ビストロフの橋

ビストロフの橋

December 6, 2005
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テーマ: 連載(82)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 肩の荷が下り、ホッとしたのも束の間。始業のベルと同時にスネイプ教授が教壇に立ち、いつものように緊張感あり過ぎの授業が開始された。スネイプ教授にかかると、ごく簡単な咳止めの調合でさえ猛毒を扱うかのような神経を使わねばならない。
 アボット・ハンナはあれ以来ずっとウィルの近くで作業するようになっていたが、ジャスティンともども死人よりひどい顔色で神経質に材料を切り刻み、量を図っている。
 「おやおや、これでは君たちの咳止めが完成する頃には患者は死んでいるか咳をしていたことすら忘れているんじゃないかね」その様子をのぞき込み、スネイプはひどく優しい声で言った。
 確かに二人の作業は他の人よりはるかに遅れてはいたが、だからといってそんな皮肉を言うことはないだろうに。
 「正確に作業してるんだからいいじゃないですか、競争じゃないんだから早く作ればいいというものでもないでしょう」徹夜明けのせいもあるだろう、ウィルは自分でも驚くほど声を荒げた。
 「一つ聞くが、我輩は咳止め薬の教授なのかね? 我輩としては魔法薬の教師のつもりだが」
 「魔法薬の、先生です」スネイプの矛先が自分に向いたことに少なからず後悔しつつも、ウィルは引くに引けずスネイプと相対した。
 「いま諸君が鍋にかけているのは咳止めの薬だ。だが、ほかの薬だったらどうする? 正確に七分沸騰させなくてはならなかったり、時間を置くと効力を無くす材料を扱っていたら? 我輩は数年後の授業をも視野に入れて授業をしているだけなのだが、問題ありますかな?」
 この言葉にウィルは自分の浅慮を恥じた。あんな皮肉口調で言うのはどうかと思うが、スネイプの指摘は間違ってはいなかったのだ。

 だが、問題はあった。この言葉にではなく、この言葉を言った人間に。
 今の言葉はスネイプの口から出たものではなかったのだ。





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Last updated  December 6, 2005 08:17:43 AM
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