ビストロフの橋

ビストロフの橋

December 16, 2005
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テーマ: 連載(82)
カテゴリ: カテゴリ未分類
ダンブルドアはにこやかにうなずくと、整備された庭を散策するような気軽さで、森へと入っていった。
 「おおい、ウィル。ちょいと待ってくれ。中にファングがいる。いきなり開けるとあぶねぇかもしれん」小屋の入り口に立ったウィルに、ハグリッドは慌てて声をかけ、『七つ鍵のトランク』を拾うと急いで追いかけてきた。
 その声が聞こえたのだろう、小屋の中からメチャメチャに戸を引っ掻く音と、ブーンとうなるようなほえ声が数回聞こえきた。
 びっくりしたが、ニーズルはまったく動じないので危険はないのだろう。
 「待て、待て、退がれ、ファング」追いついてきたハグリッドが戸を少し開け、飛び出そうとしている黒いボアーハウンド犬の首輪を押さえながら、小屋の中へと押し込んでいった。
 続いてウィルも小屋の中に入る、とファングはおとなしく暖炉の前に行って寝そべった。ニーズルの血の匂いを嗅ぎ取ったのだろう、とウィルは思った。
 ニーズルの治療は思いのほか手間取った。
 当のニーズルが、怪我をしている身でありながらハグリッドには手を触れることすら許そうとしなかったのだ。おかげで治療はすべてウィルがやらなくてはならなかった。
 ハグリッドが細かく指示してくれるのだが、あまり器用とは言えないウィルのこと、なかなかうまく行かず時間ばかり掛かってしまったのだった。

 小ビンに移し換えられれた薬と、換えの包帯を受け取り、帰ろうかと考えたウィル、その目が机の端に載っているものの上で止まった。
 そこには傷を治療するために剃ったり切ったりしたニーズルの毛が、一まとめにしておいてある。
 魔法生物、危険を察知し避ける能力、これは「使える」んじゃないだろうか?
 ウィルは無意識に『七つ鍵のトランク』を探した。それは、戸口の横に置いてあった。
 『七つ鍵のトランク』を引き寄せ、三番目を開ける。からの空きビンを必ず一つは入れておくようにしているのだ。
 書斎に下りれば空のや得体の知れないものの入ったビンがまだまだたくさんあるので、こと薬ビンに関しては買う必要がない。
 ビンを取り出すと、慎重にニーズルの毛を摘み上げ、ビンの中に滑り込ませた。
 厳重に蓋をすると、今度は書斎への入り口を開ける。
 と、視線を感じて顔を上げる。ハグリッドが少し気むずかしげな顔でニーズルの毛の入った薬ビンを見つめていた。
 「あの、なにか?」いけないことだったのかと思いながら、ウィルは声をかけた。
 「・・・いや、なんでもねぇ。ちょいとマゼンダのことを思い出しとったのよ。いつも薬ビンを持ち歩いてはおかしなものを詰め込んだり、逆に放り出したりしてたな。そのたんびに何かしら事件が起きたもんだ。まぁ、おまえさんの場合は杖づくりのためなんだろうから草を光らせたり、花に歌を唄わせたりはせんだろう」

 書斎を開けたことで杖材のことを思い出し、ウィルはハグリッドに手伝ってもらいながら杖材の束を四つ、書斎の隅に重ねた。
 これだけあれば、もう十分だろう。
 ウィルはハグリッドにそう告げ、丁寧にお礼を言った。
 「また欲しくなったら言ってくれや、絶対に自分で森に入ったり何ぞするんじゃねぇぞ。もう、ニーズルをつれていても安全じゃねぇようだからな」






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Last updated  December 16, 2005 09:18:16 AM
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