森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.06.15
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カテゴリ: 行動のポイント
森田正馬全集5巻の251ページにのこぎりの目立ての話がある。

「今日、患者が、鋸で木を切っているところを見たが、個々の患者は、鋸の種類を選ばないうえに、いくら鋸が切れなくても、平気でひいている。鋸の切れ味などは全く無頓着である。
素人は、その研ぐ時間で少しでも木をひいた方が、その時間に、余計能率が上がると思っている。
それは大きな思い違いである。」

全くその通りである。
しかし、大工さんでもない限りそんなことは思いもよらないことである。
ましてや神経症で苦しんでいる人は、そちらに大半の注意が向けられているので無理からぬことである。

そこに注意を向けている大工さんはどのようにしているのか見てみよう。
まず新しいノミやカンナはすぐには使えません。一回砥石で研いでやっと使い物になる。

砥石の上で刃物を真っ平らにするというのは何年も経験を積まないと上手にはなりません。
一人前に研ぐことができるのに3年。納得の研ぎができるのに10年かかかるそうです。

天然砥石を選ぶときは、コツがある。
宮大工の菊池氏は、「指に唾をつけて乾いた砥石をそっとなぜる。
すると水分が引いていくのは軟らかい砥石で、なかなか引かないのは硬い砥石です。」
「研ぎ汁が白いほど柔らかく、黒いほど硬い」

砥石は硬すぎても軟らかすぎてもダメです。砥石が硬すぎると研ぐのが難しい。
軟らかいと砥石の減りが大きい。また自分の研ぎ癖の兼ね合いもあります。

研ぎは仕事の始まる前には済ませておかねばなりません。
職人としては当たり前のことです。
ノミなら12、3枚、カンナなら5、6枚、始業10分前には済ませておく。


始業10分前にはきちんと研ぎを済ませ、その日の仕事の段取りを頭に叩き込み、いざ仕事が始まれば、神経を集中して黙々とノミをふるい、カンナをかける。
これが職人としては当たり前のことです。

これはイチローのグラブの手入れと同じです。
イチローは言っています。
「毎日、グラブの手入れをして大事に使うように心がけることで、はじめてグラブは自分の体の一部となり、一つのプレーも大切にするようになる。」

奥の深い話だと思います。参考になります。
(宮大工の人育て 菊池恭二 祥伝社参照)





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Last updated  2014.06.15 13:04:51
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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