森田理論学習のすすめ

森田理論学習のすすめ

2015.05.24
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カテゴリ: 生の欲望の発揮
岡田武史さんの話です。
日本のサッカー選手は指示を守ることにきわめて忠実です。
ボールを持った敵の選手をふたりでマークする場合、一人は接近してプレッシャーをかけ、もう一人はプレスをかけた味方が抜かれたときに備えて、少し離れた場所でカバーリングに回るのがセオリーです。
でも相手のボールの持ち方が不安定なら、二人が同時にボールを奪いに行ってもいいんですよ。
その時々で選手が判断すればよいのです。そうしないとせった試合では、とてもではないが勝てない。
つまり基本はしっかりと理解しておくことは必要ですが、状況に応じて基本は臨機応変に変化させていく方がよいのです。

ところが、私がそれを指摘すると、「いろというところにいたんですが」
「じゃあ、ミスをしてもいいんですか」という選手が多い。
つまり、指導者から「ここにいろ」という確たる指示か、そうでなければ「ミスしてもいいから思いきっていけ」という保証を欲しがっているんです。

どちらにしても、そこに自分の判断と責任でリスクをとりにいく自主性は存在しません。
いつまでもその殻から抜け出せないようでは困る。

またサッカーの監督が、選手を指示でがんじがらめにして、ロボットのように忠実に動かすことだと考えている限りJリーグでは勝てても世界水準の試合では勝てない。
勝つためには、選手個々が、その時々の突発的な気づきや発見をベースにした行動や判断が重要になるのです。基本あっての臨機応変な応用力が必要なのです。

この話は森田理論を深めるうえでとても参考になります。
仕事でも家事でも指示された事だけを機械的にこなしていけばよいと考えて、イヤイヤ仕方なしに取り組んでいる限り進歩や発展は望めないということです。
そのうち興味を失い、仕事や家事を続けることが苦痛になってきます。
ストレスがたまり続けてきます。そのうち仕事から逃げたりさぼることばかり考えるようになります。
四六時中そんなことばかり考えていると、生きていくのが苦痛そのものになってきます。

岡田武史氏は基本はしっかりと身につけないといけない。
でも一旦見つけたあとは、その基本を打ち破っていく応用力が必要になる。

なにもかも忘れて一心不乱になってみるということです。
そうしていると何らかの感じが生まれる。気づきや発見がある。
すると意欲ややる気に火がついてくる。失敗してもいいじゃないですか。
その失敗が肥やしになってまた進歩成長できるのですから。
そこまでの選手は見ていてもすぐに分かる。

(勝負哲学 岡田武史&羽生善治 サンマーク出版 81ページより一部引用)






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Last updated  2015.05.24 07:13:36
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kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 申し訳ございません。生涯森田様でした。
kurokawa@ Re:感情と行動を分離して行動する(11/11) 障害森田様 この記事の中で「心とは裏腹…
楽天星no1 @ 早速のご返事感謝 森田生涯さんへ 早速のご返事ありがとう…

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