ビストロフの橋

ビストロフの橋

December 5, 2005
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テーマ: 連載(82)
カテゴリ: カテゴリ未分類
 「あっ・・・」お昼に入り、広間の席に着いていたウィルは知人を見つけ、食べかけのエクレアを皿に戻すと立ち上がった。
 ウィーズリーの双子だ。細かい三つあみを縮らせた髪型の男の子と談笑していたが、ウィルが近づくと二人だけでやってきた。
 「やぁ、調子はどうだい?」フレッドだか、ジョージだかが陽気にウィルの肩に手を乗せる。
 ドリー捜しのことを聞いているのだということはウィルにも了解できたので、ウィルはすでに見つかったことと絵だと思っていたのが勘違いだったことを伝えた。その上で協力してくれたことに礼を言う。
 「なんだ? みつかっちまったのか。じゃあ、理由を聞くわけにはいかないな」
 「ちょっと楽しみだったんだがな」
 二人はそれ以上突っ込んでは来ず、さらりと背を向けた。別に気を悪くしたというのではなく、他人の秘密に土足で踏み込むような趣味の持合せはないのだろう。
 それと、たぶんさっきの男の子との話の方が盛り上がっていて、それどころではなかったのだ。
 午後の最初の授業は温室での「薬草学」、温室内で栽培されている薬草それぞれに適した肥料を与える授業だった。

 一緒に授業を受けるスリザリン生がまったく働こうとしないのだ。
 何様のつもりかレイブンクローの生徒たちばかりに作業をやらせて後ろで見てるばかり、何度か抗議したが聞く気はないようだし、スプライト先生の目があるところではまじめにしているように見せるものだから先生に訴えることもできない。
 今ではスリザリン生はいないものと見なすことが、レイブンクロー生全員の共通した見解になっている。
 だが、ウィルとキャロルだけは無視してもいられなかった。
 おそらくはブルストロード・ミリセントの差し金だろう、授業中に必ず誰かがウィルやキャロルのローブを泥だらけの手で掴んだり、背中に虫を入れようとするのだ。
 そのため二人は常にお互いの背中が見える位置で作業するようになってしまった。
 「あっ!」授業も終わりに近づき、園芸用の道具を片付けていたウィルの背後でキャロルが小さく声を上げた。とっさに振り向いたが、キャロルはウィルではなく別のところを見ていた。
 「転んじゃった」ローブを泥だらけにしてルビーが立っている。
 その向こうには満足そうにニヤニヤ笑いを浮かべたスリザリンの連中が屯していた。
 「なにかにつまずいたらしくって、肥料の山に飛び込んじゃったの」笑いながら話すルビーにキャロルが駆け寄り、顔やローブについた泥を落としにかかる。
 幸いなことにわりと乾燥していた場所に倒れたようで手で払っただけでもかなり落とすことができそうだった。

 行くだけ無駄よ、言葉にはしないでいるがウィルを見つめる目が声高にそう告げていた。
 怒りに燃えるウィルだったがキャロルの正しさを認めるだけの分別は残っていた。小さく溜め息を吐き、何事もなかったように後片づけを済ませる。
 次の授業は魔法薬学だ。遅刻するわけにはいかなかった。
 それに、授業以外にも用事がある。ウィーズリーの双子同様にハッフルパフの面々にも、ドリーが見つかったことを知らせる必要があったのだ。
 「見つかったの? 良かったね」いの一番に知らせたハンナはちょっと残念そうに、でも捜しものが見つかったことを喜んでくれた。






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Last updated  December 5, 2005 09:48:51 AM
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