森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.01.20
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カテゴリ: 森田番外編
「八甲田山」という映画ある。高倉健、北大路欣也等そうそうたる役者が出演している。

1902年1月日本陸軍青森第8師団歩兵第五連隊の雪山遭難事故である。
参加者210名のうち199名が死亡している。
実は同時に弘前歩兵31連隊38名も逆コースで冬の八甲田の雪中行軍に参加して全員帰還している。

雪中行軍が行われた時は、未曾有の寒気団が日本列島を襲っていた。
青森市内でも最低気温氷点下12.3度、最大風速14.3mであり、おそらく八甲田では氷点下20度以下、風速はそれ以上と推定される。
両者の生死を分けたものはなんだったのか。考えられる原因は下記のようなものである。

1、 弘前隊は38名と少人数で最後まで統率力を失わなかった。


2、 弘前隊は地元の案内人7名を付けていた。一方青森隊は案内人がいなかった。

3、 弘前隊は過去2年間にわたり岩木山で雪中行軍の訓練を重ねていた。
隊員の荷物は必要最低限とし、食料や藁靴等の消耗品、宿泊を現地の民間に委託していた。
青森隊は厳冬期の八甲田における防寒の知識は皆無であった。
予備行軍では晴天に恵まれ遠足のようで雪中行軍を楽観的にみていた。
前日は壮行会が行われており、深夜まで宴会をしていた。
当然、心構え、装備も着衣も不十分であり、民間委託は考えもしなかった。

4、 弘前隊は天候不慮の時、深さ4メートルの穴を掘り、露営地で待機していた。
体力と天候の回復を待っていた。
青森隊はパニックに陥りやみくもに彷徨を繰り返し、体力を消耗していった。
無駄な行動で気力がなくなり最後は力尽きた。


まず森田理論は充分に研鑽を重ねて、森田を実際に応用している人から学んでいくことが大切であるということだ。リーダーを選ぶことだ。協力者を持っているということだ。
そして最初は物まねから入っていくことだ。それから自分の形を作っていくことだ。
そうしないと自分勝手になってしまう。つまり基本が身につかず自己流になってしまう。
そうなると森田の考え方、生活が身につく前に森田に見切りをつけてしまう。
実にもったいないことである。


次に、森田理論の学習は手あたりしだいにするものではない。まず基礎編の学習を積み重ねる。
次に森田理論体系の全体像を学ぶ。全体像の骨子は4点である。
これはすでに何回もこのブログで紹介してきた。この4点の深耕と相互の関連性の学習を徹底する。
最後に森田理論のキーワードで肉付けをしていく。
そしていよいよ森田を生活に応用していく。
これを3年ワンサイクルとして取り組んでみる。
そうすれば急速に力をつけることができるはずだ。

そして、不安というのは大きくてその数が多ければ、役に立つということである。この認識を持つこと。
不安というのは手を出さなければならないものと絶対に手を出してはいけないものがある。
ここでの不安は絶対に事前に手を出して問題点の対策を立てて、準備を重ねておくことばかりである。
青森隊はそういう不安が全く湧きおこらなかったということが問題である。
そういう意味ではこの事件は、天災というよりも人災であった。
反面弘前隊の福島大尉は不安を以前に察知して、周到な準備ができていたことが雪中行軍の成功に結びついたといえる。






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Last updated  2015.01.20 06:32:42
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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