森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.07.24
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カテゴリ: 行動のポイント
元テニスプレーヤー杉山愛さんのお母さんはテニスの名コーチです。

その杉山さんが森田理論に関係のある話をされています。
技術的に神奈川県で一番の実力があり、全国レベルでも優勝できる選手が、ある試合の決勝で負けてしまいました。
その後も、彼女は断トツの技術を持ちながら、勝てない試合が続きました。

そこで彼女とお母さんを呼んで、家での生活の様子を聞くことにしました。
朝起きたら挨拶ができているのか、片付けものなど何か決めたことをしっかりできているのか。
など細かくチェックしていくと、決めごとも無く毎日が過ぎていっていることが分かりました。

そこで、自分で「やるべきことリスト」を作り、簡単なことを列記してもらいました。
玄関の靴を揃える。神棚の水を毎朝替えるなど、10項目ほどの簡単なことです。

それを1か月に渡ってやってもらいました。
こうした簡単なことでも、毎日続けることはとても難しいといっていました。

しかし、これを続けた1か月後、彼女は神奈川県の大会で優勝し、関東の大会でも優勝するなど結果が出てきたのです。

技術力が1か月でそんなに上達したわけでもない。
これはまさに「日常生活の中でやるべきことをきちんとやることによって、自分が何をすべきかの判断力も増し、結果として試合の中でも正しい判断ができるようになった」という顕著な例です。

このような例は他にも何人もいました。
この事実は、日常生活と試合が別物ではないことを裏付けています。密接に関係しているのです。

これは森田理論でいう「無所住心」と同じ考え方です。
日常生活を丁寧にすることによって神経が活性化されて、感じが高まってくるということだと思います。
するとあたかも昆虫の触覚がピリピリとたゆまなく反応するような状態になるのです。
神経が弛緩状態から緊張状態に移行するのです。

ひらめき、気づきの連鎖が始まってくるのです。
つまり試合の中で、感じが高まり、工夫や気配りができるようになるのです。
トップレベルの選手は力が拮抗しています。最後にはこれらが試合を左右するようになるのです。

我々は、これを日常生活に応用しないのはもったいないことです。
日常茶飯事に丁寧に取り組む。雑事をきちんと片づける。

これが森田理論体得の出発点となります。
日常茶飯事に取り組むのがめんどうくさいと思ったときは、ぜひこの話を思い出してください。
(一流選手の親はどこが違うか 杉山芙紗子 新潮社 160ページより一部転載)





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Last updated  2024.06.02 23:35:25
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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