HappyClover

2006.03.13
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テーマ: 癌(3526)
カテゴリ: 歯の事、体の事
お義母さんは昨日と比べると今日はわりとはっきりと言葉を発していました。

視力もほとんどないのか、うつろな目を宙に漂わせて、どこにあるのか解からない何かを見つめています。


「誰かを呼んで。」


突如そう繰り返し始めたので近くまでより、誰を呼ぶのかたずねるも、ただ

「誰か、誰かを呼んで。」

その繰り返し。

『看護師さん?』

と訪ねると、首を立てに振る。


ナースコールで看護師さんを呼びました。
それでも


「早く、誰か、誰かを呼んで。」


そう言い続けます。
看護師さんが病室にやってくると次は


「お父さん(私から見た義父)、お父さんを呼んで。」


そう言い始めました。
お義父さんは病室に居るんです。
ずっとお義母さんの傍らに居ます。
お義父さんはお義母さんの手を握り

「わしはココにおるから、ずっとここに。」




「お父さんを呼んでみたい。」


と仕切りと繰り返します。
誰もが代わる代わる声を掛けます。
でも看護師さんの声はわかるのか、看護師さんの声に対してそちらの方を向きながら

「お父さんを呼んでみたいの。お父さんを、お父さんを呼んでみたいの。」


その間ずっとお義父さんはお義母さんの手を握り締めているにも関わらず、解かっていないようです。


「みんな居るよ、息子も(旦那ちゃん)みゆちゃんもわしもずっと居るよ。」

そう繰り返し言いながらお義母さんの手を誰よりも強く握り締めました。
でも、解かっていないようです。
やがて旦那ちゃんに代わり、旦那ちゃんがお義母さんに呼びかけますが、それでも声は届かず、ただ


「お父さんを呼んでみたい。」


そう繰り返すばかり。

しばらくそう繰り返していましたが、やがて疲れきったようにパタリと言葉を発することをやめてしまいました。

今月に入ってからはまるで坂道を転がり落ちるかのように容態が悪くなっていきました。
そして今朝から親戚のおばさんも誰だか解からなくなってしまい、ついにはお義父さんの声さえも届かないようです。

果てしなく広がる空間を見据えるかのようにどこかを遠くを見つめて、意味のあるような無いようなことを繰り返しつぶやくお義母さん。


混沌とした混乱の中でお義母さんは何を見て何を思っているのでしょうか。。。。
やがて消え行くであろう自分の命の終わりを見据えているのでしょうか。


私はただ、それを見つめ、日記に書き起こすばかり。
お義母さんが病気と戦った日々を最後の最後まで綴ること、コレが私の今出来ること、そしてお義母さんの生きた証なのかも知れないです。





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Last updated  2006.03.14 00:32:02
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