森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.04.29
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
森田先生は「人生の目的は、限りない進化発展であり、その目的に達する方法手段は努力である。
従って、人生の目的は努力ということができ、人生の実際もこの努力である。
そして、生物はみな快を求め、不快を避けようとして機能を発揮している。これが努力である。」
(「恋愛の心理」より)

運命はただ耐え忍ぶばかりがよいのではなく「生の欲望(向上発展欲)」に乗りきって、粘り強く、切り開いていくものである、という森田療法の根底に流れている教えを貫徹することが大切である。
直す必要のない神経質の症状を、何としてでも治さなければならないと、無駄にエネルギー(時間とお金、気力と体力、等)を使い果たして、人生をむなしく過ごしてしまうのではなく、せっかく人として生まれたのだから、二度とないあなたの人生がかけがえのないものとなるよう生命を燃やし、少しでもよいから世のため人のためになるような活動ができ、日々の生活がさらに充実し、具体的・建設的に進んでいくように努めていきましょう。
(生活の発見誌26年10月号の61ページより引用)

どちらも生の欲望に沿って生きていくことの重要性が述べられています。
この「生の欲望の発揮」を無視しているとどうなるのか。

そして課題や問題点、夢や目標に向かって努力している人をあこがれを持って眺めるようになります。
イチロー選手、黒田博樹投手、錦織圭選手などです。
その人たちを参考にして自分も努力精進して成長したいという気持ちはほとんど湧いてきません。
むしろその人たちと比較して自己嫌悪、自己否定で自分の存在自体を許せなくなってしまうのです。

次にカリスマ的な強いリーダーの登場を待つようになります。
自分のアイデンティティを確立していない。
自分の進むべき道を確立していないので、そういうリーダーのもとに引き寄せられてしまうのです。
リーダーの取り巻きとなり、リーダーの指示通りに行動するようになります。
自分の意志や主体性はないのです。
そういう仲間集団に所属していないと不安で仕方なくなるのです。
リーダーは人格者ばかりとは限りません。


最後に、そういう人たちが寄り集まって共通の攻撃対象を作り上げていくのです。
学校でいえば、その場の空気を読んでまとめ上げるリーダー的役割を持った人のまわりに人が集まります。
リーダーとその取り巻き集団ができます。
子どもたちはどうにかしてその仲間に加わろうと努力します。
孤立することは耐えられないからです。

当然仲間に入れてくれません。
みんなでその子どもを無視したり、あからさまに排除しようとします。

一匹狼的に生きていけるような人は問題はありません。
問題は孤独で一人ぼっちにされた子どもたちです。仲間に溶け込めない子どもたちです。
こうなるとすぐに学校に行けなくなり、不登校につながります。
仲間に加わっている子供も何かのきっかけでいつ排除されるかもしれないので、気を抜くことはできません。
こうしてみんなびくびくしながら、人の思惑に右往左往する人間になっていくのです。

森田理論ではこの「生の欲望の発揮」ということをことさら重要視しています。
日常生活を丁寧に規則正しくすることから、目標や夢を持つことまで実に幅広いことを言っています。
ここが森田理論の土台部分となります。






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Last updated  2015.04.29 08:17:03
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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