森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.02.07
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日本人は外国人に比べるともともと感受性が豊かである。
それは芭蕉等の俳句を口ずさめばすぐに分かる。

「閑さや 岩にしみいる 蝉の声」

芭蕉は山寺の山上に立ち、眼下にうねる緑の大地を見わたした。
頭上には梅雨明けの大空がはてしなくつづいています。
そこで蝉の声を聞いているうちに芭蕉は広大な天地に満ちる「閑さ」を感じとった。
このように「閑さ」とは現実の静けさではなく、現実のかなたに広がる天地の、いいかえると宇宙の「閑さ」なのです。
梅雨の雲が吹きはらわれて夏の青空が広がるように、突然、蝉の鳴きしきる現実の向こうから深閑と静まりかえる宇宙が姿を現わしたというわけです。
この句に触発されて、私たちも淡々と変化流転している宇宙を感じとっている。


このように日本人は、わずかな自然の動きに感動します。
秋の虫の音色、春の蛙の合唱、さわやかな風、しんしんと降る雪、草花の芽吹き、むせかえるの夏等からどんどん感じを膨らませていく能力を持っています。

これは一事が万事そうなのです。
例えば木こりの人は、木にさわっただけでその木が健康なのか病気かが分かったと言います。
陶芸をやる人は土に命があると言います。
漆喰塗の職人さんは、漆は呼吸をしていると言います。
鍛治屋さんは、鉄は生きていると言われます。
その自然感応力には驚かされます。

こうした豊かな感受性を多かれ少なかれ日本人は持っています。
基本的に欧米人、中国や韓国の人はそういう感受性はあまりないようです。
秋の虫の音を聞くとあのノイズはなんとかならないのかというそうです。

外国人は風流とかもののあわれを感じる力がもともと備わっていないのです。
持っていても希薄なのです。

この感性や感受性が強いということは、もう一面では過度な心配性ということでもあります。
心配性にとらわれて、不安をなくそうとすると神経症に陥ります。
日本人は対人緊張が強い人が多いというのは、この感受性がマイナスに作用しているのだと思います。


これを活かしていくより我々を活かす道はない。
感受性が強いと人の気持ちもよく分かります。
また仕事、家事、子育て、学習の課題や問題点にもよく気がつきます。
気付くというのは一つの能力です。気づきは感じを高めてやる気や意欲を産みます。
それらを行動や実践に結びつけてゆくと、さらに感じが高まり成長発展することができます。
ですから、自分たちが生活していく上において、存分に活かしていく必要があるのではないでしょうか。





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Last updated  2015.02.07 07:40:37
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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