森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2013.04.20
XML
老子の言葉に中気(ちゅうき)というのがある。ブッダに中道という言葉がある。孔子に中庸というのがある。老子の研究の第一人者である加島祥造氏は、三つともバランスの大切さを言っているという。森田先生の精神拮抗作用、調和、不即不離、両面観に通じる言葉である。
昔からバランスをとるということは、生きていく上でとても大切なことだと言っている偉人がいたのである。

私はバランスというとサーカスの綱渡りがすぐに頭に浮かぶ。高いところにロープを張って長い棒でバランスをとりながら、ゆっくりと渡りきってゆく。それを真似て机の上には手作りのヤジロベイを置いている。

森田理論でバランスといえば、「生の欲望の発揮」と「不安、恐怖」の調和を図るということが大事であろう。この関係を理解しないと、森田理論はよく分からない。
生の欲望ばかりが突っ走ると躁病の人のように始末が負えなくなる。つまり社会生活の中でうまく適応しないのである。制御機能として働く不安、恐怖を活かして調和をとりながら生活することが大切だと思う。

これが認知行動療法など他の精神療法と大きく異なる。他の療法は不安を邪魔者としてみなすのである。不安を取り去ってすっきりと解決しようとする。
森田理論では不安は自然現象だからどうすることも出来ない。不安は取り去ることはできないという。自然現象という事は、どんなに心の中で醜いことを思っても自分が責任をとる必要は全くない。それよりも不安は人間が生きていくために大切なものだ。人類の進化の過程で今までずっと淘汰されることなく、引き継がれてきたものである。不安は多くの警告を発してくれている。その警告に注意を払い、不安に謙虚に学ぶことが大切である。不安が正常に機能すれば、生の欲望が暴走することはないのである。昨今の社会問題の多くは、欲望過多で不安が正常に機能していない。
不安には感謝しなければならない。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2013.04.20 07:54:48
コメント(0) | コメントを書く
[不安の特徴と役割、欲望と不安の関係] カテゴリの最新記事


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Favorite Blog

メダカを飼っています New! 楽天星no1さん

泉佐野フィルムフェ… へこきもとさん

激しい運動の後、疲… メルトスライム25さん

神経症を克服します♪ ROSE33333さん
「私」がいる幸せ えみこた2さん

Profile

森田生涯

森田生涯

Comments

kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

Calendar


© Rakuten Group, Inc.
X

Design a Mobile Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: