森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2014.10.10
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森田療法と森田理論学習は、言葉はよく似ていますが役割は大きく違います。
神経症の克服を目指しているのは同じですが、アプローチの仕方が全く違います。

これを混同することは、大工と左官さんは同じような仕事だから、一緒に考えるようなものです。
大工さんは壁を塗る左官の仕事は素人と同じです。左官さんもプロの大工のような仕事はできません。
また、たまに内装業でクロスを貼る仕事と床を貼る仕事の二刀流の人がいます。
しかしこれは例外です。本来はクロスの職人、床の職人ははっきり別れています。
だからクロスの職人さんに、ついでに床も貼ってくれというような訳にはゆかないのです。
プロ野球では日ハムの大谷投手が二刀流でいずれも素晴らしい成績を収めています。
これはきわめて珍しいケースです。解説者の張本氏は、これはいずれ無理がいくといっています。


医療としての森田療法は、精神科医や臨床心理士によって行われます。
主に重症患者に対して治療を目的としています。

その対象者は、第1に神経症のために家から出られない。
苦しくて仕事、勉強、家事などが手につかない。社会生活が困難になった人です。
第2に、神経症とともに他の精神疾患を抱えて苦しんでいる人です。
代表的な病気はうつ、統合失調症、心身症などです。
治療方法として、カウンセリングなどの心理療法、入院、外来森田療法があります。
ほとんど薬物治療を取り入れています。

それに対して森田理論学習は、対象者、アプローチ、目的のすべてが違います。
対象者は神経質性格を持った人です。でもなんとか日常生活を送れている人です。
あるいは神経症の蟻地獄から這い出してきた人です。

神経症とは何か、神経症の成り立ち、神経質性格の特徴、感情の法則、偏ったり、間違っている考え方のくせや誤り、不安と欲望の関係、神経質者の本来の生き方について学習します。
それによって人生観を作り変えていく。その考えを自分の生活に取り入れていく。そして社会に適応させていく。

つまり当面の神経症を治すことだけを目的としていない。
末永く活き活きと活動できるための学習しているのです。
こうしてみると森田療法と森田理論学習は競合することはほとんどない。

競合すると力関係が強いのは、医療としての森田療法の方である。
そのほうが即効的、効果的である。
森田理論学習が競合するようなことを最大の目的とすると、その役目は早晩終えてしまうであろう。

本来はそれぞれの役割をきちんと認識して、自分の役割に特化していく。
自分の役割の範囲外のところは相互に補完していくことが大切だと思います。

大型ショッピングセンターとコンビニは普通に考えると大が小を駆逐するように思えます。
でも実際には競合していません。
それはそれぞれの役割を明確にして、その役割を果たすことにフォーカスしているからです。
そのことが社会に受け入れられているということをよく考えてみなければなりません。






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Last updated  2014.10.10 06:43:38
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通りすがり@ Re:阿久悠さんが「ジョニーへの伝言」に託した思いとは(03/06) この曲の歌詞の意味がわからなくて検索し…
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