森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.07.07
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舞台俳優の演技とは、観客の前に立ったら、自分の心を真っ白にする。
「いい演技をしよう」とか「このセリフはこの言い方で」とか余計なことは考えない。
極力、他の役者の顔を見て、他の役者のセリフを聞く。
そして、その時感じたことを、どんどん表現していく。
稽古で決めたことに、どんどん上乗せしていく。

しかし「自分の心を真っ白にする」というのがとても難しいのだ。
不安、羞恥心、過剰なプライド、功名心、優越感、劣等感などの雑念が自然に湧いてくるのだ。

これらを一つにまとめれば、「演技しようとする心」だと思う。
演技しようと思ってやった演技はウソだ。

自分の心を真っ白にして、他の役者の顔、他の役者のセリフをしっかりと受け取る。
その結果、出てくる感情、出てくる表情、出てくるセリフ回しこそが、本物なのだ。

この「自分の心を真っ白にする」ということが、感情解放なのだ。
演技しようと思っている自分を壊すこと。
不安、羞恥心、過剰なプライド、功名心、優越感、劣等感などでがんじがらめに縛られた心を自由に解き放つこと。
他の役者に対して、観客に対して、そして自分自身に対して心を開くこと。そして、そしてフリでなく、本当に心を動かすこと。これこそが感情解放なのだ。
そのためには、まず恥を捨てることだ。バカになることだ。
「失敗してもいいんだ」と腹をすえることだ。

渥美清の寅さん、金八先生の武田鉄矢さん、西田敏行の浜ちゃん。
決してカッコいい人ではない。この人たちは「カッコよくやろう」などと思わず、ただひたすら自分の心を動かしている。
その潔いまでの徹し方が、僕らに「カッコいい」と思わせるのだ。

内面の輝きによって、いくらでもカッコよく、いくらでも美しくなれる。
そのためには、意思と覚悟が必要だ。
自分自身のカッコ悪い部分をさらけ出す。
(成井豊のワークショップ 感情解放のためのレッスン 演劇ブック社 7ページ)

これは森田でいうと2つのことに関係している。

人によく見られるために取り繕う、ウソをつく、見つからないように隠すということとは全く正反対です。
そういえば寅さんや浜ちゃんは、そのものずばりです。
事実を認めて、事実に従っています。失敗をネタにしてみんなを楽しませています。
だからこそみんなに安心感を与え、周りに人が集まってきます。

次に、最初の感じをとても大事にして、そこから出発していることです。
森田理論学習でいう「純な心」から出発するということです。
すると「かくあるべし」が入り込む余地が少なくなります。
自由にのびのびと生きていくことができます。

寅さんや浜ちゃんが心の病にかかるということは考えられません。
我々の目指すことは、寅さんや浜ちゃんのように、まず自分の感情や気持ちを大事にする。
そして次に相手の気持ちも大事にする。
最終的には双方が譲り合って納得してともに楽しく生きていく。
こういう方向だと思います。






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Last updated  2014.07.07 07:03:04
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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