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映画も公開中ということで、現在最もホットな一冊。 そして期待に違わず、ページを捲る手を止めることができない。 その時々に世間を騒がせた大事件を随所で取り込みながら、 様々な母と子の形に迫っていく。 このような、複数の時事問題を作品中に散りばめながら、 それを物語の核として、一つに紡ぎ合わせていくという手法は、 『千里眼』シリーズの著者・松岡さんが最も得意とする エンターテイメント作品の手法と共通するものである。また、複数の人間にスポットを当てながら、それぞれの観点からストーリーを展開していく手法は、『1Q84 BOOK3』をはじめとする、近年の村上作品に数多く見られるもの。複数の視点を用意することで、一つの事象の真相を深くえぐり出すことに成功している。さらに、それ以上に類似性を感じたのが、桐野さんの『グロテスク』。複数の語り手に、それぞれの立場から事件を語らせるのは、ほとんど同じ手法と言って支障ないだろう。この二つの作品の関連性は、かなり強いものである。そして、いじめに関する描写については、それを扱った様々な作品群の中で、私は、特に川上さんの『ヘヴン』との強い関連性を感じとった。作品としては、『告白』の方が先に発表されている。 ***さて、私見としては、最後だけはちょっと残念。そこに至るまでが、ほぼパーフェクトな仕上がりで、現代中学生の心理や、その背景にある母子関係を見事に描き出していただけに、何か、一瞬にして安直なエンターテイメント作品に堕してしまった感がある。もちろんこの結末に、納得・共感する読者も多かったからこそ、第6回の本屋大賞を受賞し、映画化も成されたわけである。しかし、物語の重厚さと奥行きの深さという観点から言うと、私のとしては、『グロテスク』を読まれることを、よりお奨めしたい。
2010.06.06
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白ひげは倒れず。 その力は想像を絶するものだった。 それでも、海軍大将たちの力により徐々に追い詰められていく。 そして彼は、海軍と決着をつける決心をする。 その決意を導き出したのは、能力を覚醒させたルフィー。 遂にエースのもとに辿り着き、救出に成功。 白ひげは、この時代のその先を二人に見出す。 自分は時代の残党で、新時代に自分の乗り込む船はないと言い放つ。しかし、エースは赤犬の挑発に乗ってしまう。白ひげを侮辱する言葉をそのままに、その場を立ち去ることは出来なかった。そして、赤犬はルフィーを急襲。その瞬間、兄は弟を守るために自らが盾となって……最初から最後までハイテンション、ハイスピードをキープし続け息つく暇を全く与えないという、凄まじい一冊。こんな芸当が出来るのは、現在『ONE PIECE』しか存在しないだろう。某新聞記事で最近見かけたように、確かに古典の域に近づきつつある。
2010.06.06
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