森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.05.07
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
私たちはどんな状態の時を「幸せ」というのだろうか。
私は4種類あるのではないかと思う。

1、 アルコール、セックス、ギャンブル、過食、薬物などによる「つかのまの快楽」を味わうことによる「幸せ」。
これらは適度な節度を保つことができれば、生活を活性化してアクセントとなる。
でも刹那的な刺激を求めることばかりに偏っていると、依存症に陥って生活そのもの、健康や人間関係を破綻させてしまう。
こういうものは森田理論でいう、精神拮抗作用で制御機能を働かせるということが大切である。
成長の過程で制御機能は元々獲得してくるようになっている。
ところが制御機能が働かない人がたまにいる。
制御機能が元々働かない人は、そういうものには近づかないことが肝心だと思う。


土地の収用で大金が入ってきた。株や投資信託、FXの値上がり益により大金が入ってきた。
親や知り合いの紹介により大手企業に就職することができた。
生まれた時代、家、国に恵まれていた。
日本に生まれたということは、ある意味「幸せ」なことである。
こういう「幸せ」もある。運がよいのである。
これらは、自分の努力によって「幸せ」が達成されたというわけではない。
外部環境の状況によって幸運が偶然に転がり込んできたのである。
しかし、宝くじで高額当選金を手にした人のその後の生活は、必ずしも順風満汎とはいかないようである。
土地収用で大金が入った人がギャンブルに凝ってすべてをなくして、体調も悪くなった人もいる。
投資でも一度でもよい思いをすれば、再投資して最後には大切な財産を失う人も多い。
自分の努力ではなく、ラッキーな幸運が天から降って湧いて来たような場合は、自助努力がない分、逆な面に振れてしまう恐れがあることは心しておきたいものである。


困難な目標であればある程、得られる喜びは大きい。
また自分の行動によって多くの人を勇気づけたり、利益をもたらすことができたというような「幸せ」。
マズローの欲求5段階説によると、最高位にランクされている「自己実現」の欲求である。
これは異論をはさむ余地はない。
「生の欲望の発揮」に邁進している時は、自己実現の欲求そのものである。


4、 大病をして健康のありがたさが分かる。
会社が倒産したりリストラされてはじめて仕事を持っていた幸せに気づく。
窮地に陥った時支えてくれた人の親切さが分かる。
つつましい生活ながら、生活する中に小さな喜び、楽しみをひしひしと感じながら生活していることによる「幸せ」。
例えば、道端に咲く名もない花に心動かされる。
あるいは他人のちょっとした思いやり、心遣い等に対して自然と感謝の気持ちが湧いてくる。
これらは最低限の生活を経験することによる幸せではなかろうか。
私は1、2、3に比べてはるかに幸せ度は高いのではないかと思う。
そのためにはまず、小欲知足、我唯足知という生活態度を維持していることが必要であろう。
我々神経質者の特徴は、心配性である。裏を返せば感受性豊かな人である。
感受性を高めるためには小欲知足、我唯足知という生活態度を堅持することがとても有効である。
次に、いつも投稿しているように、日常茶飯事、雑事を大切にして「ものそのものになりきる」という生活態度を維持することだと思う。
感じの発生、気づきや発見、意欲ややる気の高まりという段階を踏んで生活していくこと。
これが幸せに生きること言うことだと思う。
実現できると「幸せ」の質が全く違うものになると思う。





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Last updated  2015.05.07 07:09:32
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) New! 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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