森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.02.08
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事実を事実のままに受け入れるというのは簡単なようでとても難しい。
2000年5月3日に起きた佐賀県の少年の起こしたバスジャック事件で見てみよう。
参考にするのは精神科医師町澤静夫氏の「佐賀バスジャック事件の警告」である。

この事件は国立肥前療養所に入院していた少年が外泊中に起こした事件でした。
病院側の記者会見にはこの主治医は現れなかった。
院長や局長が一般的な説明しただけだった。
したがって病気の診断や治療内容の詳しい説明はなされなかった。
この少年は両親の証言などから妄想や幻覚症状があるということが分かるが、これは見逃されていた可能性がある。
他人を傷つけたいという妄想や幻覚があるのに、外泊許可ははたして妥当であったのだろうか。

主治医はプライバシィーの保護という名目でマスコミからも逃げ回っていたのである。
つまり事実を白日のもとにさらすというのは隠し通されたのである。

警察は、「家族から子どもを病院に運んでほしいとの要請を受けて、ただちに出向いた」といっている。
これはうそである。警察は民事不介入のもとで、たび重なる出動要請にもかかわらず、全く動いてくれようとはしませんでした。
相談を受けていた町澤医師が警察に電話して、「家族が要請しているに何もしないでいると、新潟の少女監禁事件のように警察が非難されることになりますよ」といって初めて重い腰を上げたというのが真相である。
つまり警察も事実を捻じ曲げて自分たちの有利な証言をしていたのである。

マスコミは「強引に入院させたから子どもが怒り、バスジャクを起こし、人が殺された。あの入院は間違いだった」と書いた。
この論調はおそらく警察からのリーク、世論誘導によって出てきたものと思われる。
実態はこの少年は、入院前には中学校を襲って何人かを殺すことを計画していたのである。
入院していなかったら中学校襲撃事件を起こしていた可能性が高かったのである。
自分たちで事実を確かめもせずに利害関係者から聞いたことを事実として公開しているのである。


中学3年の時、同級生から「筆箱を返してほしいなら踊り場から飛び降りてみろ」と言われて、実際に飛び下りている。
その時第一腰脊椎圧迫骨折と診断されて入院している。
でも本人は、なぜだか先生には「いじめはありません」と答えている。
校長や教育委員会は、その言葉を真に受けている。言葉はいい加減なものである。
だから実際に調査して事実を確かめないといけない。

しかもその後、いじめはなかったということで全校の意思を統一させています。
子どもたちに「いじめはなかったといえ」と指導する担任の先生。
先生に「いじめはなかった」といわせる校長。学校にそう言わせる教育委員会。
そして裁判になって初めていじめの存在を認めるのです。
それだったら最初から事実を確かめて、事実を認めてしまえばよいのではないか。

事実を隠して弁解をする。するとどこかにほころびが見えてくる。
するとそれを隠すためにさらに言い訳をする。
でも隠しているといつかそれがばれてしまうのではないかとびくびくする。
後ろめたいのである。針のむしろに座らされているようなものである。
注意の大半がそのことに向けられて、他のことがおろそかになる。
事実を素直に認めないで自己保身をしているとどんどんと悪循環のサイクルにはまり込んでしまう。
不快な事実、不安や恐怖を認めることは苦しいことです。でもその苦しみは一瞬です。
しかし隠したり逃げたりしていると、苦しみだけではすみません。
その後ずっと続きます。そして葛藤や苦悩に変わっていくのです。
生き地獄とはこのことです。
事実を事実のままに認めるということはとても難しい。その自覚を持つことが重要です。






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Last updated  2015.02.08 07:34:10
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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