森田理論学習のすすめ

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2013.10.07

無意識と意識のちがい

カテゴリ：森田療法と他の療法について

フロイトの精神分析学では、症状は過去のいまわしい出来事が無意識の領域に無理やり押しやられたものである。だから治療としては、無意識の領域に踏み込んでそのわだかまりを解消してゆくという考え方です。

これに対して森田理論はまるっきり反対の立場です。
不安や恐怖、不快な感情にとらわれている時はいうまでもなく、それらを意識している時です。
森田理論は注意をむけて意識している不安などを、無意識的注意の状態に向ける理論だといえます。
気になって仕方ないものを、「なすべきをなす」ということや、事実本位・物事本位の生活態度を身につけて、注意の度合いを薄めていったり、注意がどんどんと流転させていくように仕向けていく理論です。

面白いことに勝負事やセールスは、このからくりを逆に利用しているのです。
スポーツなどの勝負事では、相手のリズムにのっては負けてしまいます。
そこで相手のテンポやリズムを乱すということが有効になります。

ゴルフのプレー中よくやるのが、「ナイスショット。しっかり頭が残っていますね」等というのです。相手が「なるほど。頭がしっかりと残っているからナイスショットが打てるんだな」と意識するようになるとしめものなのです。

野球でも野村克也前監督が現役のころキャッチャーというポジションでの囁き戦術は有名でした。
相手が気になる私生活の話を持ち出して、急に野球に関係のないことに意識を向けてゆくのです。そしてリズムを崩していったのです。

セールス話法では、相手にとって全く必要がなく、欲しいと思っていないようなものを売りさばいてゆかねばならないことがあります。
そんな時はまず危機感をあおる話をします。あるいはこの商品を使えばこんなに便利で相手にとって役に立つメリットの話をします。つまり今まで考えてもいなかったような無意識の注意を、意識して顕在化させていくのです。
相手が危機感を意識し、その商品の有用性を認識すれば商品が売れやすくなるのです。
森田理論はこれらのたとえとは反対の立場に立っている事を考えみましょう。

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