイスキーを飲んでしまうのかは、理解に苦しむ。ただ、この作品の文章がとても読みやすいことについては、本当に感心させられた。私は、松本作品を読むのは初めてだったが、流れるようにスラスラ読むことが出来た。お話しの展開にも不自然さはなく、作品全体の持つ色合いも鮮明なもので、TVドラマで「砂の器」を見たときと、ほぼ同じ印象を受けた。まだ、先日公開された映画は見ていないが、広末さんがどのように禎子を演じたかについては、とても興味がある。
2010.04.04
コメント(0)
全3件 (3件中 1-3件目)
1

![]()
![]()