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chiko619 @ Re:新参者(09/22) 「新参者」読みました。 東野圭吾さんは、…
kimiki0593 @ 相互リンク 初めまして、人気サイトランキングです。 …
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ こんにちは! 遅ればせながらあけましておめでとうござ…
Twist @ はじめまして^^ 先ほどこのロングインタビューを読み終え…
2008.07.12
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 『文明の衝突』は、私も読んでいる最中だけれど、
 今は、長い休憩期間に突入したまま(でも絶対再開します!)。
 しかし、本著の趣は、ネーミングほど、ハンチントンに近くない。

 出てくる話は、かなり、専門的な部分も多く、
 私ごときでは、全てを理解するには、ほど遠かったが、
 とりあえず、最後まで、
 一応、何とか話の方向にだけは、ついて行くことが出来たので良かった。

本著の前半、主役となっているのは「Winny」。

「P2P(ピア・トゥー・ピア)」とは、中央サーバーを介さずに、
ネットワーク上のマシン同士が、直接接続される仕組みで、インターネットの理想型。

その開発に至る経緯と、その開発者が逮捕されるまでが、
見事に描き出されており、読んでいて引き込まれてしまう。
そして、そこに割って登場するのが「アンティニー・G」。
Winnyを媒介にして感染し、個人情報や機密情報をまき散らす凶悪なコンピューターウイルス。

  村井は大学で、自律分散協調という科目を教えている。
  自律・分散・協調というのはエンド・ツー・エンドとともに、
  インターネットの理想を象徴する言葉だ。
  システムの中にシステムを統治する管理者は存在せず、
  システムは自律して分散しているサブシステムによって構成され、

  (中略)
  だが、その三十年の努力の末には、Winnyというパンドラの箱の出現があった。
  開けてはならない箱を開けたことによって、
  Winnyはこの社会の中に、異形の空間を現出させた。
  その衝撃は国家権力をも揺さぶったのである。

  国家権力の介入の間で押しつぶされそうになっている。

そして、後半の主役は、2004年頃から急激に注目を集めるようになった「ウェブ2.0」。
この概念の中心は、一言で言えば「すべてをオープンにしていこう」というもの。
「ウェブ2.0」の考え方が目指すのは、個人と個人、個人と企業、個人と国家が
同じ地平でフラットに繋がっていく世界、つまり、エンド・ツー・エンド。

  ウェブ2.0はブランドやバーロウが夢見た理想の、正当な後継者なのである。
  90年代に大企業のビジネスに囲い込まれ、
  当初のエンド・ツー・エンドの理想を失いつつあったインターネットの
  いわば「復古運動」だったのだ。
  おそらくもっともその理想を体現しているのは、ウェブ2.0の世論形成機能だろう。

ネットの世論が、リアルな世論に結びつき、
ネット上の言論が、政治や社会を動かしていく。
そういう時代に、既に突入している感がある。
そこでは、ネットを支えるプラットフォームが、最も重要な社会的基盤となると著者は言う。

この、とてつもなく強大な権力を、最後に握るのは、一体誰なのか?
グーグル?それとも、別の企業?
あるいは、ネット世界のパワーを囲い込み、覇権を取り戻そうとしている国家?
そのせめぎ合いは、既に始まっている。





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Last updated  2008.07.13 00:16:57 コメントを書く
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