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ロンドンテロの波紋は、未だ止みそうにないイギリスであるが、その当日、ロンドン近郊の病院で何が起きたかという裏話を少し書いていきたいと思う。その日、私は早出勤務中で、朝の患者さんの配薬やベッドバスに追われているときだった。あれは、9時半から10時くらいだっただろうか、普段はほとんど病棟に顔を見せない、名ばかりのCNS(Clinical Nurse Specialist=病棟管理師長)が突然神妙な顔をして病棟に現れ、その日働いていたシスター(師長)に耳打ちすると師長室へと消えていった。しばらくすると、師長は、「はい、みんなでブレークしましょ」といって、師長に続いて休憩室に入ると、普段はほとんどつけられることのないテレビが突然つけられ、まず、緊急ニュースで「LONDON BLAST」というのが目に飛び込んできた。えええ、えええ~~~!!といっている間に、警察に完全シャットアウトされているロンドンのあらゆる中心街の道路から、同時テロがあったバスの無残な姿が映し出され、多くの負傷者が出たことをリポーターが神妙な顔で報告していく。私たちも、固まったままテレビに釘付けとなる。そのまま、ほぼ全員のスタッフが患者さんをほっぽり出したまま(おいおい)20分はテレビの前に張り付いていただろうか。電話が鳴り響いているので、電話をとりにいくと、またあのCNSが師長を至急呼べと言ってくる。そして、師長はまた長々と神妙な顔つきで電話会議をしている様子であった。その後、今度はなんとスタッフ全員がトイレに集められ、「これからの話は、かなりマジな話やから」←なぜか関西弁話の趣旨としてはこうだった。ロンドンの病院は現在負傷者でほぼパンク状態で、その後も負傷者がまだまだ増える可能性が高いため、移動可能な患者をロンドン郊外の病院へ移す予定。そして、ロンドン郊外よりちょとまだ郊外にあるうちの病院は、そのロンドン郊外の病院で移動可能な患者を移動させてくる予定。そして、次に信じられない言葉が聞こえてきたのだった。「CNSが言うには、今病棟にいる患者全員を退院させろって」おいおい…。そんな無茶な~。アンビリーバボー。と、その場にいた全員が口々に異論を発する。そして、私たちに同意するようにシスターが続ける。「そうよ、ってことは、ほかの病院でお荷物になっている患者を全面的に受け入れることになるのよ。ナーシングホーム待ちの寝たきりばあさんとか、返る場所のない浮浪者とか、アル中患者とか」一同そろって、げ~!!!でも、物理的、現実的に言って、患者全員を退院させることなんて不可能に近い。そんな無茶なことを病院の上層部は言っているのか、馬鹿馬鹿しい!私も一部始終を聞いていて、あきれてものが言えなかった。確かに、ロンドンで起こったことは恐ろしいことだし、負傷者を助けるのは私たちの義務でもあるが、実際すでに負傷している人を追い返してまで受け入れる義務があるのだろうか。現に今いる患者のほうが重症かもしれないのに…。そういう賛否両論をかもし出した後、師長は、「みんなそう言うだろうと思っていたのよね~。でも、やっぱり上層部には逆らえないから、トリアージしてくれる?」といって、見たこともないような用紙を渡される。ちなみに、トリアージという言葉は阪神大震災以来有名になったが、災害時に患者を緊急度などによって分類し、治療や搬送の優先順位 を決めることである。といっても、病院にいて、トリアージというのも変な話。みんな、治療のインプットが必要だから入院しているわけで、、、ねえ、シスター。ちなみに、緊急入院で即手術が必要な患者から、ルーティーンでその手術を何ヶ月も時には年単位で待っている人さえいる中で、振り分けるなんて不可能に近い。そうこうしているところに、シスターから、「やっぱり患者の退院要請は却下になったわ。でも、トラウマ(急患)はクローズしたから」どうやら、コンサルタント(ドクターのトップ)から待ったがかかったらしい。それもそのはず。彼らは、その入院中の患者の手術の準備を着々と進めている状態だったわけで、それをいきなり選んでキャンセルしろと言われても困るだろう。結局は、病院のトップ(日本と違って、イギリスの病院のトップはナースのトップ)と医者のトップが病院の体裁と患者の権利を巡って火花を散らした結果、患者の権利を訴えた医者側が勝利した、ということだろうか。うーん、どうも日本のそれとあべこべな気がするのは、私だけだろうか。とりあえず、すったもんだで病棟は落ち着き、その後1週間はオンコール体勢で、空いたベッドから3ベッドをロンドン患者受け入れ用に空け(うちは、バーンズ(熱傷)とプラスティック(形成)の専門で、そういうテロで出るけが人はたいていうちの専門なので)、優雅に空ベッドとともに週末が過ぎていった。それもそうよねー、ロンドンには無数の病院があるんだもの。というわけで、蓋を開けてみれば、うちはお役御免であった。------------------------------------------------------------------それにしても、ロンドンの病院で働いている方々は大変な思いをされたことと思います。お疲れ様です。私のこのようなのうてんきな投稿で不謹慎に思われるところがありましたら、お許しください。
2005.07.22
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投稿です。ちゃいにーずティーは、まだアクティブですよ~。ただ、最近はとても忙しく、メールを書いたり、HPをアップする時間が惜しいくらい、Lisaとの時間がないのです。Lisaが眠ってしまった後も、セイとの時間が惜しくて、なかなかPCに向かう暇がありません…。と、理由をつらつらと並べてしまいましたが、、、きっと、麗秋は要領が悪いんでしょう(今頃気づいたか…)。母が、父の渡英、帰国に伴って、3ヶ月早く日本に帰ってしまい、しばらくかなりブルーな日々を過ごしていました。ナースの自分でも自覚するくらいのかなりの鬱症状に陥ってしまい、何かあるごとにホロっと涙が出てしまうような状態でした。自分で、「これで、仕事にいけなくなったら、マジで鬱やなー」などと他人事のようにぼやいていた麗秋でしたが、残念ながら(?)仕事にも無事復帰を果たし(父の渡英時2週間休みを取っていました)、次第に元の生活に戻りつつあります。ちなみに、母の帰国に伴って、セイは3年勤めていた仕事を辞め、現在はフルタイムパパ+主夫をしています。それが、結構、似合っていたりする…(笑)セイも今までLisaとの時間をあまり取れなかったため、Lisaとの時間を思い存分楽しんでいるようです。そのうち、Lisaが中国語をしゃべるようになるんじゃないかと、麗秋母は気が気ではないんですけど。Lisaは、ブロックを積むようになったり、パパ、ママ(やっとこさ)、ジージー、バーバー、アッコ(抱っこのつもり)、ナイナイ、チョーチョ、カ(蚊)、ガ(蛾)、などなど指差ししながらいろいろと言う様になりました。そのうち、Lisa語録を作ろうとも思っています(いつになることやら…)。日本に帰国したバーバーは、ジャパンライフを思いっきりエンジョイしているようです。バーバとは、今回の3ヶ月間は、価値観や子育て観の相違などでたくさんケンカしてしまい、助けてもらっている立場で偉そうなことをいろいろと言ってしまいました。やはり世代が違うんだなぁ~、と思うと同時に、母に甘えている自分も否めず、自立しなければという思いに駆られました。もちろん、その自立のためには、セイに仕事を辞めてもらわなければならず、いろいろな葛藤があり、悩みもしたのですが。(イギリスのナーサリー(育児所)、フルタイムだと1ヶ月分のほとんどの給料を持っていかれてしまうので、預ける意味がないのです)ちなみに、セイは、家でLisaと遊んでいるだけではなく、自営を目指してLisaのお昼寝中に顧客にEメールを書いたり電話をしたりとコンタクトをとるなど、スーパーパパぶりを発揮しています。頑張れ、セイ!そんなわけで、麗秋の生活はさらに忙しくなってしまい、なかなか日記のアップもままならないのですが、また、Lisaの成長期やイギリス看護のことなども含めて、書いていきたいと思っています。これからもどうぞよろしくね。
2005.07.16
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